自身が経営、母・文子さんが働く東京・世田谷のバー『YABEKE』にて
“浮気父”と“暴力父”
「夫婦仲は悪くなかったんですよ。ただ、父がケガをして馬に乗れなくなって。保険会社に勤めたけど、家にお金を入れずに、外で浮気をしていた。
ある日突然、どっちについて行くのか決めなさいって言われて。“嫌だ、嫌だ”と、すごく泣きましたね。ただ、その後、『びっくりドンキー』でハンバーグを食べさせてもらってすぐご機嫌になったので、幼かったし、言うほどわかってなかった(笑)。
「私は新しいお父さんになじもうとして頑張ったけど、蹴られたことがあります。痛くてめっちゃ泣きましたよ。私は平気でしたが蹴った父親のほうは足の骨が折れて、バチが当たったんだと思いました。お母さんが私たちをかわいがることも許さないので、母とのコミュニケーションが圧倒的に不足して、すごく寂しかったですね」
「祖母も母の姉も、みんな反対した。でも、お互い好き同士だから、またくっついちゃうんですよ。女って、バカだからね~。私もいろいろな経験をして30歳過ぎてからは、母の“女としての気持ち”が理解できるようになりました。でも、私ならもっと早く見放したかな。うちの母は優しすぎるんですよね」
もう「結婚はしなくていいや」
「子どものころの話をすると、“大変な苦労しましたね”って言われるけど、ひどい環境だったから精神的にも強くなったし、イジメられたから見返してやろうと芸能界を目指したんです。キツイ思い出のある北海道には絶対に戻りたくないと頑張ったから今の私があるんですよ。だから、まぁ、いっかー(笑)」
「彼はまじめだし、浮気もしないし、経済力もあった。私の家族とも一緒に、5年くらい同居してくれたのに……。
私のワガママなんです。結婚したら絶対に離婚はしたくないし、母のようにはなりたくない。でも、私は母に似ている部分もある。この人のことを私はずっと愛し続けられるかな、とか、いろいろ考えちゃう。それでもう“結婚はしなくてもいいや”って」
矢部みほ 女優、タレント。1977年生まれ、北海道恵庭市出身。妹は元タレントの矢部(現在は河合)美佳、矢部美希。実父は地方競馬騎手であった矢部和夫。愛称は「ヤベッチ」。2010年にバー『YABEKE』をオープン。経営者としても活躍中