ノズルを流れる空気を検知し自動停止
セルフのガソリンスタンドで給油すると、ある程度入ったところでノズルからの給油が自動で止まります。そのあとでノズルのレバーを少しだけ引き、少量を継ぎ足す人もいるかもしれません。
セルフスタンドでの給油イメージ(画像:写真AC)。
そもそも、この給油ノズルはどのような仕組みで止まるのでしょうか。ガソリン計量器を製造・販売するタツノ(東京都港区)に聞きました。
――給油ノズルはどのような仕組みで自動停止するのでしょうか?
ノズル内部にセンサーがあり、オートストップ機能が働きます。給油中は、ノズルの先端にある検知口から、ノズル内に空気が流れている状態を維持します。満タンに達すると、油面が検知口を塞いで空気が流れなくなり、センサーが真空状態になります。これによりセンサーは満タンを検知し、給油を自動停止します。
――自動停止した状態は「満タン」なのでしょうか?
はい、満タンです。計量機は0.5%の誤差内で正確に計測給油することが可能です。
継ぎ足し給油はしてもよい?
――自動停止後の継ぎ足し給油は、してもよいのでしょうか?
いえ。継ぎ足し給油を行わないよう、業界で自主的に規制しています。継ぎ足し給油をすると、検知口はすでに塞がれているものの、油の流量が少ないため空気が流れず、センサーが真空になりません。そのため給油が続いてしまい、結果として油が吹きこぼれ、さらには引火する危険性があります。
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タツノによると、このオートストップ機能はセルフスタンドが登場した当初から必ずついており、どのようなクルマでも働くといいます。
しかし、給油口へノズルを浅く差し込んでいたり、レバーを少ししか引かずに少ない量流で給油すると、オートストップ機能が効かず、吹きこぼれの恐れがあるとのこと。ノズルは「先端が当たるところまで」差し込み、レバーは「確実に引けるところまで」引くのがポイントだそうです。
ちなみに、タツノによると、車種によってタンクの形状がちがうため、満タン状態から口までの容量も異なるとのこと。自動停止してからさらに口いっぱいまで継ぎ足し給油した場合、どれくらいの量が入るかは一概にはいえないようです。
【画像】給油が自動停止する仕組み
給油ノズルに小さな検知口がある。ここが油でふさがり空気の流れが遮断され、センサーが真空状態になると、給油を自動停止する(乗りものニュース編集部作成)。