春川芽生
9月5日から上演される、原作のないオリジナル舞台『NINJA ZONE』は、映画監督、プロデューサー、スタントマンとしてワールドワイドに活躍する坂本浩一が長い海外経験を元に構築する“外国人が見たい日本アクション演劇”だ。忍者、サムライ、アクション、殺陣、ダンス、アイドルなど、さまざまな要素をスピード感たっぷりにお届けする。
舞台は、過去でも未来でもない架空の街「華舞綺TOWN(カブキタウン)」。犯罪者たちが棲みつき、治安という概念が崩壊した街を仕切るのは2代目秀忠率いる強大な悪の組織「徳川組」。この街では、竜宮館<DRAGON INN>の美女5人のグループ“BLASTING GIRLS”=“BG(ビージー)”のパフォーマンスが人々に夢や勇気を与えていた。彼女らBGの正体こそは、裏から街を守るKUNOICHIだったのだ。
BGのリーダー蒼(あおい)を演じる春川芽生は、ニコラモデルとしてデビューの後、映画『シンデレラゲーム』『人狼ゲーム ラヴァーズ』などに出演、ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』ではセーラースターファイター・星野光を演じたイケメン女優。個性的なメンバーを束ねる役どころへの意気込みを聞いた。
──春川さんの演じられる蒼はBGのリーダーということですが、どんなキャラクターになるでしょう?
姐御肌のリーダーですけれど、色気も兼ね備えたクールビューティというイメージですね。
──普段の春川さんご自身は、リーダーシップをとられるほうなんですか?
いやー(笑)。占いや、人からは「リーダー気質だよね」なんて言われるんですけど、自分から率先してやるほうではないですね。
──蒼が宮原華音さんの演じるメインヒロインの桜をBGに迎え入れることになりますが、春川さんからみた宮原さんのイメージはいかがでしょう。
元々、知り合いのインスタグラムなどで見て存在は知って、気になっていたんです。モデルさんみたいな美人なので、近づきがたい方だったらどうしよう…と思っていたんですが、ご挨拶したらぜんぜん柔らかい雰囲気の方で、距離が詰めやすそうでよかったです。
──他にもBGのキャストやキャラクターの中で、気になるメンバーはいるでしょうか。
BGのメンバーは基本的にショートカットの活動的なイメージがほとんどで声も低めな人ばかりなんですけれど、そのなかで純役の巴(奎依)さんがひとりだけ声色が違って目立ちますね。それに対して、他のメンバーがどうキャラクターを分けていくべきか気になるところです。
──BGメンバーの個性というところでは、台本にあった桜にレッスンを付けるシーンが面白そうですね。
あれは面白いと思いました! ミュージカル的なシーンでワクワクしますし、バレちゃいけないKUNOICHIとしての訓練を日常のことに偽装してやるっていう題材がとてもユニークなんです。BGのそれぞれのカラーの女の子たちが、それぞれの役割をもって桜に教えていくっていうのも、楽しい見栄えのするシーンになるんじゃないかと思います。
──そういったミュージカルシーンに加えて、坂本監督のアクションももちろん楽しみなところです。
坂本さんには、以前『ウルトラマンギンガS』で地底人の役をやったときに、お世話になったことがあるんです。いまよりも全然アクション経験のない状態だったので、現場で殺陣を付けていただいてからカメラを回す前の練習だけで筋肉痛になっていたんですけれど、やられ役のスタントの方がすごく上手いので私がちゃんと強く見えて(笑)。坂本監督は、さっと構えるだけちょっとした動きでもカッコよくて、ザ・アクションといった感じの方ですね。
──ビジュアル撮影でも、監督がポーズ付けなどされていたそうですね。
私だけじゃよくわからない武器の構え方なども、しっかり付けていただきました。こっちから斬ったら次はこう切り返して、そのとき手はここにあって腰の位置はこうという具合に。拳の握り方ひとつでも、親指が出ている出ていないで意味が変わるというところまで。本当にさすがですよね。
──劇中の殺陣では、朝日奈寛さんの演じる剛鬼とぶつかるということですね。
真正面からのパワー戦になりそうです。台本読みの段階でも、剛鬼は常に怒鳴っている化け物のような男なんですよ(笑)。それとパワー戦っていうことは並大抵じゃないですね。見た目でも剛鬼と並んだら私は華奢に見えると思うので、いかに力負けしないように見せるかはこれからの作り上げていかなきゃいけないところです。普段の朝日奈さんは怖い人じゃないんですけどね(笑)。でも、役に入ったときの凄みがあるので……だからこそこちらも全力でぶつかることができるっていうところで、気持ちのエンジンはかけやすいかもしれません。
──では、舞台全体での見どころなどお伝えいただけますか。
本筋は、桜の成長の過程や開花が見どころになるんですが、リーダーとしてはBGの5人もそれぞれの役割分担の仕上がりを楽しんでキャラクターとしてひとりひとりを好きになってもらえたら嬉しいし、そういうふうに頑張っていきたいと思います。桜の成長を支える色とりどりの肥料として、役割をちゃんと演じられたらいいですね。(ザテレビジョン・インタビュー/清水拓)