染谷将太
「家族というものは、ゼロから作り上げるもので、自分にとってはこんなにもクリエイティブなものはないなと思っていて。そして、自分にとっては“帰る場所”でもあるという感覚を、映画を通してより深く感じました」
家族とは、よくわからないもの
「これまでにも家族を描いた作品はたくさんあって、最終的に“家族とは”という明確な答えを求めようとするものが多い中、今作では“家族とは、よくわからないもの”ということを素直に表現していて。
「“一生懸命やる”って何だろうって思うときがあるんです。もちろん“全力でやる”ことは当たり前なのですが、ただ“頑張ります!”と意気込むこととは違うのかなと。
すごく愛情を感じました
「母がから揚げを作ったときに油がすごく弾けたみたいで。“ギャー!”と叫びながら作ってくれたから揚げが食卓に並んでいるのをいまだに鮮明に覚えていて。
「“家族を撮る”という行為は、あくまで“記録”だと思っていて。撮った写真をこの先、何回見返すかわかりませんが、今見るのと、10年後、20年後に見るのとでは、年を重ねるごとに見返し方が変わってくると思うんですよね。
《同じ料理なのにこんなに違うの!?》
「お雑煮って、本当に家族によって全然違うんだなと。母が作るものも、祖母が作るものも、友人家族が作るものも、全部味つけや具材が異なるんです。同じタイトルでこんなにも違いの出る食事って、ほかにはないんじゃないかなと。僕の実家では、具材は少なめで、だしを生かしたシンプルなお雑煮が定番でしたね」
そめたに・しょうた ’92年9月3日生まれ。’01年『STACY』で映画初出演、’09年『パンドラの匣』で長編映画初主演を務める。’13年には『ヒミズ』『悪の経典』で第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。近年の主な出演作に連続テレビ小説『なつぞら』や映画『空海-KU-KAI-美しき王妃の謎』『パラレルワールド・ラブストーリー』など多数。
●Information●
『最初の晩餐』11月1日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー