11月7日、都内で行われたゲームの発表会。
登壇していたのは、ゲームの主役を演じる女優の今田美桜。
ステージ上でアフレコを披露することになると、瞬時に真剣な表情へと変わる。
"福岡一かわいい女の子"と称されるルックスはもちろん、演技力も高く評価されている。
イベントとすべての取材対応が終わったところで、スタッフに大きなぬいぐるみをサプライズでプレゼントされると、思わず笑みがこぼれる。
「かわいい!いただいていいんですか?」
ぬいぐるみをギュッと抱きしめる。
その場の空気が、一気に和らいだ。
「かわいいとかわいいの組み合わせ…最高ですね!」
その場にいた女性スタッフが、うっとりした表情で声をあげる。
同性からも多くの支持を集める彼女の魅力に、スタッフや関係者たちも、すぐに夢中になっていた。
現在21歳。今田は2016年8月に地元・福岡から上京し、芸能活動を本格化させた。
CMや雑誌のグラビアのほか、映画は2017年だけで3本の出演作が公開。月9などドラマでも存在感を放ち、躍進を続けている。
上京からわずか2年。
これだけの活躍をしていながら、当の本人は「本当に幸せです。でも自分ではまだまだだと思うので、もっとがんばりたいです」と申し訳なさそうに頭を下げる。
バスケに打ち込んだ小学校時代
もともと芸能界を志していたわけではなく、子どもの頃の夢は「幼稚園の先生」だった。
「大好きな先生がいたんですよね。とにかく優しかったですし、話もたくさん聞いてくれて。だから、自分もそんな先生になりたかった。中学校くらいまでは、それが夢でしたね」
3人きょうだいの長女で、ピアノや塾に通っていた。
「お姉ちゃん的な友達も多くて、自分では妹キャラだと思っています。しっかりしていないですし、人をまとめるのとかも苦手で、お任せしちゃうタイプです」
「家では門限があって、結構厳しかったと思いますね。習いごとは幼稚園くらいから中学の高校受験の時期までピアノをやっていて、中学校の頃は3年間、塾にも通っていました」
「小学校3年生から卒業するまでやっていたミニバスケットボールは、特に打ち込んでいました。2チームに所属していたんですけど、どちらも週3くらいで練習があって、週末は練習試合もあったので、ずっとバスケをやっていましたね」
「運動神経は全然よくないけど、体を動かすのは楽しかったです。中学のときは陸上部に入っていました」
公式サイトの趣味欄には「語学勉強」と記載されており、中国語検定2級を取得している。
ただ、勉強はあまり得意ではなかったという。
「中国語もまだまだですし、英語もまったくできなかった(苦笑)。好きな科目は社会だったんですけど、理数系が全然わからなかったので、それよりは暗記の方がいいなって」
誰でもやれるお仕事ではない
それまでは芸能界とは縁遠い、普通の高校生だった。
しかし16歳、高校2年の頃にスカウトされ、地元のモデル事務所に所属。「学業優先」という条件はあったが、親も芸能活動に前向きだった。
「両親が『誰でもやれるお仕事ではないよね』っていう話をしてくれて、私も挑戦してみたいと思いました。人前に出る経験が小学校の学芸会以来だったので、すごく緊張しながらやっていました」
「高校では部活に入っていなかったこともあって、生活に大きな変化はなかったですね。そんなにバリバリお仕事をしていたわけではなかったですし。だから学校帰りには、いつも友達と遊んでいました」
「自転車通学だったので、そのままショッピングモールに行ったり、売店に行ってご飯を食べたり。みんな活動を知ってくれていましたけど、私の学校はアイドルやモデルさんがほかにも何人かいたので、驚く人はあまりいなかったんじゃないかな」
与えられた仕事をこなしていくなかで、演じることへの思いが強くなっていった。
高校卒業を控え、芸能活動1本でやっていこうと決めた。
「進路を決めるときに、一番やりたいことは女優さんだなって」
「ただ、ほかの人とは違う道だし、安定した職業ではなかったので、最初はやっぱり不安でした」
両親は大学進学を希望しており、当初は反対された。
しかし、それまでは「流れに身を任せる」性格だったという今田も、このときは気持ちが揺るがなかった。
「どのタイミングで両親に伝えるかは、すごく悩みましたね。伝えてからも最初は『えっ!?』って反応でなかなか許してもらえなかったんですけど、担任の先生も一緒に説得してくれて、少しずつ理解してもらえるようになりました」
「いましかない」と上京を決断
高校卒業の直後は、それまでと変わらず福岡を拠点に活動した。
女優として思うように仕事が決まらず、悔しい思いをすることもあった。
「すぐに東京に行くという選択はできなかったので、1年間ずっと、どうするか悩んでいました。東京にお友達もいないし、頼れる人もいなくて、勇気が出なかった」
「でもあの1年があったからいまの自分があるし、がんばれるんだと思いますね。1年早く来ていたら、いまのお仕事はいただけていなかったかもしれないし」
1年あまりたった頃、いまの事務所の社長から声がかかった。
すぐに上京を決断した。
「成功できる自信があったかはわからないですけど、いましかないって思っていました。悩んでいたときに声をかけてくださったので、すごく感謝しています」
もともと人見知りだったが、上京してからはそれを実感する場面が増えたという。
「学生のときは毎日同じ子と会うので、そこまで感じていませんでした。でも東京に来てからは毎日違う人とたくさんお会いするので、人見知りなんだって改めて思いましたね。いまでもあまり、自分からは声をかけられないです」
だからこそ、ひとりの時間も大切にする。
「仕事以外では、家にいることが多いですね。なにも考えずにぼーっとしていて、気づいたら何時間もたっていることもありました。自分にとって必要な時間ではありますね」
「東京に住んで間もない頃は、肌が荒れたりすることもありました。福岡と東京では人や電車の数とか、環境がまったく違いますし」
「でも、福岡に帰りたいと思ったことはないです。事務所の社長さんやスタッフさんがアットホームであたたかくて、つらいという気持ちは全然なかったですね。毎日、すごく充実しています」
SNSのフォロワー数は一気に100万超え
一切の迷いはない。
解き放たれたように、女優としての才能はどんどん花開いていく。
上京から約1年後には月9ドラマ「民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?〜」で高橋一生の相手役をオーディションで勝ち取り、コールガールを熱演した。
今年4月から放送された「花のち晴れ〜花男 Next Season〜」では2面性のある難しい役どころを演じ、幅広い世代にその名を知らしめた。
この時期には、Instagramのフォロワー数が一気に100万人を超えた。
「『花のち晴れ』の愛莉を演じさせていただいてから、街でも声をかけられるようになったり、Instagramのコメントもすごく増えたりしました。本当にありがたいですね」
「演じることで、いろんな発見もあるんです。例えば喜怒哀楽が激しい愛莉を演じたことで、実は自分自身も喜怒哀楽が激しい一面があるんだなと気づきました。最初は自分と違うと思った役でも、演じているうちに似てるんじゃないかなと思うことがありますね」
特に10代や今田と同世代、同性から高い支持を得る。
彼女たちに憧れられる存在にもなった。
「まずは、いただいた役を丁寧に丁寧に演じて、もっと幅広い役をやらせてもらえるようになりたいです。ほんと、まだまだなので、これからもがんばりたいなと思っています」
女優として役を演じるなかで、今田は「負けず嫌い」になったという。
大きな瞳を輝かせながら語る謙虚な言葉の裏には、強固な意志が感じられた。
今後も真摯に役と向き合いながら、飛躍していく。
【取材・文 : 前田将博(LINE NEWS編集部)、撮影 : 大橋祐希、動画 : 水島英樹】
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