注目度急上昇中のお笑いコンビ・空気階段をご存知ですか?
口ひげがチャーミングな鈴木もぐらと、丸メガネが特徴の水川かたまりの2人で結成。芸歴7年目ながらラジオのレギュラー番組を持つ彼らは、先日放送された『ゴッドタン』の「この若手知ってんのか2019」企画で「とにかくヤバい若手芸人部門」第1位に輝いたいわばネクストブレイクの筆頭株というべき存在。
彼らはコントに定評があり、南海キャンディーズ、さらば青春の光、劇団ひとりなど各所からお墨付きをもらっているという。今年の3月にはヨシモト∞ホールの看板を背負う「TOP5」のメンバー入りを果たした実力派。お笑いファンにとってはもうおなじみの存在なのです。そんな彼らにブレイク前夜のタイミングでインタビューを試みました。
やるからには「天才部門」で出たかった
──先日放送の『ゴッドタン』の「この若手知ってんのか2019」では、第1位の登場でしたね! おめでとうございます。
水川かたまり(以下、かたまり): それなんですけど、あんまり納得してないんですよ。やっぱり芸人やるからには、「こいつは天才だと一目置かれている芸人」第1位で出たいでしょ。
鈴木もぐら(以下、もぐら):我々は「とにかくヤバい若手芸人」ですから。天才部門は門前払いでしたからね(笑)。(企画書を見て)ブレイクって言っていただいてますけど、いわゆるブレイクする芸人ってちゃんと「天才部門」にいるじゃないですか。『ゴッドタン』に出させていただいたことで反響もありましたし、あれから仕事もいただいたりしましたけど、「ヤバい芸人部門」1位ってブレイク路線ではないのかなっていう。
かたまり:テレビに出させていただくときも、「ヤバい」が先行してて。「ヤバい奴らだけど、コントも面白いよ」って言ってもらうことが多いんですけど、本当は「空気階段はコントが面白い!」っていうのが先に来てほしいんですよ。僕たち「ヤバい」で推してないんで......。
「変なおじさん」は日常
──なるほど(笑)。コント、面白いですよね。空気階段さんのコントって、もぐらさんが特徴的なおじさんのキャラクターで登場されるものが多いじゃないですか? ああいうおじさんたちにモデルはいるんでしょうか。
もぐら: はっきりと「この人!」みたいなのはないですけど、ふわっと取り入れたりしてます。僕としては「変なおじさんが出てくるコント」って言われること自体、不思議なんですよね。街にはたくさんいるじゃないですか。そういうおじさん。
──そうですか......?
かたまり:変なおじさんと遭遇するのは、イベントみたいな感じですね。夏に電車乗ってたらふいに花火が見えた、みたいな。咲いてるな、っていう。
もぐら:イベントとかじゃないよ。変なおじさんとの出会いは、日常なんですよ。変なおじさんを避けてしまうのはもったいないです。別に仲良くしなくていいけど、逃げることでもないから。
かたまり:もぐらは基本的に変な街で暮らしてきたので、遭遇率は高いと思います。 彼はハタチくらいの大阪時代から、ずっと夜の街でバイトしてたので。ギャンブル好きだし、競馬場とか競艇場とか、そういうところに出入りしていると、変なおじさんとのふれあいが自然と増えるんだと思う。
もぐら:いや、みなさんが変なおじさんをいないことにしてるだけなんですよ! 僕からしたらコンビニの店員さんと同じくらい当たり前の存在ですよ。酔っ払いの人が道端にいるのと同じような感覚ですね。新宿や池袋が変な街なんじゃなくて、あれが日本なんです。
──代表作的なコント『クローゼット』では、浮気した男がクローゼットの中に入ると異世界に繋がり、変なおじさんが現れて......と不思議な設定で。ああいうのってどこから着想を得てるんですか?
かたまり:あれはもともと某女性タレントの不倫報道を見て......。浮気男がクローゼットに隠れるみたいなのって、シチュエーションとしてはあるあるじゃないですか。それで、子どもの頃に読んだファンタジー小説の『ナルニア国物語』思い出したんですよね。『ナルニア国物語』では、クローゼットが魔法の国と繋がっているんです。
──日常とファンタジーが融合して。
もぐら:やっぱりファンタジーの世界にも、変なおじさんは普通にいるんですよね。日常ですから。
ラジオをやりたくて芸人になった
──憧れの芸人さんはいますか?
かたまり:爆笑問題さんが好きで、爆笑問題さんのラジオを聴いて芸人になりたいと思ったんです。 元々は『ポンキッキーズ』でやってた「爆チュー問題」が大好きで。お2人がネズミに扮したコントなんですけど。
僕は高校生になるまであんまりお笑い番組を見たことがなくて。「爆チュー問題好きなんだ」って高校の友だちに話したら、「爆笑問題のラジオ面白いから聞いてみなよ」って教えてもらって。その頃は芸人になるつもりなんてなかったんですけど、大学はつまんなくてやめて。そこから1年半ぐらい何もしてないときに、毎日ラジオ聞いてて「俺もラジオやりたいな」って。
──それで今、レギュラーでラジオされるのはすごいですね! 空気階段さんのラジオは劇団ひとりさんが絶賛されているそうで。
もぐら:びっくりしました。劇団ひとりさんに聞いていただいてるって知ったときは。
かたまり:ラジオは毎週めちゃくちゃ楽しいです。コンビ組んだときに、何個か目標を立ていて、その中に「ラジオをやりたい」っていうのはあったんですけど。ラジオなんて売れてからやるって言うものだと思ってたんで、全く売れる見込みがないときからやらせてもらえてるのは本当にありがたいなと思ってて。
もぐら:僕ももともとラジオが好きで。僕はすごくテレビも見ていたんですけど、それでもやっぱりラジオって特別だったんですよね。
空気階段は「ブレイク」じゃない?
──空気階段は2012年結成で、もぐらさんは32歳、かたまりさんは29歳なので、ばっちり「お笑い第7世代」ですよね。霜降り明星のせいやさんが提唱したことで、最近よく耳にしますけど、ご自身が「お笑い第七世代」と呼ばれることについてどう思いますか?
もぐら:そういう言葉ができるってことは、そういうふうにパッケージした方が売れやすいみたいなことじゃないですか。 だったら、断然入れていただきたいというか。
かたまり:これでいい感じにメディアに出ていけるんだったらあやかりたいですね。
もぐら:世間的に「第7世代はダメだ」って言われた時には外して欲しいですけどね。
かたまり:いい思いだけしたい。
──ブレイクの兆しは感じていますか?
もぐら:うーん......最近増えた仕事は、ゲストを招いてエロについて語る雑誌の連載なんですけど、その対談の模様が DVD に収録されて袋とじになりました。
かたまり:袋とじ付録なので、 エロい映像が7個ぐらい続いて、最後に僕らが『全裸監督』で話題の村西とおる監督と登場します。
もぐら:文句言いたいわけじゃないし、こういう仕事はすごい楽しいんですけど、俯瞰で見るとブレイクではないですよね? 王道ではないというか。
かたまり:前に進んできてはいるんですけど、なんかヨコ道を行ってる気がするんですよね。ちょっとずつメジャーな特番にも出してもらえるようになりましたけど。
獣道をすすむ空気階段。
後編では、「ヤバい」と言われる所以についてたっぷり伺いました!
プロフィール
空気階段(くうきかいだん)
1987年生まれ千葉県出身の鈴木もぐらと、1990年生まれ岡山県水川かたまりで2012年に結成。コンビ名の由来は、互いの好きな言葉から。もぐら扮する特徴的な「おじさん」が登場するコントに注目が集まっている。今年の3月にはヨシモト∞ホールの看板を背負う「TOP5」のメンバー入りを果たした。
【公演情報】
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今年5月にルミネで開催し、先行抽選で即完売となった単独ライブ「baby」。 大好評につき、さらにパワーアップした内容で再演が決定! 空気階段単独ライブ【baby】 10月14日(月・祝)17:30開場 18:00開演 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA 前売り3500円 当日4000円
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【ラジオ】
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若手芸人「空気階段」が、人生のためになる情報をお送りする教養バラエティ。 リスナーや街頭インタビューなどで意見を募り、人生をうまく生き抜くヒントを見つけていきます。 マイナビ Laughter Night【空気階段の踊り場】(TBSラジオ) 毎週金曜日 24:30 - 25:00 (マイナビ Laughter Night 内)
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