マイクロソフトは3月27日(現地時間)、同社のコラボレーションアプリ「Teams」をバージョンアップ。パブリックプレビュー版(Windowsのみ)を公開した。
より速く、より効率的に
新しいTeamsは、システムリソースの使用量を半分に抑えながら、2倍の速さを実現することを目標にプラットフォーム全体をゼロから再考したという。
その結果、旧型のTeamsと比較してアプリのインストール時間が最大3倍、起動が最大2倍、会議への参加が最大2倍高速化するとうたう。
また、メモリ消費量を最大50%削減、ディスク容量を最大70%削減するなどリソースの使用量も抑えられている。
組織やアカウントをまたいで利用可能
これまでのTeamsでは、組織やアカウントをまたいだ通話や会議中に、リアルタイムで通知を受け取れなかったり、切り替える際に常にログイン/ログアウトを求められ仕事が中断してしまうという欠点があった。
新しいTeamsでは、複数のアカウントに同時にサインインし、今どのアカウントを使用しているかに関わらずリアルタイムで通知を受け取ることができるようになった。
これにより、組織の境界を越えたコラボレーションをより効果的にできるようになるとしている。
シンプルなUI
新しいTeamsはシンプルで機能豊富な体験が可能になるよう、UIも改良されている。
たとえば、通知・検索・メッセージ・チャンネルなどのアクションを簡素化し、ごちゃごちゃ感がなくなっている。
また、スレッド型会話、カスタマイズ可能なグループチャット、インタラクティブな絵文字などによって、より表現力豊かなコラボレーションが可能だ。
会議も簡素化され、ギャラリービューや画面共有といった機能も新しくなっている。
ITマネジメントの簡素化
新しいTeamsはMicrosoft Intuneのようなアプリケーション管理ツールを活用して、アプリケーションの配布と更新を簡素化できる。
Intuneは、クライアントアプリモデルによるMSIXアプリケーションのクライアントデバイスへの配布をサポートしているため、MSIXパッケージのアプリケーションのインストールとアンインストールをサイレントで実行することが可能だ。
さらに、ユーザーがMSIXのアップデートを受けるタイミングや、アップデートをサイレントで実行するかどうかを定義することもできる。
IntuneとMSIXパッケージングにより、新しいTeamsアプリのインストールがより確実になるとともに、ネットワーク使用量とディスク容量が削減され、アイドル時のメモリ使用量が少なくなるという。
セキュリティも万全
サイバー攻撃によるリスクを軽減するための、攻撃の予防、検出、対応に役立つソリューションの開発にも注力している。
信頼できるタイプの採用や、より厳格なコンテンツセキュリティポリシーの実施など、システムの保護を強化するための高度なセキュリティ対策を実施した結果、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃に対する保護が強化されたという。
さらに、MSIXパッケージングフォーマットにより、TeamsはWindowsのセキュリティ機能で保護され、セキュリティアップデートとバグフィックスを含む最新のアプリバージョンを入手することができる。
スイッチを切り替えるだけで利用可能
パブリックプレビュープログラムに参加している場合、Teamsアプリの左上に表示されるトグルスイッチをクリックすることで、すぐに新しいTeamsを試用できる。
また、Teamsを本番環境で利用している場合、管理者がTeamsアップデート管理ポリシーを使用して、組織内のどのユーザーが新しいTeamsにアクセスできるかを選択することができる。
ただし、プレビューリリースには従来のTeamsで利用可能なサードパーティアプリ、LOB(Line of Business)アプリ、コールキューなどの高度な通話機能、ブレイクアウトルームなどは実装されていないので、これらの機能を使いたい場合はトグルスイッチで従来のTeamsに戻す必要がある。
動作状況
新しいTeamsアプリのパブリックプレビューは、現在、Windowsの商用ユーザーのみに提供されている。
今年度後半には、教育機関、政府系クラウド、Mac、VDI、Webなどのプラットフォームでも順次提供されていく予定だ。