販売はPixel 6をauとソフトバンク、Pixel 6 Proをソフトバンクが取り扱う。また、Googleストアでも購入可能になる。価格はPixel 6が7万4800円から、Pixel 6 Proが11万6600円から(いずれも128GBモデル)。なお、5Gネットワークに限り当初はauとソフトバンクにのみ対応。ほかの5Gネットワークは今後対応予定となる。
この記事では通常モデルのPixel 6を中心に、デザインやPixel 6 Proの違い、Tensorを活用した新機能についてチェックしていこう。
Pixel 6/Pixel 6 Proは画面サイズと望遠カメラに差 だがサイズ感はほぼ同等
まずディスプレーはPixel 6が6.4型FHD+(1080×2400ドット)OLEDの平面タイプで、リフレッシュレート90Hz。HDR対応で、画面内に指紋認証センサーを搭載している。インカメラは上部中央のパンチホール型で、スピーカーはステレオという構成。
Pixel 6 Proはより大型の6.7型QHD+(1440×3120ドット)OLEDだが、両側面が曲面になっており横幅はそこまで広くない。リフレッシュレートは120Hzとなる。
スペック値だけを見ると、Pixel 6 Proの方が大画面で解像度もリフレッシュレートも高い。だが、ゲーム用途だと平面ディスプレーの画面端の見映えの良さや操作性、現実的なスマホの処理性能と解像度や高リフレッシュレート表示対応状況のバランスを考えると、Pixel 6の方が使いやすいと考える人も多いだろう。
カメラは広角5000万画素、1/1.31インチと大型のものを搭載。このほか、超広角1200万画素、インカメラ800万画素を搭載する。なお、Pixel 6 Proはさらに望遠光学4倍ズーム4800万画素を搭載し、インカメラはより広角の1110万画素となる。カメラ部分が約2mm出っ張ったデザインは両モデル共通だ。
このほか、FeliCaによるモバイルSuicaなどの決済や、防水・防塵(IP68)に対応。イヤホン端子は搭載しない。バッテリーはPixel 6が4614mAh、Pixel 6 Proが5003mAhとどちらも大容量。バッテリー寿命を長持ちさせる自動調整や、夜間の充電を最適化するアダプティブ充電にも対応する。
充電周りはUSB PD(30W PPS対応)と、ワイヤレス充電Qiに対応。ワイヤレス充電は今後発売予定のファン付きワイヤレス充電スタンド「Google Pixel Stand (第2世代)」なら最大21W(Pixel 6 Proは23W)で充電できる。ただ、今回バッテリー容量が多いこともあり、基本的にはUSB PDでの充電を利用した方がいいだろう。ワイヤレス充電はどちらかと言えば、ワイヤレスイヤホンなどのQi対応機器を緊急時に充電するときに使うほうがいいだろう。
Googleアシスタントの起動は、近年のPixelシリーズが採用していた握る操作から、電源キー長押しに変更された。電源キー2回押しでカメラショートカットも利用できる。電源の再起動は電源キーと音量キーアップキーの同時押しになっている。
注意点として、Pixel 6とPixel 6 Proの2機種あるのだが、Pixel 6はさほど小型軽量ではない。サイズと重量を見ればわかるが、大型のPixel 6 Proと同程度の横幅74.8mm、重量207gとなっている。高性能かつ軽量なモデルが欲しい人は一考が必要だろう。
本体サイズと重量
●Pixel 6:高さ158.6×幅74.8×厚さ8.9 mm、重量207g
●Pixel 6 Pro:高さ163.9×幅75.9×厚さ8.9 mm、重量210g
ネットワーク周りはPixle 6が5GのSub 6とNR化周波数帯に対応。Pixel 6 Proはミリ波にも対応する。なお、5G接続は発売当初はauとソフトバンクのネットワークでしか利用できず、ドコモと楽天モバイルは後日アップデートでの対応となる。
Tensorの処理性能はAndroidトップクラス! 特にGPU性能が高い
ここからは、Pixel 6を中心に性能や機能を見ていこう。まず気になるのは、新しく設計されたグーグルの開発によるSoC、Tensorの性能ではないだろうか。
TensorはCPUにCortex-X1(2.8GHz)×2コア、Cortex-A76(2.25GHz)×2コア、Cortex-A55(1.8GHz)×4コアのオクタコアを搭載。GPUには20コアのMali-G78を搭載。さらに、機械学習処理のTPUと画像処理のISP、セキュリティーチップのTitan M2などの機能を搭載する。
ベンチマークだが、Antutuで73万と、Androidのハイエンドスマートフォンとしては最上位クラスの結果を叩き出した。傾向として、AntutuではGPUと実際の使用感を示すUXの値が高い。CPU性能はGeekbench5でもそこまで高くないのだが、GPUなど3Dグラフィック性能に関してはAntutuでも3DMarkでもSnapdragon 888を超えている。
Androidのハイエンドが多く搭載するSnapdragon 888の場合、総合ベンチマークのAntutu v9で73~80万あたり、CPUのGeekbench 5で3500あたり、3Dグラフィックの3DMark Wild Life Unlimitedで5800あたりが平均値となる。
ゲームの動作について詳しくはPixel 6 Proのレビューで紹介するが、負荷の高い「原神」を最高品質60fps設定で、実際のfpsは60fpsを中心に負荷がかかるとやや落ちる程度だった。複数のゲームをプレイして動作に問題を感じることはなかったのだが、この原神に限り音に少しノイズが乗る点は気になった。新設計チップかつAndroid 12搭載という初物づくしだけに、発売当初は本体またはアプリで問題が出るのは仕方のないところではあるが。発売後の改善に期待したい。
機械学習処理の強化で 音声認識や翻訳がより高速に
Pixel 6とPixel 6 Proで特に強化されている機能が、音声認識や翻訳機能だ。特にわかりやすいのが、ボイスレコーダーの自動文字起こしに日本語が対応した点だ。
日本語の文字起こし自体は別の方法でも利用できたのだが、今回はTensor搭載により認識の高速化とオフラインでの利用が可能になった。特にボイスレコーダーなどの音声認識は文字に起こすまでのタイムラグがかなり短く、これなら長文の認識だけでなく、検索やSNSなどの短文入力でも使いたくなるレベルに達している。
また、Pixel 6で再生中の動画などの外国語音声を日本語に翻訳して表示する字幕文字起こしや、Googleアシスタントに「通訳になって」と話しかけると外国語圏の人との会話を翻訳で支援する機能も利用できる。通訳は以前からオンラインで提供されていたが、オフライン処理対応による反応速度の向上はもちろん、ネットを使えない時も安心して使いやすくなった。
また、Googleレンズの撮影内容の翻訳も強化。以前は一度撮影して翻訳していたのが、Pixel 6シリーズではオフラインかつリアルタイムでの翻訳が可能になっている。
カメラ撮影時の処理はもちろん 撮影後の消しゴムマジックも面白い
カメラは前述の通り、広角5000万画素(1/1.31インチ)、超広角1200万画素カメラ、インカメラ800万画素を搭載する。レーザーオートフォーカスセンサーも搭載でピント合わせもはやい。
絵作りは従来のPixelと同様に、少々の逆光や光の状況がバラバラのシーンでも画像処理で見映えのする写真に仕上げてくる。理想的すぎる色で撮れることに好みは分かれるだろうが、気軽に映える写真を撮れることは確かだ。
画角だが、Pixel 6では超広角、広角、画面上で選べる2倍ズームと最大7倍の超解像ズームを使い撮影した。2倍ズームは使えそうだが、右側の建物の屋根部分を上手く解像できていない。7倍超解像ズームは撮れてはいるものの、実用的かというとやや微妙だ。高倍率ズームが必要なら、素直にPixel 6 Proを選んだ方が良いだろう。
夜景撮影はナイトモードに対応。今回はテストを実施していないが、従来モデルと同様に天体撮影機能も搭載。三脚などでスマートフォン本体を長時間固定して撮るのだが、購入した方はぜひ試してほしい。同様に天体タイムラプス写真も撮影できる。
Pixel 6シリーズでは新たに、撮影時に流し撮り風や長時間露光風の写真を撮れるモーション撮影を搭載。思い通りの写真を撮るには、タイミングの取りづらさや長時間露光の時間などの設定など機能不足の感はあるが、迫力ある写真を撮影しやすくなった。
編集機能のなかでも面白いのが消しゴム機能だ。従来のスマホにも、専用モードで撮ると後ろを通りすがった1人2人の人を消す機能はあった。だが、Pixel 6は普通に撮影した写真で後ろに大量に人がいても、一斉に消すことができる。もちろん大量に消すと不自然な合成感も出てくるのだが、数名程度なら気づかないレベルだ。
Pixel 6は新機能だけでなく ハイエンド性能や実用性も満足のモデルだ
今回のPixel 6は、久々のハイエンドモデルとして高い性能と、グーグルならではの機械学習処理という2つの要素を満足させるモデルとなった。もちろんOSの2年更新とセキュリティーの5年更新も保証されている。
直接的なライバルは価格帯も考えるとGalaxy S21、AQUOS R6 、Zenfone 7辺りとなる。強みはTenserの高い処理性能や、機械学習処理を活用した機能、最新OSをいち早く扱える点で、欠点はやや重たいのとイヤフォン端子が無いことぐらいだ。スマホの最新機能や新OSをいち早く試したいガジェット好きにとっては、普段使いの性能や実用性も含めて満足できるデバイスといえる。NexusやPixelシリーズ使い続けている人も、今回は即買い換えを決断しても大丈夫だろう。
Pixel 6 Pixel 6
Pro 価格 7万4800円(128)
8万5800円(256) 11万6600円(128)
12万7600円(256) ディスプレー 6.4型有機EL
(20:9)
最大90Hz 6.7型有機EL
(19.5:9)
最大120Hz 画面解像度 1080×2400ドット 1440×3120ドット サイズ 74.8×158.6
×8.9mm 75.9×163.9
×8.9mm 重量 207g 210g CPU Google Tensor(8コア) 内蔵メモリー 8GB 12GB 内蔵ストレージ 128/256GB OS Android 12 5G対応バンド Sub 6
(n1/2/3/5/7/8/12/14
/20/25/28/30/38/40/41/48
/66/71/77/78) Sub 6+ミリ波
(n1/2/3/5/7/8/12/14
/20/25/28/30/38/40
/41/48/66/71/77/78
/257/258/260/261) 4G対応バンド 1/2/3/4/5/7/8/12
/13/14/17/18/19/20
/25/26/28/29/30/32
/38/39/40/41/42/46/
48/66/71 無線LAN Wi-Fi 6E FeliCa ○ カメラ画素数 50メガ
(標準)
+12メガ
(超広角)
/イン8メガ 50メガ
(標準)
+12メガ
(超広角)
+48メガ
(光学3倍)
/イン11.1メガ バッテリー容量 4614mAh 5003mAh 生体認証 ○(画面内指紋) 防水・防塵 ○ Qi ○ SIM nanoSIM+eSIM USB端子 Type-C イヤホン端子 × カラバリ Stormy Black、Sorta Seafoam、Kinda Coral Stormy Black、Cloudy White、Sorta Sunny ■関連サイト
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