若白髪なんて言葉があるように、人によっては若いと言われる時からあるのが白髪。
それが年齢と共に、今まで白髪とは無縁だった人でも、ちらほらと頭に見られることで、それまでにはなかった、新たな悩みのひとつにもなりえますよね。
気になり始めたら止まらなくて、思わず抜いてしまったりしている人もいるはず!でもそれって本当は良くないことだとしたら、早めに知っておきたいですよね。
そんな白髪のあるあるお悩みについて、美容師木村旭宏さんが応えてくれました。
Q:白髪ってそもそも何なの?
A:髪はそもそもメラニン色素によって色ができるのですが、白髪は、髪にメラニン色素が含まれてない状態になっている髪なんです。
白髪がどんどん出てくるということは、メラニン色素を生み出す細胞や酵素が働かなくなってきているのかもしれません(木村さん)
Q:白髪の種類ってあるの?
A:白髪は大きく2つに分けれます。
ひとつは『加齢、遺伝によるもの』と言われる欠失型です。白髪の多くは欠失型が多いと言われています。
遺伝型は若白髪など若い頃から白髪の毛根は色素をつくるメラノサイトの減少・欠失してしまっていて、黒い髪の毛を作る力はない状態なので白髪を抜いても、次生えてくるのはまた白髪である可能性が高いとされています。
加齢も同様で、白髪は抜いても同じように白髪が生えてくることが圧倒的に多いといわれております。
もうひとつが 『病気、栄養不足、ストレスによるもの』と言われる休止型があります。
白髪にメラノサイトという、色素形成する細胞が残っている状態で、メラニン色素の合成を行っていないタイプです。
原因が病気の場合、いち早く病気を治して正常な状態に持ってくことが白髪に対しても大事になってきます。
栄養不足やストレスの場合、栄養や精神のバランスが崩れていることが、メラ二ン色素を作る能力が一時的に低下することに関わるため、通常に戻せば黒髪に戻る可能性があります(木村さん)
Q:白髪は抜いていいの?抜いたら黒髪は生えてくるの?
A:これは本当によく聞かれることなのですが、結論から言うと、抜くことはおすすめしません。
白髪には休止型と欠失型があると、先ほど説明しましたが、休止型の場合は通常の黒髪に戻る可能性がありますが、欠失型の場合は抜いても老化でメラニン色素を作ることができなくなった細胞からは、白髪しか生えてきません。
また、白髪を抜くという行為自体、毛穴周辺の皮膚や毛細血管に傷がつき、頭皮の炎症を起こす場合があります。
さらに頭皮や毛根に負担がかかり、のちのちの髪の毛に影響が出てきます。
毛根の形状が変化してしまった場合、次に生えてくる髪がチリチリのくせ毛になって生えてくる可能性もあるんです。最悪の場合、毛根がとても傷んでしまっていて、2度と髪の毛が生えてこなくなる恐れもあるのです(木村さん)
Q:白髪染めは、どのくらいのペースで行けばいいの?
A:白髪染めは、実際髪の毛や頭皮に優しいイメージをもたれている方が多いのですが、ブリーチが黒を白に変えるように、白髪染めも白を黒に染める力がありますから、当然染毛力は強い薬剤になります。
そのため、やたらむやみに白髪染めをするのはよくありません。
おすすめの白髪染め周期は、2ヶ月です。しかし、白髪が多く、どうしても気になる方は、3週間〜1ヶ月の合間に一度、根元の部分染めるリタッチをするとよいでしょう(木村さん)
Q:白髪染めするなら真っ黒がいいの?
A:白髪染めイコール、真っ黒という印象があることから、染めるなら黒という風に考えている方はとても多いです。
しかし今の薬剤は、アッシュやピンクなどカラーを選べたり、明るめのカラーリングができたりと、白髪染めの幅はとても広がっています。
ただ明るくしすぎると、どうしても白髪が染まりきらない場合が発生してしまうため、きちんと白髪を染めたいなら、明るすぎのカラーはやめておきましょう。
その他には、ハイライトを入れるのもおすすめです。
ハイライトによって髪が立体的になるので、年齢と共に髪の毛のボリュームが気になる方が、ふっくらボリュームがアップして見せることもできますし、白髪 とハイライトがブレンドされて、白髪を分かりづらくする効果あります(木村さん)
白髪の正しい扱い方を知ることで、オシャレをすることも楽しくなり、年齢を重ねることもプラスに考えられるようになれます。
ぜひ参考にしてくださいね。
【取材協力】木村旭宏
名古屋市の人気美容室『美容室Hair&Make Liel』オーナー。美容師としてサロンワークを行う中、雑誌等メディアで活躍するヘアメイクアーティスト。(空人衣)