松雪泰子
永野芽郁がヒロインを務める連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK)が好調なスタートを切った。『ロングバケーション』(フジテレビ系)や『ビューティフルライフ』『オレンジデイズ』(TBS系)などの名作ドラマを送りだした北川悦吏子さんのオリジナル脚本とあって、細部まで練られた仕掛けが早くも話題になっている。
ドラマは1971(昭和46)年の岐阜県で誕生した主人公・楡野鈴愛(すずめ)が、病気で左耳を失聴しながらも七転び八起きで人生を駆け抜けていく物語を描く。
「ヒロインが異例の胎児期からスタートし、第1週の前半は鈴愛役の永野と幼なじみの萩尾律役の佐藤健が、胎児と赤ちゃんのナレーションとして参加するなど、いかにも北川さんらしい作り方です」(テレビ誌ライター)
1週目に注目を集めたのが、意外にも朝ドラの出演は初めてという鈴愛の母・晴を演じる松雪泰子の存在感だ。町の食堂を切り盛りする、地元商店街指折りの美人おかみ・晴は、実は涙もろくて、お人よし。
「松雪も実生活では子育て真最中で、家でも毎朝、子どものお弁当を作ってから撮影に出かけるそうです。
芦田愛菜と共演して話題になったドラマ『Mother』(日本テレビ系)で母親の気持ちを表現したのを機に、“40代はじっくり母親役に取り組みたい”と思うようになったそうで、朝ドラ出演に際しては、かなり気合が入っている様子です」(テレビ局スタッフ)
4月9日からの放送(2週目)では小学3年生になった鈴愛が、ある時から片耳に異変を感じるようになる。本人は自分の左耳に小さな人がいて、たまに歌って踊ったりしていると友人たちに楽しげに語るが、晴と父・宇太郎(滝藤賢一)は町医者の貴美香(余貴美子)の勧めで、名古屋の大学病院で鈴愛に検査を受けさせる。
数日後、鈴愛の耳に深刻な事態が起きていることを医師から告げられた両親は……と、ストーリーが大きく展開し、いよいよ永野が登場する。
「現場では、晴という役柄のまま本当にみんなのお母さんといった存在だそうです。松雪も“家庭がふたつあるみたいで、24時間お母さん(笑い)”と、和やかなムード。
永野もいつも松雪のそばで、いろんなことを話し込んでいます。鈴愛の口癖の“やっちまった”“ふぎょぎょ”も、現場では流行語になっていますし」(前出・同スタッフ)
永野と松雪の母娘がこれからどんな時を重ねていくのかも気になるところだ。
<取材・文/小窪誠子>