従来のS1シリーズに比べて約30%の小型・軽量化とともに、ボディのみで実売予想24万円という、よりお求めやすい価格を実現した製品で9月25日発売の予定である。
定評の「写真力」はそのままに ついに小型軽量化 300グラムもダイエット
S5のボディサイズは132.6×97.1×81.9ミリである。S1と比べると、横幅は16.3ミリ、高さは12.9ミリ、奥行きは14.8ミリと、劇的に小さくなっている。3サイズを単純に掛け合わせた体積ではS1の67%しかない。
ボディの重さは630グラム、SDカードとバッテリー込みでは714グラムで、S1の1017グラムからなんと303グラムのダイエットで、こちらも70%しかないことになる。
キットレンズとなる20-60ミリF3.5-F5.6を装着して1064グラムと、これまでのボディ単体とほぼ同重量を実現したわけだ。
この劇的なダイエットは、バッテリーの小型化、シャッターユニットと手振れ補正機構の新規設計などが貢献しており、開発陣はマイクロフォーサーズ機のG9サイズを目指したという。
とはいえ、撮像素子はS1と同じフルサイズ、ローパスフィルターレスの2420万画素CMOSを搭載し、フルマグネシウムボディで防塵防滴も実現するなど、基本性能はS1と変わらない。
手振れ補正はボディで5.0段と1.0段ぶん下がっているが、レンズとの組み合わせによるDualISで6.5段とS1と同じ性能を実現している。
最高シャッタースピードは8000分の1秒でこれもS1と同じであるが、フラッシュの同調速度は320分の1秒から250分の1秒へ遅くなっている。また、連写速度は最高毎秒9コマから7コマへと下がっている。
EVFは576万から236万ドットへとスペックダウン、背面液晶はティルト式からフリーアングルに変わり210万ドットから184万ドットに変更されている。また、本体上面についていたステータスLCDはなくなっている。
記録媒体が、XQDカード+SDXCカードから、SDカードのダブルスロットになったのも、ダイエットに効いている。スロットはUHS-Ⅱ×1とUHS-Ⅰ×1の構成だ。
バッテリーは「DMW-BLJ31」から「DMW-BLK22」という小型・軽量のものとなった。
新バッテリーは、7.2V2200mAhなので、容量は16Wh、既存のBJL31の容量は23Whだから、容量としては70%で、重量は110gから81.5gへと74%に減っている。が、しかし、省エネ性能の向上により、EVFで470枚、LCDで440枚、省電力ファインダーモードで1500枚と、S1(SDカード保存時)の380/400/1150枚より増えている。
AFの賢さはS1を超え フルサイズ初のライブビューコンポジットも実現
ファームウエアのアルゴリズム向上により、リアルタイム認識AFでは、顔、瞳、人体に加えて「頭部」が可能となり、また、追従性が向上し、S1より顔・瞳の検出速度は2倍、人体・動物の検出速度は5倍速くなっている。また、顔と瞳については選出サイズが2倍になり、捕捉力も向上している。
このあたりは、S1シリーズもファームアップで向上される予定である。
撮影機能では9600万画素でのハイレゾ撮影が可能で、S1シリーズとは異なり、JPEG撮影、カメラ内現像、低速シャッター対応(従来の1秒から8秒へ)も実現している。マイクロフォーサーズでは実現していた「ライブビューコンポジット」もSシリーズでは初めて実現。明るい街並みを背景にした星空撮影などができるようになった。
動画撮影機能もS1から向上し、S1Hを超える能力も搭載。4K60P 4.2.0 10bit記録、4K30P 4.2.2 10bit記録と出力を実現。14+stopsのV-Log/VGamut、シネライクD2/V2、4Kでの1~60fps、FHDでの1~180fpsのスロー・クイックモーション、アナモフィック動画撮影も可能となっている。
予想価格はボディのみで税抜24万円、20-60ミリとのキットで28万円で、キャッシュバックキャンペーンもそれぞれ2万円と3万円が実施されるので、フルサイズカメラとして非常に魅力がある。Nikon Z5/Z6、EOS R6、α7とガップリ戦う構えである。
24・35・50・85ミリ単焦点がすべて同寸! 新規レンズシリーズも公開
Sシリーズの交換レンズのロードマップも更新となり、単焦点では、24・35・50・85ミリ、4本ともすべてF1.8で、なおかつサイズも同じという新シリーズを発表した。85ミリについては、年内発売の予定らしい。
ズームでは70-300ミリF4.5-5.6の開発も公表。早く発売してほしいのである。