『オバチャーン』のメンバーたち
街じゅうヒョウ柄だらけなの?
「ヒョウ柄を着ていると、“アンタ、それじゃ〜大阪のオバチャンやで”って友達にバカにされるねん。ウチは好きやから着とるけど、みんな着てへんで~」
「これは衣装やで〜」と、あっさり告げたのは不動のセンター・舟井栄子(69)。
「普段、ヒョウ柄は着てへんわ。最近はヒョウ柄も売っているところが少なくなっているから、見つけたら衣装用に買い足していくって感じやなぁ」
「10年くらい前は道頓堀あたりにたくさんおったで」(舟井)とのこと。以来、衰退の一途をたどっているとはいえ、そのインパクトゆえに、浪速のヒョウ柄文化は人々の記憶のなかで生き続けることだろう。
“パンチパーマのオバチャン”ばっかりなの?
「みなさんがパンチと呼ぶきつめのパーマは、細いロッドで巻いたコールドパーマのこと。男性のかけるパンチパーマとは種類が違います」(ヘアライター・佐藤友美さん)
「年2回、盆と暮れにかければすむから“盆暮れパーマ”っていうねん。経済的やろ~」(『オバチャーン』メンバー・宇口久子)
「加齢に伴う女性ホルモンの減少で髪も徐々にハリを失います。全体的に薄く地肌が見えてくるので、パンチはボリュームを増すのにいいスタイル。手入れも簡単で、洗いっぱなしでいいのが利点です」(医学博士・植田美津恵先生)
「一般的に男性は、長いストレートヘアの女性を好む傾向にあり、パンチはその真逆。“男性の目を意識しない”髪型でモテない。不人気になった理由はそこかもしれません」(臨床心理士・緒方俊雄先生)
「そもそも、大阪=ヒョウ柄にパンチパーマの陽気なオバチャンだらけ、というイメージはテレビ番組が作りあげたもの。大阪という街をジョークタウンのように仕立て、いじり倒したのはマスコミで、いじられすぎたゆえに激減してしまったのでは?」
「大阪に今も“パンチ”の女性はいると思いますが、その比率はおそらく東京などの他都市と変わらないと思いますよ」(井上教授)
「アメちゃん」てみんな持ってるの?
「みかんアメと梅ねりは欠かさず持ってます~」(山本かつら)、「のどアメ、黒アメが定番。電車の中でも咳してる人がいてたら、知らない人でもあげるで」(浜由紀子)と、私物のアメを次々取り出し見せてくれる。知らない人にまでアメをあげているとは、恐るべし!
「甘いものを食べると元気回復になる。チョコレートとかだと、夏はべっちゃりしてまうけど、アメなら大丈夫やし」(浜)、「風邪予防と気分転換」(福井清子)と、健康面を理由に挙げる意見が多数。「大阪にはアメを作る会社が多いから、みんな持つようになったかもなぁ」(奥百合子)という説も。
「アメを持つようになったのは近所の子から“オバチャン”って呼ばれるようになってから。子どもの友達なんかにアメを渡すようになるのが、だいたいのきっかけやな」(舟井)
《PROFILE》
オバチャーン ◎“大阪のおばちゃんパワーで世界を元気に”をコンセプトに、ヒップホップに合わせて歌ったり、コントや漫才をしたり、ときには警察署のマナーポスターのモデルになったりと幅広い活動をするユニットグループ。