長女の「ゆかり」、次女の「かおり」、三女の「あかり」そして四女「うめこ」の、「ゆかり四姉妹」として話題に
「ゆかり」は名前のつもりではなかった
それがきっかけとなり、「ひろし」は品切れが続出するほど爆売れし、発売からたった2か月で年間の販売目標をあっさりクリアした。
「『ひろし』は日本三大漬け菜のひとつである広島産の広島菜を100%使用した混ぜご飯の素。原材料の広島菜から『ひろし』と名づけました」(佐伯さん、以下同)
「それぞれの原材料の色や特徴にちなんだ言葉を、親しみやすいひらがな3文字で表したものでした」
「突然話題になったときは驚きもありました。しかし当時『三姉妹』として認知されるようになったことで、相関図を考えたりキャラクターイメージを想像されたりなど、商品により親しみを持っていただくことができ、結果的に大変ありがたいことでした」
「ひろし」はもともと「ひろこ」の予定だった
「実は『ひろし』は、前年に発売した『うめこ』の売れ行きが好調だったことから『ひろこ』と名づけられることに9割方、決まっていたんです」
「当時社内では男性名はどうなのかという意見もあったようです。しかし、商品の原材料で、会社の所在地である広島県の特産品でもある広島菜をもっと世間にアピールしたい、そのためにもシンプルに原料名を印象づける『ひろし』と名づけようよという社長の意見を聞き、多くの社員が賛同。初の男性名の商品の誕生に至りました」
「ひろし」はそんな社長をはじめとした三島食品社員の郷土愛あふれる思いが込められた名前だったとは……。なんだか聞いただけでもほっこり心が温かくなってくる。
これが“ひろし”です…!
●パッケージは、瀬戸内海のイメージと広島菜をアレンジしたデザインに。
●当初は「ひろこ」となる予定だったが、社長の鶴のひと声で「ひろし」に。
●青菜の混ぜご飯の素「菜めし」もあるが、「ひろし」は名前のとおり広島県産の広島菜だけにこだわった。
●原材料は広島産の広島菜100%。浅漬けを調味し、乾燥させている。
コト価値をもたらした「ゆかりペンスタイル」
「前社長は『ゆかり』が好きで、どこへ行くにも持ち歩いていたのですが、既成の袋や瓶だとかさばるので、資材担当者が見つけたペン型の容器を『ゆかり入れ』として愛用していました」
異業種からの誘いが絶えない人気者に成長
「ご期待はいただいているので、企画チームが動いてはいますが、今は未定です。ただ社長は、やる気満々ですよ」
「ひろし」に次ぐ、名前も味もジワる新商品に期待だ。
三島食品広報・佐伯さんおすすめ超簡単アレンジレシピ
●ひろしとニンニクバターのパスタ
「ひろし」のうまみで味つけ不要!
●ふりかけ三姉妹の3色ポテサラ
いつものポテサラが“映える”一品に
〈取材・文/中村明子〉