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「その年代の女性の悩みをしっかりと相談できるような体制整備をすることは大変重要だと考えている」と答弁していた。
対象は中学生~25歳ほど。親や先生、身近な大人に相談しにくいことや、病院に行くか迷っている体調のこと、もちろん婦人科以外の悩みでも気軽に打ち明けることができる。予約はメールやSNSのDMなどから受け付け。料金は1回500円で相談できるのだ。婦人科の検査や診察、投薬は行わないため保険証も必要ない。
学生のストレスは無視できない
「中高生や大学生、新社会人にあたるこの年代は、進学や就職によって生活に大きな変化が起きる時期。悩みを抱え、ストレスが体調に影響する人も多いです」
生理や身体の悩みを打ち明ける少女たち
「例えば経血が多すぎる、生理痛が重いなどの症状が続く場合は“1度病院に相談してみたほうが安心ですよ”とアドバイスをしています。相談者の自宅近くの婦人科を一緒に探すこともありますね」
特に“妊娠したかもしれない”という不安を抱えている10代、20代前半の若い女性たちの駆け込み寺的な存在にもなりうるかもしれないのだ。
「取り調べで“妊娠のことは誰にも言えなかった”と供述したそうです」(全国紙社会部記者)
防ぐべき女性の精神的孤独
人知れず出産した乳児を遺棄、母親が逮捕される事件は後を絶たない。父親とみられる男性は無関心で逃げてしまえば大きくなるお腹を抱え、ひとり悩み、出産。遺棄せざるをえない状況に追い込まれる。
「店員さんが男性だとどう思われるかを意識してしまう年代です。クリニックで検査して陽性だったことは今までありませんでしたが、判定の正確性は100%とはいえないため、後日再度検査することをすすめています」
「後回しにした結果、“あのときに行っておけばよかった”と後悔する方が出てこないようにするためにも、10代から婦人科受診のハードルを低くする環境を整えることは重要です。そのひとつとして、ユースクリニックは有効な方法だと思っています」
「“お母さんに言いにくいことがあったらここに行ってみるといいよ”と、ユースクリニックの存在を伝えてみてください。それが、お子さんが悩みを打ち明けられるきっかけにもなるかもしれません」
教えてくれたのは……上野皮フ科・婦人科クリニック、西郡克之院長(皮膚科専門医)●婦人科は女性医師が診察、ユースクリニックでも看護師や助産師ら専門家が相談にあたる。診察や投薬、検査などは行わないので気軽に利用できる。予約はWEBから、オンライン相談も受け付けている※写真をクリックするとホームページにジャンプします
LINEで相談、スマホで安心つながる
「友人関係の悩みなど、思春期保健相談士として回答できる範囲は私が回答。医療の知識が必要な相談は連携する佐藤病院の産婦人科医や助産師に共有して回答をもらいます」
「まずは話をよく聞くようにしています。短い文章でバラバラに相談内容が送られてくることもあるので『これはこういうことですか』と確認しながら返信しています。また、上から目線の指導にならないよう目線を合わせて答えるようにしています」
深夜にも相談続々と、男子からの悩みごとも
「たいていの子は疑問が解決すれば『ありがとうございました』で話が終わってしまいますが、中には継続的に利用している子もいて、1人で500チャット以上やりとりすることも。友人関係の悩みは特に長くなりがちですが、『そう言ってもらえて安心しました』『そういうふうに考えればいいんですね』とお返事をもらえます」
女子以上に相談する場所がない男子からの相談も寄せられる。マスターベーションや性に関することが多いという。
「思春期はセックスに興味を持つ年ごろですが、“こんなことを考えてしまう自分はおかしいのかな”と思い悩む必要はありません。相談者の男の子には『自分も彼女のことも大切にしないといけないよね』と伝えるようにしています。男の子にこそ、正しい知識を持ってもらいたいですね」
「女の子で身体の悩みをお母さんに相談できている子はやはり少ないですね。お母さんに知識がないということもありますが、そもそも共働きで忙しく、なかなかお子さんと向き合って話す時間がないのかなという印象です」
「それはご自身の健康にも直結しますし、次の世代の健康にも結びつきます。子どもさんからの悩みでご自身では回答できないようなことがあっても、“ユースクリニックっていうのがあるから、ここに行ってみるといいよ”と答えてあげられるお母さんやおばあちゃんになってほしいなと思います」
教えてくれたのは……NPO法人ラサーナ理事長 福田小百合さん●メンタルケア心理士、思春期保健相談士。佐藤病院グループ統括マネージャーとして女性の心身をサポートする業務に携わる。抗加齢の面からも産婦人科医と連携して予防医療に力を入れる。https://npo-lasana.org
(取材・文/堤美佳子)