ウィズコロナの環境下では、飲食店などでは衛生面で安心の施策が実施されている。AIを利用したものや、自動配膳ロボットなど、さまざまな新技術が存在する。
そこで今回は、そのような驚きの新技術から3つをピックアップして紹介する。
AIによるタッチレス・空中操作のインターフェース
最近、自動販売機や券売機などに触れる際に不安に感じることはないだろうか。アルコール消毒を心がけている人も多いだろう。
そんな不安を払拭してくれるタッチレス操作のシステムが登場。株式会社ショップパートナーによるAI を活用したユーザーインターフェース製品だ。これを組み込めば、自動販売機や券売機、案内板などをタッチレスで操作できるようになる。
この製品のAIカメラに向かって、手を動かしジェスチャーすることで、AI カメラがその動作を認識する。つまりタッチレスで空中での画面操作が可能になるのだ。
汚れた画面を触りたくない、汚れた手で画面を触りたくないなどのニーズに応えた。一般 的なオフィス、飲食店、商業施設、医療機関や公共施設などで使用が可能。
AI 学習により任意のジェスチャーを設定可能で、カスタマイズすることもできる。
近い将来、空中操作で何かを購入することができる日は近いかもしれない。
人が料理を触らない自動配送ロボット
レストランなどでは店員がメニューを運んでくるが、ここでも少し不安を覚える。人の手が加わるとどうしても気になるものだ。
Keenon・Robotの「自動配送ロボット・ピーナッツ」は世界各国の飲食店で活躍するロボットだ。自律走行し、障害物を自動回避しながら料理を配膳する。
3つの棚にのせられた料理を同じテーブルに運んだり、3つの料理をそれぞれ違うテーブルに一度に運んだりすることができる。また、ただ配送するだけでなく、AIにより状況によって喜怒哀楽の感情を再現してユーザーとのコミュニケーションもできる。日本語音声も話すので、より親しめるロボットだ。
また、同じKeenon・Robotには医療施設などで自動消毒を行うロボットもある。自動搬送ロボットの基盤に自動消毒液噴霧装置とUVC紫外線殺菌ランプを装着したロボット「N2」だ。
スポット消毒や、固定した目標物を自動回避しながら周囲を回り、360度、紫外線での消毒や消毒液を噴射できる。指定したエリアの循環走行による消毒も可能だ。
今後は、レストランなどにロボットが料理を運んできたり、施設に自動消毒するロボットが動きまわったりするのが当たり前になる日が来るかもしれない。
企業受付もロボットが対応
企業の受付もロボット化が進んでいる。受付などの対面でのやりとりの際には少し不安を感じるものだ。
株式会社ユニキャストが提供する「企業受付 for Sota」は受付ロボットで、まず顔認証で来客者を判別する。来客者はタブレット端末で操作し、用件を選択する。担当者に取り次ぐ際にもロボットが代わりにやってくれる。
担当者のスマホやパソコン、内線などに通知が届く。担当者はアプリを操作して伝言を選択し、ロボットがそれを来客に伝える。
もともと、受付業務の効率化のためのロボットだったが、非対面という意味ではウィズコロナにも活躍の余地がありそうだ。
また新型コロナウイルス対策オプションも無償提供している。新型コロナウイルス対策の注意喚起を行うパネルの提供や「いらっしゃいませ。消毒やマスク着用、ソーシャルディスタンスにご協力いただきありがとうございます。」などのロボットによる発話内容のカスタマイズなどだ。
飲食店や企業など、あらゆるシーンで衛生の観点からの施策が急務となっている。そんななか、こうした最先端の技術やロボットが今後、身近になってくるかもしれない。
取材・文/石原亜香利