神谷航平さん(群馬・17)
学生団体 Change of Perspective 代表
公立高校を中心に全国1400以上の校則をウェブサイトで公開しています。活動のきっかけは、通っていた中学校のルールに抱いた違和感でした。下校してから午後4時まで外出してはいけないという決まりがありました。学校から帰ったら自由なはずなのに。ルールの必要性を先生に尋ねても、納得できる答えは返ってきませんでした。
先生と議論するための材料として、他の中学校の校則を調べ始めました。SNSで意見を聞いたところ、行政機関などに求める情報公開制度の存在を知りました。1人で市役所に足を運び、情報の開示を請求しました。
2週間程で市内全25の公立中学校の校則を入手できました。意外とすんなりいけるな、と思いました。近隣地域の校則と合わせて学校に持って行き、先生と話し合いましたが、ルールを変えるまでには至りませんでした。
校則は学生生活に大きな影響があります。当たり前のように公開されるべきだと思いました。SNSでメンバーを集め、2021年に学生団体「Change of Perspective チェンジ オブ パースペクティブ」を立ち上げました。「全国校則一覧」というウェブサイトで、集めた校則を公開しています。
校則を集める中で気づくこともあります。「ツーブロック禁止」や「下着や靴下の色は白」といった違和感を覚える校則が全体の1割ほどありました。高校よりも中学校の方がより厳しい印象です。
ウェブサイトを見た中高生からは、「参考にしたい」「校則を変えることができた」といった声が寄せられています。学校選びや議論に役立ててほしいです。今後は校則の数を増やしながら、より細かく比較できるような統計データの掲載も予定しています。
公開した当初は勉強との両立が大変でしたが、最近は慣れてきました。平日は小学校のサッカークラブでコーチもしています。校則や社会問題には大学に入っても関わっていきたいと考えています。
◇
2023年は卯(ウサギ)年。ウサギにまつわることわざに「二兎を追うものは一兎をも得ず」があります。二つのことを同時にすると両方失敗するという意味ですが、二兎を得られるのは二兎を追う人だけ。学業と両立しながら、「二刀流」ならぬ「二兎流」で社会問題に取り組む10代を紹介します。
外部リンク