週刊女性本誌で連載中の『有村昆のシネマファッション』が9月5日号で最終回を迎えた有村昆さん。妻でタレントの丸岡いずみさんと「夫婦×映画」というテーマで思う存分、語ってもらいました。ふたりの家庭内で起こった映画にまつわる“爆笑エピソード”や“心温まる秘話”とは──。
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年間500本以上も鑑賞している有村さんの影響で、丸岡さんも映画漬けの日々を送っているかと思いきや、実はそんなこともないようで……。
丸岡(以下、丸)「正直いって、映画を見るのは月に1回くらいで、頻度は高くないんです(笑)。主人にオススメされたものを見ることはありますね。最近だと『君の名は。』。主人とは映画館で『最強のふたり』を見ました」
有村(以下、有)「私は仕事柄もあって、試写会や公開前の映画を見ることが多く、先日はアニメ映画『この世界の片隅に』を“これは名作だから見て!”と、いずみん(※家庭内での奥様の愛称)にオススメしたんです。でも当初は全然見てくれなくて、メディアが取り上げ始めてからやっと、“あの映画いいらしいね!”って(笑)」
有村昆・丸岡いずみ夫妻
“夫婦”で見てほしい作品
映画評論家の夫の影響で少なからず映画を見る機会が増えたという丸岡さん。そんなふたりが“夫婦”で見てほしい作品は、“男女で意見が分かれる”映画だそう。
有「『フレンチアルプスで起きたこと』という北欧の国々で共同製作した映画をご夫婦で見ると面白いと思いますよ! 家族でフレンチアルプスにスキーに出かけたところ、突然、雪崩が起こるのですが旦那さんが奥さんと子どもを置いて逃げちゃうんです(笑)。結局、雪崩の影響はなく全員助かるのですが、奥さんが“なんで逃げたの?”という話になって旦那さんも言い分を話し始めるんです。まさに男女で見方が違うと思いますよ」
丸「ひどい夫だなと思いましたよ!」
有「男性は生物学的にそういった生命の危機が起こると反射的に逃げてしまう生き物だそうで、不可抗力だと聞きました。僕が同じ状況だったら生物学的に言うと、いずみんを置いて逃げるのかもしれない……(笑)」
丸「逃げそうだよね(笑)。ご夫婦で見ていただけたら、意見を言い合ったりして盛り上がると思いますよ」
「クローゼットから“シュコー、シュコー”と男性の声が」
有村さんは“映画を見ることが仕事”でもあるだけに、有村家で起こる映画にまつわるエピソードは尽きないようで。
丸「ある日、家に帰ったら玄関のクローゼットから“シュコー、シュコー”と男性の声が聞こえたんです。実は、主人が購入した『スター・ウォーズ』に登場する『ダース・ベイダー』の頭部の模型で、そこから声が出ていたんです。そのときは本当に怖くてマンションの警備会社に電話しちゃいました(笑)」
有「あのときはごめんね(笑)。何かの拍子でスイッチが入っちゃったみたいで……。ほかにも『スター・ウォーズ』の『R2-D2』の実物大模型を持っています!」
丸「それも購入した当初は部屋に置いてあったんですけど、邪魔になって大変だったので今はトイレスペースに移動させました(笑)」
有「ほかにも『アベンジャーズ』のフィギュアもトイレスペースに移されまして……。映画関係のグッズも多く所有しておりまして、2段ベッドの上の部分に『テッド』のぬいぐるみや『E・T』や『インディ・ジョーンズ』のフィギュアがごっちゃに入っていて“奇跡の共演”を果たしています(笑)」
「いずみんに感謝していること」
’12年に結婚したふたりだが、交際中に絆を深めたもののひとつに「映画」を挙げる。
有「付き合っていたころに、よく映画のDVDを贈っていたんです。いずみんが心の病気を患っていたときには『リトル・ミス・サンシャイン』を贈りました。ハチャメチャなおじいちゃんが登場する家族をテーマにしたほっこりする名作だったので、これを見て元気になってもらおうという“映画の処方箋”というつもりでしたね。でも、いまだに感想を聞いてなくて……」
丸「ちゃんと見たよ!(笑)」
有「今だからわかりますが、DVDをたびたび贈っていたことで“絆”ができた部分もあると思います。当然ですが、いずみんは僕ほど映画の知識がないからこそ、いい関係を保てているのかなと。お互いに詳しいと、こだわりがあったりしてケンカしちゃうこともあると思うんですよね」
丸「逆に私は報道記者をやっていたこともあったので、主人に“このニュースはどういうことなの?”と聞かれて答えることもありますね」
有「お互いに知らないことを補い合っていくことが“夫婦円満の秘訣”なんです。特に、いずみんに感謝しているのは、映画グッズを買うことに関して文句を言わないこと。かれこれ総額で1500万円ほど使っているので(笑)」
「リチャード・ギアみたにな年のとり方をしてほしい」
そんな有村昆さんと丸岡いずみさん夫妻が、読者とその夫に、それぞれオススメする映画は“伝説的な名優”の作品だという。
有「僕はやっぱりオードリー・ヘップバーンの出演作品を世の奥様方に見てほしいですね『ローマの休日』や『麗しのサブリナ』も文句なく素晴らしいのですが、オードリーの外見的な美しさだけではなく内面からにじみ出る美しさにも注目してほしい! “映画セラピー”という言葉があるようにオードリー作品を見ることで、より美しくなれるんじゃないかと思います」
丸「私は出演作品を全部見ているほどリチャード・ギアが大好きなんです。『プリティ・ウーマン』や『愛と青春の旅だち』や『オータム・イン・ニューヨーク』がオススメですね! 彼は常に一歩引いたような演技で紳士的なイメージ。品があって“大人の男性”の魅力にあふれていると感じます。世間の旦那さまにはリチャード・ギア作品を見てほしいですね。主人も彼のような年のとり方をしてほしいです」
有「いずみんがリチャード・ギアが好きだったなんて知らなかったよ! 彼のようになるのは大変だと思いますが頑張ります(笑)」