新型コロナウィルス感染症予防のため、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の、全国一斉の臨時休業の要請が、内閣総理大臣から発表されました。
これに伴い、共働き世帯や母子家庭、父子家庭からの困惑の声が、多数あがっています。
「仕事を休むことができない」「留守中、子供をみてくれる人が誰もいない」「学童も休業している」という世帯は、子供だけで留守番させるという、苦渋の選択を強いられているようです。
やむを得ず、子供だけで留守番させなければならない場合、どんなことに注意したらよいのでしょうか。
小学生など、子供だけで留守番させるときの、安全対策についてお伝えします。
インターフォンには一切出ない、ドアを開けない
インターフォンやドアノックなど、来客には一切対応しないように伝えておきましょう。モニター画像が写るインターフォンもありますが、いつも来る宅配便の人だからOK、近所の知っている人だからOK、という”例外”を作ってはいけません。
例え知っている人でも、何があるかわかりません。
「インターフォンが鳴っても出ないでね」「知っている人なら、ママがいるときにまた来てくれるから大丈夫」と言って聞かせましょう。
低学年なら、外に出ない、ベランダにも出ない
低学年なら、お留守番の間は外出禁止にしたほうが無難です。お友達と遊びたい、と言うかもしれませんが、万が一のことがあっては、取り返しのつかないことになるからです。
お留守番をしている間のスケジュールを一緒に、考えてあげるといいかもしれません。
○時から○時はドリル、○時から○時はテレビを見る、など、子供に予定を決めさせながら、紙に書かせるといいでしょう。
また、子供がベランダから転落する事故も、度々ニュースになります。ベランダの鍵は閉めて、出ないと約束させましょう。
親からの電話ルールを決めておき、それ以外の電話には、一切出ない
家にかかってくる電話には、一切出ないように伝えましょう。家の電話は、留守番電話にしておくといいでしょう。
親からの電話は、ルールを決めて出るようにすれば安心です。例えば、留守番電話にメッセージを入れ、それを確認してから電話に出るとか、携帯電話の番号を登録し、親からの電話のみ出るとか、一定の約束事を決めておくといいでしょう。
携帯電話を持っている子なら、誰から着信かわかりますが「ひとりで留守番している」などと話して、トラブルにつながる可能性もあります。
携帯電話の場合も、どんな電話なら出ていいのか、約束事を作っておくといいでしょう。
ガス・暖房・洗濯機など、事故につながりそうなものに注意
ガス・風呂・洗濯機など、事故につながりそうなものには十分注意しましょう。
ベネッセ教育情報サイトの調査によれば、年少〜小学生の子どもを持つ保護者1406名に行ったアンケートで、キッチンの火器について「一切キッチンには近寄らせない」と答えた保護者が64.2%「ルール内であれば使ってもよい」と答えた保護者が24.6%で、およそ9割の家庭が使わせない、またはルールを設けている、と答えています。
一切、使わせないと決めている家庭なら、ガスコンロの誤用による事故防止のため、ガスの元栓は閉めておくといいでしょう。
また、過去には、ファンヒーターによるやけどや、ドラム式洗濯機の中に入ってしまって出られなくなった事故など、信じられない事件も起きています。
予想外の行動をするのが子供です。事故につながるものがないか、家の中を十分にチェックし、対策をしておきましょう。
成長のチャンス、ポジティブな言葉で子供を励まして
誰も予想しなかった事態になり、多くの人が不安や動揺を抱えています。
でも、こんなときだからこそ、意識を明るく持つことが大事。何かを責めても、現実は変わりません。出来る対策はしっかりして、あとは平常通りに暮らすことです。
はじめて留守番をすることになった子なら、成長のチャンスになると捉えましょう。
「ひとりでお留守番できるようになって、すごいね」「強くなったね」「学校に行けるようになるまで、お家での時間を大切にしよう」など、ポジティブな言葉で励ましてあげるといいでしょう。
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以上、子供だけで留守番させるときの安全対策についてお伝えしました。ぜひ、ご活用ください。(樋口 智香子)