若い世代が副業を始めようして、詐欺被害に遭うケースが増えている。どうすれば詐欺を見抜くことができるのか。AERA 2023年10月2日号より。
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何とか収入を増やさないと──。そんな思いで見つけた「副業」で、消費者金融から多額のお金を借り入れさせられる「副業詐欺」が今、問題になっている。
「コロナ禍で給料が減り、最近では物価高で生活が苦しくなった若い世代が、副業を始めようと思いだまされたという相談が急増しています」
と話すのは、副業詐欺を専門に扱う、大地総合法律事務所(東京都港区)の佐久間大地弁護士。最近は、月100件を超える副業詐欺に関する相談依頼があり、200万円近い借金を背負う若者が多いという。詐欺の手口で多いのは、SNSを通じ投資やFXなどの情報商材を購入させ高額なサポート契約に勧誘した後、遠隔操作アプリで複数の消費者金融から借金させるパターン。佐久間弁護士は言う。
「若い世代はITリテラシーが高いものの、何が正しいのか情報を取捨選択する能力が低くなっていると思います」
副業詐欺を巡っては、消費者庁も繰り返し注意喚起をしている。少しでも不安に思ったら、弁護士や消費生活センターに電話をすること。騙された場合、お金は弁護士を通じある程度取り戻せる可能性がある。
だが、佐久間弁護士は「一番大切なのは詐欺にかからないこと」と注意を呼びかける。
「怪しい副業を見破るポイントは、(1)数十万円近い多額の初期費用を求められる、(2)『誰でも』『簡単に』『在宅で』といった稼ぐ方法が簡単すぎる、(3)業者の名前+詐欺で検索する──この3点です。副業詐欺を行う業者は、マルチ商法と同じで、外部との接触を遮断しようとしてきます。『簡単な副業』は絶対にありません。そのことを肝に銘じておいてください」
(編集部・野村昌二)
※AERA 2023年10月2日号
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