iOS 15の対応機種はiPhone 13シリーズはもちろん、古くはiPhone 6sシリーズまでと幅広い。iPhone SEの第1~2世代やiPod touchの第7世代もサポートする。
設定から「一般」→「ソフトウェア・アップデート」を開き、画面下部の「iOS 15にアップグレード」をタップ。画面の指示に従って操作すればいい。現在はバグ対処で何度かバージョンアップし、iOS 15.1がリリースされている。
iOS 15の新機能 その1 機能追加に加えて大きくUIが変化したSafari
まず大きく強化されたのがブラウザーアプリの「Safari」だ。URLなどが表示されているタブバーが画面下部に表示されるようになった。他にもページの上から下に引っ張ることでウェブページを更新したり、音声検索ができるようになっている。
複数のタブをグループ化して切り替えられるようになったのも見逃せない。たとえば、「ITニュース系」「SNS系」「アニメ情報系」のように複数のウェブページを登録しておけば、再検索しなくても手軽に閲覧できる。タブグループは同期できるので、他のiOS端末でも同じように利用可能だ。
Safariで「拡張機能」が利用できるようになった。以前から連携アプリはあったが、拡張機能としてまとめられるのだ。同時に、App Storeで専用のカテゴリーが用意され、手軽にインストールできる。
現在は広告ブロッカーやパスワード管理アプリ、ジェスチャー操作アプリなどが対応している。今後、ラインナップが増えることを期待したい。
iOS 15の新機能 その2 アプリ間でドラッグ&ドロップできるようになった
アプリ間でデータをドラッグ&ドロップできるようになったのもポイントだ。文字列や画像などの対象を長押しし、動かせるようになったら、アプリを切り替え、貼り付けたい場所で指を離せばいい。片手操作では難しいが、両手を使えば簡単にできる。
たとえば、Safariで検索した情報をLINEに貼り付けたり、撮影した写真をメモ帳に挿入したりできる。
iOS 15の新機能 その3 撮影した画像の文字を読取って翻訳できるようになった
カメラで撮影した画像内に写っている文字を認識し、翻訳してくれる機能が追加された。まだ日本語には対応していないが、機能を利用することは可能。「設定」の「一般」から「言語と地域」を開き、「テキスト認識表示」をオンにする。
現在は、英語や中国語、イタリア語、スペイン語などに対応していると確認ダイアログが開くので、「オンにする」をタップすればいい。
iOS 15の新機能 その4 AndroidやWindowsユーザーともFaceTime通話が可能に
FaceTimeが大きく強化された。リンクを作成してそのURLを相手に送り、ブラウザーでアクセスしてもらえばいい。マイクやカメラへのアクセスを許可し、自分の名前を入力すれば、すぐにビデオ通話に参加できる。Apple IDなどのアカウントを作成したり、ログインする必要がないのは便利だ。
通話中にマイクのミュートをオン・オフするとサウンドで教えてくれるのもありがたい。意図せずに画面に触れて音が通じていないのに喋り続けるとか、実はミュートにして家族と話しているつもりなのに筒抜けだった、というトラブルを回避できる。
iOS 15の新機能 その5 ホーム画面の順番を変えたり削除できるようになった
ホーム画面のカスタマイズがさらに便利になった。ページスイッチャーを長押しすると、アプリやフォルダの移動や削除ができるようになる。この状態からさらにページスイッチャーをタップするとホーム画面のサムネイル一覧が表示される。この画面で、ホーム画面をドラッグして移動できるようになった。さらには、チェックを外して非表示にしているホーム画面を、左上の「-」アイコンをタップして削除することもできる。
iOS 15の新機能 その6 細かい文字を見るのが難しい人に便利な拡大鏡
筆者は細かい文字が読みにくいので、マニュアルとかWi-Fiルーターの暗号化キーなどは一度iPhoneで撮影し、写真を拡大していた。しかし、iOS 15では「拡大鏡」アプリが搭載され、虫眼鏡のようにiPhoneを使えるようになった。拡大率や明るさを調節できるだけでなく、ライトを点けたり、反転させることも可能。個人的にはとてもありがたい機能だ。
iOS 15の新機能 その7 読書やゲーム、仕事などを邪魔されたくないなら「集中モード」が便利
新たに搭載された「集中モード」はアプリからの通知を一時無効化したり、連絡をくれた人にユーザーが「集中モード」をオンにしていることを通知する機能だ。
通知バッジを非表示にしたり、そもそもホーム画面の一部を隠したり、とにかくユーザーの集中を邪魔することを回避できるようになっている。
手動でオンオフできるほか、時間を指定して睡眠時のおやすみモードとして使ったり、アプリの起動をトリガーにして読書を邪魔させないようにできる。ジオフェンス機能にも対応しており、自宅を設定しておけば、帰宅すると自動で有効になる。
iOS 15の新機能 その8 「バックグラウンドサウンド」でノイズを流して作業に集中する
適度なノイズが聞こえると、環境音や雑音を消してくれるので、より作業に集中できる、という人もいるだろう。新搭載された「バックグラウンドサウンド」はこのノイズを再生してくれる機能だ。
設定から「アクセシビリティ」→「オーディオ/ビジュアル」を開き、「バックグラウンドサウンド」をタップ。「バックグラウンドサウンド」のスイッチをオンにすれば、サウンドが再生される。
用意されている音は6種類。バランスの取れたノイズやブライトノイズ、ダークノイズ、波、雨、小川から選べる。メディアの再生中やロック中でも再生できるが、無効化することも可能。
iOS 15の新機能 その9 「メモ」をタグで分類できるようになった
標準の「メモ」アプリがタグに対応した。SNSのハッシュタグのように「#」を付けて単語を入力するだけなので手間もかからない。タグをタップすることで、関連するメモを一覧できるので、メモの利用がはかどる。これで、「メモ」アプリがぐっと実用的になった。
iOS 15の新機能 その10 「マップ」がドライブ専用マップと施設の独自評価機能を搭載
「マップ」アプリも改善されている。大きい変更点としては、「ドライビングマップ」が搭載されたこと。右上のボタンをタップすると、詳細と航空写真、交通機関に加えて、「ドライブ」が選べるようになった。ドライビングマップでは、渋滞や事故などの詳細を確認できる。
以前から食べログなどの外部サービスと連携して口コミなどが表示されていたが、iOS 15では「マップ」独自で飲食店などを評価できるようになった。
料理店の場合、「全体」「料理・ドリンク」「カスタマーサービス」「雰囲気」の4項目でGoodとBadが選べる。ショップの場合は、食べ物の代わりに「商品」、ホテルなら「宿泊施設」という項目が表示される。写真も追加できるが、今のところ文章での口コミ投稿には対応していない。
★★★
以上がiOS 15のオススメ新機能10となる。もちろん、まだまだほかにも多数の新機能があるので、使い倒してみよう。今回はなかなか、便利なアップデートが目白押しだ。
筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。パソコンやIT関連の媒体で、特集や連載、単行本を多数手がける。PC歴は四半世紀を超え、デビューはX1C(シャープ)から。メインPCは自作、スマホはiPhone+Xperia、ノートはSurface Pro3とMacbook Air。著書に「銀座のバーがウイスキーを70円で売れるワケ」(日経BP社)、「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)など。筋金入りのバーホッパーで夜ごとバーをハシゴしている。好きが高じて、「原価BAR」を共同経営。現在、五反田・赤坂見附・銀座で営業中。