2023年2月11日・12日,東京ドームにて「THE IDOLM@STER」シリーズ初の5ブランド合同ライブ「THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!!!! 2023」が開催された。
両日で総勢100名以上のアイドルが出演したこのライブは,「THE IDOLM@STER」初の東京ドーム公演で,しかも,コロナ禍以降で初の観客の声出しが解禁された。
本稿では,ドキドキとワクワクがいっぱいのライブDAY1,そして終演後に行われた出演者インタビューの様子をお届けする。
観客の“声”が戻ってきた会場で次々と繰り広げられる,アイマス5ブランドの共演
公演は“緑の制服代表”音無小鳥(C.V 滝田樹里さん)の癒しボイスMCから始まった。さらに各ブランドの事務員である,千川ちひろ(C.V 佐藤利奈さん),青羽美咲(C.V 安済知佳さん),山村賢(C.V 河西健吾さん),七草はづき(C.V 山村響さん)から今回のライブについての案内・注意事項が読み上げられる。
ライブのテーマは「みんな元気!!!!!」とのことで,今回のライブから解禁になった,「観客の声出しOK」の旨も伝えられた。コロナ禍によりかなり長い期間,ライブでは声を発すことなく,サイリウム,ジェスチャー,拍手などで演者とのコミュニケーションを行ってきた我々プロデューサーだったが,喜びの声を上げている会場の様子は,長らく忘れていた感覚を呼び起こし,とても新鮮に映った。
全出演者の姿が映されるオープニングムービー,そしてとびきりはつらつとした天海春香の声が響き渡る。
「プロデューサーさん,ドームですよ,ドーム!!!!!」
今回のライブは,5ブランドが入り乱れ,歌のテーマに合わせたメンバーでの歌唱,他ブランド曲のカバーが行われるなど,合同ライブにふさわしい形で行われた。
歓声のなか,「THE IDOLM@STER」「Shine!!」「Glow Map」「DRIVE A LIVE」「Resonance」がワンコーラスずつ5曲続く。各ブランドのご挨拶といったところだろうか。全アイマスブランドがひとつのステージに集結している……と改めて実感した瞬間だ。
765プロオールスターズの挨拶・自己紹介を挟み披露されたのは,放課後クライマックスガールズの「ビーチフレイバー」。客席はオレンジのサイリウムでいっぱいだ。続いて「ドレミファクトリー!」「はるかぜバトン」「shiny smile」「夏時間グラフィティ」と,夏の元気さやキラキラした光を思わせるような曲が次々披露され,5ブランドのアイドルたちが,一丸となって客席に放ってくるパワーに圧倒される。765プロオールスターズが「Reason!!」を歌い上げたあとは,SideMのメンバーによる自己紹介MC。SideMは,合同ライブに初参加,特にC.FIRSTは声援のあるライブに参加することも初めてということで,今回のライブにかける並々ならぬ意気込みが語られた。
次は少し雰囲気を変え,「虹色letters」「僕らだけの未来の空」「秘密のメモリーズ」「Arrive You 〜それが運命でも〜」「百花は月下に散りぬるを(Long Intro Ver.)」「Gaze and Gaze」と,爽やかな曲からクールな曲まで,ステージはさまざまな顔を見せる。U149,TIntMe!,もふもふえん,ノクチル,Triad Primusなど,共通項のあるアイドルが一緒に歌っている姿は,まさに夢の共演だ。SideMメンバーの歌う力強い「エージェント夜を往く」から,シャイニーカラーズメンバーのMCへ。C.FIRST同様,ノクチルも初めてプロデューサーたちの声を聞いたとのことで,会場の声援は更に大きくなった。
“FIVE STARS みんな元気メドレー”と題し演奏されたのは,「GO MY WAY!!」「JOKER↗オールマイティ」「I'm so free!」「ラ♥ブ♥リ♥」「Get lol! Get lol! SONG」「絶対正義 EVERY DAY」「スパイスパラダイス」全7曲のメドレーだ。タイトルの通り,元気で自由なアイドルたちの姿に,プロデューサーたちの顔もほころぶ。楽しいメドレーのあとには,ミリオンライブ!のメンバーが,シャイニーカラーズの曲「Let's get a chance」を披露した。
そして,希望の光いっぱいに包まれたステージから退場したミリオンライブ!メンバーの次に現れたのは,シンデレラガールズ。各々の自己紹介をしたあと,シンデレラガールズがユニット衣装でライブに出演するのは新鮮な試みということで,キャスト全員が一回転して後ろ姿まで見せてくれるという和やかな時間が流れた。
ますます勢いに乗る後半。5つの星の輝きが,ひとつになるステージ
今回のライブセットで印象的だったのが,ステージの両端上部に設置された横長のモニターだ。ここには,演奏されている曲名,ブランド,演者,キャラクターイラストが常に表示される。5ブランドの合同ライブ故に知らない曲が出てきても,概要をすぐに把握できるし,気になった曲をあとで調べやすい。途中から参加したメンバーもタイミングよく表示されるという,細やかな演出も嬉しく,他ブランド曲を初めて聴いたプロデューサーとの,力強い架け橋になるだろう。
さて,後半もステージの勢いは止まらないどころか,どんどん加速していく。「ABSOLUTE RUN!!!」「BRAND NEW FIELD」「Dye the sky.」「流れ星キセキ」「ハイファイ☆デイズ」「True Horizon」が順に演奏される。ライバル事務所,イメージカラー別など,一緒に歌っているアイドルの共通点を見つけるのが楽しい。
他ブランドを知らなくても,「このメンバーはメガネつながり!?」,「これはかわいいイメージ?」と想像力が掻き立てられ,別ブランドのアイドルにも興味が湧いてくる。いろいろな角度から楽しめるセットリストだ。
続いて,ミリオンライブ!のアイドル達が登場し自己紹介を行った。なんと「ミリオンライブ!」は今年で10周年となり,8月に劇場先行上映されるアニメについても改めて報告があった。
熱狂のライブも,いよいよ終盤だ。次は“カッコイイ曲”が集まったパートに突入。シンデレラガールズ全員による「FairyTaleじゃいられない」を皮切りに,「We're the one」「Transcending The World(Long Intro Ver.)」が披露され,キレのあるダンスにも注目が集まる。続いて「Platinum MASK」「アンデッド・ダンスロック」によってダークな空気が会場を支配したところで,SideMメンバーが「Tulip(Long Intro Ver.)」を男声のセクシーさでクールに歌い上げ,会場を魅了する。最後は「Trancing Pulse(Long Intro Ver.)」がキリリとパートの締めを飾った。
ついに本編のラスト。このライブに合わせ,全ブランド揃いで仕立てられた,「アイドルマスター」シリーズ15周年記念曲衣装「スターリー・フューチャーズ」を着た出演者たちが,揃って舞台へ登場する。ホワイトの生地と金色のライン,ボトムスに各ブランドのイメージカラーがあしらわれたこの衣装は,華やかでありながら,凛々しさも可愛らしさも同時に表現されている。
披露された曲は,「THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!!!! 2023」のために作曲された,「CRYST@LOUD」。希望に満ちたアイドル達ののびやかな歌声はドーム中に鳴り響き,大きな歓声に包まれながら出演者は退場した。
数年ぶりに聞いたプロデューサーの「アンコール!」に応え,再度出演者全員が舞台に登場。客席もライトで明るく照らされ,優しく,そして力強く,「アイ MUST GO!」が披露された。
各事務所のアイドル,アイドルと曲,アイドルとプロデューサー,そして,「アイドルマスター」シリーズがこれまで歩み,そして未来へと続く道。各々をつなぐ糸が複雑に絡み合い,美しく深い味わいをもって織り出されるハーモニーは圧巻だった。5ブランドのアイドルたちが魅せた夢と奇跡の結晶は,2日目へ続く……!
終演後のキャストインタビューの様子をお届け
最後にライブ終演後に行われたメディア向けの囲み取材の様子をお届けしよう。各ブランドからそれぞれキャスト1名を迎え,ライブ後の感想などを聞いている。参加キャストは以下の通りだ。
・アイドルマスター 765プロオールスターズ
今井麻美さん (如月千早 役)
・アイドルマスター シンデレラガールズ
福原綾香さん (渋谷 凛 役)
・アイドルマスター ミリオンライブ!
山崎はるかさん (春日未来 役)
・アイドルマスター SideM
寺島拓篤さん (天ヶ瀬冬馬 役)
・アイドルマスター シャイニーカラーズ
和久井 優さん (浅倉 透 役)
──初めて5ブランドが集結したライブ1日目を終えた感想をお聞かせください。
和久井 優さん(以下,和久井さん):
無事に終わってほっとしております。私にとっては初めての合同ライブ参加でしたし,初めてプロデューサーさんの生の声を聞いてとても感動しました。先輩方に囲まれとても緊張しましたが,最高に楽しいライブができて良かったなと思っております。
福原綾香さん(以下,福原さん):
8年前に開催された合同ライブに出演させていただいたときも楽しかったですが,そのときよりもさらにファミリーが増え,さらに楽しみ方が広がったのを感じています。同時に765プロの皆さんの絆や,妹分ちゃんたちの活躍も刺激になりました。どの瞬間も名場面だなと,出演しながら感じていて,本当に一生忘れられない,忘れたくない素敵な思い出になりました。
今井麻美さん(以下,今井さん):
今回は5ブランド勢ぞろいして,セットリストを見ていただくと分かるように,出演者のみなさんが,縦の糸と横の糸が絡み合うように,いろんな組み合わせでいろんな曲を披露していらっしゃっています。
今まで全部のブランドを追いかけてきた方もいらっしゃるかもしれませんが,ひょっとしたら,今まで知らなかったブランドのことをより強く知ることができた方もいらっしゃるかも。我々出演者たちの絆も,本当に固く結ばれたように感じました。
(プロデューサーの持っている)キャラクターのうちわとかTシャツとかが他ブランドさんのものだったりしても,本当にちぎれそうなくらいに手を振ってくださったりして,「アイドルマスター」の絆が本当に強くなったと感じています。
山崎 はるかさん(以下,山崎さん):
私も8年前の合同ライブに参加させていただきました。あのときは,もうあれ以上パワーアップすることはないだろうと思っていましたが,まだ進化はありましたね。
ライブの開幕に先輩たちが,「ドームですよ,ドーム!」のセリフとともにせり上がってきたところでもう感動して。そこからいろんな人のパフォーマンスが始まると,さらなる化学反応がすごくて。蛙の人(「Get lol! Get lol! SONG」のピエールとやよい)とか……。
全員:
可愛かった!
山崎さん:
カエルつながりとか,年少のアイドルとか,想像もつかなかったような組み合わせまでどんどん出てきて,もっといろんな組み合わせを見たいと思いました。まだいっぱい5ブランドの仲間がいますからね。すごく楽しかったです!
寺島拓篤さん(以下,寺島さん):
山崎さんのおっしゃる通り,もっとやりたいなって思うのが,終わった今の率直な気持ちです。僕ら「SideM」は,合同ライブに初参加だったので,女性たちと一緒に歌うときは,キーの違いなどさまざまな課題があるなか,いろんなことを考えてライブを作り上げてくださったんだと,すごく感謝しています。そのうえで,自分の出番以外のステージもしっかり見ていて,「この組み合わせあるんだったら,SideMにもいい子いるよ!」「このメンバーにSideMの曲を歌ってほしい!」と思うなど,自分のなかで,もっともっと可能性が広がったと感じました。
我々には,男性プロデューサーの声援がすごく嬉しくて新鮮で,この声をもっと聞きたいなと思いましたし,こんなに声を上げてくれるなら,これからもどんどん仕掛けて行きたいなと思いました。プロデューサーやファンの皆様の楽しみ方も広がったのではないかと思える,本当に充実した公演になりました。
――『アイマス』シリーズ15周年記念曲の衣装“スターリー・フューチャーズ”に初めて袖を通したときのお気持ちを聞かせてください。
今井さん:
普段青しか着ていなかったものですから,初めて袖を通した時は,(恥ずかしくて)奇声をあげました!
山崎さん:
すごく似合っていますよ!
福原さん:
そのときの今井さんの奇声を私は聞いていました。
今井さん:
今回のゲネプロの合間を縫って衣装チェックとして着たときに,たまたま隣の部屋にいたふーりん(※福原氏)に「恥ずかしい」という声を聞かれていたようで……。
和久井さん:
私も,リハーサルの合間を縫ってフィッティングしたと思うんですが,隣に先輩方がいて,その先輩と同じ衣装を着ているということに,身が引き締まる思いでした。普段は,「シャイニーカラーズ」のメンバーと,「いいじゃん,似合ってるじゃん」みたいな,友達のようなノリでフィッティングしているので,あの先輩がここにいる!という感動がすごかったですね。
今井さん:
ふーりんは普段とあまり変わらないね。
福原さん:
しっくり感はあるけれど,タイと背中に各ブランドのロゴがついているのが嬉しいですね。
山崎さん:
皆さん気づいていないかもしれないですね。
寺島さん:
羽って言うのがまたいいね。背中の写真も撮ってもらえばよかったね。
福原さん:
背負っているという感じがするし,どこまででもいけそうな感じもする。
山崎さん:
男女でデザインがおそろいっていうのが,すごくいいと思いました。
今井さん:
「SideM」の人たちは,ターンすると裾がひるがえって素敵なんです。
山崎さん:
タイの形,男性は少し違いますね。
寺島さん:
結びかたが違うんです。みんなで集まってそのことに気づきました。お揃いだからこその違いが出ているところに,「アイマス」という同じ名前のもと集まった,ブランドが違う仲間,ということが見事に表現されていると思いました。
――難しいとは思うのですが,ご自身が参加した曲の中で1点,「ぜひここだけは見てほしい」というこだわりのポイントを教えてください。
全員:
難しい……。
山崎さん:
全員がこういう反応になるくらい,すごかった!
今井さん:
私は「Reason!!」がアツくて,最高でした!
寺島さん:
僕はそれを見て泣き崩れていました。
今井さん:
実は仲村宗悟くんたちが何人かで振り付けの動画をわざわざ撮って皆に共有して教えてくれていて,本当に楽しかったです。私は上手に「SideM」のポーズができなかったんですが,ゆっくり手を動かしているところが映像化されたときに映っていたらいいな。
山崎さん:
私がいちばんグッと気合いを入れたところは,赤のみんなで歌った「流れ星キセキ」です。エモかったというか,表現が難しいんですけど,繪里子さんがこうして(両手を広げて抱きかかえるようなポーズ)くれていた気がする。
今井さん:
文章では伝わりにくい!
全員:
(笑)
今井さん:
手を広げて包み込む母のような感じだね。
山崎さん:
リハーサルを何度もやりましたが,本番で一番大きく手を広げて,プロデューサーと私たち(山崎さんと仲村さん)を包み込んでくれている感じがしたんです。より繪里子さんの偉大さというか,すごい愛で皆をつないでくれている瞬間を,一番近くで感じました。
今井さん:
しかも,その3人の中にはいない「シンデレラガールズ」の曲というのがまたエモい!
福原さん:
私もステージからはけながら,エモさを感じていました!
寺島さん:
僕は「BRAND NEW FIELD」を挙げたいと思います。途中で,沼倉さんと長谷川さんが駆けつけてくれて。Jupiterはフルメンバーではなかったんですが,961プロ出身のおふたりと一緒に歌えたということに,すごく歩みを感じましたね。
今井さん:
しかも,2番まで歌って,「もう誰も出てこないのかな?」と思ったところで舞台に出てくるところがね。
寺島さん:
神原くんが“フェアリーたち”と呼び込んだことに気づきました。
今井さん:
それ,寺島くんは知っているはずなのに,本当に驚いているように見えて,役者だなあって。
全員:
(笑)
寺島さん:
しっかり稽古しましたから! 961プロ所属アイドルの輝きも,見せてきたいですね。
和久井さん:
私は,アンコール曲の「アイ MUST GO!」です。どの曲もプロデューサーさんとのつながりを深く感じたのですが,この曲ではキャスト同士でのつながりも同時に感じました。本番って,こういう奇跡が起きるんだと……。
福原さん:
私はやっぱり「Dye the sky」です。
今井さん:
楽し過ぎてあまり記憶がないんですけど,私たち,歌えていましたか。
寺島さん:
めちゃくちゃかっこよかったです。
和久井さん:
「シャイニーカラーズ」のメンバーは歓喜していました。
福原さん:
前回の合同ライブでは「MUSIC♪」という明るい曲を歌いましたが,今回はシリアス・クール・情熱が燃えている……というような楽曲で,成長や絆,この8年のあいだに培ったものを見せなきゃいけないぞという熱い思いがあったのですが,なんだかんだ3人並んだら楽しくて。歌い終わったあとは,緊張感と楽しいと達成感で,自分がどういう顔をしていたのかちょっと覚えていません。
山崎さん:
すごく笑顔でした! 青の3人が笑顔でそこにも「エモッ!」となっていました。
寺島さん:
よく見てる!
山崎さん:
出番の前の曲だったので,3人でしっかり見ていました。
今井さん:
ドームの天井を突き破るんじゃないかな,という気持ちでやったよね。
福原さん:
終わった後に千菅春香ちゃんが「いい試合だった」と言っていて,確かにこれは試合だったなと。
今井さん:
試合だった! ちなみに私は私物で,今日ここにはいない青のメンバーのバッジを胸元にこっそり仕込んでいました。小さくてわかりづらいですが,ぜひ映像で確認してみてください!
(C)窪岡俊之 (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
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