当時の騒動を振り返る浅香光代。91歳になる現在も役者・指導者として活動している
「浅香光代さんは女剣劇のスターで、歯に衣着せぬ物言いで昔から有名人。一方の野村沙知代さんも野球界の大物・野村克也さんの奥さんで、不遜な態度がウケて当時はメディアに引っ張りだこ。そんな個性の強い2人が言いたい放題の口ゲンカをするんですから、面白くないわけがないですよ」(ワイドショー関係者)
「あたし、元気でしょ! 声も大きいから、みんなに声を落としてって言われちゃうの」
「もともと、あたしと事実婚状態にある世志凡太さんと野村克也さんは若いころからの友人でね。その2人から“仲よくしてほしい”って紹介されたのがきっかけだったの」
「あたしはお客様はおもてなしするのが当然だと思ってるの。でもサッチーは毎日のようにウチに来て、寿司とか高いものをお願いしちゃうのよ(笑)」
「日本の飛行機以外は乗りたくない!」
「あたしの知り合いに美容整形の先生がいたんだけど、その先生に芸能人の友達を紹介して、シミやイボを取ってもらっていたのよ。サッチーも何度も通ったみたいなんだけど、お金を払っていなかったみたいでね。彼女に催促したら“私は野村沙知代よ。やらせてあげてるんだから、むしろ宣伝費をもらいたいくらいよ”とか言い出したの!」
「韓国に料理を食べに行く食レポの番組で共演することになったんです。海外の安めな航空会社の便で出発しようとしたら、サッチーが“日本の飛行機以外は乗りたくない”って駄々をこねだして。飛行機を待たせているのにね。まぁ大変な方でしたよ」
「あるとき、サッチーをあたしの芝居に招待したの。見終わった後に彼女が“胸のすくような芝居でいいわね、私も踊りたい”って言うもんだから一緒に舞台やることになったのよ。劇場を押さえてチラシもポスターもできたってところで、サッチーがいきなり高額な出演料を要求してきてね。自分から舞台に出たいって言ってたのにね。なんとか工面して払ったわよ」
「彼女は自分で踊りができるって言ってたのに、これが全然できてなくてね。舞台中なのに彼女は知ってるお客さんに手を振ったりしていい加減だったのよ。しかたないから踊り出すタイミングを合図してあげたんだけど、“私のほうがうまいんだから指示出すな!”って本番中にケンカを仕掛けてきちゃって。そんなことばっかりだから仲が悪くなっちゃったのよ」
「あたしゃ許さないよ!」
「当時のサッチーは講演会で教育論とかを語ったり、選挙に立候補したりするもんだからずっと頭にきててね(笑)。“稽古に平気で6時間遅れてくる”“あたしゃ許さないよ!”って。それまで我慢していたことを全部ラジオで言っちゃったの」
「全国からお礼の手紙や電話がすごかったわよ。サッチーが関わっていた少年野球のお母さんたちも、アメリカ遠征するお金をピンハネされたと話しにきたわね」
「騒動中、たまたまサッチー宅の最寄り駅に降りたら、あたしに気づいたタクシーの運転手さんたち10人くらいが拍手で出迎えてくれてね。聞けばサッチーってタクシーに乗ると運転手さんに“好きなように行きなさい”って指示するけど、目的地に着いて支払いになったら、“あんたが好きで来たんだから払わない!”とか言って運転手さんが困っていたみたい。“浅香先生、戦ってくれてありがとう”ってお礼言われちゃったわ」
かつての“ライバル”へ…
「毎日、事務所の前にテレビがいるから大騒ぎ。一歩外に出れば“今日は何かありますか?”ってレポーターの人たちに追い回されてね。いきなり車内に連れ込まれてインタビューさせられたこともあったわ。彼らに気づかれないように服を途中で着替えたりしてね。みんなあたしを犯罪者みたいに扱ってたわ」
「サッチーがしていたことって全部“野村監督”のためなんだよ。お金を貯め込んだのも、派手な服装できれいに着飾ったのもね。確かに度を越したところもあったけど、それだけ一生懸命だったんだなって今は思うね」
「この世では2度とああいう女には会えないだろうね。あと何年かしたら、“座布団敷いて待ってたわよ”って迎えてくれるかもね(笑)」