cat_oa-trafficnews_issue_0cec0c59398e oa-trafficnews_0_0cec0c59398e_庭造り、場所がないなら「軽トラ」に 海外も注目「軽トラガーデンコンテスト」とは 0cec0c59398e 0cec0c59398e 庭造り、場所がないなら「軽トラ」に 海外も注目「軽トラガーデンコンテスト」とは oa-trafficnews

庭造り、場所がないなら「軽トラ」に 海外も注目「軽トラガーデンコンテスト」とは

「軽トラ=荷物置き」の固定概念を覆し、全国に


 毎年4月28日の「庭の日」を中心に、全国で造園や緑化にまつわるイベントが開催されますが、その一部の会場では、軽トラの荷台に庭園を造り、完成度を競うという「軽トラガーデンコンテスト」が実施されています。

2017年4月の全国軽トラガーデンコンテストで金賞に輝いた、而今(にこん/茨城県)の「幼き頃の想いを再び…」(画像:日本造園組合連合会)。

 イベントを主催する日本造園組合連合会(本部:東京都千代田区)によると、おもに全国の支部でそれぞれ開催されているといるとのこと。近年はSNSで取り上げる人も少なくないようで、「新ジャンルだ」といった声とともに話題になったこともあります。なぜあえて「軽トラ」なのか、同連合会に話を聞きました。

――「軽トラガーデンコンテスト」はいつから開催されているのでしょうか?

 2011(平成23)年に富山県の緑化イベント内で実施されたのが最初です。その後、北陸近県に広がり、いまでは全国各地域の緑や技能に関するイベントで開催されています。

――なぜ始めたのでしょうか?

 緑化イベントでの集客目的です。もともと軽トラではなく庭園コンテストを実施していたイベントもありましたが、「軽トラの荷台=荷物置き」という固定概念を覆し、来場者の目を引くことができると考えています。

「軽トラ」のきっかけ、やむにやまれぬ事情が…


――なぜ「軽トラ」なのでしょうか?

 従来の庭園コンテストは、場所確保のほか、準備や後片付けも会場の都合で作業時間が左右されます。軽トラであれば駐車場でも開催できますし、準備もある程度会社でできるため、コンテストの開催や参加の敷居も下がるのです。

 もともとは、従来開催していた庭園コンテストの場所確保が難しく、役員会のなかで対応策として意見が出たのがきっかけです。一方で「狭い空間でも工夫すれば庭が造れる」というアピールにもなります。

――コンテスト出品作の評価ポイントはどのような点でしょうか?

 設計、施工、仕上がり、またテーマがあればテーマとの融合性など、業界関係者が総合的に見て評価をしています。来場者に投票してもらう会場も多く、そういった場合は一般の方の心を捉えた作品が優秀作品として選ばれます。

全国軽トラガーデンコンテストで銀賞を受賞した宮城県造園建設業協会青年部「伊達な庭~希望の光~」(画像:日本造園組合連合会)。

全国軽トラガーデンコンテストで敢闘賞を受賞した高橋造園土木(大阪府)「森の住人たちの秘密の場所」(画像:日本造園組合連合会)。

全国軽トラガーデンコンテストで敢闘賞を受賞した、うどん太郎(香川県)「さぬきの森」(画像:日本造園組合連合会)。

――つくった庭園は展示後どうするのでしょうか?

 軽トラで会社まで帰れるように、その場である程度解体します。

※ ※ ※

 日本造園組合連合会によると、2017年4月には、富山県で初の全国大会も開催し、全国の支部から15台の軽トラガーデンが集結、一般からも600人以上が人気投票に参加したといいます。これまでには、海外から取材されたコンテストもあったとのこと。コンテストへの出品から実際の造園工事の受注につながった例もあるなど、実務のPRにもなっているようです。

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cat_oa-trafficnews_issue_0cec0c59398e oa-trafficnews_0_b548c50b3f53_「JAS」の祖先「TDA」設立から半世紀 国内初のエアバス機も導入した元「国内3大航空会社」 b548c50b3f53 b548c50b3f53 「JAS」の祖先「TDA」設立から半世紀 国内初のエアバス機も導入した元「国内3大航空会社」 oa-trafficnews

「JAS」の祖先「TDA」設立から半世紀 国内初のエアバス機も導入した元「国内3大航空会社」

1971年設立、1988年に「JAS」へ


レインボーカラーが施されたTDAの「エアバスA300」(画像:JAL)。

 TDAは、1971(昭和46)年5月15日に、日本国内航空と東亜航空が合併し誕生しました。発足後は、政府主導で国内航空会社3社(JAL、ANA、TDA)の路線ネットワークの方針を定めた「45・47体制」のもと、おもに国内線のローカル線に就航しつつも、1975(昭和50)年から国内幹線である東京~福岡、札幌線にも参入しました。

 1985(昭和60)年に増大する航空需要に対応すべく「45・47体制」が廃止。規制が緩和されると、TDAは国内幹線への参入を本格的にスタートさせたほか、国際線の参入準備を進めます。初の国際線運航は、1986(昭和61)年9月19日の大阪~ソウル線でのチャーター便でした。その後1988(昭和63)年、国際線展開に先立ち、TDAからJAS(日本エアシステム)に社名変更。7月には、初の国際線定期便として成田~ソウル線を開設しました。

 なおTDAからJASとなったあとも、「レインボーカラー」と呼ばれた機体の塗装はそのまま存続されます。TDAは日本で初めてエアバス機「A300」を1980(昭和55)年に導入。「レインボーカラー」は、この際、当時のエアバス社のコーポレートカラーを、特別に譲り受けたものとされています。

 JASはその後、2002(平成14)年にJALと経営統合し、現在ではJALの一部となっています。奇しくも2021年には、旧JAS機の「ボーイング777-289」が退役。これで、かつて「JAS」の文字を背負ったことのある機体が、JALから消えてしまったことになります。

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cat_oa-trafficnews_issue_0cec0c59398e oa-trafficnews_0_f6269a879171_JALの成田発着「遊覧チャーター」なぜ人気持続? 第3弾も倍率4倍「JL9999」便のナゾ f6269a879171 f6269a879171 JALの成田発着「遊覧チャーター」なぜ人気持続? 第3弾も倍率4倍「JL9999」便のナゾ oa-trafficnews

JALの成田発着「遊覧チャーター」なぜ人気持続? 第3弾も倍率4倍「JL9999」便のナゾ

乗る前にも仕掛けが施されているJAL「チャーターDE 海外旅行気分を満喫!」


 新型コロナウイルス感染拡大で海外旅行へ行くことが難しくなっている状況下、国内航空会社では、同一空港を発着する遊覧チャーター便を実施するのがトレンドとなっています。JAL(日本航空)が2021年5月15日(土)、成田空港発着で実施したのは「チャーターDE 海外旅行気分を満喫!~タイ~」です。


JL9999便として出発するJALのボーイング767-300ER型機(2021年5月15日、乗りものニュース編集部撮影)。

 JALではこの「チャーターDE 海外旅行気分を満喫!」をシリーズ展開しており、1回目がシンガポール、2回目が台湾をテーマに実施されました。今回がその第3弾となります。

 このシリーズは、成田空港を運営するNAA(成田国際空港)などとの共同企画で、フライト自体はもちろんのこと、出発する搭乗ゲートに仮想の「就航地」をイメージした仕掛けが施されているのが大きな特徴です。ちなみに、第1弾のシンガポール編では、搭乗ゲートにマーライオンが出現しています。

 仕掛けは保安検査場入り口にも。タイ国政府観光庁による模擬入国スタンプが、パスポートを模した冊子に押印されます。そして検査場を抜け、ゲートへ向かう途中のスペースに出現したのは、まるで観客席が用意された仮設ステージのような空間。ここで実施されたのは、タイの伝統舞踊のショーです。ゲートでは、ショーを実施したダンサーとの写真撮影スポットなども用意されていました。


JL9999便の謎 そして「堅調な」秘訣とは


 この日のチャーター便の便名はJL9999便(オペレーション上の便名は異なる)。日本で「9」は縁起の良いものではないというのが通説ですが、タイ語では「9」は「ガーヴ」と発言し、「前に進む」という意味があることから、縁起が良い数字とされているとのこと。「ともにこの苦境を乗り越えて、いつか皆様をタイでお出迎えできることを祈って」この便名をつけたといいます。

 使用する飛行機は、国際線仕様のボーイング767-300ER(機番:JA618J)で、搭乗した旅客は161人(幼児含む)でした。同便は、15日正午ごろに成田空港を出発。この際には、JALスタッフやダンサーによる、横断幕を用いての見送りも実施されています。機内では、タイ料理の機内食の提供や抽選会が実施されたそうです。


JL9999便として出発するJALのボーイング767-300ER型機(2021年5月15日、乗りものニュース編集部撮影)。

 なお、今回の遊覧チャータ-の倍率は約4倍とのこと。「実はシリーズ通して、安定して申し込みの数は推移している」とNAAの担当者は話します。その要因について、次のような説明が。

「もちろん抽選ということはあるでしょうが、遊覧チャーターへの送客を図るべく、オプショナルツアーなどをNAAで企画することで、需要の底上げを図っています。また企画当初、マンネリ化してしまうのではといった懸念はあったのですが、各国の政府観光局と企画を進める中で、各国の特色を生かし、観光名所に合わせた企画にするなど、内容をフライトごとに変えることができているのもポイントだと考えております」(NAAの担当者)

 なお、6月12日(土)には、このシリーズ第4弾となる「チャーターDE海外旅行気分を満喫! ~オーストラリア~」の開催が計画されており、18日(火)までが申し込み期間となっています。その名のとおり、オーストラリアをテーマにして、搭乗ゲートや機内に様々な工夫が凝らされる予定です。なお、オーストラリア編以降のシリーズ展開予定については、「いまのところ未定」(NAA)とのことです。

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cat_oa-trafficnews_issue_0cec0c59398e oa-trafficnews_0_d380f6899aa2_駅周辺区間の「バス100円」相次ぎ廃止 見直される割引サービス 新型コロナ影響 d380f6899aa2 d380f6899aa2 駅周辺区間の「バス100円」相次ぎ廃止 見直される割引サービス 新型コロナ影響 oa-trafficnews

駅周辺区間の「バス100円」相次ぎ廃止 見直される割引サービス 新型コロナ影響

多摩と福岡で「バス100円」廃止


 京王電鉄バスや西東京バスなど、京王グループのバス各社が2021年5月31日(月)をもって、八王子駅周辺と豊田駅周辺エリアで実施していた「100円割引運賃」を終了します。

八王子駅バスターミナル(乗りものニュース編集部撮影)。

 6月1日(火)からは、現金で180円、ICカードで178円になるといいます。このように大都市や大きな駅に接続する路線バスは、そこから一定の範囲内のバス運賃がワンコイン100円に設定されていることがありますが、こうした割引運賃の見直しが進んでいるのです。

 京王電鉄バスらの発表と同日には、ジェイアールバス九州が福岡地区の100円割引運賃(博多バスターミナル~祇園町~呉服町)を廃止し、7月1日(木)から150円に改めると発表しました。すでに福岡地区最大のバス事業者である西日本鉄道も、福岡都心エリアなどでの100円運賃を同日から150円にし、さらに定期券や乗車券の各種割引サービスなどを大幅に見直すことを発表しています。

 ジェイアール九州バスは、新型コロナウイルスの影響による利用減などにより、「これ以上割引運賃を提供し続けるのは困難と判断致しました」としています。西鉄もまた、新型コロナの影響で事業収益が大きく落ち込んだことを受け、「聖域なき構造改革とニューノーマル下での成長戦略を着実に推し進めてまいります」としています。

 たとえば関東地区のバスでは、交通系ICカード(PASMOなど)の割引サービス「バス特」の廃止も相次いでいます。今後、このような割引運賃の見直しがいっそう進むことも考えられます。

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cat_oa-trafficnews_issue_0cec0c59398e oa-trafficnews_0_1e912080d5c9_ドライバー急病→車両を自動停止 異常時対応システムEDSSトラックに初搭載 いすゞ 1e912080d5c9 1e912080d5c9 ドライバー急病→車両を自動停止 異常時対応システムEDSSトラックに初搭載 いすゞ oa-trafficnews

ドライバー急病→車両を自動停止 異常時対応システムEDSSトラックに初搭載 いすゞ

ドライバーモニタリングシステムで異常を自動検知


 いすゞは2021年5月14日(金)、ドライバー異常時対応システム(EDSS)をオプション採用した大型トラック「ギガ」の改良版を発売しました。

いすゞの大型トラック「ギガ」(いすゞの動画より)。

 EDSSは、走行中にドライバーが急病などで運転を継続することが困難な状態に陥った場合、車両を緊急停止させる装置です。大型バスや路線バスでは2018年から採用されていましたが、トラックへの採用は国内初ということです。

 緊急停止は、ドライバーをモニタリングするシステムが異常を自動検知、あるいはドライバー自身のスイッチ操作により発動します。ホーンを鳴らしハザードランプを点灯させ、徐々にブレーキをかけながら、車両を停止させます。その後も車外へハザードランプとホーンによる警告を継続します。

 作動スイッチはドライバーの手の届きやすい位置にあり、これを押した場合は、自動検知による場合よりも強いブレーキで車両が停車します。またスイッチの横には作動を打ち消すスイッチもあり、誤作動を防止できるようにしています。

 いすゞは、「重大事故に直結する大型車の安全性を飛躍的に高めるべく、車両や歩行者に対して有効な安全装置を開発してまいりました。物流業界では、ドライバー不足や高齢化などの影響による、健康状態に起因した事故発生への対策が課題となっています。今後も、重大事故発生ゼロを目指し、安全性能のさらなる向上を図ってまいります」としています。

 ちなみにバスの場合、EDSSのスイッチは運転席と、ドライバーの顔が見えやすい最前列の客席上部に設置されています。




【動画】車両を自動で停車させる「EDSS」作動デモ

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cat_oa-trafficnews_issue_0cec0c59398e oa-trafficnews_0_43d6a5aae203_新型車両30両増備 新宿線の立体交差化推進など 214億円計上の設備投資計画 西武鉄道 43d6a5aae203 43d6a5aae203 新型車両30両増備 新宿線の立体交差化推進など 214億円計上の設備投資計画 西武鉄道 oa-trafficnews

新型車両30両増備 新宿線の立体交差化推進など 214億円計上の設備投資計画 西武鉄道

トイレ改修など駅リニューアルも推進


ホームドアの整備も引き続き行うことが検討されている(画像:西武鉄道)。

 西武鉄道が2021年度の設備投資計画を発表。総額で214億円を計上しています。概要は安全対策、サービス向上、環境対策の3項目です。

 そのうち安全対策では、ホーム隙間転落検知システムを新たに稲荷山公園駅1番ホーム(埼玉県狭山市)に設置。ほかにも、すでに1日の乗降人員が10万人を超える全駅に整備済みのホームドアを、他駅にも設置する方向で検討するとしています。

 また、線路沿いでは土砂崩壊を阻止すべく法面の改良などを行うほか、10か所の踏切において2D式の踏切支障検知装置を設置予定です。

 新宿線の立体交差事業も推進します。地下化する中井~野方間では、区間始終端での土木工事や駅部の仮設工事を、高架化する東村山駅(東京都東村山市)付近では、駅部などの高架橋構築工事や新宿線の下り線、国分寺線、西武園線の仮線路切替工事を実施。立体交差化により、それぞれの区間で7か所、5か所の踏切が除却されます。

 さらに、新宿線の井荻~西武柳沢間および野方~井荻間の連続立体交差化計画の早期事業化に向けて、東京都や地元自治体と協力し準備を行うとしています。

 サービス向上では、新型40000系電車を3編成30両増備。車内には、車いすやベビーカー利用のほか大きな荷物を持ち込む際にも便利な「パートナーゾーン」が設置されます。

 駅関連では、ひばりヶ丘、多磨、西武園ゆうえんちの各駅でリニューアルを実施。エレベーターやエスカレーター設置のほか、改札口の新設、トイレの改修などが行われます。

 環境対策では、消費電力が少ないLED照明を増備する40000系に導入するほか、大泉学園、保谷、西武新宿、南大塚、玉川上水など計8駅にも設置する予定です。

 西武鉄道は同計画について「お客さまへの安全・安心の提供を第一に、地域・社会と連携し、さらなる利便性の向上や快適なサービスの提供に努めています」としています。

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cat_oa-trafficnews_issue_0cec0c59398e oa-trafficnews_0_1a15657160bb_バッテリーも傘も自転車も使える電車の定期券 「定期券の機能拡張」進める東急の狙い 1a15657160bb 1a15657160bb バッテリーも傘も自転車も使える電車の定期券 「定期券の機能拡張」進める東急の狙い oa-trafficnews

バッテリーも傘も自転車も使える電車の定期券 「定期券の機能拡張」進める東急の狙い

定期券の機能を拡張?


 駅でのモバイルバッテリー、傘、電動マイクロモビリティ(自転車・キックボード)のレンタルなどを、定期券代にプラスアルファする形でお得に使えるようにするサービス「TuyTuy(ツイツイ)」の第1期実証実験を、東急電鉄が2021年5月12日(水)から開始しました。

2018年にデビューした東急2020系電車(恵 知仁撮影)。

「TuyTuy」は月500円の追加で利用できるサブスクリプション型のサービスで、モバイルバッテリー「充レン」と傘のレンタル「アイカサ」は使い放題、電動マイクロモビリティ「LUUP」は月5回(1回30分)まで利用できます。日常の移動や生活をより便利にする定期券の機能拡張サービスと言えるかもません。

 また、パンの定期宅配サービス「パンスク」の割り引き、花の定額制サービス「ハナノヒ」の1か月無料といった、特典クーポン的なサービスも用意されます。

 このほか「東急線全線1日乗車券」の不定期配信も実施。「TuyTuy」の第1期実証実験は2021年7月31日(土)までの予定で、5月と6月は月500円が無料になるそうです。東急線区間を含むPASMO定期券所有者が申込みできます。

鉄道会社にとって重要な「定期券」という存在


「TuyTuy」実証実験の目的は、定期券の付加価値向上とのこと。

東急の駅など全国およそ850箇所で使える「アイカサ」(2021年5月11日、恵 知仁撮影)。

 コロナ禍によって2020年度、東急電鉄の定期券収入は31.5%も減少。テレワークが広がるなどライフスタイルが変化したため、コロナ前と同じ状況には戻らないと東急は考えているそうです。

 しかし定期券は、まとまった金額が先払いで文字通り定期的に入ることもあり、鉄道会社にとって重要な収入です。

 コロナ禍では、定期券を購入するかどうかが個人の裁量に委ねられるケースも増えているそうで、そうしたなか付加価値を向上することにより、定期券の売り上げをできるだけ大きくすることが目指されています。

東急の駅など全国およそ2300箇所で使える「充レン」(2021年5月11日、恵 知仁撮影)。

 東急は2021年1月から4月まで、「TuyTuy」とは対象地域や年齢、サービス内容が異なるものの、同様に定期券の付加価値向上を目指したサービス「DENTO(デント)」の実証実験をも行っています。

「定期券の付加価値向上」に東急が力を入れている背景には、東急ならではの事情もあるようです。

ある意味「東急らしい」定期券の付加価値向上施策


 沿線に大きな観光地や空港がある私鉄ならば、レジャーやインバウンドの回復、開発も大きな収入源になりますが、東急にはそれがありません。そのため東急は、定期券収入の回復へより力を入れる必要がある、そうせざるを得ないとも言えるでしょう(もちろん、通常きっぷの販売を増やすことなども重要ですが)。

 ただこれは、日常の利便性を高める方向で進化しようとしているわけで、それによって沿線の価値・魅力を向上させ、住む場所などとしてより選ばれる沿線になる、という狙いも東急にありそうです。

首都圏およそ300ポートで使える「LUUP」(2021年5月11日、恵 知仁撮影)。

 東急は、鉄道を軸に都市開発を行い、様々なサービスを提供するという「私鉄のビジネスモデル」を象徴する会社のひとつです。そうして沿線に暮らす価値、「東急ブランド」を高め、発展してきました。沿線住民の日常から収益をあげてきました。

 そう考えると、追加料金による機能拡張的な定期券の付加価値向上施策は東急らしい展開かもしれません。

 2021年5月13日(木)、東急は2021年度の予想として、定期外収入は+19.9%、定期収入は+4.2%という数字を発表(2020年度との比較)。東急に限らず、コロナ禍によるライフスタイルの変化で定期券の売り上げは戻りにくいと考えられているなか、東急の「TuyTuy」や「DENTO」といった定期券の付加価値向上施策がどの程度の効果を発揮するか、注目されるところです。

 ちなみに、コロナ禍による定期券の販売減は、関東の大手私鉄で東急が最大。東急沿線は1人あたりの課税所得が全国平均の1.5倍、世帯主の最終学歴が大卒以上である割合が他社線より約10%高い67%であるなど、テレワークへの移行が比較的多く起こっていることが考えられます。これも東急らしい背景かもしれません。

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cat_oa-trafficnews_issue_0cec0c59398e oa-trafficnews_0_cd8854f819cb_バスの顔認証乗車システム実証実験を開始 夏頃にはユーカリが丘線の改札でも 山万 cd8854f819cb cd8854f819cb バスの顔認証乗車システム実証実験を開始 夏頃にはユーカリが丘線の改札でも 山万 oa-trafficnews

バスの顔認証乗車システム実証実験を開始 夏頃にはユーカリが丘線の改札でも 山万

バスでの実験は6月30日までの予定


 千葉県佐倉市ユーカリが丘を開発する山万は、2021年5月10日(月)より「ユーカリが丘コミュニティバス」(愛称:こあらバス)で顔認証乗車システムの実証実験を開始しました。

バス車内の顔認証システム(画像:山万)。

「ユーカリが丘コミュニティバス」は、新交通システムの山万ユーカリが丘線を補完する目的で2020年11月に運行を開始した路線バス。実証実験は約100人をモニターに6月30日(水)までの予定で実施します。

 また、夏頃には山万ユーカリが丘線の改札でも、事前の切符購入や定期券の読み取りをすることなく顔認証にて決済する実証実験を開始する予定です。

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cat_oa-trafficnews_issue_0cec0c59398e oa-trafficnews_0_a2a1aff6c5a8_国道1号の混雑ポイント解消なるか 小田原「親木橋」右折待ち車両の直進阻害を改善へ a2a1aff6c5a8 a2a1aff6c5a8 国道1号の混雑ポイント解消なるか 小田原「親木橋」右折待ち車両の直進阻害を改善へ oa-trafficnews

国道1号の混雑ポイント解消なるか 小田原「親木橋」右折待ち車両の直進阻害を改善へ

右折車線を延長


 国土交通省 横浜国道事務所は2021年5月13日(木)、国道1号の親木橋交差点(神奈川県小田原市)において、下り線の右折車線を延伸する工事を5月18日(火)に実施すると発表しました。

中央が親木橋交差点。下が西湘バイパス国府津IC(画像:国土地理院)。

 親木橋は東海道線国府津駅の西側西湘バイパスの国府津ICに直結した交差点です。今回は国道1号の横浜方面(下り線)から県道72号へ向かう右折車線を、60mから90mに延伸します。これにより、右折待ち車両の列が伸びて直進車の流れを阻害する状況を改善するということです。

 この交差点周辺では朝夕のピーク時をはじめ、日常的に混雑が発生しているとのこと。今後、渋滞状況のモニタリングなどを行い、上り線の渋滞対策なども検討するとしています。

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cat_oa-trafficnews_issue_0cec0c59398e oa-trafficnews_0_2382df0a8970_埼玉高速鉄道の岩槻延伸ついに実現へ? 局面動くも高いハードル設定 現地で見えた課題 2382df0a8970 2382df0a8970 埼玉高速鉄道の岩槻延伸ついに実現へ? 局面動くも高いハードル設定 現地で見えた課題 oa-trafficnews

埼玉高速鉄道の岩槻延伸ついに実現へ? 局面動くも高いハードル設定 現地で見えた課題

「都心直通鉄道を」岩槻の悲願は叶うか


「埼玉スタジアム線」の愛称を持つ埼玉高速鉄道線を、東武野田線(アーバンパークライン)の岩槻駅まで延伸する計画が、実現に向け前進しています。2020年9月に埼玉県が開催した「公共交通の利便性向上検討会議」では、終点の浦和美園駅から7.5km区間の建設が具体的に踏み込んで検討され、2021年4月には「地下鉄7号線延伸に向けた方針及び取組」として、埼玉県とさいたま市が実現に向けて協力することが明言されました。

 東京メトロ南北線、東急目黒線などと直通運転を行う埼玉高速鉄道線はもともと、「地下鉄7号線」(南北線)の延伸区間として2001(平成13)年に14.6kmが開業しました。終点の浦和美園駅は「浦和」といっても中心街から5kmほど東側に離れ、他のさいたま市内の鉄道路線とまったく接続していません。

 新しく鉄道沿線となる地域で最も延伸を待ち望んでいるのは、延伸区間の終点となる、岩槻地区(さいたま市岩槻区 旧・岩槻市)ではないでしょうか。岩槻駅前のロータリーでは「地下鉄の東京直通実現を!」と書かれた看板が存在感を放ち、建設を訴える期成会の動きはすでに50年を越えています。

埼玉高速鉄道の2000系電車(右)と東京メトロ南北線9000系電車。現在は6両だが、各駅の8両化対応工事も進む(画像:写真AC)。

 地域の中心をなす東武野田線の岩槻駅は、1日の利用者が約3.7万人と同路線でもトップクラス。しかし、ここから東京へ向かうには、大宮駅や春日部駅での乗り換えを余儀なくされることもあり、東京23区内への通勤客は15%程度と、近隣のさいたま市大宮や春日部市などと比べると、東京のベッドタウンとしての立ち位置では大きく水をあけられています。新しい南北の軸になりつつある埼玉高速鉄道を足掛かりに、長らく続く人口減少にも歯止めをかけたいところでしょう。

 新しく鉄道の沿線となる地域は、現在のところ埼玉県道324号線(蒲生岩槻線)などの道路によって貫かれ、そこを行くバス車窓には、農地が点在するのどかな光景が目立ちます。埼玉高速鉄道が延伸された場合は、どのような変化がもたらされるのでしょうか。路線バスや周辺道路の現状を眺めてみましょう。

ガラッと変わった浦和美園 でも「延伸区間のバス」はまだまだ


 浦和美園駅の周辺は、新型コロナウィルス感染拡大以降、郊外の宅地が注目されていることもあり、3年間でほぼ人口倍増という急激な開発が進むエリアとなっています。埼玉高速鉄道も、2014(平成26)年に事業再生ADR(債権者との調整による私的整理)を余儀なくされた頃の低迷が信じられないほど利用客数の増加が続いており、それに伴い8両化に目途が立つなど、時代の移り変わりに驚くばかりです。

 埼玉高速鉄道線が延伸すると、サッカー競技場「埼玉スタジアム2002」や、ここを本拠地とする浦和レッズ(浦和レッドダイアモンズ)は、最寄り駅設置で大きな恩恵を受けそうです。同スタジアムは浦和美園駅から約1.1km離れているため、試合開催時における周辺の渋滞が問題となっています。浦和レッズも、スタジアム来場者の公共交通機関の利用促進と観客増を目標に、「埼玉スタジアム駅」設置を目指して2万筆以上の署名を県とさいたま市に提出したばかりです。

浦和美園駅東口、岩槻駅方面へのバス乗り場(宮武和多哉撮影)。

 さらに、岩槻駅との中間地点には、生徒数6000人以上を擁する目白大学さいたま岩槻キャンパスがあります。文部科学省が東京23区内で私立大学の定員増を認めないなどの動きを示すなか、同大学は都内キャンパスからの機能移転・学部設立に「鉄道の計画次第」と含みを持たせており、通学可能なエリアが一気に広がる延伸計画に期待を寄せているようです。

 しかし、浦和美園~岩槻間をカバーするバス路線、国際興業バスの岩11-3系統や岩11系統などは、昼間の通し運行が1時間あたり1、2本と少なく、ピーク時8本の運行が計画される鉄道路線の「培養路線」としては、のどかな様相を見せています。また2013(平成25)年から快速運転(岩101系統)の社会実験が行われたものの実績が伸びず、数年で終了してしまいました。

 この区間のバスは、岩槻の国道16号付近における渋滞や、浦和美園周辺でサッカー試合が開催された時など不定期に起こるイベント渋滞などの影響を受けて、ダイヤの乱れをなかなか取り戻せないケースも。バス路線の空白地帯が多い浦和美園エリアでは、利用したくとも「幹線道路上のバス停まで歩いたけれど、岩槻からのバスが大幅に遅れており、来たとしても大変に混み合っている」といったことも多いようです。

なるか「岩槻の人口6割増」&「スタジアム駅常設」


 埼玉高速鉄道の岩槻延伸が急激に動き出した背景には、2018年の「地下鉄7号線(埼玉高速鉄道線)延伸協議会」などで、国の補助を受けることが可能な「30年以内の累積黒字転換」「費用便益費(総便益額を総費用で割った値)1.0以上」が可能と試算されたことによります。しかし試算の前提条件には、さまざまな課題が見え隠れしています。

 まず東武野田線の岩槻駅周辺では、鉄道延伸による再開発・遊休不動産の活用などによって「人口6割増」が求められています。都心部へ直接通勤できる地域を探している転入者にとっての比較対象は、東武伊勢崎線沿いの越谷、春日部やJR線沿いの街、そして何より、延伸後も始発便がそこそこ維持される浦和美園がライバルとなるでしょう。岩槻は、そのような街や沿線の「魅力競争」に選ばれる必要があります。

岩槻駅バス乗り場。時間帯を問わず乗車待ちの列が延びている(宮武和多哉撮影)。

 目白大学の最寄りとなる途中駅は、企業の誘致などで「定住人口4000人程度の都市」(「定着・交流バランス型の市街地形成」の場合)を形成する構想が立てられていますが、現状では果樹園や畑などが広がり、都市の形成は長い目で見る必要がありそうです。

 また累積黒字化への区間を短縮する条件として、埼玉スタジアム駅(仮)の常設化が掲げられていますが、「埼スタ駅」の至近となるエリアには綾瀬川や調製池を活用した緑地が計画されています。ここは、近年の豪雨でもスタジアム南東側の遊水地がほぼ満水となるなど、土壌改良の途上にあります。スタジアムを挟んで駅の反対方向にあたる正面入口側(東北道・岩槻街道側)は量販店の進出などが続いていますが、土地の用途が限られる「埼スタ駅」サイドでどのような開発を行うかが課題となるでしょう。

 なお、浦和美園駅の北側には車両基地と引込線があり、そのレール終端とスタジアム南門までであれば、約400mとかなりの至近距離にあります。延伸の際もこの敷地が活用される見込みですが、どうしてもスタジアムへのアクセス改善を優先するであれば、先行して引込線の活用が考えられても良いのかも知れません。

何とかしたい「運賃」「快速運転」たまには「横にボールを進める」必要も?


「高すぎる」と議論に上がることも多い埼玉高速鉄道の運賃も何とかしたいところです。浦和美園から赤羽岩淵を経て、南北線の駒込駅まででも運賃は680円。東武岩槻駅~大宮駅~都心(JR新宿駅で試算)の運賃と同じです。これに浦和美園~岩槻間がプラスされれば、さらに差が開くことになります。

 また協議会の試算で黒字化の条件に挙げられている快速運転ですが、埼玉高速鉄道は既存区間でも追い越し設備が未整備、東京メトロ側の協力体制も未だ希望的観測しか出ていない状態です。現状の「大宮回り」「春日部回り」でも、そこから湘南新宿ラインや東武伊勢崎線(スカイツリーライン)に乗り継げるため、埼玉高速鉄道は快速運転がないと、直通していても所要時間がさほど変わらない可能性もあります。

浦和美園駅北側の高架橋から埼玉スタジアム方面を望む。車両基地の奥にスタジアムが建つ(宮武和多哉撮影)。

 埼玉県・さいたま市がようやく同じ方向を向いた今ですが、延伸計画をサッカーの試合に例えるなら、まだ(キックオフの権利を決める)コイントスすら始まっていない状態と言えるでしょう。これからの試合展開は、浦和レッズ監督の在任時に「横にボールを運んだって、そこにゴールはないよ」との名言を残したミハイロ・ペトロヴィッチ氏(現・札幌監督)のような積極性も重要ですが、鉄道延伸と沿線開発は、風や温度に気を配りながら「横にボールを運ぶ」慎重さをもって進めても良いのではないでしょうか。



※一部修正しました(5月15日16時30分)。

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