日本野球機構(NPB)は11日、6月の月間MVP賞を発表し、セ・リーグは投手部門でDeNAのトレバー・バウアーが選出された。
大物メジャーリーガーの真価を存分に見せつけ、日本での“初タイトル”を手にした。「素晴らしい選手がたくさんいるなかでこの賞を頂けたことを本当に光栄に思っている」。6月の月間MVPを受賞した横浜DeNAのバウアーは喜びに声を弾ませた。
「日本の野球へのアジャストがうまくできたと思う」と受賞の要因を語った。5月は大量失点が続いて実力を疑問視する声も浮かんだが、雑音に惑わされることなく日本の打者や配球について真摯(しんし)に研究を重ねた。
6月は4試合に登板して来日初の完投勝利も含む4勝。当初は目立っていた被本塁打数も減少傾向で、6月の防御率は2・08と出色の安定感を発揮した。「キャッチャーの伊藤選手と共通認識を強く持てたことも大きい。(サインに)首を振る回数が少なくなり、いいリズムをつくれた」と分析した。
来日から約4カ月。「良くない時でも大きな声援を送ってもらった。心から受けて入れてもらっていると感じる」とファンにも感謝する。マウンドで勝利への強い思いをむき出しにするバウアーは勝負のシーズン後半に向け、「優勝を勝ち取ってファンの皆さんと喜べるようなシーズンにしたいと思っている」と力を込めた。
バウアー一問一答「学べたことがたくさん」
6月の月間MVPを受賞した横浜DeNAのトレバー・バウアー投手(32)の、受賞会見での主な一問一答は以下の通り。
-受賞した気持ちは。
「素晴らしい選手がたくさんいるなかでこの賞を頂けたことを本当に光栄に思う」
-好成績を残せた要因は。
「点が入らないと勝ち投手にはなれないので野手の皆さんに感謝したい。もう一つは日本の野球へのアジャストがうまくできたと思っている。学べたことがたくさんあったので、それが要因だと思う」
-6月のどの試合でアジャストできたと感じたか。
「特定の試合は思い浮かぶものはないが、対戦を繰り返すなかでアジャストできたと思う。大きな要因としてはキャッチャーの伊藤選手と共通認識を強く持ったことだと思う。首を振る回数が少なくなればテンポも良くなるし、そのなかでいいリズムがつくれた」
-低めの直球が増えたことも適応の要因か。
「イエスでもありノーでもあると思う。もともと低めの直球も使っていたが、アメリカでは高めのストレートの方が有効である場合が非常に多いので高めを多投していた。ただ日本の打者や野球を学ぶ上で低めの直球も必要な一つだと学んだ。また打者によっては高めが有効であることもあるので、打者によって使い分けている」
-6月はオリックスの山下ら好投手との投げ合いや阪神戦の登板もあったが、印象に残っている試合は。
「全ての試合で特筆する点があり、全ての試合が印象に残っている」
-来日して約4カ月。日本をどう感じているか。
「素晴らしい経験、時間になっている。良くない時もあったが、変わらずに大きな熱い声援を送ってくれた。心から受け入れてもらっていると感じている。街中で会ったときも気さくに声をかけてもらえて、応援してもらっていると感じる。ありがたい」
-シーズンは残り半分ほど。今後への意気込み。
「セ・リーグは競った戦いがずっと続いているが、自分のできる最大限の貢献をしていきたい。(横浜DeNAには)すごくいい選手がそろっているし、いい戦いができていると思う。優勝を勝ち取ってファンの皆さんと一緒に喜べるようなシーズンにしたい」
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