【写真を見る】高梨臨「案外自分の意見が言えないタイプなんです」
10月6日(土)スタートのオトナの土ドラ「結婚相手は抽選で」(毎週土曜夜11:40-0:35、フジテレビ系)。国に強制された抽選見合いをきっかけに独身男女の葛藤と成長を描く本作で、悩めるプチお嬢様ヒロイン・冬村奈々を高梨臨が演じる。
6日放送の第1話では、25歳から39歳の子どものいない独身男女を対象にした“抽選見合い結婚法”が施行。奈々やオタク系SEの龍彦(野村周平)、奈々の恋人・嵐望(大谷亮平)らは政府が主催する“抽選見合い”に強制参加させられることに――。見合いに後ろ向きな奈々を演じる高梨に、作品への思いを聞いた。
“人生とは”を描いた作品
――とてもユニークな設定の作品ですが、最初にオファーを受けられたときはどんな感想を持ちました?
最初、題名だけを見たときはコメディっぽい感じなのかなという印象を受けました。でも、台本を読ませていただくと、コミカルなところはあるけれど、全然コメディではないんです。設定はぶっ飛んでいるんですけど、描いてるのは“人生とは”という部分だったり、ひとりひとりの悩みであったり。現代社会に生きるひとりひとりの背景を映し出している物語だったので、設定は斬新ではあるけれど、わりとリアルな話なのかな、と思いました。
――具体的には、どのあたりでそう感じました?
奈々たちは法律によって強制的にお見合いをさせられるんですが、そのときに「ひとつだけ(相手の)条件を書ける」というのがあるんです。その条件を何にするか、台本を読みながら自分でも考えたりして。結婚に限らず、自分が望んでいるものを一つに絞るのは難しいというか、パッと出てくるものではないなと思ったんです。この問いって、案外すべての人に問いかけられる、人生そのものが現れるものなんじゃないかなと思いました。
――高梨さんが奈々だったら、何と書きますか?
いやー(笑)、難しいですね…。奈々はわりと運がよくない描かれ方だったので、相手がいいなと思えなかったらすぐに断れるように、たとえば「総資産一千億円」とか、絶対に当てはまる人が現れない条件にするとか…。運任せにするのは怖いですよね(笑)。
「お互いの人生を尊重し合いたい」
――ことし2月にご結婚された高梨さん。ご自身が「これは譲れない」という条件はありました?
私はどちらかというとお互いの人生を尊重したい派なので、(相手から)“何も求められないのが条件”っていう感じでしたね。私も“こうしてほしい”っていうのは別にないから、相手にも“こうしてほしい”と望んでほしくないというか。お互いを仕事しつつ、お互いの人生を尊重し合える人だったらいいなと思っていました。“気が合う”ことも大事だと思いますけど。
――この“抽選見合い結婚法”、ご自身としては“アリ”ですか?
最初は「あり得ないでしょ」という感じで台本を読み始めたんですけど、だんだん「それはそれでいいのかな」という気持ちになりました。今はみんなネットばかりで外に人に会いに行く機会が減っているかもしれないですよね。たとえば結婚相談所みたいなところに行く勇気はなくても、強制されたら(お見合いに)行けるっていう人ももしかしたらいるかもしれない。ただ、このドラマでは3回断るとテロ対策活動後方支援部隊に行かされるので、それがなければ、ですけど(笑)。
奈々とは「共感する部分が多かったです」
――今回の役どころにはどんな難しさがありますか?
奈々は人間っぽいなと思う部分があるんです。奈々は実家がお金持ちで一流企業に就職してて、嵐望(大谷亮平)というカッコいい彼氏がいて。はたから見たら「奈々さんはいいよね」って言われるタイプの人間なんですけど、実は全然自分の中では満足していない。心の中では“このままでいいのか”ってすごく悩んでるんですよね。向き合おうとすると苦しくなっていく感じの役なので…。この役に向き合うこと自体がけっこう苦しいなって思うことは多かったですね。
――奈々はおばあちゃんのいう通りに生きてきたキャラクター。ご自身と奈々の似ている部分、違う部分は?
私、仕事をしているときはサバサバしている感じかもしれないんですけど、案外自分の意見が言えないタイプなんです。そういう意味では、共感する部分が実は多かったです。思ったことが言えなかったり、思ったこととは逆のことを言ってしまったり。奈々は自分と真逆のタイプ、という感じではなかったですね。
――奈々を通して、どんなことを感じてほしいと思いますか?
奈々を演じて、自分ももうちょっと「これがしたい」という意思を持って前向きに人生を送ろうと思った部分もあります。最後の最後、やっと奈々が一歩踏み出せそうになるので、皆さんにも「頑張れそうな気がする」と思っていただけたらすごく嬉しいです。
「挑戦する人生」を送りたい
――高梨さんご自身についてもお聞きしたいと思います。高梨さんの考える“理想の男性像”は?
“ちゃんとしている人”がすごくいいなと思います。私、全然ちゃんとしてないんです(笑)。できることなら何もしないで生きていきたいタイプで、休みの日には一日中、家から一歩も出なかったり。だから、一緒にいる男性はわりとパキパキしてるくらいが理想です。そして、まともな方向に引っ張ってほしいですね。私、私生活には全然こだわりがなくて、相手に合わせられるタイプだと思うので。
――では“理想の女性像”は?
着物を着てお出かけされたり、お茶をやられていたり…日本の文化が身についていらっしゃる方は素敵だなと思いますね。今回、大河ドラマ「西郷どん」にも出演させていただいているんですが、所作の先生がいつも現場に着物を着ていらっしゃってるんです。なかなか同じようにはできないですが、日常的に着物が着られる女性には憧れますね。
――理想の女性像に近づくために、心がけていることはありますか?
当たり前のことですが、発言するときには一回考えてから発言する、ということでしょうか。私、若い頃はけっこう感情でバーっというタイプだったので、大人になってからはまず自らを省みていろいろ考えてから発言するようにしています。「これを言ったら相手はどう思うかな」って一回考えてから。
――人生でなかなか一歩が踏み出せない人は多いと思います。そういう人に、高梨さんから一歩踏み出すきっかけをアドバイスするとしたら?
わたしが言えたものではないんですけど(笑)、小さいことでも目標を立てて生活すると生活にメリハリが出ると思います。
去年の冬にホノルルマラソンに出させてもらったんですが、そのために2~3か月わりとがっちりトレーニングしていったんです。そのとき、趣味でランニングするのとは全然違う楽しさというか、苦しいけどすごいワクワクするものがあって。なんでもいいのでわかりやすく達成しやすい目標を人生に取り入れると、達成できたときに自分の自信になって、また何か挑戦したいと思うようになるんだなと思いました。
実は、今回はバイオリンが弾ける役どころで、レッスンを1か月ぐらい受けさせていただいて。1か月じゃもちろん全然弾けないんですけど、挑戦してみること自体が楽しいと思えるので、これからも挑戦はいろいろしていきたいなと思ってます。(ザテレビジョン)