元乃木坂46で俳優の松村沙友理さんは、5月12日公開の映画「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」で、地下アイドルを全力で推すトップオタクの役を演じています。アイドルとして推されてきた経験をふまえて、推し活への向き合い方をどう考えるか聞きました。
推し方は自由 好きな気持ちを大切に
松村さんは映画の撮影に臨んで「アイドル時代、ライブでコールをしてもらうのがすごく好きだったけれど、する側もすごく楽しかった。(ステージ上の)推しと目が合うって本当にうれしいんだと。ファンの視点がやっとわかりました」と話します。
グループの主要メンバーだった松村さん。でも、実はアイドル時代、人と比べて自分は平凡で「ここにいていいのだろうか」と自信をなくすことが多かったと明かします。「それでも私がアイドルでいられたのは、推してくださる皆さんのおかげだなと、100%思います。ファンの人からの声、一つひとつが全部糧になっていました」
自身は昔からアニメや漫画など2次元の世界に推しがいて、「推す側になるのは大好き」といいます。
「ときめきって、恋愛だけではなく人生の中にたくさんあって、例えば漫画やアニメにも隠れている。推しがいることで人生が平たんでなくなり、自分の中の小さなキラキラしたものを感じやすくなれます。その機会をたくさんの人につくれたアイドルは、いい仕事だったなと思います」
作品では熱狂的なファンたちが描かれていますが、松村さんは「推し方はそれぞれで、教科書はない」と考えます。「もちろん応援する対象に迷惑がかかることはだめだけれど、握手会に絶対に行かなければいけないわけでもない。家のテレビで見てくれるだけでも、ちゃんとした応援だと思います」
中高生時代は、好きなアニメの話題を共有できる友達が周りにいませんでした。一人でイベントに行ったり、グッズを集めたり、「オタクを楽しんでいた」そうです。「自分が何かを好きという気持ちを大事にするのが、一番大切なことなのかなって思います。ただ、推されていた側からわがままをいうと、私は『愛は長く派』なので長く推してもらえたら一番うれしいですね」
1992年8月27日生まれ、大阪府出身。2011年に乃木坂46のメンバーとしてデビュー。21年にグループ卒業。映画「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」の主演を務める。(撮影・品田裕美)
「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」の一場面 5月12日(金)新宿バルト9 他全国ロードショー (Ⓒ平尾アウリ・徳間書店/「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」製作委員会 配給 ポニーキャニオン
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