妊娠すると、日々身体の変化に驚きを隠せないものですよね。
体型がみるみる変わっていく中で、妊娠前には考えもしなかった悩みも出てくることことから、初産婦ならなおさら不安にもなるでしょう。
その悩みは決して身体だけでなく、肌や髪と、人それぞれ。しかも、昨日まで平気だったのが、今日突然だったりと、予測ができないことばかり。
誰もが同じではないからこそ、自分に起きた悩みは他の人と比べることなく、しっかり向き合っておきたいものです。
中でも以外に多いのは妊娠中の髪質の変化に対する悩み。そこで今回はトップスタイリストである美容師の木村旭宏さんに、妊娠中のヘアケアについてお聞きしました。
1:妊娠中の髪の悩みNo.1!“くせ毛”はこう対処する
木村旭宏さん(以下、木村)「産後に抜け毛が酷くなる! という女性が多いように、妊娠中は髪が以前より細くなったり、切れ毛が増えたり、今までなかったくせ毛が出てきてとまらない、といった悩みをもつ女性は多いですね。
なぜこういうことが起きてしまうのかというと、妊娠を機に髪に栄養がいきわたらなくなることが原因のひとつとして挙げられます」
ちなみに、妊娠前までは髪の悩みとは無縁だった、綺麗なストレートヘアだった方でも、くせ毛になってしまうこともあるのだそう。
木村「くせ毛が出てくると、気持ちも過敏になりがちですが、産後、ホルモンバランスが整ってくることで、状態は良くなることが多いです。
くせ毛を活かしたヘアスタイルを、妊娠中だけ楽しむのもおすすめですね」
2:妊娠中のシャンプーの仕方
木村「妊娠中は髪がパサつきやすくなります。
同時に新陳代謝が活発になり、皮脂の分泌も活発になりますが、この皮脂のベトつきが気になることで、よりしっかりシャンプーしてしまうことで、逆に皮脂が過剰に分泌されて、結果的に髪のパサつきを招くことになるのです」
実は、これを防ぐためにするのはある意外な方法なのです。
木村「シャンプー洗いを控えて、お湯洗いに変えてみてください。
スタイリング剤やワックスなど整髪料は、お湯でも丁寧に洗い流すことで落とすことができます。
もしどうしてもシャンプーを使いたいなら、頭皮の刺激が少なく、保湿力の高いアミノ酸系シャンプーを使いましょう。
そして、ドライヤーをかける前に潤いを守り、パサつきを抑えてくれるスタイリング剤をつけて乾かすようにしてみてください」
木村「おすすめは『パーフェクトビューティー モイストダイアン』のパーフェクトストレートミルク」
保湿力が優れたミルクのため、くせ毛やうねりをまっすぐ整えてくれます」
3:カラーするなら暗めをオーダー
木村「産後はもちろんのこと、妊娠中も体調の変化は目まぐるしいですから、美容室でメンテナンス自体をする時間を確保することが難しくなってきます。
そのため、いつもより長期間美容室に行かなくても綺麗に見えるカラーリングを選ぶようにしましょう。
そのためには、生え際が目立たないようにすること。元々の毛色に近い明度を選びましょう。そして、一番色持ちがよいナチュラルブラウンがおすすめです。
なるべく地肌につけないように、カラーを塗ってもらうようにオーダーすれば、カラー剤による刺激を防ぐことができます」
4:長さは、ぎりぎり結べるくらいがベスト
木村「髪の長さはどのくらいがいいの? これもよく聞かれることのひとつですね。
手入れがラクそうに見えるということから、ショートヘアをとリクエスト頂くことが多々ありますが、実際ショートヘアにしてしまうと、産後は特に意外と下を向くことが多いことから、顔周りの髪の毛が邪魔に感じる場面は多いのです。
そのため、髪を結べるぎりぎりの長さくらいにしておくと、ロングやセミロングよりスタイリングが簡単で、洗髪やドライヤーをかける時間もぐっと短縮できます。
お腹が大きくなるにつれて、かがんだり、立ちっぱなしがしんどくなっても、手入れがラクに感じますよ」
妊娠中は、賢く楽にヘアケア!
木村さんによる、妊娠中のヘアケアテクニック、いかがでしたか?
ただでさえ、体型や精神状態の変化に戸惑いがちな妊娠中。ヘアケアは出来るだけ楽チンに済ませたいものですよね。
ぜひ今回紹介した方法を参考にしてみてくださいね。
【取材協力】
木村旭宏…名古屋市の人気美容室『美容室Hair&Make Liel』オーナー。美容師としてサロンワークを行う中、雑誌等メディアで活躍するヘアメイクアーティスト。(空人衣)