毎日がエープリルフールなお魚ちゃんをギョ紹介します。
コクハンアラちゃんは、大きなお口で、お魚やエビちゃんやカニちゃん、タコちゃんなどを食べる強いお魚です。なのに10センチほどの小さなシマキンチャクフグちゃんに、そっくりマネをするのです。なぜでしょう?!
シマキンチャクフグちゃんは毒を持つため、小魚ちゃんを食べる中くらいや大きなお魚ちゃんたちにはおそれられます。でも、おだやかなくらしをしているので、小さなお魚ちゃんたちをこわがらせることはありません。
シマキンチャクフグちゃんのマネをすれば、コクハンアラちゃんは小魚ちゃんをこわがらせずに近寄り、大きなお口でパクッと食べることができます。
コクハンアラちゃんは、成長すると1メートルほどにもなります。さすがに、巨大に成長したらシマキンチャクフグちゃんのマネはできなくなります。でも大きさが数十センチになるまでのかなりの期間、シマキンチャクフグちゃんそっくりの色ともようをしています。
なんと‼ めすのふり?!
多くの海の生き物は体が大きなおすが、小さなめすといっしょになり、子孫を残します。では体が小さいおすはどうするのでしょう??
こ・た・え・はぁ~??
ズバリ‼ めすのふりをするのでギョざいまーす。
コウイカちゃんの仲間や、サケちゃんの仲間、ベラちゃんの仲間には、大きく強いおすに寄りそうめすに、めすのふりをして近づき、自分の子孫を残すちゃっかりとした小さなおすがいます。
めすのふりをするおすは、スニーカーと呼ばれます。たいていは、めすと同じくらいの大きさだったり、めすとそっくりの色やもようだったりします。産卵が近づくと、ササーッとおすに寄っていきます。この行動は、スニーキングと呼ばれます。うそをつくのもおす。うそをつかれるのもおすなのでギョざいます。
にせの食べものでつりをするお魚もいます。アンコウちゃんの仲間やカレイちゃんの仲間には、ひれと皮ふの一部が、まるでつりざおと、つりえさによく使われるゴカイちゃんなどにそっくりな、つり道具を持つ種もいます。生きているように上手に動かして、小魚ちゃんをおびき寄せて食べてしまいます。お魚が、お魚つりをするなんて‼ ギョギョッとビックリですね。
こうして見るとみんな、厳しい世界を一生懸命、生きていくためのうそだとわかりますね!
さかなクン 国立大学法人東京海洋大学名誉博士・客員教授。お魚の情報や正しい知識、おいしい食べ方から環境問題、未来の漁業まで、はば広い分野で講演活動を行う。
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