保田容疑者の家がもともとあった土地。奥の一部分で被害者宅(左)がはみ出しているように見えるが……
「あの日、仕事で近くを通ったら規制線が張られていたんだよ。“刃物を持った男が逃走しています”って防災行政無線があってね。ずいぶん昔の土地の境界線のトラブルらしいけど、急に切りつけるなんて怖いねぇ」(タクシー運転手)
「その日の午後2時過ぎ、被害者宅で、63歳の女性の頸部などを刃物のようなもので切りつけ殺害しようとした」
すぐにカーッとなるタイプ
「今回の事件の発端は約40年前にさかのぼるんです。7軒も焼ける火事がありましてね。出火元が保田容疑者宅でした。被害者のお宅はお隣で、焼けてしまいました。
すぐに建て直しましたが、その際に、保田容疑者の土地に侵食して建ててしまったという。今は駐車場になっていますけど、土地がちょっと斜めになっているんです」
「確かに過去にあった火事に起因していますが、保田さんの家の合意を得ており、すでに解決している問題です」
「刑期を終えたときに同じことが繰り返されるのではないかと現在は非常にナーバスになっています」
「火元が保田容疑者宅だったから、周囲がよく思っていないのも無理はないが、事件になるとは思わなかった。土地を売るため境界線のことで文句を言いに来たのを、強気で突っぱねたため火に油を注ぐような感じになったのでは」
「すぐカーッとなるタイプですから、いろいろと理不尽なことを言われました。社会的な常識もちょっと……」
「発言は利己的というか、自分中心というか、自身の意見が絶対正しいんだという感じの人でしたね」(60代女性)
「土地の売買や建て替えから境界線のトラブルが顕在化していくことが多いのです。だからこそ、トラブルになる前に専門家をはさんだうえで、近隣と境界線を確認しておくことが大切です」