今回レビューするスマホは、OPPOの「AX7」です。
OPPOは2018年1月に日本のスマホ市場に参入し、1年間で7モデルを投入しました。今年はまだ新モデルを発売していませんが、ハイブリッド10倍ズームのカメラを搭載した端末をリリースすることを予告し、新シリーズ「Reno」を日本で発売することも明言しています。なので、海外で発売されている「Reno 10x ZOOM」が、そろそろ登場するかもしれませんね。
前置きが長くなりましたが、AX7はそんなOPPOが2018年12月に発売したエントリーモデル。量販店での実売価格は2万9880円(税別)。MVNOでも取り扱っていて、SIMと同時に購入すると、さらに安く買える場合もあるようです。
ネットでのクチコミをチェックすると、コスパが評価されて、堅実に売れ続けているようなAX7。本当に“お値段以上”の満足感が得られるのか? メーカーからお借りした端末を1週間ほど使ってみました。
エントリー機ながら さほどストレスを感じない動作性
AX7は、Androidをベースとする、OPPO独自の「Color OS」を搭載しています。といっても、フツーのAndroidと同じように、標準的なGoogleアプリがプリインストールされていて、Google Playストアにもアクセスできます。ホーム画面とアプリ一覧(アプリトレイ)が分かれておらず、「iPhoneに似ている」と言われることもありますが、まぁ似ています。「設定」画面など、iPhoneを真似たように思われる画面もあります。また、ファーウェイの「EMUI」にも似ていると感じました。
プロセッサーはクアルコムのSnapdragon 450。エントリー向けのプロセッサーです。サクサク、キビキビといった操作性は期待できませんが、使ってみると「思っていたほど鈍くはない」というのが本音。普段、ハイエンドスマホを使っている筆者でも、意外と使えるなぁと。そんなにストレスは感じませんでした。4GBのメモリーが効いているのでしょう。
見栄えがする外装は“お値段以上”
AX7は、6.2型の液晶ディスプレーを搭載し、インカメラ部を水滴型ノッチにするという、現在主流のデザインを採用しています。解像度はHD+で、いかにもエントリーというスペックなのですが、画質はまずまず。普段使いでは、画質の粗さが気になることはないでしょう。
ベゼルは細めですが、それでもボディーの幅は約75.4mmあります。男性の手なら、がっつり掴めますが、やや大きいという印象。
個人的に評価したいのはボディーの質感と塗装。約3万円の端末なので、そんなにコストはかけていないはずですが、背面パネルの質感といい、光沢といい、お値段以上のリッチ感を実現しています。デュアルカメラを搭載していることもあり、パッと見では、ミドルレンジかミドルハイに見えるでしょう。
背面に指紋センサーを搭載し、2Dの顔認証にも対応しています。使いくらべてみたところ、指紋によるアンロックの速さに驚きました。両方を設定して、指紋をメインに使うのがよさそうです。
SIMスロットには2枚のnano SIMに加えて、microSDも装着できます。DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応しています。海外渡航が多い人が、渡航時用として購入して、日本で使っているSIMを挿して電話を待ち受けし、現地で買ったSIMで現地での通話・通信に使うのもいいでしょう。
電池持ちの良さは期待してOK!
さて、AX7の最大のアドバンテージといえるのが、4320mAhの大容量バッテリーでしょう。実際に電池はかなり持つ印象です。筆者はスマホのレビューを書く際は、評価用の端末に普段から使っているSNSやゲームのアプリをインストールし、なるべく普段通りに使うように心がけています。加えて、評価のために写真を撮ることも多くなりますし、ベンチマークテストもします。なので、普段よりも電池を消耗するはずですが、AX7は明らかに電池が持つと実感できました。
よほどのヘビーユーザーでないかぎりは、1日は余裕で持ち、意識的に電池をセーブするように使えば2日持たせることもできるでしょう。スタミナ面でも海外渡航用に向いていると思います。海外に行くと、Googleマップを使うことが多くなり、写真を撮ったり、テザリングを使ったりすることも多くなりますからね。
デュアルカメラで手軽に背景ボケを楽しめる
OPPOはカメラに力を入れているメーカーです。AX7アウトカメラは約1300万画素+約200万画素(深度計測用)。インカメラは約1600万画素。エントリーモデルとしては上々のスペックです。
アウトカメラは「ポートレート」モードで撮ると、背景をやわらかくぼかして、人物が際立つ写真が撮れます。また、「ポートレート」モードは人物ではなく、物を撮ったり、景色を撮ったりするときにも有効。見栄えがしない背景をぼかしたいときにも重宝しそうです。
インカメラは、AIによって顔をきれいに補正してくれる機能があります。性別や年齢を解析し、その人に合った補正が行なわれるようで、筆者のようなおっさんにも有効な機能だと感じました。5歳くらい若く見えるように補正される印象です。また、インカメラはシングルレンズですが、デジタル処理によって背景をぼかせます。
iPhoneのデータを移せるなど、便利な機能も充実
AX7は、メーカー独自の「Color OS」を搭載していることもあり、独自機能も多めです。また、他メーカーのAndroid端末にもある機能でも操作性が違ったりします。
筆者が使ってみて便利だと思ったのは「データ移行」アプリ。iPhoneからiCloud経由で連絡先と写真データを移すことができ、しかも時間もそんなにかかりません。
筆者は必要とは感じないのですが、人によっては重宝しそうなのが、SNSアプリのクローンを作れる機能。1つのアプリに1つのアカウントしか設定できない「Facebook」や「LINE」のクローンアプリを作って、2つのアカウントで使えるんです。
OPPOのスマホに以前から搭載されている、画面を3本の指で下になぞってスクリーションショットを撮れる機能も便利。逆に、3本の指で上になぞると、画面を2分割するマルチウィンドウが起動します。マルチウィンドウはAndroidの標準機能ですが、AX7には「Chrome」と「Opera」の2つのブラウザが搭載されているので、2つのウェブページを同時に見ることもできます。
よく使う機能を素早く呼び出せる「スマートサイドバー」も、使ってみる価値がある機能でしょう。横向きで動画を見たり、ゲームをしたりしているときにも重宝しそうです。
日常的に使う機能の操作感に不満はなく、電池持ちは抜群に良いAX7。ライトユーザーにはメインで使うスマホにもなり得るでしょう。コスパの高い端末なので、SNSを楽しむためのプライベート用や、海外渡航時用などとしても、検討する価値はあるでしょう。
「AX7」の主なスペック
メーカーOPPO
ディスプレー6.4型液晶(19:9)
画面解像度720×1520
サイズ約75.4×155.9×8.1mm
重量約168g
CPUSnapdragon 450(オクタコア)
内蔵メモリー4GB
内蔵ストレージ64GB
外部ストレージmicroSD(最大256GB)
OSAndroid 8.1(ColorOS 5.2)
対応バンドLTE:1/2/3/4/5/7/8/18/19
/20/26/28/38/39/40/41
W-CDMA:1/2/4/5/6/8/19
4バンドGSM
DSDS○(DSDV)
VoLTE○
カメラ画素数リア:1300万画素+200万画素
/イン:1600万画素
バッテリー容量4230mAh
FeliCa×
防水/防塵×/×
生体認証○(指紋、顔)
USB端子microUSB
カラバリゴールド、ブルー
発売時期発売中
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