ASRockは、第11世代Coreプロセッサーに対応するIntel 500チップセット搭載マザーボード(以下、Intel 500シリーズ)を発表した。現行の第10世代Coreプロセッサーに加え、PCI Express Gen 4に対応している点も特徴だ。
今回発表された最新マザーボードは、フラッグシップモデルの「Z590 Taichi」をはじめ、ゲーミングに特化した「Z590 PG Velocita」、高耐久・長期運用を目的とした「Steel Legend」シリーズ、スタンダードモデルの「Pro4」シリーズなど幅広く取りそろえられた最新ラインアップは、Intel 500シリーズの持つパフォーマンスはもちろんのこと、ASRockの強いこだわりも備わっている。ASRockが贈るIntel 500シリーズの最新マザーボードを待ち望む人は多いのではないだろうか。
数あるIntel 500シリーズのマザーボードから、3月12日発売予定の「Z590 Pro4」を試用する機会を得た。さっそく本製品の魅力を掘り下げる……と思った矢先に、3度の飯よりも自作が好きな集団「ジサトラ」にエンカウント。せっかくなので、前回と同様の座談会を急遽開催することになった。まずは座談会の模様をお届けする。
ジサトラメンバーも絶賛! ASRockのスタンダードモデル「Z590 Pro4」の魅力とは
――先日、ASRockから第11世代Coreプロセッサー対応の最新マザーボード「Z590 Pro4」をお借りできました。そこで今回の座談会ではZ590 Pro4の魅力を語ってもらいたいなと。ここに実物がありますので、ご自由に触ってみてください。概要をまとめた資料も作っておいたのでこちらもぜひ。
(Z590 Pro 4の実物をじっくり鑑賞するジサトラ一同)
ジサトライッペイ:Pro4はコストパフォーマンスが良いマザーボードというイメージがあるけど、第11世代Coreプロセッサーを想定した設計になっているのか、前世代よりもパワフルに仕上がっているね。とくに気になったのは電源回路周り。電源部は14フェーズ構成に加えて、「Dr.MOS」や「プレミアム50Aチョーク」を採用しているのが特徴だね。CPUに安定した電力を供給できるから、俺みたいなオーバークロック好きにはたまらない。初めての自作で性能を求めていて、なおかつコストを気にする人はPro4を検討するといいかもしれない。
ドリル北村:確かにマザーボードだけコスパモデルにしておいて、ほかのパーツに投資するというのも手だね。初心者に打ってつけのマザーボードといえるんじゃないかな。
ジサトラカクッチ:僕はPCIe 4.0規格に対応した「STEEL SLOT」が気になった。ラッチ部分に強力な金具が追加されているから、RTX 3000シリーズのような重量級のハイエンドビデオカードもしっかり固定できそう。全体的に強いうえに、自作ユーザーにとっても優しい設計になってるのが魅力だよね。
ジサトラユージ:Pro4でRTX 3000シリーズかRadeon RX 6000シリーズ搭載モデルを組んでみたくなりますね。自力で組んで、そろそろ"見習い"から卒業したいので……(笑)
一同:爆笑
ジサトラハッチ:「ASRock グラフィックカードホルダー」ってかなり便利そうだね。重量級のビデオカードを支えるホルダーが付属するなんて、これだけでお得に思える。マザーボードとシャーシにネジで接続するだけで使えるのはもちろん、ビデオカードに合わせて位置を調整できるスライドのもまた興味深いね。
ジサトラつばさ:確かにこのホルダーはすごく便利。ユージの見習い卒業試験はPro4で決定かな。私と自作対決とかね(笑)
ジサトラユージ:は、はい(苦笑)
ジサトラアキラ:こらこら、ユージをいじめるんじゃないよ(笑)……それはともかく、僕は「USB 3.2 Gen2x2 Type-C」と「PCIe 4.0 High Speed M.2 Solution」が気になった。前者の方は最大20Gbpsのデータ転送速度を発揮するUSB規格で、USB 3.2 Gen 2よりも2倍の速度を誇るみたいだね。あと、後者の方は複数のM.2ストレージデバイスに対応していて、うち1基はPCIe 4.0に対応したM.2 SSDをサポートしてる。転送速度という意味でこの2つを挙げたけど、データ転送の速さはマザーボードの購入の決め手になるんじゃないかな。
ジサトラユージ:それでいうと、通信速度も気になりますね。個人的にギガビットイーサネットよりも高速な「Dragon 2.5G LAN」が搭載されているのが興味深いです。有線でゲームをプレイする私からすると、2.5G LANはかなりイケてるかなと。
ジサトラカクッチ:ゲームもそうだけど、ファイル転送とかソフトのダウンロードのときも速くて快適かも。この「速くて快適」ってワードは最高に痺れるし憧れるね。
ジサトラつばさ:サウンドユーティリティソフト「Nahimic Audio」が付属してるんですね。私は「Apex Legends」や「フォートナイト」をプレイしてるんですが、こういうゲームって敵が発する音が聴けるかどうかで勝敗が決まるんですよ。音楽や映画、チャット、ゲームといった利用シーンに合わせて音質を調整できるのもいいですね。あと、独自のライティング効果を作成できる制御ソフト「ASRock Polychrome RGB」も気に入ってます。LEDの発光具合を自由にアレンジする楽しみがありますよね。
ドリル北村:トラブルシューティングツールの「ポスト・ステータス・チェッカー」もかなり便利だよね。これは「CPU」「DRAM」「VGA」「BOOT」の動作に何らかの異常があると、各パーツのLEDが点灯する仕組みになってるんだ。パーツを全部組んで電源を入れたら起動しなかったといった不具合に対処しやすい。カクッチさんも言ってたけど、ASRockって優しいメーカーだよね。変態的な部分も好きだけど(笑)
ジサトライッペイ:第11世代Coreプロセッサー対応で、豊富な機能満載のZ590 Pro4で初自作ってのもかなり粋だと思うね。確かに自作は費用がかかってしまうけど、そこで躊躇している人にこそ本製品をプッシュしたい。なぜなら、ASRockの製品には、"愛しさと優しさと力強さ"が秘められているから……(ドヤ顔)
――綺麗に締めていただきありがとうございました。かなり短いですが、本日の座談会はこれで……。
ジサトライッペイ:おいおい、実際に組み立てて検証しなきゃマズイだろ? 何のために機材を借りたと思ってるんだ。というわけで、これから「チキチキ朝まで生自作!」をだな――
――(イッペイを無視して)えー、それでは3本締めで締めたいと思います。皆さま、お手を拝借、よーおっ!
一同:パパパン、パパパン、パパパンパン!(以下略)
ジサトライッペイ:チキショー、せっかく綺麗にまとめたのに、3本締めで幕を閉じやがって! 今度覚えてろよー!
(聞き手・文●市川/ASCII)
これまでのASRock「Pro」シリーズと同じく、スタンダードながらインテル最新チップセット「Z590」の魅力である最新機能と、旬な機能をしっかりと備えているコストパフォーマンス高めの「Z590 Pro4」。とはいえ、PCIe 4.0インターフェースといった、新たな機能の真価を発揮するには第11世代Coreプロセッサーが必要なので、パフォーマンス面はひとまず棚上げ。今回は写真と第10世代Coreプロセッサーを使い、Z590 Pro4を試していこう。
スタンダードと侮れない機能を備えた「Z590 Pro4」
Z590 Pro4も、ほかのASRock「Z590」シリーズと同じく、第11世代Coreプロセッサーにあわせて新たに設計、強化されたCPU電源回路を搭載している。ASRockのメインストリーム帯Z490マザーボードが搭載する10フェーズ+Dr.MOSから、14フェーズ+Dr.MOSにパワーアップ。最大50Aまで対応できる「プレミアム50Aパワーチョーク」とともに、8コア/16スレッドとなる第11世代Core最上位CPUを安心して組み合わせられるようになっている。
CPU電源回路周りのヒートシンクは大型とはいえないが、トップとサイドの電源回路ごとに搭載されているので、冷却面に不安はないだろう。
PCI Express 4.0をサポートするスロット
Z590チップセットと第11世代Coreプロセッサーで初めて対応するPCI Express 4.0。Z590 Pro4では、1基のPCI Express x16スロットと、1基のM.2ソケットが、PCIe 4.0に対応している。
パッと見、ビデオカード向けのPCI Express x16スロットは従来と同じに見えるが、メタル素材に覆われた「PCI-E STEEL SLOT」は、PCIe 4.0バージョンに進化。アンカーポイントの追加や、ラッチの強化で重量が増えた大型3連ファンクーラー&3スロット専有のビデオカードをしっかり支えるほか、信号の安定性もアップしているという。
3基のM.2ソケットのうち、CPUソケット直下の「ハイパー M.2 ソケット」(M2_1)が最大帯域幅64GbpsのPCIe 4.0×4をサポートし、「ウルトラ M.2 ソケット」のM2_2とM2_3はPCIe 3.0×4/SATA 3.0までの対応になっている。
M.2ヒートシンクは1基しか付属していないが、デフォルトで装着されているハイパー M.2 ソケット(M2_1)だけなく、ウルトラ M.2 ソケットのM2_2にも装着できるようになっているので、PCIe 3.0×4 M.2 SSDを組み合わせる際も安心だ。
なお、Wi-Fiモジュール向けのM.2ソケット(Key E)も備えているので、Wi-Fi 6に対応するモジュールキットのASRock「M.2 WiFi 6 kit」を追加することも可能だ。
ゲーミングPC構成におすすめの新ギミック
強化された「PCI-E STEEL SLOT」とともに、ゲーミングPC構成を組む際に安心のギミックが、「ASRock グラフィックカードホルダー」だ。
ホルダーはPCケースのスペーサーを利用して、マザーボードとともにビデオカードを固定するようになっている。3連ファン装備の大型VGAクーラーや3スロット専有が増えているGeForce RTX 3000シリーズやRadeon RX 6000シリーズのハイエンドビデオカードを、しっかりと支えてくれる。
2.5G LANや次世代USBなど、+αの機能も充実
ASRockマザーボードらしく、コストパフォーマンス高めのZ590 Pro4。最新Wi-Fi規格のWi-Fi 6は非搭載になるが、従来のギガビットLANから、最大2.5倍高速な2.5Gbpsの通信速度と、ゲームのデータ通信を自動で優先させる機能を備えた「Dragon 2.5G LAN」をサポートしている。
さらに、次世代USB規格のトップスピードとなる20Gbpsに対応する「USB 3.2 Gen2×2」や、音楽や映画、ゲームのサウンドをより迫力ある音や、クリアな音質で楽しめるオーディオソフトウェア「Nahimic Audio」も搭載している。
そのほか、はじめてPC自作にチャレンジする人に優しい機能といえる「ポスト・ステータス・チェッカー」も装備。「BIOSやOSが起動しない!」といったエラー発生時に、原因となっているパーツをLEDで簡単に判別できるようになっている。
また、派手ではないが、PCケース内を鮮やかに彩ることができるRGB LEDイルミネーション機能をチップセットヒートシンク部に搭載。ASRock LED制御ソフトウェア「ASRock Polychrome SYNC」や、BIOS上からLEDカラーと発光パターンをカスタマイズできる。
ひと通りの機能を備える高コスパなマザー
ASRockメインストリーム向けマザーボードのなかではスタンダード帯に位置する「Pro」シリーズだが、Z590 Pro4は、第11世代Coreプロセッサーの最上位も余裕で搭載できる14フェーズ+Dr.MOSの電源回路など、スタンダードの域を超える機能を備えた新モデルだ。価格は2万2880円。
重量が増えている新世代ビデオカードを支えるASRock グラフィックカードホルダーや、PC自作初チャレンジの人に優しいポスト・ステータス・チェッカーといった、小さいがうれしい配慮も魅力的だ。そんなZ590 Pro4は、コストを抑えた初めてのPC自作から、リモートワークやオンライン学習PC、ゲーミングPC構成まで、さまざまなシーンのPCにおすすめできるマザーボードに仕上がっている。
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