横浜DeNAはオープン戦を9勝5敗2分けの3位で終えた。終盤まで主将佐野を欠くも、チーム打率は2割7分3厘で12球団トップ。投手陣は先発ローテーション、守護神の座を巡って最後まで競争を繰り広げた。本拠地・横浜スタジアムで広島との開幕戦(25日)を控え、チームの陣容を検証する。
開幕投手の大本命だったエース今永は不在。5年目、東が初の大役に指名された。左肘内側側副靭帯(じんたい)再建手術(通称トミー・ジョン手術)を乗り越え、オープン戦3試合で13回2/3を1失点と安定感が光った。
直球に切れがあり、球速が異なる2種類のチェンジアップも効果的だ。最終登板となった18日の日本ハム戦後、三浦監督は「問題ない。安心して見ていた」と信頼を寄せる。
4年目の大貫はチーム最多の20回を投げて防御率は1点台。2年連続でチーム勝ち頭の右腕は、好不調の波を抑えて初の規定投球回到達を狙う。
ローテーションを巡っては2投手に加え、来日2年目のロメロと坂本、石田、浜口の構図に固まった。
昨季、中継ぎで不振を極めた石田は2度の先発で計1失点。2017・18年の開幕投手が再起への足がかりを築いた。前年開幕投手の浜口は3試合無失点で意地を見せたが、チーム最多の9四球と制球力は依然として不安を残す。
4年目の上茶谷は3度の登板機会で失点を重ねてアピールできず。ただ、斎藤チーフ投手コーチは6枚の先発枠に関し「不動かと言われると、まだそんな感じはしない。シーズン中も競争は起きる」。
ファームでは京山、阪口の若手勢も好投。左前腕部を故障している今永が復帰するまでの間、状態の良い選手を起用するなど、柔軟な入れ替えで試合をつくりたい。
救援陣は新顔が台頭した。2年目の入江は先発から中継ぎに配置転換。長身から繰り出す常時150キロ台の直球は迫力十分だ。ドラフト4位新人の三浦(法大)も存在感を高めた。3試合連続無失点でアピールし、三浦監督も「1軍で通用するボールを投げている」と評価した。
不安要素は剛腕エスコバー。甘い球を連打されるなど本調子とは程遠い。「信頼感は下がっていない」(斎藤チーフ投手コーチ)との首脳陣の期待に応えられるか。来日した新外国人クリスキーの実力も未知数だ。
クローザー候補の三嶋と山崎は互いに一歩も引かなかった。山崎はストレートに球威が戻り、三嶋もシュートを駆使していずれも6試合無失点と結果を示した。「決めてないし、2人もまだたぶん知らない」と指揮官。抑えのポジションを固定できなかった前年の失敗を踏まえ、最適解を導き出す。
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