斉藤祥太(右)・慶太(左)
『キッズ・ウォー』(TBS系)シリーズやバラエティー番組『王様のブランチ』(TBS系)などに出演していた斉藤祥太と斉藤慶太。双子のイケメン俳優2人は今年で芸能生活20周年を迎え、記念として“サイトー”にちなんだ3,110円で全国どこでも、どんな仕事でも受けるキャンペーンを実施。好評のうち幕を下ろした(2月10日〜3月1日まで)。カメラの回っていない場所でファンと触れ合い、彼らは何を感じたのか。芸能の仕事での葛藤や心境の変化、双子ならではの苦悩や喜び。ふたりが歩んできた──そしてこれからも続くであろう“双子道”に直撃した。
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「本当に3,110円もいらないやってぐらいの気持ちになるんですよ。僕らが中学生のころの雑誌の切り抜きを集めてキレイに保存してくれいてる方や、娘さんを抱っこして写真を撮るだけですごく喜んでいただける方……。
来ていただくのではなく、こちらから出向くっていうことに意味があった。テレビ画面の向こうやSNSで応援してくれる方はいるんだろうとおぼろげには感じていたのですが、それをリアルに肌身で感じた。ファンの方々と触れ合う機会の大切さを知りました」(祥太)
仕事がないときこそ……
「ただ僕と祥太が訪れるだけなのにリアクションがすごくあったんです。それが単純にすごくうれしくて。これまで活動していて本当に良かったと感じました」(慶太)
やはり双子で良かったと思います
「最初に出すぎたから、まあこんな感じか……という印象でしたね。休みが増えたことを肌で感じたので、ストレッチ系のインストラクターの取得。ほかにも、内装の職人を始めました」(慶太)
「僕は解体業やガスの配管などのガテン系の仕事を。中野や新宿、目黒の道路に埋まっているガス管は僕が変えたんですよ(笑)。最近は電器系。防犯カメラの取り付けなどですね」(祥太)
「仲間とともにガテン系の仕事をしているうち、芸能人もそうじゃない人も、何も変わらないんだという当たり前のことを改めて思えました。当時から、芸能界にいるのがそんなに偉いのか、という疑問を一部の方々に思っていたからです。僕たちは立場も平等なんだと」(慶太)
「世の中、手に職をもって家族を養っている人も多いじゃないですか。芸能界にいるとそれが見えにくくなる瞬間がある。普通にお金を稼ぎ、家庭を守っている人を見るうちに、芸能界での成功だけがすべてではないという当たり前のことに気づけました」(祥太)
「“自分が、自分が”と前に出る気持ちが消えてお芝居と向き合えるようになったんです。ゆとりが生まれた分、僕たちのお芝居も変わりましたね」(祥太)
「双子の関係って結構難しくて。デメリットで言えば、やはり比べられてしまうんです。どっちが格好いいとか芝居がうまいとか。だから若い頃は気に入らないことがあったら喧嘩ばかりして(笑)。デビューをしても取材中に結構ガチトーンで『お前、うるせえよ!』と現場を凍らせたり(笑)。僕らにとっては日常なんですが」(慶太)
「『タッチ』もそうでしたが、やはり双子だからこそのオファーが多かったんです。ハリウッド映画の『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』に出演できたことや、ヨーロッパで流されたイギリスのCM。アジア人の双子の俳優を探しているということでオファーをいただき、世界へもはばたけました。それはやはり双子で良かったと思いますね」(祥太)
「学校でお腹が痛くなって保健室へ行ったら、隣のベッドに腹痛で祥太が寝込んでいたことがありました。あと同じ日時に偶然、同じ場所で同じ映画を見ていたこともありました」(慶太)。
「同じ日に生まれ同じ家で同じものを食べて育っているから似てくるのは当たり前かもしれません。それでも僕がやや雑で、慶太は洗濯物をしっかりたたむなど多少の違いも。周囲から見たらどっちがどっちか分からないかもしれませんけど(笑)」(祥太)
「双子というのは、“もうひとりの自分がいる”ような感覚なんです。周囲が気を遣って注意してくれないことでもどちらかがしっかり叱る。双子だから道を踏み外さないという面もあるかもしれない。時に注意し合い、普段はお互いを認め合って、いろんな経験をした40代、今よりもっと深いお芝居が出来てたら良いですね」(祥太)
「ふたりともお婆ちゃんっ子。応援してくれるお婆ちゃんに恥ずかしくないよう今後も頑張っていきますので、これからも是非僕たちを見守っていてください」(慶太)
(※取材は'20年3月25日に行われたものです)
(文・構成/衣輪晋一)