コンサート中止の経緯を説明する沢田研二
「中止の理由が、アーティストとしてのプライドだったところは、ジュリーらしいなという印象でした」
ジュリーは“現役アーティスト”
「若い頃、新幹線の中で一般人の乗客から“いもジュリー”と声をかけられ、カッとなって殴りかかったことが報道され、謹慎したエピソードが有名です。
もともとプライドがとても高い人です。80年代のテレビのランキング番組では、ヒット曲の『酒場でDABADA』のサビが、“沢田でんでん虫食べーた”と、“空耳”のように聞こえるという視聴者からのコメントが紹介された直後、あえてその通りに歌ってみせたこともありました。
「オファーがきても、かつてのヒット曲を歌ってほしいと要求されるのが気に入らないようです。現役の歌手として、今、歌っている曲を聞いてほしい。
「彼を長年追っかけている常連ファンが、どの会場でも最前列を陣取っていることに対して、できれば地元の人に多く見て欲しい、それなのにいつも同じ人たちの前で歌うこちらの身にもなってほしい、といった苦言を呈したこともありました。
「このような大会場のコンサートで、思うようにチケットが売れないことは珍しいことではありません。その際、スカスカ感を出さないように2階席の上段座席を暗幕で隠したり、アリーナに大きなステージをせり出したりするなど、“苦肉の索”で、様々な工夫をします。
だけど、それを“みっともない”と感じているファンは多く、沢田さんの言うことを支持するむきもみられました」
「沢田さんは、言うまでもなく誰もが知るヒット曲が多数ある歌手。古い曲はあまり歌わないといっても、今回の件でステージを見てみたいと感じた人も少なくないのではないでしょうか。
もちろん、沢田さんにそんな悲しい思いをさせたくないと、ファンも頑張ってチケットを購入するでしょう。ある意味、結果的にすごい宣伝効果になったのかもしれませんね(笑)」(前出・スポーツ紙記者)
<取材・文/渋谷恭太郎>