超高齢化社会で増加する「ゴミ屋敷」
「腐っていたりカビの生えているものを食べている。 床がべたべたして虫がたくさん湧いている」(40代/男性/千葉県)
「山積みのゴミから煙りが上がって、ボヤ騒ぎになった」(40代/男性/兵庫県)
「散らかった部屋で孤独死していた」(40代/女性/福岡県)
今、独り暮らしの高齢者の家の「ゴミ屋敷化」が深刻な社会問題となっている。
「ゴミ屋敷化」にはさまざまな要因があるが、認知症もそのひとつと考えられている。
内閣府の「平成29年版高齢社会白書」によると、2012年は認知症高齢者数が462万人と、65歳以上の高齢者のおよそ7人に1人が認知症であることが判明。さらに、2025年にはおよそ5人に1人にまで増えるとの推計も出ており、認知症は今や誰しもがなり得る身近な症状と言える。
そこでGood Serviceは、清掃業者の方と介護サービスに従事する職員を対象に、ゴミ屋敷と認知症にまつわるアンケート調査を実施した。
自身の親御さんが認知症という方はもちろん、そうではないという人や自分についても、この機会に一度立ち止まって考えてみてはいかがだろう。
まず、「認知症の方の家の中は片付いていますか?」と質問したところ、半数超(50.4%)の方が『いいえ』と回答し、『はい』(49.6%)を若干上回る結果となった。
次に、「どのような状態が多いですか?」と質問したところ、『物で溢れている』(43.0%)『ゴミが散乱している』(33.7%)『異臭がする』(14.0%)『カビが生えている』(3.7%)『外まで物が溢れている』(2.9%)と続いた。認知機能の低下によって、ゴミの分別や部屋の片付けが難しくなっている様子がわかる。
「家の片付けや清掃をする際に問題はありますか?」と質問したところ、『はい』と回答した方が実に74.0%と、圧倒的に多い結果となった。
そこで、「どのような問題がありますか?」と質問したところ、『捨てさせてくれない』(37.4%)『ゴミと思っていない』(35.1%)『怒り出したり泣き出したりする』(25.4%)『暴力をふるう』(1.5%)と続いた。
他人から見ればゴミとしか思えないもの、あるいは確実にゴミであっても、認知機能が低下した本人にはそれがゴミという判断すら難しくなっていることがわかる。
ゴミ屋敷に住んでいる方を見て不安に思うことは何でしょう。「住んでいる方に対して不安に思うことは何ですか?」と質問したところ、『健康面・衛生面』(52.0%)『火災』(22.6%)『孤独死』(15.2%)『ご近所とのトラブル』(8.8%)と続いた。
ゴミの中で毎日過ごしていれば当然健康状態も悪化するだろうし、火災や孤独死といった思わぬ事件・事故のリスクも相当高まる。
ゴミ屋敷は「百害あって一利なし」ということは容易に想像できるだろう。
ゴミ屋敷と認知症にまつわるアンケート
調査期間: 2019年10月18日(金)~ 2019年10月21日(月)
調査方法: インターネット調査
調査人数: 1,022人
調査対象: 清掃業者の方・介護サービスに従事する職員の方
モニター提供元:ゼネラルリサーチ
構成/ino