cat_oa-shogyokaionline_issue_d22a72ed6281 oa-shogyokaionline_0_d22a72ed6281_テストステロンを増やす食べ方 d22a72ed6281 d22a72ed6281 テストステロンを増やす食べ方 oa-shogyokaionline

テストステロンを増やす食べ方

2018年10月7日 06:00 商業界オンライン

  男性の健康のバロメーターともいうべき重要なものに、テストステロンというホルモンがあります。これは主要な男性ホルモンで、男性の精巣(睾丸)と副腎、女性の場合は卵巣、脂肪、副腎でつくられます。
 テストステロンは骨や筋肉、血液をつくり、体脂肪を減らして男らしい肉体をつくる働きがあります。

テストステロンが減少すると太りやすい!

 テストステロン値が低い人は、内臓脂肪が増加しやすい。つまり、お腹がせり出たメタボ体型になりやすいのです。
 また、鬱、やる気が出ない、不眠、疲れやすいなど、テストステロンが減ることで男性にとって心身に多くの不調が出ることが分かっています。
  “男性更年期“は40代から始まる、ストレス時代
 テストステロンは20代をピークに加齢とともに低下します。
 しかし、近年は、働き盛り40、50代のテストステロンが著しく減ってしまい、60代を下回っているという結果があります。
 現代はストレス社会。働き世代のテストステロンが低下しやすい、太りやすい、厳しい環境なのです。

生活の質を左右する
 また、不調だけに留まらず、高血圧、糖尿病、がん、心臓病など、生活習慣病のリスクが高くなるため、テストステロンは男性のQOL(クオリティオブライフ=生活の質)のバロメーターともいえるのです。

重要なのはこの3つの栄養素です!

 テストステロンを増やす上で、ポイントになる栄養素はこの3つです。
亜鉛:別名「生殖ミネラル」、生殖細胞の活性に不可欠なものです。男性では前立腺や性腺に高濃度に含まれていて、性ホルモンの合成や精子の生成などに深く関係しています。カキ、ウナギ、牛肉などに多く含まれます。
抗酸化ビタミン:テストステロンとその材料となるDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)を活性化。DHEAとDHEA-S(DHEAの塩酸塩。デヒドロエピアンドロステロンサルフェート)は、主に副腎から分泌されるホルモンで、副腎は「酸化」に弱いといわれています。副腎の疲労を防ぐには、ビタミンCやビタミンE、亜鉛やセレンなどの抗酸化物質を積極的に取ることが重要です。
セロトニン:テストステロンの大敵、ストレスや不眠を予防。合成には「トリプトファン」「炭水化物」と「ビタミンB6」が必要です。

カキ、ウナギ、スッポンがよいのですが……

  では、具体的にどんなメニューを食べればよいか?
 男性ホルモンによい食べ物として挙がるのが、カキ、ウナギ、スッポン。これらはもちろん優秀な食材です。が、なかなか頻繁に食べられないごちそうです。
 亜鉛も抗酸化ビタミンも、貯蓄ができません。一度に大量食べるよりも、少量でも毎日こまめに食べることが必要です。
 そこで、スーパーマーケット(SM)やコンビニでよくある手軽なテイクアウトメニューで、テストステロンを増やす選び方をご紹介します!

食べるならどっち?テストステロンを増やすメニュー

Q1.パスタ:「ワタリガニのトマトパスタ」VS「ペペロンチーノ」

A:「ワタリガニのトマトパスタ」

  トマトの赤いリコピンは、テストステロンが生成される睾丸や体全体の若返りホルモンを生み出す副腎の老化を防ぎます。トマトはそのまま食べるより、つぶして「オリーブオイル」と食べるソースの方が吸収効率が高いのです。「カニ」など甲殻類の赤色は、強力な抗酸化物質アスタキサンチンが含まれます。パスタは、テストステロンの生成に不可欠な「睡眠」の質を高めるセロトニンをつくります。
 どちらのパスタにもたっぷり使われるニンニクの「アリシン」は強い抗酸化作用を持ち、ホルモンを活発にします。匂いが気になる方は玉ネギやネギ、ラッキョウでも同じ効果があります。

Q2・すし:「タイ」VS「サーモン」

A:「サーモン」
 サーモンは、泳ぐアンチエジングフード。アスタキサンチンというピンクの色素はストレスに弱いホルモン全般の低下を防ぎます。さらに、今話題の強力な抗酸化栄養素「ビタミンD」が断トツで、強くて若い骨格筋を維持します。食べるときはレモンをぎゅっと絞って。ビタミンCが吸収率をアップさせます。
 すしは睡眠に必要な「セロトニン」を生成するメラトニン、ビタミンB6、炭水化物が一気に取れる、男性に食べて欲しい料理なんです。

Q3:お酒:「ハイボールにクラッカー」VS「赤ワインにアーモンドチョコ」

A:「赤ワインにアーモンドチョコ」
 テストステロンを増やしたいなら、赤ワインがオススメ。レスベラストールという色素の強い抗酸化作用がポイントです。
 おつまみにはアーモンドチョコを。アーモンドはホルモンなどの合成に必要なビタミンEや亜鉛が豊富。またチョコレートにはカカオポリフェノールという抗酸化物質と、メンタルをリラックスさせるハッピーホルモンと呼ばれるテオブロミンが含まれます。ストレス軽減で、テストステロンの低下をブロックしましょう。

「テストステロン」は「社会性」がキーワード
 孤食でなく、誰かと仲間と一緒に食べることも大切です。
 週末は、すぐに食べられるSMやコンビニのお惣菜を買って、気の合う友人とゆっくりウチ飲み!いかがでしょうか!

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cat_oa-shogyokaionline_issue_d22a72ed6281 oa-shogyokaionline_0_f27dfaa3d387_ウラジオストク国際マラソン「激坂出走記」 f27dfaa3d387 f27dfaa3d387 ウラジオストク国際マラソン「激坂出走記」 oa-shogyokaionline

ウラジオストク国際マラソン「激坂出走記」

2018年10月7日 06:00 商業界オンライン

スタート前の整列もなく、風雨の中、数分前にテントから出てきて走り出した “成田から2時間半で行けるヨーロッパ”。北海道の対岸、ちょうど札幌市と同じ緯度に位置するウラジオストクは、日本からの観光客が急増する注目の都市である。
 もともと太平洋艦隊が構える軍港都市として発展し、海外に門戸を閉ざしていた。しかし近年は、ロシア極東部への投資を促す国際会議「東方経済フォーラム」が開催されるなど、海外へのアピールを強めて、観光客を積極的に受け入れている。
 日本からは、ロシア極東の沿海地方へ渡航する(18カ国の)外国人を対象にした電子ビザにより、出発4日前までにインターネットで手続きすれば、簡単に入国できるようになった。今年5月には、まるまる1冊ウラジオを紹介する「地球の歩き方Plat」も刊行されている。

ウラジオストク中心部の「中央広場」。革命戦士の像が立つ

市民の憩いの場「噴水広場」。真っすぐビーチへと続く ウィズニュース(朝日新聞運営、2018年6月23日)の記事によると、ウラジオを中心とする沿岸地方を訪れる日本人は16年に8700人、17年に1万8000人以上と急激に増えて、本年もその勢いが続いているという。
 日ロ両国の地図を見ると、ウラジオは東京から直線距離で1000キロ、韓国ソウルよりも近く、東日本からは最も近い国際都市である。日ロ両観光局は両国の観光交流人口を18年に22万人、19年に25 万人にする共同プログラムに調印している。相互理解はさらに深まっていくだろう。
 そんな上げ潮ムードに乗って、フルマラソンを走ることを目的に、9月下旬、ウラジオを訪れた。大会は今年で3回目。大会HPは日本語に対応しており、簡単にエントリーすることができた。

日本企業が経営する唯一の居酒屋を訪れた!

ウラジオストク駅から数分の高級住宅街に出店した「炭火居酒屋 炎」 “ヨーロッパ”とうたいながら、前提としてウラジオはアジアである。ロシア国家は欧州に属するが、地政学的にウラル山脈より東側はアジアであり、ウラジオは極東のアジアと位置付けられる。本連載タイトル(『時速8キロのアジア』)に対してうそはついていない。
 ただし、アジアといってもセブン-イレブンもファミマも、イオンモールもない軍港都市。街の様子を知るために、最初に訪れたのが、札幌本社の居酒屋チェーンが経営する「炭火居酒屋 炎」。同店は、ウラジオでは唯一、日本の企業が経営する飲食店であり17年4月に開店した。
 本年9月に開催された東方経済フォーラムに出席した安倍晋三首相も、同店を訪れ、夜の食事を楽しんだ。

本年9月の東方経済ファーラムに出席した安倍晋三首相。スタッフとともに店を訪れた

料理長の日本人以外は全てロシア人スタッフで運営している

屋内46坪(56席)、屋外22坪(30席)、総工費は約1000万ルーブル(約2000万円) 出張でウラジオに滞在していたチェーン本部[伸和ホールディングス(飲食店40店舗、持ち帰り店55店舗)]の取締役本部長でロシア室室長の中山洋輔氏に話を伺った。
――テラス席が30席前後もありますが、ニーズが高いのですか?
中山 冬はマイナス20℃にもなるため、今のところ冬季は稼働しておりません。でも冬が長い分、集中的に屋外へ出て夏を楽しむ気持ちが強く、テラス席は人気の席になっています。
――ウラジオストクへの出店は、非常に難易度が高かったかと思いますが。
中山 1つは言葉の壁ですね。ロシア語を理解できるスタッフが少なくて、英語で対応しているのですが、一方で、ロシア人で英語を話さない方たちも多くいるので大変です。もう1つは法律の壁。これはロシアに支店のある日本の会社からサポートを受けつつ勉強しています。
――営業状況は、いかがですか?
中山 金曜、土曜は満席で、さらに回転する時間も増えてきました。枝豆、焼き鳥、焼きそばなど“ザ・居酒屋メニュー”が、ロシアのお客さまに受け入れられるのか試行錯誤しながら日々考えています。

ちゃんこ鍋が評判でリピートされている
――枝豆は人気があるのですか?

急な取材に応じていただいた(株)伸和ホールディングス取締役本部長兼ロシア室長 中山洋輔氏中山 人気商品です。最初にロシア人から、“こんなもの絶対に売れないよ”と指摘されました。でも、居酒屋といったら枝豆は必須アイテムじゃないですか。どうしても置きたいという強い思いがあって、半ば強引に加えました。お客さまに聞くと健康とか美容によいのだと。ちゃんこ鍋も意外。皆で1つの鍋を突っつく文化はありません。やめた方がいいと言われました。しかし、ちゃんこ鍋は、われわれ「炭火居酒屋 炎」の定番中の定番。夏も冬も関係なく売れているメニュー。これは絶対に出したいと扱ってみたら、評判がよくてリピートされています。
――食材はどうされているのですか?
中山 メインの鶏肉は地元の養鶏場と提携して、エサや水、温度管理など、北海道内の養鶏場の方に来ていただいて飼育方法を共有しています。ビールはアサヒビールの輸出ルートがあるので問題ありません。
――ところで、なぜウラジオストクなのですか?
中山 日本の食文化、とりわけ居酒屋文化は、ロシアでは、ほとんど知られていません。それを、私たちが広げていければと出店しました。展開していく上で、国土が広く、人口も多いため非常に夢のある取り組みといえます。
――チェーン展開は、これからですね。
中山 せっかく出店したのですから、1店舗だけでは居酒屋文化を十分に伝え切れません。近郊に出していくか、モスクワのような大都市に拠点となる店舗を出すか、今後の検討課題です
――お忙しい中、ありがとうございました。
 お店のメニューを見ると主力商品のつくね、焼き鳥、鍋は同じだが、日本では扱っていない、タラバガニやロール寿司、エビフライ、ラーメン、うどんなどの日本食を紹介している。つくね、焼き鳥は1本50~60ルーブル、日本円にすると100円から120円、日本と変わらない価格設定であり、地元の感覚としてはアッパーな日本食レストランの位置付けだ。

当日の朝はコンビニおにぎり、作戦も立てた!

  ラジオストク国際マラソンは今年が第3回目、キッズランを除くと3つのコースが用意されている。5キロ走が1708人出走(完走1423人)、ハーフ(21キロ)走が837人出走(751人完走)、フル(42キロ走)が324人出走(285人完走)、このうちフルには筆者含む日本人30人(うち女性4人)が出走した。
 日本のマラソン大会は、“困難に挑戦する”フルが人気だが、ウラジオはアジア諸国同様、距離が短くなるにつれて出走者も増していく。自分が楽しく走れる距離を素直に選択するのだろう。フルマラソンに対する日本人特有のこだわりはない。

 

 

街で見掛けたコンビニ「Tika」。菓子、アルコール飲料、加工肉等を品揃え

「Tika」で購入したおにぎり。フィルムの開け方は日本式 出走当日の朝食は前夜に購入したコンビニのおにぎり。4種とも、ペースト上にしたサーモンかツナをソースと混ぜて具材としている。素材感がなく、おいしいといえばうそになるが、米の飯がレース当日に食べられたのはうれしかった。

ウラジオ国際マラソン種目別のコースマップ フルのスタートは市中心部から十数キロ離れたルースキー島の入り口にある。朝7時過ぎに専用のバスで移動。途中レインボーブリッジのような長大な橋を2つ越えた。

全長3キロのルースキー島連絡橋。普段は車しか通行できないスタート地点には休憩用のテントが2つ張られていた。風雨の中、係員がスタートの位置に簡易ゲートを設営している。海外からは韓国、中国のランナーも多く(ゼッケンに国旗のシールが貼られる)、日本人同様、年配者も見受けられた。
 エントリー枠1000人に対して前述のようにフル出走者は324人。国際都市の大会としては少々寂しい数字だ。ちなみに北海道マラソンの出走者は1万3000人。この数と比較すると“伸び代”が大きいと見ることも可能である。
 コースは軍の施設があるルースキー島の起伏に富んだ道を往復して計28キロ、その後、高低差50メートル級の超ロングな大橋など数カ所の激坂を乗り超えてゴールに向かう。全ルートがアップダウンの苛酷なコースとして恐れられている。

(出典「iker`s blog」<ウラジオストクマラソンに出てみよう>より 。コースは全てがアップダウン、後半の大きな高低差は脚をかなり疲労させた) 制限時間は5時間30分。確実に完走できるように作戦を立てた。あえて後半の激坂には備えずに、たとえ足が止まった(歩いた)としてもゴールできるように、前半にタイムを稼ぐ、そんな単純なプランだ。

ロシア人ランナーからの声援を受け、完走!
 午前8時30分、風雨の中をスタート。前半はキロ6分のペースを維持。東南アジアの大会と違って、涼風が気持ちよく、脚が自然と軽くなる。緩やかな丘陵を上り切って、前方に開ける景色を楽しみながらアップダウンを繰り返す。
 折り返してきたロシア人ランナーの10人近くから自分に声援をいただいた(言葉は分からない)。これには驚いた。日本の大会でもアジアの大会でも、ランナーから個別に“頑張れ”の声掛けは、ごく稀だからだ。
 思うに、ロシア人ランナーの大半は20代から30代と若い。対して頭の毛が薄くなった57歳の外国人(私)が後方をヨタヨタと走っている。ロシア男性の平均寿命は十数年前までは60歳を切っていた。ロシア人の感覚だとお迎えの近い高齢者がフルマラソンを走っているようなものだ。“声も掛けたくなるわな”と自虐ネタに苦笑するも、ありがたさに胸がいっぱいになった。

折り返し地点。森林の中を切り開いたアップダウンの激しい道路 21キロを2時間15分で通過、空が晴れ渡る、32キロを3時間30分、残り10キロを2時間以内で走れば時間内にゴール。余裕のはずだった。しかし、前半の起伏と、続く後半の激坂に脚がやられて、あちこちに痛みが走った。
 大橋の坂道の中腹で立ち止まっていると、自転車に乗った若い女性のスタッフが何やら大声で叫び、バッグからスプレーを取り出してきた。冷却用のスプレーだ。「Thank You」と先にお礼をすると、傷んだ足に噴射してくれた。痛みも和らぎ、再び走り出す。
 40キロ過ぎ、最後の坂で立ち止まっていると、関係者の車が真横に付けてきた。窓からスタッフが「Go!Go!」と叫んでいる。振り返ると、はるか後方に回収車(制限時間アウトのランナーを回収するバス)が見えた。親指を立てOKと大声で伝え、再び走り出す。
 市街地に入ると大勢の市民が沿道から応援している。ラストだけはと思い、胸をそらして、しっかりとした足取りでゴールした。

ゴール直後、スタッフが完走メダルを首に掛けてくれる 5時間15分。坂道で休んでしまったのは残念だったが、難しいコースに“出来過ぎ”と自分の走りに納得した。

ロシア人夫妻との交流、思わず来年も……?
 くたくたになって会場のベンチに腰掛けていると、隣に座っていたロシア人の夫妻が英語で話し掛けてきた。
「日本人?」
「イエス」
「日本のどこ?」
「トーキョー」
「夫が今年トーキョーマラソンを走ったのよ」
「素晴らしい!」
「とても大きな大会だったわ」
「そうそう」
「感動したわ」
「来年もぜひ」
「そうね、ありがとう」
 来年もぜひ……。
 来年もウラジオストクを走ろうか。
 コンビニでビールを買って、ホテルに戻った。

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カジワラの製品「納期8カ月待ち」のワケ

2018年10月6日 05:00 商業界オンライン

シンガポールの研究開発・テクノロジー開発地区サイエンスパーク内に開設したカジワラシンガポール。 東京23区ほどの面積しかない都市国家シンガポール。この小さな国の人々の胃袋に貢献しているのが食品加工機械メーカーのカジワラだ。MRT(地下鉄)の駅ごとに設けられた巨大なショッピングセンターに併設されたホーカーセンター(屋台が密集したフードコート)のセントラルキッチンでは、カジワラの加熱撹拌機が使用されている。同社はいかにしてシンガポール市場に食い込んだのか。シンガポールからタイ、インドネシアなど東南アジア諸国へと活動範囲を広げるカジワラの取り組みを紹介しよう。

東南アジアの中でシンガポールを選んだのは?
 カジワラ(梶原工業)の創業は1939年。主力製品は製餡機や調理用加熱撹拌機、製菓機械など。食品加工ラインのプランニングまで手掛ける老舗の食品加工機械メーカーだ。国際部を通じて中国や韓国、東南アジアへの輸出は手掛けていたものの、長く国内マーケットを中心にビジネスを展開してきたが、海外市場へと目を向け、2008年にドイツのデュッセルドルフで3年に一度開催される世界最大規模の食品加工・包装産業国際展示会「インターパック」に初めて出展を果たす。
 結果からいえば、当初期待していた成果は得られなかったものの、この挑戦から学ぶことは多かったという。

カジワラシンガポールのディレクターであり、ASEAN諸国のビジネスを統括する和才肇氏。「EU (欧州連合) 加盟国の基準を満たすものに付けられるCEマーク(基準適合マーク)もないまま出展してしまいました。このマークがないとどんなに良い機械でも欧州へは導入してもらえない。この経験を踏まえて、新たに注目したのが東南アジアです。食文化や加工方法が日本と似ている上に、特に規格も必要ない。弊社の主力製品である加熱撹拌機は東南アジアの料理向きだと考え、2008年にはタイの「プロパックアジア」(国際加工包装技術展)の出展を皮切りに、2012年からはシンガポールで開かれる「FHA」(食品見本市)に毎年出展を続けています」(カジワラシンガポールのディレクター・和才肇氏)。
 東南アジアの中で特にフォーカスしたのがシンガポールだ。マーケットサイズは望めないが英語が通じて東南アジアのハブとして機能している。他のアジア諸国にも行きやすい。国内の交通のアクセスは良く、治安も良好だ。小規模ながらも数多くの食品工場が稼働している点も決め手となり、同社はシンガポールに現地法人を設立した。

シンガポールの研究開発・テクノロジー開発地区サイエンスパーク内に開設したカジワラシンガポール。 ユーザーテスト室を備えたカジワラシンガポールは、アジアを代表する研究開発・テクノロジー開発地区であるサイエンスパーク内に2013年に開設。同社製品に関心を持った顧客が足を運び、その場で生産テストや機械の選定、機能確認、生産技術の開発、打ち合わせも行える施設だ。注文が決まれば機械を日本で生産し、シンガポールや他の東南アジア諸国に輸出する運びである。
 反響は上々といっていいだろう。納期はただいま8カ月待ち。日本国内の需要が急増していることもあり、海外の需要に供給が追いついていないのが現状だ。カジワラシンガポールのスタッフは和才氏ともう1人の他は、日本から出張者の計3人。実質的には2人でシンガポールを中心にASEAN諸国のビジネスを回している。高まる需要にどう応えるか。うれしい誤算に悲鳴をあげながら限られた体制で奮闘を続けている。

競合メーカーの2、3倍するのに選ばれる理由
 なぜカジワラ製品が受けているのか。
 まずは機能の高さだ。カジワラ独自の技術である自転公転する撹拌ヘッドと撹拌子のバネの伸び縮みにより、調理器内部の隅々に撹拌子が行き渡るため、かき残しは全くない。焦げ付きが起こらないので、調理する食品のクオリティも高くなる。耐久性の高さや、調理する料理に応じてさまざまなオプションを付け、カスタマイズできる点も好評だ。塩分の強い料理であればステンレスの材質をグレードアップするといった調整もできる。
 マーケットにはカジワラの2分の1から3分の1の価格で製品を販売する中国や台湾の競合メーカーがひしめいているが、安価な製品の場合、かき取りの機能が貧弱で、焦げ付きも起こりやすい。すぐに壊れやすいという弱点もある。使いやすさ、耐久性、応用力の高さがカジワラ製品の受注を促進しているのである。
 ガスから電気や蒸気の機械にシフトしつつある日本と違って、東南アジアではまだガスが主流であることも、同社の加熱撹拌機にはプラスに働いている。電気や蒸気の機械を導入しようにもそもそもボイラーのない工場が少なくない。だが、カジワラにはガス対応の製品が豊富にそろっている。ガスの直火で加熱しても焦げる心配がない。食品工場への導入が進んでいる背景だ。
 さらにもう一つ大きな理由がシンガポール政府の方針にある。シンガポールでは30代~40代の労働人口が少なく、移民のワーカーも締め付け政策が続いている。そのため、工場で働く単純労働の従業員の確保は難しくなる一方だ。
 人手が望めない以上は機械に頼るしかないと、どの企業も機械による生産効率のアップに力を入れ、そうした企業に政府はいくつもの生産性向上プログラムを提供している。代表的なのが、効率化を図る機械を中小企業が導入する場合、代金の60%が補助されるプログラムだ。
「どれぐらいの効率化が図れるのか、その会社はちゃんと利益を出しているのかといった審査はありますが、それに通りさえすれば機械を購入しやすくなるので、『だったら高くても性能の良い日本製を買おう』と考える企業が多いんです。シンガポール政府のこのスキームは間違いなく有利に働いていますね」
 安いけれど品質が悪く、すぐに壊れる機械と、高価ではあるが性能に優れ、長持ちする機械のどちらを買うか。政府の補助金が出るのなら答えははっきりしている。

カジワラの看板製品である加熱撹拌機。かき残しが全くない機能と耐久性は高く評価されている。

なぜ、ホーカーセンターの店からオーダーが?
 大手ケータリング会社からの受注も追い風になった。大手食品製造会社であるSATS(シンガポール・エアポート・ターミナル・サービシズ)は30年前にカジワラ製品を輸入したシンガポール初のカジワラユーザー。そのSATSが新しくカジワラシンガポールから3台の加熱撹拌機を導入した。これが営業に効果的に働いているのだ。
「SATSでも使っていただいているという話はセールストークとして有効です。お客さまへの訴求効果は高いですね。シンガポールに販社を設けたことで、お客さまの近くでサービスできるようになった点も評価されています」(和才氏)
 その言葉を裏付けるように、シンガポールにおけるカジワラユーザーはそうそうたる顔ぶれだ。チリクラブで人気のシーフードレストランチェーンのジャンボ、パイナップルタルトが大人気の土産菓子店ブンガワンソロ、カレーパフ(カレーパンの一種)で有名なオールドチャンキー、チキンカレーを提供しているコーヒーチェーン・コーヒーハイブなど、加熱調理が必須な大手飲食店やメーカーの厨房に広く導入されている。
 娯楽が少ないシンガポールでは「食」はレジャーの1つ。あの街に店が新しくオープンした、その店はおいしかった、高かったなど、シンガポーリアンの会話は「食」を中心に回っているといっても差し支えない。当然、外食産業は活気を帯びている。これもカジワラシンガポールにとっては好材料だ。舌の肥えたシンガポーリアンを獲得したいという外食産業のニーズがカジワラシンガポールの成長を後押ししていることは間違いない。
 予想外の引き合いもあった。シンガポールで約200カ所のホーカーセンターに自社の店を展開している企業、チャンチェンからのオーダーだ。和才氏は言う。
「シンガポールは、MRTの駅ごとに巨大なアパート群(日本でいうマンション)が連なっていて、そこには必ず住民たちに食事を提供する大きなホーカーセンターがあります。ここでは中華やインド、タイ、マレーシア料理などさまざまな料理を提供していますが、それらの料理はどれもセントラルキッチンで作って運ばれているんですよ。家内工業的ではありますが、チャンチェンは200カ所のホーカーセンターの店舗料理をまとめて生産しているので、それなりの規模の施設ではある。ここで弊社の加熱撹拌機が店舗へ送る数々の惣菜の調理に使われています」

次に狙うのはナッツの文化がある中東への進出!
 インドネシアやタイ、フィリピンでもカジワラユーザーは着実に増加中だ。インドネシアでは大手レストランチェーンのチリソースの調理に活用され、タイでは日系の大手食品メーカーをはじめ、チリソースやインスタントラーメンを作るローカルの超大手食品メーカーなどの大口顧客を開拓している。東南アジアを代表するフィリピン発ファーストフードチェーン店も顧客の仲間入りを果たした。
 大型のショッピングモールのオープンが続き、外食産業が急成長している東南アジアのマーケット事情も有利な条件といえる。
「とりわけインドネシアは外食産業が台頭し、チェーン店が生まれ、人々の食生活が今、大きく変わっている段階です。日本食ブームもありがたい。ラーメンのスープを煮込むために使ったり、カレーや丼もののタレの調理に利用していただいたり、使用場面が広がっているからです」
 活気のあるマーケットを背景に、カジワラシンガポールの業績は着実に伸びている。とはいえ、8カ月待ちの納期は頭の痛い問題だ。「そんなにかかるのであればもういい」というお客も少なくない。受注増を受けて日本では工場を増床したが、納期を縮めるにはまだ時間がかかりそうだ。当面は、カジワラ製品を導入したらどんな効果が得られるのかといった利点を具体的にアピールし、「待つだけの価値がある」と顧客に納得させるのが一番の解決策だろう。
 納期問題を抱えてはいるが、カジワラ本社は中東への進出にも意欲を示す。4年前からはドバイで開催された展示会に毎年出展を続けており、手応えを得ているという。ナッツの文化がある中東は、加熱撹拌機のニーズが確実にある。ヨーロッパと違って規格が必要がないのも好材料だ。近い将来、カジワラ製品の舞台は東南アジアから中東にかけて大きく広がっていく可能性は大きい。

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ミールワークスフーズの大野望

2018年10月6日 05:00 商業界オンライン

2017年11月から増強されて稼働している生米麺の生産ライン「コカレストラン」「マンゴツリー」など、タイ料理店を中心に展開する株式会社ミールワークス(本社/東京・目黒区、社長/小島由夫、以下MW)では、タイ料理に欠かせない米麺のクオリティを向上させるために、株式会社ミールワークスフーズ(本社/東京・目黒区、社長/熊谷亜里、以下MWF)を設立し、2015年より生産者、製造者と連携をして販売を行っている。これが、今日、アジアン料理が一般化している中で需要を伸ばし、原材料米の生産は2017年に200tを突破。2021年には300tを超える展望を描いている。

「日本でおいしい生米麺をつくろう!」
 MWFが設立されるに至った経緯について、MWF社長の熊谷亜里氏が解説してくれた。
 MWでは過去、自社レスランで使用する米麺としてタイから輸入した乾麺を使用していた。米麺はアジア本国では生麺が主流であるのだが、その製造や保存方法が難しいために日本国内で流通している米麺のほとんどが輸入乾麺であった。
 これらを改善するために、「日本でおいしい生米麺をつくる」というプロジェクトが立ち上がった。MWではこの米麺のクオリティアップに限らず、タイ料理で頻繁に使われる生唐辛子やハーブ類の国内調達、生産者との直接取引など、使用食材のクオリティアップに取り組む気運が高まっていた。
 早速、熊谷氏をはじめとしたプロジェクトメンバーはタイの米麺の工場をリサーチした。米麺のクオリティを上げるための必要条件として、米の品種と製造方法が重要なポイントであることが分かった。
 米の品種とは、でんぷん組成である「アミロース」が多いものであること。アミロース値が低いと米に粘りが出て、アミロース値が高いと粘りが弱くなる。
 さて、日本の主食用米の動向を述べると、需要が減少しているという現実がある。その需要を増やすために、民主党政権(2009年9月~2012年11月)当時に米粉を使用した製品を作ることを目的に米の生産量を増やすことを想定し、米粉普及活動が展開された。こうして米粉パン工場などが全国に数多く誕生した。

「おいしい生米麺」をつくるパートナーと巡り合う
 その渦中にあって、株式会社自然芋そば(本社/新潟・上越市、社長/古川康一)が米粉で麺をつくろうと計画した。そこで、米の研究開発を行っている農研機構(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)にアミロース値が高い米の品種について問い合わせた。そこで紹介されたのが「越のかおり」の存在であった。
 これは品種登録されていたものだが、作付けする生産者がいなかった。ちなみにアミロース値はコシヒカリで約20%、タイ米では約30%で、越のかおりは33%となっている。越のかおりは米麺の製造に適した品種ということだ。日本の米は至ってアミロース値が低いことから、日本で米麺を食べる文化が育たなかったとされている。
 そこで、越のかおりを生産する地元の11(現在は12)の農家が上越米粉研究会として結成され、これらに生産を依頼した。自然芋そばではタイから製麺機械を輸入して米麺の製造に着手した。2008年のことであった。
 しかしながら、その米麺は全く売れなかった。時間がたつにつれて、自然芋そばでは米麺の製造に消極的になり、生産者と連携するスキームは消滅しかけていった。その理由について、熊谷氏は「マーケットインの発想が欠落していたからではないか」と語る。
 そのような中で、「日本でおいしい生米麺をつくる」と意欲を持ち、全国にパートナーを探していたMWがこれらと出会うことになった。
 そこで2015年に設立されたMWFは自然芋そばや上越米粉研究会と連携し、タイの現地で食べる米麺と遜色のない生米麺のクオリティを実現するようになった。

「おいしい生米麺」でアジア市場を展望する
 ちなみに、この生米麺はつなぎに小麦ではなくでんぷんを使用しアレルゲンフリーであるために小麦アレルギーの人も安心して摂取できる。この生米麺はMWの一部のタイ料理店やタイフェスティバルで試験的に提供をしていったが、たちまちにして高い評判を得るようになった。
 この生米麺の高いクオリティは市場を広げるものと確信を持ったMWFは「もっとおいしい米麺ができると日本だけではなくアジア市場に広がっていくはず」と考えた。
 そして、これまで使用していたタイ製の製麺機械に対し1.5倍の生産能力がある日本国内で製造した製麺設備を導入し、2017年11月より本格稼働させた。こうして生米麺の製造能力は従来の約2.5倍となった。

  同時に越のかおりの作付け量が年々増えていった。2015年の越のかおりの作付け量が20tであったのに対し、2017年は220tとなった。生産者にはMWで生米麺を提供しているレストランで食事をしていただき、「このような場所で自分たちがつくったものが食べられているのだ」と実感してもらった。
 生米麺の製造量が飛躍的に伸びている要因は、外販を行うようになったことが挙げられる。現在、生米麺の卸先はMWのタイレストラン「マンゴツリー」21店舗の他、株式会社シマダハウスの「COMPHO」(コムフォー)11店舗をはじめとした一般の飲食店にも広がっている。
 つまり、既存のタイ料理店、ベトナム料理店などフォーを提供する店では、クオリティの高い生米麺を求めていたということだ。さらに、食品会社への業務販売も行うようになった。

  熊谷氏はこのように語る。
「米の作付け量が増えることによって、農業を継ぐことから離れていた若い世代が戻ってくることでしょう。工場の稼働が上がるとこれから就労する人が増えて活性化していくものと思います。日本の農業が活性化し、良い製品が外食産業で提供されて活性化し、また食の多様性や食の制限に対応することになり、クオリティの高い生米麺は日本経済の中によいサイクルをもたらすことになるでしょう」

「米麺を国民食にする」という大野望
 MWFでは、将来的に小売市場に参入する計画を抱いている。そこで現在、一般消費者がコンビニや総合スーパーなどで購入できるような米麺の商品を開発中とのことだ。
 そこで、熊谷氏はこう語る。
「小売市場に参入するに際して、現状の生産体制では既存の麺製品と比べると高額にならざるを得ません。この事業は、大手麺メーカーが着手するなど巨大な産業になることによって既存の麺商品と価格的に十分に戦うことができるようになる。この状態になると米麺の市場は急激に増え、さらに中国をはじめとした巨大なアジア地区の市場に広がる可能性があります」
 米麺を一般市場に流通させる他に、業務用のパッケージも想定している。それは、現状の製麺設備をダウンサイズした仕組みを整えることによって、生米麺を店内で製造しフォーなどを販売する専門店の展開が可能になるのではと考えている。

  熊谷氏が抱く野望は、「米麺を新たな国民食にする」ということだ。
 MWが生米麺の開発で臨んだ外食というマーケットインの発想は、今日、生産者と加工業者の連携を深めて、それを行政がしっかりとバックアップしている。
 現在、MWFが生米麺を営業する際には、その相手先を越のかおりの圃場と製造工場に案内して、連携がしっかりと構築されていることと、これらで高いクオリティを追究している姿勢を見てもらうようにしている。
 MWの「日本でおいしい生米麺をつくる」というミッションは、確実に新しい食のビジネスと食文化を切り拓いている。

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cat_oa-shogyokaionline_issue_d22a72ed6281 oa-shogyokaionline_0_4ea8acf7e564_18年9月「無印良品が売上げ10.9%増」 4ea8acf7e564 4ea8acf7e564 18年9月「無印良品が売上げ10.9%増」 oa-shogyokaionline

18年9月「無印良品が売上げ10.9%増」

2018年10月5日 05:00 商業界オンライン

  9月は台風21号によるインフラのまひ、そして北海道胆振(いぶり)東部の地震。台風24号の上陸と災害に見舞われた月でもありました。例年9月の関東圏は月の降水量が一番多くなる月でもある。雨が降らなかった日は東京で12日と過去3年と比較しても一番少なかった。ちなみに東京都の平均最高気温は26.6℃、最低で19.9℃と概ね平年並みだったこの9月。本決算、半期決算発表も重なった中で、各社の成果、振り返り、先々の指針も示されたが、ここではあくまで主旨は月次に重きを置きつつ、所々で全体感にも触れながら進めていきたい。

*しまむら(既存店)売上高 93.1%、客数 98.6%、客単価 96.8%
 当月は上旬に残暑が厳しかったこともあって夏物処分が進んだ。Disneyスクリーンデビュー90周年、ベビーキッズフェア等のセールスプロモーションに取り組んだ。また、新シーズンの立ち上がり期とあってレディスや特別サイズ売場も含めて、ファッショントレンドを前面に打ち出した。超柔・超弾PBパンツをお試し割2320円(税込)、アルガンオイル配合のなめらか素材のレディスTシャツ980円(税込)など新たなPB商品の試みもあったが、全体の売上高を押し上げるまでは至らなかったようだ。
 それに加え、非常に強い台風や北海道地震、秋雨前線の天候不順によって客足が鈍った影響から、既存店売上高は前年実績を5カ月連続で下回る結果となった。2019年2月期の上期決算の発表では、売上高2756億円(前年同期比3.0%減)、営業利益143億円(同40.0%減)と期初計画を大幅に下回った。通期の計画も売上高5700億円(前年同期比0.9%増)、営業利益394億円(同8.1%減少)と下方修正した。出店増の割に客数が伸び悩む中での安売り攻勢による客単価の低下を招き、買上げ点数微増でも補えていない状態。部門別でみると構成比の高いレディス、肌着での落ち込みが大きく、商品施策、売場改革など優先順位を決めた取り組みが望まれるところだ。

*ライトオン(既存店)売上高 107.1%、客数 96.0%、客単価 111.5%
  9月は中旬から気温が下がったこともあり、秋物商品の販売が好調だった。商品動向としては、NBのスウェットトップスやPBの機能性ボトムス、またジーンズを中心にライトオン40周年別注モデルが堅調に推移。楽天ポイントカード開始&40周年のセールスイベントとして9月4日から月末までの期間で楽天ポイントカード4倍付与を実施した。商品ではLeeブランドを前面にメンズ、レディス、キッズとファミリー単位で訴求、今月もNB商品を中心に売上げに貢献した模様。
 同社は40周年を期に「ジーンズ量販店」から、NBを軸とした「ジーンズセレクトショップ」を目指していく構えのようだ。9月上旬の大型台風、北海道地方の震災の影響で客数が前年を下回ったものの、既存店売上高前年同月比は2カ月連続でプラスとなる。今期より事業年度の末日を20日締めから末締めの変更となって12月11日決算を予定している。

アダストリア(既存店)売上高 103.2%、客数 99.5%、客単価 103.7%
 今月は堅調な秋の立ち上がりとなる。前年と比べ休日が2日多かったものの、地震や大型台風に伴う休業・営業時間変更が客数に影響した。アイテム別では、ジャケットなどのアウター類、長袖シャツやカーディガンなどの秋物商品が順調に売れ行きを伸ばした。ニコアンドは秋のテーマを「であうにあう」とし、菅田将暉・小松菜奈主演のショートムービーを作成。ドラマ仕立てで数話展開され(メイキング映像まである)、それぞれのスタイリングにストーリーを関連付けて打ち出す手法をとった。
 レディスでは綿ツイルの2wayフードのマウンテンパーカーやニコアンドでは廉価型日常着「デイリーシリーズ」のポリエステルレーヨン素材のタックフレアガウチョ、メンズではモーションテックスキニーパンツのグレンチェック柄の動きが良かったようだ。 
 Disneyスクリーンデビュー90周年企画では、ぬいぐるみやスノードーム、マグネット、マスコットキーホルダーなど雑貨中心の品揃えで他店との差別化を図った。ブランド別では、グローバルワーク、ニコアンド、レプシィム、ページボーイ等が好調だった。

ユナイテッドアローズ(既存店*1)売上高 107.2%、客数 102.6%、客単価 103.9%
  9月は月中旬からの気温低下により、メンズではシャツ、カット、パンツとビジネス関連を中心にスニーカーやレザーシューズまで動いた。レディスではシャツ、カーディガン、パンツ、スカート、ワンピースなどの秋物需要が動いた他、著名ブランドのダウンジャケットなどが好調。その中でもドライコットン素材のドルマンスリーブ6分袖カットソーなどオリーブカラーのトップスの動きが良かった。秋のカットワンピースやフラワープリントのマキシスカートなど夏トレンドの流れが秋シーズンへと継続した。9月第2週には秋物商品をマークダウンさせ、早期完売を目指した店舗もあった。
 また、ルミネ会員カード10%オフといった営業施策も盛況だった様子。当月は前年同月に比べて休日が2日多く、小売+ネット通販既存店売上高前期比に対し+3.1%程度の影響があったと推測。なお、台風21号、24号の影響で関西地区を中心とした店舗、北海道胆振東部地震の影響で北海道内の全店舗が1日以上の休業をしており、既存店の換算から除外している。

良品計画(既存店)売上高 110.9%*2、客数 108.6%、客単価 95.9%
 台風の上陸や長雨など、気温の変動が激しい月だったが、衣服・雑貨ではフランネルシャツ、ウールシルクカーディガンや「オーガニックコットン縦横ストレッチチノパンツ」のシリーズなど、晩夏物、秋物の新規商品の販売が上向き、売上げをけん引した。
 特に雑誌CLASSY11月号掲載のオーガニックフランネルのTブラウス2990円(税込)が人気。傾向としてグレンチェック、ウィンドペンといったチェック柄をはじめ、無地ではグレー、ワインが売れている。洗えるウールシルクニットではVネック2990円(税込)の動きが目立った、品薄の店舗もあるほど。肌触りの良さに加え、先に紹介した商品も含め、「安い」と感じさせられる品質が好調要因の1つかもしれない。生活雑貨ではスキンケア用品、タオル、スリッパは引き続き堅調な売上げだが、ベッド、ソファなどファニチャーの売上げが前年の実績を下回った。

ユニクロ(既存店)売上高 106.0%、客数 103.4%、客単価 102.5%
 9月は、中旬以降は気温が低く推移したことにより、秋物商品の立ち上がりが好調で、既存店売上高は増収となる。前半に売れたのは「エアリズム」や「ブラトップ」、シームレスショーツなどでセット買いが多かった。テレビCMの効果もあり、中旬以降は秋物が売れた。スカートやセーター、「ブロックテックパーカ」などが動いたようだ。
 中でもレギンスコレクション990円(税別)が絶好調。リブ素材のメローロックの12分丈はサイズ、カラーでの完売店舗が続出。ワンピースやチュニック、フロント釦のコーデュロイスカート(ハイウエスト丈標準69~72cm)2990円(税別)と組み合わせた訴求が当たったようだ。ウルトラライトダウンシリーズのコンパクトベストはネックデザインの2wayに加え、収納ポーチを本体にくくり付けられる仕様でアップデイト。ファインメリノのボートネックセーターの動きも良い。9月6日に発生した「北海道胆振東部地震」により16店舗が被災し、一時営業を停止した。被災した既存店のうち、1週間以上営業できなかった1店舗を、既存店から除外して算出した。

中軽衣料の最盛期「次の3連休」が山場
 8月と同様にしまむらを除き、既存店売上高の前年同月比をプラスに終えた企業が多かった。度重なる自然災害と天候不順の中で全般的に秋物は堅調に推移できたようだ。しかし、売れ行き自体に力強さは感じられず、特にカジュアル衣料全般の動きは鈍かったような印象を受けた。シーズンの切り替えに伴い、ビジネス関連を中心にした買い替え需要が主流。大きなファッショントレンドが見当たらない中、目新しさが感じられるのは、コーデュロイ素材や英国調のチェックといったところ。
 しかし、上述したように好調企業に共通していえるのは「販売力の高い単品商品が存在していること」。ただ単に「安さ」をアピールした商品ではなく、イージーケアは当然のこととしてプレミア原料をブレンドした肌触りのよさや、ちょっとしたところの仕様も含めた「安さ」がキーワード。それだけ、生活者の商品購入の決定ハードルの高さがうかがえる結果ではなかろうか。
 中軽衣料の最盛期を迎える10月は前半の3連休が1つの商戦として注目したい。時を悪くして台風25号の進路も気になるところだ。今のところ関東圏への影響は軽微の模様だが、台風一過のフェーン現象で気温が30℃に届くのは心配ではある。しかし、最低気温は20℃を下回ることから生活者の秋への装いは概ね順調に進むと思われる。長袖トップと組み合わせるニットの品揃えは、柔らかな肌触りの他にポイントカラーを使った鮮度アピールが必要だ。アパレルとの関連づけは低いものの、月末にはハロウィンイベントが控える。子供サイズや雑貨と関連商品や、ちょっとしたプレゼント企画など店舗集客とコミュニケーション・ツールとして活用していきたい。
*印の企業=20日締め/*1=小売既存+ネット通販既存の合算数字/*2=衣料品部門の数字/文中の売れ筋動向情報はIR情報及び筆者視察によるものです。

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ブランド・サインがデザインとして再燃!

2018年10月5日 05:00 商業界オンライン

  もう店頭はすっかり秋物商品真っ盛りといった感じだが、今秋、特に目を引いたのがメンズファッションによる英国調の流れ(レディスでは既に前シーズンから先行していた)。今回の英国調の流れの特徴は、ディティールやシルエットではなくチェックを取り上げているところだ。
 ご存知のようにチェックと一概にいっても種類は多岐に渡る。「英国調チェック」といってもグレンチェックや千鳥格子、タータンチェックなど英国を連想させるチェック柄は多い。その中でも各社イチ推しの「英国調チェック」がバーバリー風チェックなのだ。
 本家バーバリーチェックで連想する図柄はノバチェックとも呼ばれていて、トレンチコートの裏地に採用され、バーバリーチェックとして商標登録された図柄。このノバチェックの図柄を大きく拡大させた柄がハウスチェックで、店頭で見掛けるバーバリー風チェックは、このタイプに似た図柄が圧倒的に多い。
 バーバリーブランドの復活の立役者と称されたクリストファー・ベイリー(2018年12月退社予定)による2006年コレクションのアーカイブや、ロシアの気鋭デザイナーのゴーシャ・ラブチンスキーとの2シーズンにわたるコラボレーションから影響されたのであろう。この後、バーバリーは12月にもヴィヴィアン・ウエストウッドとのコラボレーションも控えていて「英国調チェック」熱は、しばらく続きそうな勢いだ。

画一的な市場に風穴を開けられるか?
 3月17日、この連載で書いた「90年代ファッションはブランド主義の復活でもある!」でも示した通り、今シーズンもさまざまなブランドが主要セレクトショップ等で取り扱われている。
 懐かしのスポーツ、アスレチック、ジーンズ、アウトドアブランドが居並ぶ中でも、特に異彩を放っていたのはアニエス・ベーだろうか。
 現存ブランドに対して懐かしいとは、失礼かもしれないがアニエス登場の80年代のアーカイブデザインは新鮮に映る。ブランドカラーのモノトーンも、カラフル化されている市場に対してのアンチテーゼとして面白い存在だ。
 ボックス・ロゴデザイン再燃のきっかけとなったシュプリームから、ブランド・サイン自体がファッションのデザイン要素となっている。こだわり抜いた素材やパターン、縫製テクニックよりも胸元のワンポイントが価値観。
 まぁ、言葉であれこれ説明する必要もなく、見た目に個性をアピールできる手っ取り早さが、これからの気分だろうか。最終的にトレンドの方向性を決定づけるのは生活者が決めることになる。
 時節、アーカイブコレクションの発表で注目を集めたポロ・ラルフローレン。
 そして先のバーバリーチェックとトラディショナルな動きを見せる市場の中で、今まで「国民服」とまで揶揄されてきた画一的なファッション市場に、風穴が開けられるのだろうか。このトラディショナルな動きは企業サイズにかかわらず、丹念な物作りを志向してきた老舗企業や、歴史あるブランドたちを再認識できる時代の始まりかもしれない。
 これがこの秋のメンズ売場を歩いてみた感想なのである。

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cat_oa-shogyokaionline_issue_d22a72ed6281 oa-shogyokaionline_0_9ed6b21195aa_仕事内容に「食」は影響される 9ed6b21195aa 9ed6b21195aa 仕事内容に「食」は影響される oa-shogyokaionline

仕事内容に「食」は影響される

2018年10月4日 05:00 商業界オンライン

  厚生労働省のデータによれば、平成26年時点で専業主婦世帯は687万世帯、1114万世帯が共働き世帯と発表されています。数値は昭和55年時点とほぼ逆転、女性の社会進出や雇用形態の変化、少子高齢化など複合的な要因で、共働き世帯の割合は今後も増加していくと推察されます。
 この連載では実際に共働きしている家族を料理・買物・生活という切り口で取り上げ、どんな日常を送っているのかショートエピソード形式で毎週お届けします。

第13話 webメディアディレクターの夫・晃弘の目線
>第12話 時間に追われる妻・麻実の目線
>連載の最初から読む
 パチッ。
 朝5時。私の朝は、ノートPCを開くことから始まる。昨日予約投稿した記事が、無事に公開されているかどうかをチェックするためだ。
 全ての記事が無事にアップされていることを確認したら、次は読者の反応を見る。サイトオープン時は反響を出すために自ら全記事をクリックしたものだ。アクセス数を見ては一喜一憂していたが、最近は前日の記事PV数を記録して読まれる傾向をつかめるようにもなってきた。
 配信時間、タイムリーさ、ページ構成、写真配置、そして内容。他のメディアとかぶりはないか? 脳みそをフル回転させ、ついついのめり込んでいると、ワンコが鳴き出す。
 愛犬2匹を早朝散歩に連れ出してから、ようやく朝食を取る。
―――
 平日のスケジュールはその日によって変わるが、大きく分けると2パターンだ。外に出る活動日と、中へこもる作業日。
 外へ出掛ける活動日は、取材やメディア担当者、著者との打ち合わせと称した飲み会であちこち飛び回る。元気なキャラで、表情も豊か。会った人には明るい人に見えるだろう。隙間時間でカフェに飛び込み、記事の投稿や反応の確認にSNS更新、原稿の進捗状況リマインドや確認電話をこなす。
 今日のように中へこもる作業日は、大抵地味なものだ。妻が仕事に出掛けるとすぐにPCを開いて、記事の仕込みや取材原稿の確認、そしてひたすら記事投稿をする。読者へ向けてメルマガの執筆、部下の記事内容についてのアドバイスや事実チェック、会議に向けて社内用の数字推移資料の作成、溜めがちな経費精算。ふと鏡にうつる部屋着の自分の表情は暗く、一所懸命に働けば働くほど、気持ちが沈み込んでいくような気がする。
 本来はリモートワークが認められている職場ではないが、作業日には寝る時間の捻出のために、特別に社長に認めてもらい、会社までの移動時間を仕事にあてさせてもらっている。担当しているサイトが毎日記事を更新していることもあり、月間PV数は当初の目標を大幅に上回ってそれなりの数字を推移している。
 数字が好調とはいえ、それで世論が動かせるほどまだ大きなメディアではないが、やりがいはある。ただ常に年中無休で営業中のインターネットに接続していると、40代半ばという年齢のせいか休みを取る必要も強く感じるようになっている。
 地道な力技の積み重ねと気力で、ここまでやってきたのが本音だ。
 感傷に浸りながら、PCデスクから離れて作る昼食は、調理に時間を取られたくないので買ってきた冷凍ギョウザを焼くことが多い。スキレットを使ってそのまま机に置いて食べれば、洗い物が減って楽になる。
―――
 イベントで休日出勤を行った取材の帰り、ペットのトリミングを終えた妻が車で迎えに来てくれた。
 お互い仕事が忙しいので、休日はできるだけ2人と犬2匹で過ごす。食が共通の趣味でおいしいものに目のない私たちは、休日になれば道の駅やペット連れの宿を探してはどこへでも出掛けていく。ペットOKの宿はどうしても選択肢が狭まるが、大事な家族なので家でお留守番という選択肢はあり得ない。家でゴロゴロというのも、2人とも相に合わない。
 私よりも年上の妻はグルメの知識も豊富で、天性のマーケッターとあって流行りものに飛び付くのも早い。妻から教えられた流行はたくさんある。
 職業柄な面も大きいが、仕事内容に、食はとても影響されていると思う。
 今の仕事の担当になって、きちんとした料理をつくることが減った。忙しいときは、簡単につくれて、仕事をしながら食べられ、自分が好きなものになる。そうしたものは大抵栄養バランスが偏っているから、野菜や温かいおかずが恋しかったりする。
 そういえば、昔は「趣味は料理、おいしい飲食店探し」と言っていたのだっけ。ゆっくり時間が取れるなら、昔のようにいろいろと作ってみたいし、外食もしたい。最近では夜にはヘトヘトになるので、夕食は自宅ということが増えた。調理は帰宅したばかりの妻にしてもらうことがほとんどで、食事の前の「いただきます」を言うたびに、いつも心の中で申し訳なく思っている。
 昔は全く思わなかった「田舎暮らし」にも憧れるようになった。いつからか、休日に行く場所ものんびりできる海や山になっている。動きが激しいwebの世界で仕事をすればするほど、その真逆のものを求めるのは、どんな心理だろう。今度、取材をしてみたい。
>第12話 時間に追われる妻・麻実の目線
>連載の最初から読む
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>第14話 全てに全力投球の妻・一江の目線
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 この連載では、エピソードの元になる共働き生活(料理、買物、外出)についてお話を聞かせていただける共働き家族を募集しています。
 内容はあくまでもエピソード形式での紹介となり、個人情報が特定されない形で、お住まいなどのプライバシーに配慮した上で編集して掲載させていただきます。
 連載についてのご意見やご感想、またエピソードの提供にご協力いただける方がいらっしゃいましたら、こちらまでご連絡ください。
 採用させていただく場合には、編集部より折り返しご連絡した上で、ささやかな謝礼としてAmazonギフトカードをプレゼントいたします。

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cat_oa-shogyokaionline_issue_d22a72ed6281 oa-shogyokaionline_0_1bd258287d26_IE(経営工学)に興味を持とう 1bd258287d26 1bd258287d26 IE(経営工学)に興味を持とう oa-shogyokaionline

IE(経営工学)に興味を持とう

2018年10月4日 05:00 商業界オンライン

  今昔物語は平安時代の1059編の談話集。「今は昔」で始まり、「と語り伝えられる」と終わります。この連載では、ビジネスの世界で語り続けたい経営技術を『今昔物語風』に解説しようと思います。
 第1回はIE、IEはIndustrial Engineeringの頭文字です。日本語では経営工学と訳されることが多い経営技術です。

〈IEの歴史〉1910年、米国の製鋼会社で始まった
 IEのスタートは1910年、米国のミッドベール製鋼会社の工場職長であったテーラーの活動でした。作業効率が悪いのは作業者任せにしていることが原因と位置付け、時間研究を中心にした科学的管理手法の概念を考案しました。
 その後、ギルブレス夫妻による動作研究で動作種類の体系化とその分析手法、即ちサーブリック分析が確立され、IEの基礎が出来上がりました。
 日本ではIEを1940年代に日本能率協会(私の出身組織)が産業振興を目的に全国普及。当時は工場の作業改善の基礎技術として活用されました。
 現在ではトヨタのKAIZEN手法がIEといわれるくらいなっています。トヨタの改善の基本思想である『改善を進めるに当たり、問題を見えるようにする』『JITを実現するには、後工程が取りに行く』『カンバン方式でマネジャーが問題を先取りする』はIEの基本思想から考案されています。

〈現代のIE〉「こだわる」ことに特徴がある
 IEはワークメジャメントとメソッドエンジニアリングの2つ領域から構成されます。
 ワークメジャメントはテーラーの時間研究が出発点で、『測定の技術』といわれます。狭い概念ではタイムスタディ、標準時間設定の領域を指し、広い概念では現場のいろいろな事実、目標の見える化を指します。
 一方、メソッドエンジニアリングはギルブレスの動作研究が出発点で、『改善の技術』と言われます。狭い範囲では作業改善の原理を指し、例えば、動作経済の原則、前作業・本作業・後作業の原則等が代表的原則です。広い範囲ではPDCA、目標管理、業績管理等マネジメント技術の領域をいいます。
 IEは『現場にこだわる』『問題が見えることにこだわる』『計画にこだわる』『検証にこだわる』の特徴があり、以後の経営技術に大きな影響を与えています。

インターネットエクスプローラではありません
 IEというとインターネットエクスプローラをイメージする人が多いと思います。現にインターネットでIEを検索するとインターネットエクスプローラが一番に出てきます、また、自分の子供に聞いてもインターネットエクスプローラしか知りません。
 しかし、Industrial EngineeringとしてのIEはこれから経営技術を学ぶ若い人にとって、大変貴重な基礎技術となるはずです。ぜひ、IEに興味を持って、情報収集してみてください。

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cat_oa-shogyokaionline_issue_d22a72ed6281 oa-shogyokaionline_0_115ed502ee27_「自分の価値観」知っている? 115ed502ee27 115ed502ee27 「自分の価値観」知っている? oa-shogyokaionline

「自分の価値観」知っている?

2018年10月3日 05:00 商業界オンライン

 「人の印象の専門家」の吉武利恵です。
 印象マネジメントは、印象で損をしない、そして、間違った印象を与えてしまわないように、自分の印象の「外見力、振る舞い力、コミュニケーション力」を自己管理して最適化します。
 しかし、いくら印象に気を付けても、印象を判断するのは常に相手です。残念ながら、相手の判断を完全にコントロールすることはできません。
 人の印象は2通りで判断されます。
 1つ目が、「あなたの印象」を他の人がどう決めるか
 2つ目が、あなたが「他の人の印象」をどう決めるか
 本連載『「印象マネジメント」始めましょう!』では、主に1つ目の、あなたの印象に関する知識や技術を多く紹介しています。
 しかし、人が何をもとにして、人の印象を判断しているのかを知ることは、とても大事なことです。そこで今回は、2つ目のあなたが他の人をどう判断するかの基準にフォーカスします。

価値観が全く同じ相手はいません
 普段のさまざまな考えの判断規準となるのが、その人の「価値観」です。自分の価値観を、ぼんやりしたイメージで理解している人も多いのではないかと思います。

あなたは自分の価値観を明確に知っていますか? 
 価値観とは、自分が大切にしている物事の考え方です。善悪や好きや嫌い、重要度の順番や優先順位を判断するときの基準になります。価値観は、日々感じることの中で育っています。
 そもそも「価値観が全く同じ」という相手はいません。自分だけのあなたの価値観を知ることで、なぜそう感じるのか、なぜ正しいと思うのかなど、自分の判断の傾向に気付くことができます。
 リストを使って、トップ5を選んでみましょう!
 ここから、あなたの価値観を知るワークをご準備しています。
1.Goodなあなたの価値観
 これは、あなたの判断基準となり、行動を前進させてくれる大切なあなたの価値観です。
 自分の価値観を明確にしておくことで、自分にとってとても大切なものを知ることができ、重要度の順番や優先順位を決めることがスムーズになります。
 主に「こうあるべき」や「普通こうだ」と思っているものが、あなたの価値観である可能性が高いですね。
 自分の価値観を知るためにはいろいろな方法がありますが、一般的なのは、さまざまな言葉のリストから、今のあなたが重要だと思う言葉をいくつか選ぶ方法です。では早速、あなたの価値観を見つけてみましょう。

  あなたの価値観のトップ5は決まりましたでしょうか?
 古くから大切にしている価値観もあれば、最近の影響により、急浮上した価値観があるかもしれませんね。価値観は一生同じものではなく、習慣や影響、環境により変化する可能性があります。自分の判断基準となるあなたの基盤を理解するために、2~3年に一度の頻度で価値観の棚卸しをすることをお勧めします。

これが行動の前進を足止めさせる
2.Badなあなたの価値観
 これは、あなたの行動の前進を足止めする可能性がある価値観です。
 幼児期に親の厳しいしつけにより「~するな!」や「~しろ!」という「禁止令」が、大人になっても影響しているかもしれません。さらに、過去の恐怖や不安な経験により、否定的に考えてしまう意識の壁の「メンタルブロック」の影響も考えられます。
 もしかしたら、自分を幸せにしない「禁止令」や「メンタルブロック」があるかもしれませんね。
 もし、「~してはいけない」「~ではいけない」「~はダメだ」という行動の前進を足止めさせるものがあるならば、そろそろ脱却してもよくありませんか?

こんな禁止令、メンタルブロックないですか?
 禁止令やメンタルブロックの例をいくつかご紹介します。

  例えば、成功時に褒められず、失敗時にかまってもらえた経験から、「成功してはいけない」という禁止令で、うまくいかないように自分で仕向けるパターン。
 病気のときだけ、かまってもらえた経験から、病気やけがで同情を引こうとする人は「健康になってはいけない」と思い込んでいる可能性があります。ハイジのクララもそうでしたね。
 何らかの罪の意識から「自分は楽しんではいけない」というメンタルブロックを作ったり、「お金は儲けてはいけない」「お金が全てではない」「お金は悪」というお金を稼ぐことができない状況で作ったメンタルブロックに、状況が変わった今でもとらわれてしまう場合もあります。

3つの文書の空欄で分かる
 心理テストの文章完成法を応用して「Badなあなたの価値観」を見つけてみましょう!
 仕事、健康、目標、お金、人生、家族、人間関係、社会、感情、趣味などの中から、改善したい題材を選んでください。次の3つの文章を利用して、禁止令やメンタルブロックかもしれないものをノートに書き出してみましょう。
(1)私は          をしてはいけないと思う。
(2)私は          ではいけないと思う。
(3)私は          はダメだと思う。
 禁止令やメンタルブロックを知ること、そして、なぜとらわれていたのかを考え、今度もとらわれ続けるのか、それとも、とらわれを手放すのかを決めてください。選ぶのはあなたです。

「普通」や「みんな」を使っていませんか?
 他の人の価値観が認められない、許容できないときは、もしかすると、あなたの価値観とけんかしているからかもしれませんね。
 自分の価値観の正当性を伝えたいときに、「普通」や「みんな」という言葉を使うことがあります。もし、「普通」や「みんな」という言葉を使っている自分に気が付いたときは、その価値観は自分の価値観だと気付いてくださいね。

周りの人の価値観も知る努力をする
 自分の価値観に向き合い、理解した後は、周りの人の価値観を知る努力をしてみませんか?
 他の人にもいろいろな価値観があります。相手の価値観を理解した上で接することは、相手への気遣いです。あなたの気遣いにより、あなたの印象はアップします。
 対人コミュニケーションで、価値観の違いは乗り越えられると信じてください。
 価値観が合うよりもコミュニケーションパターンが合う人が仲良くなりやすいんです。それは認め合え、話し合え、協力し合える関係だからですよ。
 最後まで、お読みくださいまして、誠にありがとうございました。
 日々の振る舞い、発言、行動の積み重ねが、あなたの印象をつくります。
 本来のあなたのポテンシャルに近づくために、印象で損しないために、ぜひ、印象のセルフマネジメントを一緒に意識し続けていきませんか?

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「お試し体験」はあえて有料化しよう

2018年10月3日 05:00 商業界オンライン

桂浜水族館(高知)のペンギンのエサ売場 動物園や水族館で、エサやり体験をしたことはありますか? 
 通常なら先着順であったり、スタッフが行う時間に合わせて見学するエサやり体験。高知県の桂浜水族館では「ふれあいイベント」という名称で、自分たちの好きなタイミングで体験することができます。
 ペンギンのエサ売場(上の写真)では、まず右端の箱に100円を入れてから手を消毒します。左のケース内からエサの小魚が3匹入ったカプセルを取り出して、中央のトングを使ってペンギンにエサをあげる仕組みです。
 ドクターフィッシュ体験では、「モテ期体験アンビリーバボー」と書かれた箱に体験料の100円を入れると、手を水槽に入れることができます。水槽は大人が立ってちょうどいい位置に設置されていますが、踏み台が用意されているので、小さい子供でも体験できるようになっています。

夫が体験したところ、周りにたくさんのドクターフィッシュが集まってきました。手の古い角質をきれいにしてもらってモテ期体験中 他にもカピバラコーナーでは檻の外からあげられる100円のエサと、檻の中に入って直接エサをあげられる500円体験と、2つのエサ体験から選ぶことができました。
 檻の中に入れるのは先着10人のみで、家族連れがシャッターチャンスとばかりに楽しそうに写真を撮っているのが印象的でした。

生き物との距離が近いのも魅力。リクガメは、甲羅を直接触ることができます
無料体験が逆にハードルが高くなっている

カワウソ物件に書かれたPOPの「条件 カワウソであること」なんて文面から、飼育員の遊び心が感じられました 小売業では、いわゆる「お試し」は無料で体験できるのが一般的です。ファッションの店舗では試着は基本的に無料ですし、デパ地下ではよくお菓子や漬物が爪楊枝で試食できるようになっています。
 でもその結果、お客さま側に「試着したら、買わなきゃいけない」「試食したら、セールストークが始まって店員に捕まる」と、逆にお試しの心理的ハードルが上がってしまっているような気もするのです。
 せっかく無料で「気軽にお試しくださいね(そしてもし商品がよかったら買ってくださいね)」という目的で始めたサービスが、いつの間にか「試したら買うもの」という暗黙の了解になっている面もあるように感じます。
 本来お試しの目的は、商品の良さを実感したり、接客するチャンスにつなげるきっかけづくりのはずです。試してもらえないなら、そもそもお試しをやっている意味がありません。
 であれば、いっそお試しを有料にして、心行くまで商品を試す機会にした方が、お客さまにとっても、スタッフにとってもプラスになります。

意外とある!市場に受け入れられた有料体験
 例えばドラッグストアに行けば、シャンプーとトリートメントのパウチのセットがお試し用として販売されています。また数回使えるサイズのミニボトルもよく見掛けます。

シャンプー、コンディショナー、ボディソープの3点セットは、著者がギフトでもらったもの。旅行のときの楽しみになっています 大きいボトルの内容量から計算すると大抵は少し割高ですが、これは新しい製品を実際に家で使って使い心地を「試したい」ニーズを叶えるためのものです。自分に合うかどうかのお試し要素はもちろん、匂いが強過ぎないか香りのチェック、普段使いするには高いけれど気分転換用のプチ贅沢、ジムや旅行・出張など持ち運び用というニーズを満たしています。
 パーソナルスタイリストも、売場をまたいでお客さまに合った商品を紹介するという、一部の優秀な販売員がやっていたことを仕事にしています。パーソナルカラー診断など資格を持っている、買物前に丁寧なカウンセリングを行う、店やブランドにこだわらず親身に似合う洋服を薦めるなど付加価値を付けている人も多いですが、基本的な仕事は「お客さま個人に合った洋服を薦める」ことです。本来なら、販売員がお客さまに対して無料で行っていた仕事を、個人向けに新しいサービスへと昇華しているのです。
 テーマパークでは、お金を払えば列に並ばずにアトラクションを楽しめるという仕組みが出てきています。観光で来ていて時間がないときや子供が小さくて長蛇の列にはとても並べないというときに、この選択肢はものすごく「あり」だと感じました。

「新しい視点」があれば無料は有料化できる

ペンギンエリアでは、飼育実習生がペンギンの名前や特徴を紹介。生き物に対する愛情が感じられました とはいえ、いきなり今まで無料で行っていた試着や試食を明日から有料化というのは難しいでしょう。それなら、今までできていなかった、お客さまからするとちょっとワガママで躊躇してしまうようなサービスを有料化するのはどうでしょうか?
 例えばファッションの店舗で、試着体験に値段を付けてみる。平日の暇な時間を予約制にして、店舗の洋服を時間内は試着し放題なんて体験ができたら? 好きな洋服を片っ端から試着するのは、できるとしても現実的に挑戦するにはなかなか心理的ハードルが高いです。もし有料制にすればお客さまはお金を払った対価として試着を心行くまで楽しめるでしょうし、店舗も普段より集客や売上げが見込めるのではないでしょうか?
 試着というサービスは、今でもほとんどの店舗で無料で行っています。でも、気軽に試着して買わずに帰れる店はなぜか少ないです。試着だけして購入を断るときに、何ともいえない気まずさを感じた経験があるのは私だけではないと思います。
 カーテンの向こうで待つ人の気配を感じて「次の人が待っているから、早く試着室を出なくちゃ」と別の商品を楽しむ余裕もなく焦って着替えを済ませたり、「試着室を自分1人で長時間独占していたら、ちょっと気まずいな」とためらうお客さまもいます。

本当に「お試し」の機会となっている?
 試着は、自分に似合っているか、イメージ通りの丈感か、などチェックする大切な「お試し」の機会です。そして違う商品への出会いのきっかけにもなり得ます。試食も同じです。
 いくら無料でも、焦ってお試ししたり、試している間中、いろいろセールストークを横でされてしまうと、お試しに集中できない時間が増えて、本来の「お試し」の意味が薄れてしまうように思うのです。
 漬物店でも、1種類だけ大量に袋詰めされて販売されていたら、いくらお得でも「そればかり食べることになって、飽きてしまうから……」と買いにくい人もいるでしょう。いろいろなものをちょっとずつ食べられるお試しセットなら買いたいというお客さまもいます。
 商品やサービスは、外に出ていなければ選ぶことができません。新しいサービスを作るためのコストや手間はもちろんかかるでしょうが、数量限定でそれこそ反応を見ながらお試しで始めてみてもいいと思うのです。
 消費は生活を良くするためのものですし、お試しは本来なら楽しく良い気分になるための行為のはずです。購入には接客や商品自体の良さ、価格など多くの要素が関わってきますが、その前段階の「試す」というハードルはできるだけ低く、より多くの人に試してもらうべきです。

ウミガメごはんも1カップ100円。気軽に払える値段設定の上、どのエサも2、3個で、すぐにあげ終わってしまうため、「もう100円払おうかな」という気持ちにもなりやすい
 そしてお金を払う行為に対して、今の消費者は商品そのものが欲しいという気持ち以外にも、より「なぜ払うのか」「何に対して払うのか」と消費の意味を求めているように感じています。
「タダほど高いものはない」ということに、お客さまは気付き始めています。無料でも、不要なものなら受け取りたくないというお客さまは多いです。それなら、スタッフの手間賃やサービス料をお客さまに少しだけ負担していただいて、その代わりに本当に欲しいものをちょっぴり提供するという工夫があってもいいのではないでしょうか?
 桂浜水族館の「ふれあいイベント」は大人気で、多くのお客さまが次々と楽しそうにお金を払っていました。あちこちで気軽にちょこっと消費を楽しむ光景は、すごく活気にあふれていました。

「何」で客単価を上げるのか
 もし水族館の入館料を単に値上げしたら、「高くなったなぁ」と思われてしまいます。施設のリニューアルや新しい動物が増えるなど何か納得できる値上げの理由があればまだいいですが、単に入館者が減ったから、という理由ではあまり印象もよくありません。
 入館料を上げるよりも、館内でこうした「1コイン体験」に喜んでお金を払ってもらう仕組みを作る方が、エサ管理に手間はかかるでしょう。でもお金を払う行為に対しての心理的ハードルは低く、お客さまの満足度も上げられていると私は感じました。
 客単価をアップさせるには、水族館なら他にも帰りのお土産屋でたくさん買ってもらう工夫を仕掛ける、館内で名物フードを販売して食べてもらうのも1つのアイデアです。桂浜水族館では、いずれもスタッフが楽しみながら力を注いでいると感じられました。
 客単価を上げることは、小難しいことでなく、もっとお客さまにとってもスタッフにとっても楽しいことであってほしいです。今ある要素を全て洗い出して、何に価値が生み出せるかは、私たちももっと見直せるのではないでしょうか。

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