【写真を見る】片渕アナが最も印象に残っているお宝も明らかに
依頼人が持ち込むお宝に鑑定士が値段をつけていく、テレビ東京の名物番組「開運!なんでも鑑定団」(毎週火曜夜8:54ほか、テレビ東京系ほか)。
この番組で2016年10月から3代目アシスタントを務めている、テレビ東京の片渕茜アナウンサーにインタビュー。1994年の番組開始以来、テレビ東京アナウンサーとしては初のレギュラー出演者である片渕アナに、番組への思いや収録での裏話、アナウンサーとして意識していることなどを聞いた。
――まず、番組のアシスタントに決まった際の感想をお聞かせください。
2016年4月に入社して、一番初めに決まった番組がこの「鑑定団」でした。この番組は、私が担当になるまではテレビ東京のアナウンサーが一度も携わったことのない番組でして、この番組を希望するどころかその選択肢すら頭になかったので(笑)、お話を頂いた時は驚きました!
――「小さいころから見ていた番組」とお伺いしました。
よく見ていました! 私は佐賀出身なのですが、佐賀だと番組販売の関係で、フジテレビ系列のサガテレビでも放送されているんです。ですので、小さいころはてっきりフジテレビの番組だと思っていて(笑)。その後、アナウンサーとして就職活動をしていたときに、「『鑑定団』ってテレビ東京の番組だったんだ…!」とびっくりしました(笑)。
この番組は私の祖父母がいつも見ていて、家に行くとよく流れていた思い出があります。
――番組への出演が決まった時はご祖父母も喜ばれていたのでは?
喜んでくれていましたね。今では、「前から見ている番組に孫が出ているのが不思議な感じ」と言われます。
実は「鑑定団」は佐賀だとすごい頻度で放送されているんです。サガテレビで週に2回あって、テレ東系列のTVQ九州放送でも週に2回、それにBSジャパンでも流れているので、もうしょっちゅうという感じで。やっぱりご年配の方が多い地域だと「鑑定団」の印象は強いですね。
――佐賀に帰られた際は、ご近所の方などにもよく声を掛けられますか?
どうですかね?(笑) でもこっち(東京)で中継やロケでよく商店街に行くのですが、そこで街の方々に「あっ、『鑑定団』の子だ!」と言われるようになりました。まだ番組に携わって約1年半なのですが、覚えていただけているのがうれしいです。
――長く愛されている「鑑定団」ですが、片渕アナから見た番組の魅力は何ですか?
出演者の私たちとしては多くの依頼人の方を迎えてきましたが、依頼人の方にとってはまさに一生を懸けてお越しいただいています。先日も、亡くなった旦那さんが最期に握りしめていた時計をお守りとして身に着けて、奥さまが鑑定団にいらっしゃいました。そういったいろいろなエピソードや思いが一人一人にある中で、お宝に高額がついてスタジオ全員で喜ぶこともあれば、容赦なくシビアに値段を鑑定することもあるところが面白い部分なんだと思います。
また、いろいろなお宝を見てきましたが、それでもやっぱり高いか安いかが分からないんですよね(笑)。それも面白さの一つです。
――番組の担当になった際、ブログで「骨董品は特に詳しくない」とおっしゃっていましたが、約1年半経ってお宝の見方の変化はありますか?
どうですかね…やっぱり分からないんですよ(笑)。でも、以前よりは少しだけ、「これはちょっと高いかも?」なんて感じることもあります。実は今日の収録(※2月27日放送回)でも“うずくまる”という信楽焼(しがらきやき)が登場したのですが、あれは私でもオーラを感じましたよ! でも、この間は「色の塗り方が雑ですよね」とコメントした鉢が300万円にもなって。やっぱり分からないですね(笑)。
ただ、鑑定士の方々の解説の中では、お宝のどういう部分に目を付けて判断すればいいのかというお話もあるので、どこをポイントに見たらいいのかということに関しては少しずつ得られ始めています。
――プライベートでも博物館や美術館に行かれますか?
ちょこちょこ行きますね。自分では今まで行かなかったようなタイプの展示も、番組を担当してから興味を持つようになりました。
でも、番組のプロデューサーからは「あんまり詳しくなられたら逆に困るから行くな」と言われますけどね(笑)。
[PAGE] 共演の今田耕司と福澤朗アナへの印象は?
「依頼人の方と事前にお話しをするようにしています」
――これまでの収録で最も印象に残っているお宝は何ですか?
私がこれまでで一番すてきだと感じたお宝は、ラリックの香水瓶です(※2017年8月29日放送回)。ガラス製の香水瓶10点がスタジオに登場したのですが、見惚れてしまうほどきれいでした! それに、鑑定士の方が背景などを解説して下さったので、なおさら魅力的に見えましたね。
解説のVTRでも「形にできない“香り”というものを表現したのが香水瓶」という話があり、「なるほど!」と思いました。自分が普段使うような香水も、瓶までは目を配っていませんでしたが見方が変わりましたね。それに、香水瓶一つ一つにも名前が付いていて、中には「軽はずみ」なんて名前のものもあって! まさに軽弾みな気持ちのときに着けたくなる香水の香りを、香水瓶の形で表現しているというのが興味深いなと思いました。
――番組ではさまざまなジャンルのお宝が登場しますが、片渕アナが中でもご興味があるのは?
西洋のアンティークが好きですね。おしゃれで繊細なものが多いですしやっぱり女性としては引かれます。
――ご共演の今田耕司さんと福澤朗アナについて、お二人の印象や現場でのエピソードがあればお聞かせください。
お二人ともすごく優しいです! 今田さんはいつも気さくに話しかけて下さりますね。本番前にセット裏で話していたことをオープニングトークに交えて下さったり、私のちょっとした発言を拾って下さったりと、お気遣いがとてもありがたいです。
福澤さんはアナウンサーの先輩としても尊敬しています。博識ですし、その場その場での言葉の選び方がとても的確でボキャブラリーも豊富で。私が考えつかないような言葉の表現をされる度に、一つずつ勉強させていただいています。
――番組の収録には、どういった準備をして臨んでいますか?
バラエティー番組ですとアナウンサーが進行役を務めることが一般的ですが、「鑑定団」は全然違っていて、どちらかといえばリアクションをカメラに抜かれていることが多いんです。そういった立ち回りで番組に入ることは珍しく、「進行もしないのに、自分に何ができるだろう」と思ったこともありましたね。
そんな中で自分にできることを探した結果、今は依頼人の方がスタンバイしているセット裏になるべく早めに行き、依頼人の方と事前にお話しをするようにしています。出身地やご趣味などを伺って、興味深いポイントがあれば収録本番でも触れられるように準備しています。とはいえ、ただ雑談をしている感じですし、使えそうなお話しを伺ったものの本番で出せなかったなんてことも多いんですけどね。
――もし、この番組に依頼人として出演するなら何を持ってきますか?
どうしよう! 大した物を持ってないですよ(笑)。
――ご実家にある物でも…(笑)
それだと、祖母の家には有田焼のつぼや皿があるのですが、「これはいい物なんだよ~」って言っていましたね。そういうふうにおっしゃる方々をたくさん見てきましたからきっと安いと思いますけど(笑)、ちょっと番組で見てもらいたくもありますね。
――おばあさまはそういったものを集めるのがお好きなんですか?
というよりも、佐賀では身の周りに自然と有田焼があるんですよね。小学生の時は給食の食器も有田焼でした。それくらいなじみ深いものですし、安いものから高いものまでたくさんありました。
佐賀の人は、「いいお皿だな!」と思うとすぐに皿の裏を見るんですよ。そこに“どこの窯元の皿”というのが書いてあるので、それをチェックしているみたいです。
[PAGE] 取材での心掛けや入社3年目への目標も質問
「さまざまな仕事に対してより積極的な姿勢で取り組みたいです」
――では、ここからは「鑑定団」以外の質問をいくつか致します。片渕アナは「未来世紀ジパング~沸騰現場の経済学~」(毎週月曜夜10時)や「ワールドビジネスサテライト」(毎週月~金曜夜11時)の“トレたま”コーナーなど、外で取材される機会が多いかと思いますが、取材で心掛けていることはありますか?
最近難しいなと思うのは、取材を進めていって自分の知識が深まるほどに、どこに焦点を当てて伝えたらよいのかという点で、よく迷います。
例えば、先日はトレたまで“アレルギー物質27品目を含まないパン”の取材をしたのですが、取材した方の説明の中に“グルテンフリー”という単語が出てきて。私もなんとなくは知っていましたが解説できるほどの知識は持っていなかったんです。ですので、まずグルテンフリーを理解しているか周囲のスタッフさんなどに聞き、あまり浸透していない言葉と分かったので、「グルテンフリーってなんですか?」という質問をインタビューに織り交ぜて、グルテンフリーを知らない視聴者の方にも伝わるよう意識しました。
――質問の組み立てから片渕アナがされているんですね。
ディレクターさんにもよりますね。構成をある程度考えている方もいれば、取材を進めながら構成を一緒に考える場合もあります。
「ワールドビジネスサテライト」はビジネスマンの方によく見ていただいています。ですので、私よりも視聴者の皆さんの方が知識があるような内容であればそちらに合わせないといけないですし、逆にテーマによってはよりわかりやすくした方がいいと思うときもありますし、そこが毎回悩みどころです。
ただ、テレビはやはり大勢の方に向けて発信する媒体なので、基本的にはあまり専門的な表現にするよりも、なるべく分かりやすくしたいなと思っています。
――4月には入社3年目となりますが、目標があればお聞かせください。
1~2年目はアナウンスの技術など、まずは基本的なことをできるよう心掛けてきました。それもまだまだできていない部分がたくさんあるので、引き続き努力していくつもりです。また、3年目のプラスアルファとして、さまざまな仕事に対してより積極的な姿勢を持って、自分から取り組んでいきたいです。例えば取材でも、ディレクターさんが想定している内容を受け身でやるだけではなく、より良いVTRになるように何か提案したりしたいですね。
――ちなみに、出演してみたい番組はありますか?
そうですね…やはり自分が取材やロケで外に行ける番組はやっていて楽しいですね。現場に行き、取材相手や一般の方と接することで発見するものは多いので、これからも外に出ていきたいです。
――では、最後に「鑑定団」の見どころなど、読者の方へメッセージをお願いします。
「鑑定団」には“主に年配の方が見ている番組”というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。ですが、スポーツや音楽、アニメ関連のグッズなど、とにかく幅広いジャンルのお宝が出てきますし、お宝を通していろいろな知識を得られる部分が面白いと思います。若い方や女性の方でも楽しんで見られる番組だと思うので、ぜひご覧いただきたいと思います。(ザテレビジョン)