ここ数年ようやく、プラスチックゴミによる海洋汚染が注目されるようになり、プラスチックのストローやカトラリーを提供しない飲食店も増えてきた。
洗う手間はあるけれど、マイカトラリーやマイストローを買って、持参しているという人も多いのではないだろうか。
私も実はその一人だ。
きっかけはささいなことだった。
ある夏、海に行くとプラスチックのごみが海岸のいたるところに散らばっていて、とても悲しい気持ちになった。
身の回りのもの全てを地球環境に配慮したものに…というのはなかなか難しいかもしれないが、買い物をするときには、環境にも私自身にも心地よいものを選択したい。
そんな想いから、最低限自分にできることを始めた。
例えば、マイボトルで飲み物を持ち歩く。エコバックを利用する。買い物をする際には環境に優しい取組みをしているブランドのものを購入する。
そんな中で、素敵だなと思ったブランドの一つがBALIISM(バリイズム)だ。
BALIISMは2015年にインドネシア・バリ島で誕生した天然素材を使用したインテリアブランド。環境に優しい素材を使用し、“良いものを長く使ってもらおう”という理念のもと、暮らしに取り入れやすい商品を企画・製造している。
使用されている素材は、ツル性のラタンやインドネシアで採れる竹。どちらも一般の木材に比べて成木になるまでの成長が早く、環境負荷が少ないそうだ。
しかし、いくら環境負荷が少ないと言っても、短期間に、また集中的に同じ場所で伐採し続けると環境破壊に繋がる恐れがあるため、自然環境のサイクルを崩さないようと、竹林の管理も行っている。
更に、バリ島から製品を日本に輸入する際の、その輸送方法にも気を配り、できるだけ環境負荷の少ない方法で輸送しているという。
ストロー、歯ブラシ、マイボトルなど、暮らしの中に取り入れたいアイテムが揃っていたが、まずは気になっていた100%竹から作られているバンブーストローを購入。
長く愛着を持って使いたいと思い、好きな言葉を刻印できるサービスも利用した。
バリ島の計画伐採区内で採れた高品質の竹のみを使用しているストローは、強度も高いので、洗って毎日使っていても、問題ない。
手にした感じも心地よく、いつもの飲み物もこのストローを使うと“少しだけ特別な飲み物”になるので、とても気に入っている。
このバンブーストローは、昨今のSDGsの流れから生まれたものではなく、昔からバリの暮らしの中で使われていたものを改良してつくられたもの。
代表である長谷川 真之さんが2015年にBALIISMを立ち上げた頃から、既に開発を進めていたものだ。
コロナ禍でテイクアウトをする機会が増え、使い捨てのスプーンやフォーク、ストローのゴミを1日に何度も捨てているという人もいるかもしれない。
もし、その人達がマイカトラリーを使い始めたなら、どうなるだろうか。
一人ひとりにとってはとても小さなことかもしれないが、気が付き、アクションする人が何千人、何万人と増えていくことで、環境状況は確実に、良い方向に動いていくのだ。
マイストローやマイカトラリーを普及させるのがBALIISMの使命だと思っていると語る長谷川さん。
「小さな事ですが、多くの人が始めることにより世界を変える影響力になる」という言葉がとても力強く感じた。
地球環境のために、未来のために、何かアクションを起こしたいと思いながらも、何からスタートすべきかわからないという人も少なくないだろう。
そんな人には、最初の一歩として、まず自分だけのおしゃれなカトラリーやストローを作ってみることをおすすめしたい。
その買い物によって気が付くこと、見え始めることは、想像するよりもきっと多いはずだ。
BALIISM Japan → https://www.jp.baliism.asia/
取材・文 モキマサヨ
煎茶道師範・ラジオDJ・@DIMEのサステナブル部部長(仮)
ポジティブになれるものやサステナブルなものをゆるっと生活の中に取り入れています。
https://www.instagram.com/moki98per/