ひろゆき 撮影/渡邉智裕
「日本の若者は、そのうち時給100円の高齢者と仕事を奪い合うようになる」
「ベーシックインカム(国民全員に一定額のお金を渡す制度)が日本を救う」
他人の視線に縛られず自由に生きる
「自由な発想って、“身につける”ものではなく、年をとるにつれて“失っていく”ものだと思いますよ。子どもは生まれてから数年は好きなように生きているじゃないですか。それが周りの大人にあれこれ止められていくうちに、だんだんと“言われたとおりにしかできない”ようになっていく。僕は親に放置されていたから、そうならなかったんでしょうね」
「お小遣いをもらっていなかったからかなぁ。みんなはお金を持っているけど僕だけはない状態が当たり前だったんですよ。でも、それで別に困らなかったですね。ゲームは友達に貸してもらえるし、おやつは、友達が『ビックリマンチョコ』のシールだけ取って残ったお菓子をもらっていました。大学時代の弁当も、ごはんだけ持って行って、友達に一品ずつもらうといつの間にか僕のごはんがいちばん豪華になっていたりする(笑)。
「生活保護」からのベーシックインカム
「今の生活保護って、本当に保護が必要な、困っている人が受けづらい状況になっていますよね。それを変えるには、働くのがしんどい人がどんどん申請して、生活保護を堂々と受給していけばいいんです。そうやって、役所が決めた生活保護の支給の水準を上げていくんです。
今、『不正受給だ!』なんて怒っている人は、お金が稼げなくて苦しい人でしょう。頑張って働いて手取りが10万、でも生活保護なら働かないで月7万、それってどうなのって怒る。でも、自分ももらえるとなれば生活保護受給者は攻撃相手じゃなく仲間になるはずです」
「月々の生活費が保障されれば、『おこづかい程度で働けばいい』と低い時給が受け入れられるようになります。すると時給が300円くらいに下がって、海外との価格競争に勝てるようになる。そうやって、利益を上げた企業に納税してもらって財源とする……というのはどうでしょう。時給が下がれば商品価格も下がるので、少ない金額でも快適に暮らせるようになりますよ」
「60代の人に医療費1500万円かける前に、20代のうちに1500万円渡すんです。例えば60歳でがんになると社会保障費の負担が年間2000万円くらいになります。そのお金を若いうちに出してもらえたら、安心して子どもを産み育てることができ、少子化も解決するのでは?
「やりたい仕事があるわけではなく、とにかくお金がなくて不安なら、生活保護の申請をしましょう。生活の不安がなくなって、時間にゆとりができれば、何か新しいアイデアが生まれるかもしれない。あの『ハリー・ポッター』第1作も、シングルマザーが生活保護を受給しながら書いた作品なんですよ」
ライターは見た!著者の素顔
ひろゆき●本名、西村博之。1976年生まれ。中央大学在学中に米国アーカンソー州に留学。1999年にインターネットの匿名掲示板“2ちゃんねる”を開設、初代管理人となる。東京プラス代表取締役、未来検索ブラジルの取締役。2006年、“ニコニコ動画”を開始して反響を呼ぶ。2015年からは英語圏最大の匿名掲示板“4chan”の管理人。
(取材・文/鷺島鈴香)