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20年1月「福袋をやめた企業の売上げが戻らない」

2020年2月11日 05:00 商業界オンライン

  今年の初売りは、市場の飽和感もあってジリ貧化に歯止めがかからない福袋をやめる企業が増えてきた。元々、無印良品やユニクロ、ユナイテッドアローズは取り扱いがないし、アダストリアグループも昨年から福袋企画をやめた。そして今年はライトオンもその流れに加わった。
 1年前から工場の閑散期を狙って安価に生産したものを入れてお値打ち感を出すのが「平成の福袋」だった。それが競争激化で、購入前に福袋の中身が確認できるのは当たり前に。中身のサイズカラーのアソートが表記され、中のセット枚数も増えいく傾向にあっては取り組むメリットが年々薄れているのが現実だ。
 だが、福袋を取りやめた企業がその分の売上げを他で稼げているかというと、決してそうは思えない。在庫リスクや企画・生産労力も踏まえて費用対効果に見合っていないという総合的な判断をしたのだろう。
 そんな1月のアパレル6社の状況を振り返ろう。
〈1位〉良品計画(既存店)売上高 100.8%*1、客数 110.9%、客単価 86.7%
【主要施策】SALE/【話題の取り組み】1/14まで期間限定価格、2/4まで期間限定価格/【注目アイテム】〔レディス〕縦横ストレッチチノバルーンスカート(税込み4990円)、〔レディス〕ウールシルク洗えるクルーネックカーディガン(税込み3990円)、〔メンズ〕新彊綿オックスショップコート(税込み4990円)
  例年に比べて高く推移した気温の影響から冬物アウター、ニット、防寒小物は伸び悩んだものの肌着や靴下などの実用衣料が好調に推移して売上げを底支えした。期間限定価格を切れ目なく対象アイテムをローテーションさせながら続けた結果、「買上客数がアップし、客単価がダウンする状況」は続いている。
 そうした中、2020年2月期連結純利益を従来予想の294億円から251億円へ下方修正。中国のコロナウィルスによる影響もあり、6日までの中国の休業店舗は138店舗まで広がっているようで、さらなる業績への影響が心配される。
〈2位〉アダストリア(既存店)売上高 98.4%、客数 97.4%、客単価 100.9%
【主要施策】WINTER SALE MAX60%(グローバルワーク)/【話題の取り組み】Chocolat Color Knit (グローバルワーク)、HERSHEY’S KISSESコラボ、ツモリチサトコラボ(ニコアンド)/【注目アイテム】〔レディス〕ツモリチサト コラボワイヤー入ビッグシャツ(税込み7590円)、〔レディス〕ツモリチサト コラボワイヤービッグワンピース(税込み9460円)/ 〔メンズ〕MOTION TECHスキニーパンツ(税込み4950円)
 初売り福袋をやめて2年目となる今年は「ハッピーシェアニット」や「リバーシブルボアニット」といった限定特価商品を売り込んだものの、冬物セール商戦自体に力強さを欠き、1月の既存店売上高の前年割れは3年連続となった。
 月後半は春物企画としてバレンタインシリーズを展開。グローバルワークではチョコレートカラーニットとしてミルクチョコレート、ミルクティーチョコレート、ホワイトチョコレート、ラズベリーチョコレート、ミントチョコレートの5色をそれぞれのチョコレートイラスト・ラベルとともに訴求したが、それが目をひいた。ブランド別ではローリーズファーム、レイジブルー、ページボーイ等が好調だった。
〈3位〉ユナイテッドアローズ(既存店*2)売上高97.1%、客数94.3%、客単価101.9%
【主要施策】 SALE30~40%OFF+2点以上お買い上げでSALE対象商品がさらに10%OFF/【話題の取り組み】FINALSALE UPTO60%OFF(グルーンレーベル)/【注目アイテム】〔レディス〕HAMILTON WOOL MIXメルトンロングPコート(税込み4万9500円)、〔レディス〕ビーバーノーカラーロングコート(税込み2万3760円) 、〔メンズ〕:THE NORTH FACE ビレイヤーパーカー (税込み6万5000円)
  暖冬で冬物衣料が苦戦した。
 ユナイテッドアローズも2020年3月期連結業績を下方修正し、予想売上高1642→1612億円(▲30億円)、営業利益119→108億円(▲11億円)、経常利益120→109億円(▲11億円)。10月の消費増税による駆け込み需要の反動減やオンラインストアの停止(期間は2カ月強)に伴うネット通販や実店舗のマイナスなどが影響した。
 ネット通販の自社運営化を行う中、約12億円のソフトウェア開発について今後の利用が見込めなくなった部分の減損処理を約5億円計上。さらなる減損損失が追加で発生する可能性も示唆しており、自社運営への取り組みは予定通りには進捗していないようだ。
〈4位〉ユニクロ(既存店*3)売上高 92.1%、客数 94.9%、客単価 97.1%
【主要施策】新春SALE/【話題の取り組み】ミラクルエアー3Dジーンズ、クレイアニメーションパジャマ企画(ベビーサイズ)、初売り税抜き1万円以上買い上げ紅白タオルをプレゼント/【注目アイテム】〔レディス〕スウェットオーバーサイズプルパーカー(税抜き2990円)、〔レディス〕スウエットクルーネックシャツ(税抜き1990円)、 〔メンズ〕ドライストレッチスウエットパンツ(税抜き1990円)
 全体的に暖冬の影響が大きかった。ダウンジャケットをはじめとした防寒アウターや保温肌着の動きも鈍く、既存店売上高は5カ月連続で減少と秋冬商戦は厳しい結果に終わった(今年は1月末までしっかりダウンコートやダウンジャケットの値引き販売スペースが取られ、不振だったシーズンを象徴していた)。
 そうした中でもおおむね好調に販売できたハイブリットダウンは来期380万枚のオーダーを計画しているようで圧倒的な単品販売力は健在だ。ただ、中国にある全750店舗の半数にあたる約370店で休業を余儀なくされており、ユニクロも中国での販売の影響が心配。これまで好調だった海外売上げをけん引してきた東アジア店舗の売上状況について不安を抱える。
〈5位〉*しまむら(既存店)売上高 90.1%、客数 91.6%、客単価 98.8%
【主要施策】歳末感謝祭、初売り福袋/【話題の取り組み】華マルチスーツ(レディスフォーマル)、親子で着るヒーローアイテム企画(ウルトラマン、仮面ライダーコラボ)/【注目アイテム】〔レディス〕12Gフリルネックニットプルオーバー(税抜き1290円)、〔レディス〕小花柄Aラインタックスカート(税抜き1290円)、〔メンズ〕T/C裏起毛雪山モチーフトレーナー(税込み980円)
 昨年に比べ休日が1日少なく冬物販売が伸び悩んだ結果、前年同月実績を5カ月連続で下回る結果となった。例年販売している福袋に関して今年は好調だったようで、レディスのコーディネイト福袋がよく売れた。フェミニン5点セット(税込み3000円)、ガーリー4点セット(税抜き2000円)、マニッシュ7点セット(税込み5000円)など。
 昨年の増税後あたりからチラシやSNSなどでは本体価格表記に切り替え、安さを強調。455円(500円)、637円(700円)、819円(900円)と衣料品にはなじみの薄い1円刻みの表記で安さをアピールした。
〈6位〉ライトオン(既存店)売上高 88.1%、客数 75.2%、客単価 117.2%
【主要施策】GO!GO!BARGAIN 最大70%OFF ニューイヤースペシャルプライス5日間限定/【話題の取り組み】元旦限定プライス税抜2020円、人気ブランドボトムス2本目半額/【注目アイテム】〔レディス〕ラグマシーン・バックプリントロゴトレーナー(税抜き3990円)、〔メンズ〕キャンプセブン・エンボスロゴパーカー(税抜き4990円)、〔メンズ〕チャンピオン・無地クルーネックトレーナー(税抜き4490円)
 今年から元旦の福袋販売をやめ、代わりに年始のセールを実施。大晦日の2019円→元旦は2020年と西暦年度を文字ってセールイベントのアピールをした。秋冬不振の反省を踏まえ、春物から商品価格やテイストの見直しに取り組むよう。レディスでは今まで取りこぼしていた客層を狙った新たなヒット商品も出始めているようで、これからの動向に注目したい。既存店売上高の前年割れは8カ月連続。

〈1月のまとめ〉「超暖冬」が冬のセールにマイナスの影響
 1月は時折、寒波に覆われることもあったが、継続した寒さはなし。「超暖冬」で推移した秋冬は本格化した冬のセールにも影響を及ぼす結果となった。
 ストライプインターナショナルが従来の梅春、晩夏を含めた6シーズンMDをやめ、マイナス3度から36度の気温を3度刻みで14分類したカセット納品に取り組むように、往来の企画タームによる組み立ではリアルシーズンとの乖離が大きい。
 これを見直す必要があり、例えば、今年になぞらえると丈長コートは年内投入が適切だったのか。定時のタイムスケジュールのままだと、プローパー販売期間が限りなく短く、あっという間に冬のセールに入ってしまう。供給側も早々のセールとその長期化に向けては段階的な値引き策をとらざるを得ないから、セールインパクトに欠け、客離れの一因になりかねない。
 おおよそのシーズンセール開催スケジュールは予定しても、気候要素に応じ弾力的なスケジュールにしていかないと業界全体が疲弊しかねない。セール自体が長期化しているのだから、例えば①歳末、②年始、③大寒、④立春(春節)と、①~④回にわたってセール対象商品を組み替えていくことが、これからのシーズンセールには必要となってくるだろう。

東京都の平均最高気温は11.1℃、平均最低気温は3.7℃。昨年と比べても最高気温で1.2℃、最低気温では2.3℃も高かった。8、18日と大型の低気圧に覆われたものの寒気の影響が弱く、気温は平年を上回った。降水量と日照時間は平年を下回っている。

(2月商戦のポイント)集客対策が重要、コンテンツ企画も活用!

 コロナウィルス騒動は気になるところで、中国国内の店舗を構える企業は直接的な影響を受けることになる。そうでない企業でも直近のビジネスに影響は出ないものの、2018年ベースでも中国からの衣料品輸入は58.8%と決して低くない(財務省統計より)ため、影響は出かねない。中国では10日から工場を再開するところが多いようだが、中国国内での人の移動や他の近隣アジア地域への拡散傾向など注視したい。
 2月は閑散期シーズンで、1年で一番寒い時期にあたるため、コンテンツ企画も絡めた集客対策が重要。アダストリアグループではツモリチサトコラボやバレンタイン企画としてチョコレートメーカーとのコラボレーション、Bリーグとのコラボレーション企画を予定している。しまむらでも人気コミック『鬼滅の刃』とのコラボレーションのように特定のターゲットを絞り込んだ打ち出しで売上げを作っていきたい。
 2月はバレンタイン以外にも節分、プロ野球のキャンプインやグラミー賞大賞の発表など、まだまだ取り組めそうなイベントもあるので、英知を絞って対策していくことが重要となる。
*印の企業=20日締め、*1=衣料品部門の数字、*2=小売既存+ネット通販既存の合算数字、3=既存店+Eコマースの合算数字/文中の売れ筋動向はIR情報および筆者視察によるもの。税込価格は全て10月1日以降の増税後価格としました。

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アマゾンとウォルマート 対照的な「リアル戦略のアプローチ」

2020年2月10日 05:00 商業界オンライン

  2020年1月12日。ニューヨークシティ・ジェイコブ・K.・ジャヴィッツ会議センター。世界最大の小売業関係のカンファレンスといわれる「Retail's Big Show & Expo」が開幕。会場は20年代の幕開けにふさわしい熱気に包まれた。
 開幕に際しての基調講演を務めたのは、小売業者ではなく、マイクロソフトのサティヤ・ナデラCEOだった。そして、ナデラCEOが強調したのは、小売業にとっての「データ」がいかに重要であるかということだった。
 現在、小売業界で売上高ナンバーワンは長年トップに君臨するウォルマート、そしてナンバー2は、それを猛追するアマゾンである。
 リアルの店舗網を拡大することで成長してきたウォルマートと、ほぼインターネットでの販売だけで成長してきたアマゾン。対照的なこの2社に共通することは、共に長期にわたってITをはじめとしたテクノロジー、その延長線上にあるデータを重視した経営を実践してきたことだろう。
 特にネットをベースとして成長著しいアマゾンは既存小売業に危機感を与え、多くの小売業者をネット対応に走らせている。それに関しては、ウォルマートも例外ではない。
 一方でアマゾンは、約2年前にレジがない店舗である「アマゾンゴー」をオープンするなどリアル店舗へのアプローチも進めている。スーパーマーケットのホールフーズ・マーケットの買収、その後の同社との連動も含め、テクノロジーを活用したリアル店舗の形を模索する動きが、特に「食品」を中心に活発になっているように感じられる。
 小売業ナンバーワンのウォルマートは、ピックアップのモデルの追求などネット活用の取り組みを研究しつつ、一方で自身が持つ多数のリアル店舗にどうテクノロジーを落とし込むかを実験している。
 ネットとリアルという対極的な出発点を持つ2社が、「リアルにおけるテクノロジーの活用」という共通の課題に取り組んでいるということは、2社が共に小売業の未来がそこに確かに存在していると考えているからに他ならないのではないか。そして、そのベースとなるのが、「データ」である。

「ジャストウオークアウト」の衝撃と小型店の意味

 18年1月、「ジャストウオークアウト(ただ店を出るだけ)」を実現したアマゾンゴーが一般向けにオープンした。カメラやセンサー、AI(人工知能)といったテクノロジーによって、「まさに夢のような」、レジのない店舗が誕生したことは、小売業界に大きな衝撃をもたらした。

アマゾンゴー1号店のシアトルのセブンス&ブランチャードの店。 改装中の店舗を除き20年1月段階でワシントン州シアトルに5店、イリノイ州シカゴに6店、カリフォルニア州サンフランシスコに4店、ニューヨーク州ニューヨークに8店の23店体制と、急拡大というわけではないが、着実に店数を増加させている。
 お客は専用のアプリをインストールし、決済のクレジットカードなどを登録。店ではアプリ上で表示されるコード(キー)を入り口のゲートにかざして入店、買いたい商品を手に取り、そのまま外に出れば決済が完了する仕組み。まさに「ジャストウオークアウト」で、お客としては少なからぬ驚きを覚える。

アプリで表示されるコードをかざせば駅の改札のようなゲートが開き、店内に入ることができる。買物後は近づくと自然とゲートが開く。 一方で、店舗自体はコンビニタイプの小型店である。品揃えは限定されていて、レディミールや軽食などの惣菜、菓子、酒、冷凍食品、調味料と一部生鮮、非食品、ミールキットがその中身だ。つまり、コンビニの品揃えからホット惣菜を外し、ミールキットを加えたような商品構成。食品が中心で、限定された品揃えという点にポイントがあるように思える。

一番目立つ場所に冷蔵のレディミール 弁当、丼、サンドイッチなどが並ぶ他、軽食としての「スナック」売場がある。商品構成はコンビニ的だ。

アマゾンゴーは生鮮食品をほとんど扱わないが、一部カット物の青果と味付け肉など簡便商品に特化して一部品揃えしている。

ミールキットはコーナー化して冷蔵で販売。コンビニのような商品構成の中に突如としてミールキットのコーナーが現れる。既存の業態の感覚からすると違和感があるが、これがアマゾンの商品構成の考え方。

アマゾンゴーが品揃えする主要な商品がイートインコーナーの壁に列挙されていた。朝昼夜の3食と軽食、さらにミールキットまで品揃えするということで、アマゾンが食のシェアを取っていこうという意気込みがよく表れている。

ニューヨークのアマゾンゴーでは、セルフサービスのカップのコーヒー(スターバックス)やジュースを販売。サイズは1種類で、もちろん、これもカップを取り、注ぎ、店を出るだけ。

広くはないがイートインコーナーを設けている。電子レンジ、ナイフ、フォーク、しょうゆ、ケチャップ、マスタードなどが備えられている(ニューヨークの店)。 また、限定された品揃えにもかかわらず、売場では「品切れ」が目立つ。データ収集中とはいえ、小売業の立場としてはずいぶん割り切った姿勢のように思える。

狭い店だが、品切れしている商品が少なくない。棚に商品がない場合、「SO GOOD IT’S GONE(とても良い商品だからなくなった)」と掲示される。

アマゾンが買収したホールフーズ・マーケットでは、プライム会員との連動が積極的に行われている。

在庫管理に焦点を当てるウォルマート

 ウォルマートでは小売業の未来を担う技術を研究するインキュベーター部門として17年、「Store No. 8」を設立。そのStore No. 8とウォルマートのストアオペレーション担当による合同チームが18年4月に誕生させたのが「インテリジェントリテールラボ(IRL)」と呼ばれる店舗だ。

ニューヨーク州レビットタウンのネイバーフッドマーケット。ウォルマートIRLだ。 ニューヨーク市のマンハッタンから東方面に約40km、ニューヨーク州レビットタウンという地方都市に立地する、売場面積1405坪(5万平方フィート)、取扱アイテム数約3万の「ネイバーフッドマーケット」フォーマットがその舞台だ。
 AIに関する実験をしながら知見を深め、ウォルマートの店舗全体に水平展開していくことを目的とし、ウォルマートとしてはお客、従業員双方にメリットをもたらすように店舗運営の方法を改善していきたいとしている。

IRLでは店頭を含め、さまざまなところにこの店がIRLであることを掲示し、その内容についても説明している(ウォルマート提供画像)。

IRLは通常のネイバーフッドマーケットと変わらない一方で、天井からは多数のカメラが設置されている(ウォルマート提供画像)。 同店を見ると、さまざまな部分でこの店が通常の店と違うことが分かる。天井からつり下げられた多数の対応のカメラ、インタラクティブディスプレー、さらに店の奥に、ガラス窓越しに設置されている大規模なデータセンターなど、通常店にはない設備が多数導入されている。
 IRLのCEOであるマイク・ハンラハン氏によれば、「テクノロジーによって、ビジネスに関してより多くの事柄をリアルタイムで理解することができる。IRLで収集している全ての情報と、店舗を運営してきた50年以上のウォルマートの専門知識を組み合わせることで、お客さまと従業員の両方の生活を向上させる本当に強力な経験を創り出すことができる」という。
 同店の設備は、現状は特に在庫管理に焦点が当てられているという。リアルタイムに情報を把握することで、従業員が商品の補充のタイミングを正確に知ることが可能になり、その結果、チャンスロスを減らすことができる。

IRLでは所々に設置されたディスプレーなどで、お客への情報発信を積極的に行っている(ウォルマート提供画像)。 ハンラハンCEOは、「お客さまは、商品がそこにあるということ、また、青果と精肉の鮮度について自信を持つことができる。AIはこうしたことのために本当に役に立つ」としている。もちろん、それは従業員にとっても、有益なことだ。
 IRLでは、カメラとリアルタイムの分析を組み合わせ、従業員にアプリを通じて在庫がなくなっていること、在庫を補充すべきタイミングを知らせるようになっているという。
 これを進化させていけば、お客の需要をあらかじめ予測し、それに基づいた補充が行えるようになり、お客、従業員にとってメリットが生まれる。
 そのためには初期の段階ではデータ収集をしなければならない。現状はそのデータ収集が行われている状態といえそうだ。

IRLの店の奥ではサーバーが収容されているデータセンターが青い光を放つ。店の奥にあり、ガラス張りで中が見えるようになっている(ウォルマート提供画像)。

全く新しい店をつくるか、現実からの延長で取り組むか

 小売業のテクノロジー活用を考える上ではさまざまなコンセプトが想定されるが、IRLのチームとしては、まずは商品の在庫といった現実的で実用的な問題に取り組んでいるのだという。
 もともとウォルマートは、かなり以前からITを活用し、在庫管理など店舗運営の改善を図ってきた。その意味では、IRLの取り組みは、その延長線上にあり、自然な流れともいえる。
 同社では、この店がIRLであり、特別な店であることを積極的に情報発信しているが、一方で同店は通常のネイバーフッドマーケットとして利用することができる。買物をする場としては、他店と何ら変わらない。
 その意味では、データの収集やAIによるサポートが、こうした通常の買物体験を通じて蓄積されていることは重要なことだ。だからこそ、世界中に多数張り巡らされ、現実に今、稼働している店舗網に対する水平展開にも結び付きやすいということになる。
 スーパーマーケットなど食品小売業は、時に数万にも及ぶアイテム数を取り扱っている。それをセルフサービスで、欠品なく運営することの難易度は、決して低いものではない。
 在庫管理という非常に現実的でベーシックな、しかし極めて重要なテーマの解決法の模索からスタートしているIRL。リアル店舗という資産を多数抱える同社だからこそ、こうしたアプローチで成果を積み重ねることの効果も、その分大きくなる。
 一方でアマゾンは、「ジャストウオークアウト」という全く新しいコンセプトの店をいきなり世に放った。品切れに対する同社の姿勢は定かではないが(時間帯別の品揃えの考え方による許容もあるだろうが)、プライム会員などネットとの連動が図られているホールフーズの売場での取り組みと併せ、食品中心のリアル店舗の戦略は今後、ますます進化していくはずだ。
 そもそもアマゾンの利益構造をみると、どうしても小売業で利益を確保しなければならないというわけではない(図表)。クラウドサービスのAWSが十分な利益を確保しているからだ。その分、じっくりと実験を重ねられる土台が整っているといえる。

  アマゾンとウォルマート。両社のリアル店舗へのテクノロジー活用の取り組みを見ていると、全く新しい店からのアプローチのアマゾン、現実の延長からのアプローチのウォルマートという図式が見えてくる。それは店舗をほとんど持たない者と既に多数の店舗網を持つ者との差であるかもしれないが、極めて対照的なものである。

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cat_oa-shogyokaionline_issue_b27e0ec24a68 oa-shogyokaionline_0_44e1972dd75f_『新型コロナウイルス』影響は1千億円以上!? 影響予測と減収をカバーする対応策は 44e1972dd75f 44e1972dd75f 『新型コロナウイルス』影響は1千億円以上!? 影響予測と減収をカバーする対応策は oa-shogyokaionline

『新型コロナウイルス』影響は1千億円以上!? 影響予測と減収をカバーする対応策は

2020年2月10日 05:00 商業界オンライン

観光客が激減した春節休暇最終日の銀座 例年なら「春節商戦速報」が話題となるこのタイミング。「新型コロナウイルス」は、中国人観光客動向を左右する最も重要なトピックスとなり、市況を一転させた。
 訪日旅行中止が団体旅行に限定されていること、渡航中止が休暇スタートから数日経過していたこと、訪日ツアーが人気となり前年を上回る予約状況であったことから、主要小売店からは「春節期間中の売上げに大きな影響は出なかった」との声が多い。
 主要百貨店の春節期間中の免税売上高は最大2割から5%減と一部報道が伝えたが、これは直近の売上げトレンドと大きな乖離は無く、北海道、東京、名古屋、関西、九州各地には2けた増の売上げを記録している百貨店の店舗もある(USPジャパン独自調査)。このことから、春節期間の売上げに対し、新型コロナウイルスの影響が大きなマイナスを及ぼしたとは言い難い。
 一方、その後の感染拡大により、感染者は10.7万人、死者は3800人を超えた(3月9日12時現在、厚生労働省発表)。「団体旅行のキャンセルが相次いでいる」という声はホテルに限らず、団体ツアーゲストの訪問先となっている空港周辺や郊外のショッピングセンターからも聞かれ、「春節以降、影響は顕著になっている。いずれ、大きな影響になる」のは間違いない状況だ。

収束までは最低でも3カ月間はかかる?

 今後の訪日中国人ゲスト減少の影響を予想するのは簡単ではない。しかし、自体収束までの期間も、影響度の大きさも予測不能ではあっても、リスク想定が必要だ。2003年に発生したSARS感染は、3月12日に世界保健機関(WHO)がグローバルアラートを発令し、封じ込め成功を宣言する7月2日までに3.5カ月を要した。
 SARSと今回のケースを比較すると、封じ込め対応が格段にスピーディかつ驚くほど徹底していることがプラス要因であるものの、発生タイミングの違い(発生時期が早いため、気温・湿度の上昇まで時間がかかる)や、交流人口が格段に増加していることがマイナス要因になっている。これを踏まえると、少なくともSARS同様の3カ月間の影響想定は、最低限のリスクシナリオだろう。
 昨年のこの時期、3カ月間で中国人ゲストが214万人訪日(2~4月)し、3638億円を買物代として消費(1~3月)した。仮に、半減と想定した場合、3カ月で約100万人、1300億円程度の減少。先月までの客数トレンドが約15%増であるため、実際には約135万人、1850億円程度の機会損失になるともいえる。
 事態収束まで長期化した場合や半減以上の影響となれば、損失はさらに大きくなる。これに続く4~6月は、春節時期よりも客数が増加し、消費額は2464億円(昨年4~6月実績)に達する。さらに客数が増加するサマーホリデーシーズンや、オリパラ開催時期までには、何とか収束を願いたい(データは、いずれも日本政府観光局「訪日外客数」および観光庁「訪日外国人消費動向調査」)。

今、小売・飲食業者が取り組みたい2つのこと

 国際観光ビジネスにはさまざまなリスクが付き物だ。これまでにも国際紛争や天変地異、為替変動によって大きな売上げ影響を受ける事例がたくさんあった。こうした環境を前提に、2つの心構えで対応したい。
 1つ目は、リスクが発生することを前提とした計画、つまり事前の心構えだ。今回のようなリスク発生時に、仕入れや店舗運営、宣伝・販促の変更を実施できる体制、負担を最小限に抑えられる柔軟な計画立案が重要だ。
 2つ目は、情報発信・コミュニケーションの継続だ。これは今回の中国市場に限らず、国際関係の冷え込んでいる韓国市場についても言えるだろう。訪日期待が薄くなった時に、急に情報発信を中止し、コミュニケーションをやめる企業は少なくない。しかしながら、ゲスト視点に立てば、都合のいい時ばかりラブコールを送り、苦しい時にいきなりそっぽを向く態度に映ってしまう。尖閣問題発生時にこぞって台湾旅行社にすがったはずの自治体が、問題解決するや否や台湾に背を向け、中国プロモーションを再開した事例がある。その後、台湾旅行社から相手にされなくなったことは言うまでもない。
 ツーリズムは、長期にわたる信頼関係、ブランディングの構築が重要だ。リスク回避のための広告費抑制はやむなしだが、困っているゲスト視点に立った店頭、Webでのメッセージや基本情報の発信が必要だ。
 この客数減少のカバーは重要でありながら難しい課題だ。中国人ゲストは訪日ゲストの3割を占め、このカバーは簡単ではないのだ。韓国・台湾・香港市場は既に飽和状態に近い。

「ASEAN・欧米豪の780万人市場」にも取り組もう

 期待されるのは、ASEAN・欧米豪の780万人市場(年間)だ。この市場は2020年に約1000万人に達し得る伸長率を維持しており、比較的滞在日数の長い有望市場だと以前から言われてきた。しかし一方で、中国人ゲストの半分に満たない単価の低さ、文化や文字、体形、趣味・嗜好まで私たちと似ている東アジアゲストとは異なる、独特な嗜好に対応しなければならない。
 ショッピングに限れば、タイやベトナム・ロシアからのゲストは消費単価が比較的高く、ターゲットとして狙う小売店が増えることも予想される。さらに、注目すべきは、飲食店や食物販での対応による欧米豪、ASEANゲスト誘客策だろう。新型コロナウイルス発生以降、問い合わせが急増しているのがベジタリアン・ハラル対応だ。

世界のフードダイバシティ人口の例 (フードダイバーシティ株式会社調べ) 専門家として全国各地の飲食店、食品メーカーの対応を具体的にアドバイスするフードダイバーシティ(株)の守護彰浩代表は「世界標準で見れば、ベジタリアン、ムスリムがマジョリティ。何でも食べる日本人はマイノリティです」「ラグビーワールドカップ開催時も、ベジタリアン対応した飲食店が、欧米ゲストの集客に成功した」と話す。
 多彩な食文化に慣れ、日本の食に誇りを持つ私たちが見落としてしまう世界のトレンドが食のダイバシティだ。オリンピック・パラリンピックを直前に控えているにもかかわらず、残念ながら「ベジタリアン」「ビーガン」「グルテンフリー」「ハラル」などの表記は、飲食店でも食物販店でも目にする機会が少ない。中国市場激減対応を検討する上で、最優先で取り組む価値のある施策といえる。
 いずれにしても、中国・武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染拡大について、お亡くなりになった方のご冥福と、罹患された方の早い回復を祈り、さまざまな立場で各国の感染防止に取り組む方を応援し、私たち自身も感染拡大の阻止および事態の収束に取り組みたい。

困ったときに役立つ情報とサービスもある

 最後に、冷静な状況判断には、正確な情報の把握が欠かせない。マスコミ報道だけでなく、最低でも政府対応をまとめた「新型コロナウイルス感染症対策」のWebページは把握しておきたい。
 小売店、飲食店店頭における訪日ゲストへの情報提供の観点では、感染が危惧されるお客さまに対応するための情報提供、コールセンター設置を日本政府観光局が行っている。告知用の案内チラシが用意されているので、店頭、レジ周辺への掲示や配布に活用したい。
 当協会が事務局を務める多言語対応協議会小売プロジェクトチームも、中国ゲスト対応を強化した多言語コールセンターを、全国の小売店を対象として、利用料金無料で試行提供しているので活用してもらいたい。

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「就職してもすぐに辞めてしまう」日本の就職市場の問題点と解決策

2020年2月10日 05:00 商業界オンライン

 

なぜ、3年以内に3割も辞めてしまうのか?

 新卒で就職してから3年以内で約3割が会社を辞めてしまう。人口減、人手不足が問題となっている今、せっかく採用した人材が辞めてしまうのは企業としても大きなダメージを負うことになる。
 ではなぜ、このような状況となってしまっているのか。現代の就職活動は、インターネットの求人サイトやハローワークから業界、会社概要、待遇などの表面的な情報を得て、応募→面接→採用するという流れが多い。ここでの問題は企業がしっかりとしたデータを出しているかということ。
 私自身も就職サイトから、その企業が出しているデータを信じて就職したが、実情は全く違った。「月の平均残業時間は20時間」「休みはしっかりと取れる」と記載されていたが、「月の残業時間150時間」「休日出勤は当たり前」。さらに「提示されている基本給の額よりも5万円安い(別途、職能給で5万円)」「聞いていた業務と違う」など、当初の説明とは違うことばかり。就職後1年以内に退職をしたので、この3割に入っている。
 ちょうどブラック企業というワードが騒がれ始めた2014年のことなので、今はこのような企業は減っていると思うが、それでも離職率が3割以上キープしているということは、企業と社員の間にミスマッチが起きている証拠といえる。

注目のリファラル採用の今

 そのような状況で注目されているのがリファラル採用だ。社員に知人・友人を紹介・推薦してもらい採用する手法で、米国では一番使われている採用手法だともいわれている。リファラル採用のメリットは、その企業の雰囲気を知っている人物から現場のリアルな情報を聞けるので、「思っていた仕事と違う」というミスマッチが少ないことだ。企業側も、信頼できる社員からの紹介なので、欲しい人材を採用できるのだ。
 ただ、このリファラル採用、日本で注目されてきたのがここ数年なので課題もある。会社としてリファラル採用の制度を作っても、社員が認知をしていないことが多く、採用数が増えない。社員側も、紹介するまでの手間が面倒、どのポストが空いているのか分からないといった理由から、形式的に導入しても失敗してしまう。
 リファラル採用を行っているが、成果が出ない、行いたいがノウハウがない。このような問題を解決するため、「GLOVER Refar(グラバーリファー)」「MyRefer(マイリファー)」「Refcome(リフカム)」といった、リファラル採用特化型のプラットフォームも存在している。
 今回は、日本で初めてリファラル採用サービスを提供した(株)MyReferでの取り組みを紹介したいと思う。
 (株)MyReferは、リファラル採用活性化サービス「MyRefer(マイリファー)」を運営。中途・新卒・アルバイトと全領域でのサービスを行い、550社以上の企業、20万人以上の社員が利用。富士通の中途採用、モスバーガーのアルバイト採用でも導入されている。
「MyRefer(マイリファー)」を導入した企業の人事は、社員に自社の求人情報やイベントが確認できるマイページを配布。SNSを介して友人を招待することができる。紹介された友人はその企業に興味があれば、社員からの推薦コメントをもらって応募をして、選考に進めるというサービスだ。富士通では導入後、初年度で20人の採用。社員のつながりから、専門職人材、海外エンジニアの採用も成功した。

イベントを通じて感じた「日本の就職活動の未来」

  そんな(株)MyReferは2月5日、「日本初ファッション業界リファラルミートアップ」と称したイベントを恵比寿で開催した。「MyRefer(マイリファー)」を利用している「(株)トゥモローランド」「(株)ベイクルーズ」「(株)ユナイテッドアローズ」に勤めている社員の紹介や、転職フェアなどから応募した45人が参加し、3社合同でのリファラルの取り組みが実現。現場で働く販売員と直接つながり、どんな環境で働いているのか参加者に知ってもらうために開催したようだ。
 イベントは2部構成。1部では3社の販売員・人事担当が「リアル」を語るパネルディスカッション。2部は題して「つながりタイム」、食事を共にしながら現場スタッフと直接つながり、会社の詳しい部分を知ることができる。

  1部のパネルディスカッションでは「自社で働いていて面白い・良い・お薦めできると感じる点」「自社で働いていて大変だと感じる点や他社の良いなと思う点」「会社として働きやすい環境をつくるために工夫している点」の3つのテーマについて、3社9人の人事担当・販売員が語る。それぞれの方が楽しそうに自社のことについて語っているのが印象的だった。
「販売業務だけでなく、自社Webサイトの運営の仕組みまで教えてもらえる」「キャリアが浅くてもさまざまなことに挑戦できる」「右も左も分からないときに、先輩が優しくフォローしてくれる」といった話が飛び交った。
 大変だと感じる点についても、少しオブラートに包みながら話してはいたものの、どのような業務が大変で、どんなことで悩んでいるのかなどが分かり、自分の働く姿が想像できる。
 このディスカッションでは、「販売だけをするかと思いきや、その他の業務が多くてびっくりした」「店頭に立つのが初めは怖かった」と、大変だと感じる部分も包み隠さず話していた。

  2部の「つながりタイム」では、参加者を3つのグループに分けて、1ターム20分で各企業の販売員・人事担当が回る。話を聞いた上で、選考に進みたいと思ったときはその場で申告できる。
 食事やアルコールを口にしながら、リラックスした状態で話せ、仕事以外の話も飛び交っている様子だった。
 このような流れでイベントは終了したが、リファラル採用について、参加者や企業側はどう考えているのか気になったので聞いてみた。このイベントを転職フェアで知ったという、学校で働く女性2人は「楽しく、イキイキ働きたいと思い、転職先を探しています。今日話した社員さんが楽しそうに職場のことを話していることが印象的でした。本格的に転職したいと思うようになりました」と話していた。
 では、企業側はどうなのか。(株)ベイクルーズ 執行役員の吉田光樹氏に聞いてみると、「人手不足の今、転職活動をしている人だけにアプローチするだけでは限界があります。そんな中、『MyRefer(マイリファー)』を導入したことで、採用人数が2倍に増えました。今回のイベントに参加したのは、良い人材と接点が持てることが一番の理由です。参加した方が今、転職の必要がないと感じたとしても、これから先、気持ちが変わってベイクルーズに応募してくれるかもしれない」と語り、リファラル採用と今回のイベントに対して、良い印象を持っていた。
 リファラル採用は、企業側も応募者側も就職する際に知りたい情報が分かる良い取り組みだと思う。新卒離職率が3割以上になり、就職のミスマッチが起きている今、「働き方改革」とともに「働く前改革」も必要なのではないか。今後、日本の就職市場がどのように変わっていくのか注目だ。

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若々しく健康な体を食べるだけで作る!?「スケソウダラ」がお薦めな訳

2020年2月9日 05:00 商業界オンライン

 「筋肉は裏切らない」 今や日本全国に広がった筋肉ブーム。人生100年時代を迎え、若々しく健康なボディの追求は若年層からシニアまで世代性別を超えた共通テーマです。今回は、若く健康なボディをつくる上で話題となっている「特別なタンパク質」を含む食材を紹介します。

ブームの理由は驚くべき健康効果

 練り製品の中で、爆発的に売上げを伸ばしているのが「カニカマ(カニ風味かまぼこ)」です。インテージ調査では、2019年8月のカニカマ販売金額は17年9月の約50%増を記録。食品需要研究センターのデータでは、練り製品市場全体をけん引。水産の練り製品市場でも、17年の減少傾向から18年には1〜2%の拡大傾向へ好転。20年に入ってもNHKなどのメディアで取り上げられ、ブームは続きそうです。
 ブームのきっかけは「スケソウダラを食べるだけで、速筋を増やす効果がある」という研究発表がされたことから始まります。スケソウダラは、タラコの親として知られる白身魚。ボウダラなどは鮮度が落ちやすいため、干物として売られることが多いです。食部の身の部分から水分を除くと、ほとんどが速筋からなるタンパク質です。
 そもそも、「速筋」は、ジャンプや踏ん張るときなどに働きます。加齢とともに減少し、負荷をかけた筋肉トレーニンクで鍛えると筋線維が太くなり増えます。
 速筋は負荷をかける筋肉トレーニングで増やすことが可能ですが、「筋トレは苦手」という人が多いのが現状。「速筋」を鍛えることで体が引き締まり、「見た目の若返り」「便秘解消」「冷え性・基礎代謝アップ」などの効果が期待できます。
 研究発表後、スケソウダラを使用しているカニカマがテレビの情報番組で取り上げられました。筋力の低下は40代から始まるので、シニアだけでなく若く健康的な体を求める30〜50代男女にも、カニカマが幅広く支持されることになったのです。
 この人気は海外にも飛びし、“SURIMI”として、フランスやスペインではサラダやアヒージョなど独自のアレンジで活用されるなどしています。

「スケソウダラ」だからこその3つのメリット
 スケソウダラの大きなメリットは、効率的に筋肉や血液を作り出す「タンパク質合成」が進むことです。※IAAO法スコアによると、タンパク質の利用効率が最も優れているといわれる卵と同等以上に利用効率が良いことが明らかになっています。
※Indicator Amino Acid Oxidation (指標アミノ酸酸化法)。呼気に排 出されるCO2量から、摂取したア ミノ酸がどれくらい体内のタンパ ク質合成に利用されたかを評価す る指標。IAAO法スコアとは卵を100 としたときの比率で、スケトウダラは104。
①食事量が少ない人でもOK
 食事量の少ない子供や、消化吸収能力が落ちてきた高齢者のタンパク質補給にも有効な食材です。もともと、タンパク質合成利用効率が高いので、少量の摂取でタンパク質の補給が可能。研究結果で効果が認められた速筋タンパク質4.5g/日を摂取するためには、スケソウダラの切り身は1/2切れ(約30g)カニカマだとスティックタイプで1.6本(約50g)、フィッシュソーセージで1本(約60g)なので、食事量の少ない子供から、消化吸収能力が落ちてきた高齢者まで食べられます。量が少ない人でも取り入れることが可能。
②腎臓の負担軽減
 タンパク質が分解することで老廃物が発生しますが、タンパク質の利用効率が良いと老廃物を最小限に抑えられ、それを分解する腎臓の負担を減らすことにつながります。
③脂肪増加のリスク軽減
 タンパク質は合成できず余ってしまうと、体内に脂肪として蓄積されます。スケソウダラはタンパク質の合成効率が高いので脂肪になるリスクを減らすことに。

これで健康に!「お手軽レシピ」3選

(1)カニカマむすび:味付けいらず!美ボディ栄養素をワンハンドで

 [作り方]カニカマをほぐしてご飯に混ぜるだけ
 カニカマは、スケソウダラを使った練り製品の中でも、手でほぐしていろいろな料理に使える便利な食材です。最近では抗酸化作用の高い天然色素「リコピン」を着色に使った商品も出ているので上手に選びましょう。
 カニカマはタンパク質の利用効率が高いスケソウダラを使っているので、少量でもタンパク質を補うことができ、塩分を含むので味付けいらず。おにぎりの具に向いている食材です。刻みネギをたっぷり加えると、さらに栄養バランスがアップします。
 ネギに含まれるアリシンはご飯やカニカマに含まれる糖質のエネルギー代謝を高めるとともに、カニカマのタンパク質合成スピードも高めてくれます。ビタミンCたっぷりののりを巻くと、さらにタンパク質合成スピードはアップします。 
(2)ちくわきゅうり:超簡単!塩分カット。食べ応えあるヘルシーおやつ

 [作り方]ちくわにスティック状のキュウリを詰めるだけ!
 おなじみのちくわも「スケソウダラ」を使っており、塩分控えめタイプの商品が多いのも魅力です。スケソウダラはタンパク質の利用効率が高く、使い切れずに残ったタンパク質が脂肪として蓄積されるリスクが低いので、ダイエット中のおやつにもお薦めです。
 キュウリはちくわの塩分を体外へ排出してくれるカリウムが豊富。コンビニの野菜スティックを使うと簡単です。「ちくニンジン」や「ちく大根」もおいしい。歯応えのある野菜と一緒に「よく噛む」ことで、血糖値の急上昇を抑えると同時に腹持ちが良くなります。
(3)魚肉ソーセージのせ油揚げピザ:ロカボ&ダブルタンパク質で筋力アップ

 [作り方]油揚げにピザソース&スライスした魚肉ソーセージ&チーズをのせ、トースターで焼くだけ!
 魚肉ソーセージの原料のスケソウダラは少量でもタンパク質チャージが可能。肉類を使ったソーセージに比べて分解の段階で、老廃物を発生させる飽和脂肪酸が少なく、体への負担を軽減できるメリットもあります。
 ピザソースのトマトには血圧抑制が期待できるGABAや塩分を排出するカリウムが含まれ、魚肉ソーセージの気になる塩分もカットします。大豆製品の油揚げはロカボ食材。油揚げと一緒に摂取すると、スケソウダラの動物性タンパク質と油揚げの植物性タンパク質がそろって「ダブルタンパク質」となり、筋力合成効率が高まる食べ合わせに。筋力アップには欠かせませんね。
 いかがでしたか? 新たな健康効果で見直される「スケトウダラのすり身食材」。種類が豊富ですから、スーパーやコンビニにどんな商品が並べられているか、この機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。

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沖縄ファミリーマートでネパール人留学生が大活躍のワケ

2020年2月8日 05:00 商業界オンライン

テレビCM。ネパール語で「ファミリーマートで働こう」と呼び掛けている(2019年10月放送) 日本全国が深刻な人手不足だが、沖縄県も例外ではない。その状況下、沖縄ファミリーマートの加盟店は、ネパール人留学生を積極的に採用し、その戦力化に成功している。ネパール人留学生が働く店は総店舗数327のうち約50~60店舗、そのうち3~4割の店はネパール人スタッフが10人以上を占める(2020年1月現在。日々、変動あり)。中には、「夕方勤務(夕勤)は全員ネパール人」という店もあるほど。戦力的にも人物的にも、いかに信頼を置いているか十分にうかがえよう。

沖縄で増えるアジア系の外国人
 昨今の人手不足は全国的なものだが、沖縄県の場合2010年頃から厳しさを増した。地域特性からか、コンビニや小売業がもともとアルバイトとして人気薄なことも、アルバイト採用を難しくした。
 反対に、県内にはここ2~3年は外国人、特にアジア系の人が増えた。18年末の県内の在留外国人の総数は約1万8000人で、前年同期比13・7%増。全国でも上位の伸び率である。
 国別では、中国(18年末2600人)、ネパール(同2139人)、ベトナム(同2047人)が上位3カ国を占める(数字は、南西地域産業活性センター調べ)。ネパールは留学生が多く、ベトナムは技能実習生が多い。工場勤務に加えて留学生が増え、例えば県内に日本語学校は10校を超える。もともとネパール人留学生は多かったが、不法就労が問題で一時は人数が減った。昨今、再び勢いを取り戻した感じだ。

マニュアルにふりがな家族のように接する

ネパール人留学生を積極的に活用する、沖縄ファミリーマート こうした状況下、県南部の浦添市に近いある加盟店がネパール人留学生をアルバイトとして採用する。もちろん、同社にネパール語の作業マニュアルなどない。もっとも、日本の全ての流通業がそうだろう。
 オーナーは、日本語のマニュアルに一語一語平仮名でふりがなを振り、留学生が一人で読んでも理解できるようにした。その上で、マニュアルの内容について、膝を付け合わせ一つ一つ丁寧に教えた。また、イベントの際は、行事の起源や仮装の目的について、例えば「なぜクリスマスには赤い帽子や服を着るのか」も丁寧に説明を加えた。何より配慮したのは、働く仲間として家族に近い者として接することだ。
 当然、文化の違いはある。例えば、シフトの入った当日に急な休みを求められた場合も、頭ごなしに注意することは避けた。「あなたの気持ちは分かるけど、あなたに休まれるとみんなが困るよ」と説明する。すると、代替のメンバーを自分で探してきた。

お客のいないときはネパール語もOK
 こうしたやり取りを日々重ねることで、オーナーは留学生の信頼を得た。すると、その留学生は自分の学友を次々と店に紹介するようになった。仲間が増えると、オーナーの負担も軽くなった。例えば、中心となる留学生に伝えると、ネパール人同士で情報を共有してくれる。同様に全スタッフに向けた日本語の告知も、オ-ナーが頼まなくても、ネパール語に翻訳してくれる。もっとも、オーナーも本部もネパール語が理解できないので、翻訳内容を評価できないのは痛し痒しだ。
 オーナーも、仲間を紹介してくれた厚意に応えた。例えば、レジスペース内では日本語が原則だが、接客時を除きネパール語を使うことも認めた。ネパール人同士、円滑に仕事を教え合うためだ。シフトを組む際も、可能な限り同じ時間帯にネパール人が複数入るように配慮した。

本部はテレビCMで加盟店の採用を支援

 以上は複数の加盟店で実際にあった話をまとめたものだ。オーナーが労苦を惜しまず、また臆せず、最初のネパール人留学生に対応したことが店の窮地を救ったといえる。
 一方、沖縄ファミリーマート本部も、加盟店の採用を支援する布石を打ってきた。
 その一つが、18年春よりオンエアした沖縄ファミリーマート独自のテレビCM。ファミリーマートの手軽さ、親切な教育を、主婦や学生などターゲット別にアピールした。シリーズ物でこれまでに計6本制作されている。ネパール人留学生が増えたことを受け、ネパール人の俳優が出演したものもる。

ネパール人(俳優)が、新人のネパール人スタッフを研修している(2019年10月放送) 加盟店オーナーの評判は良好だ。「CMを見たから」とネパール人から問い合わせ電話が増えたという。さらには、日本人から問い合わせの電話が鳴ったのは大きな変化だ。ここ2、3年、日本人は応募どころか問い合わせの電話すら1本もなかったのだ。オーナーが驚くのも無理もない。
 ファミリーマートが買物だけでなくアルバイト先でもある。沖縄の地でそう認知されるようなったことは、今後の採用に期待を持たせる。

地域特性を商品開発にも反映させる。写真は、スパム(ハム)をご飯で巻いたポークたまご この独自CMに限らず、沖縄ファミリーマートは地域特性を経営に反映させてきた。例えばそれは商品開発であり、『フラチキ』のように沖縄ファミリーマートから全国のファミリーマートへと拡散した商品もある。一方で、東京本部、店頭やオーナーとの情報交換にも余念がない。
 現在、日本全国で約140万人の外国人が働いている(図①)。その数は増え続けており、外国人が増えているのは沖縄県に限らない(図②)。ただ、彼ら彼女らを店の戦力に生かせるかは、まずは人としての誠意ある対応、そして組織の理解と支援に大きく左右されよう。

図① 国籍別外国人労働者の割合(146万人)2018年10月現在 厚生労働省調べ 

 

  • 企業名/沖縄ファミリーマート
  • 代表者名/野﨑真人
  • 本部所在地/沖縄県那覇市港町3丁目4番18号
  • 店舗数/327店舗

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cat_oa-shogyokaionline_issue_b27e0ec24a68 oa-shogyokaionline_0_586f7c9dcc11_「社会派化粧品」クレコスをつくりあげた暮部恵子さん 586f7c9dcc11 586f7c9dcc11 「社会派化粧品」クレコスをつくりあげた暮部恵子さん oa-shogyokaionline

「社会派化粧品」クレコスをつくりあげた暮部恵子さん

2020年2月8日 05:00 商業界オンライン

  3日間で28講座、延べ時間にして約38時間。集合型研修としては国内で最多のプログラムと時間数を誇る『商業界ゼミナール』。
 もちろん、これには並行講座も含まれており、1人で聴講できる時間となるとその半分も満たしません。そのため、企業によっては複数名を参加させることで、できるだけ多くの講座を分担して受講、直後に共有する企業や団体も多いのです。
 違う企業に属す仲間でも、連夜行われる車座商人塾のような交流会で受講内容を共有できるのも『商業界ゼミナール』。こうして学びや気付きの数を増やし、「今、わが社、わが店で実践できることは何か」をつかみ取る3日間とするのです。

※第88回の『商業界ゼミナール』については「こちら」 から
 この『商業界ゼミナール』に毎年参加している暮部恵子さんも、会期中、「女性同友会」の集まりを主催します。暮部さんは、国産オーガニック化粧品メーカー「クレコス」の経営者。同社は、人を、地域を、社会を美しくする「社会派化粧品」と位置付けられています。暮部さんがクレコスをつくりあげた理由、商業界で得た学びと共通する理念とは何かを紹介します。

人だけでなく、地域、社会を美しくする

 クレコスをはじめとする「社会派化粧品」の数々とその取り組みは、萩原健太郎さんの書籍『社会派化粧品』(発行 キラジェンヌ)を通じて紹介されています。同書の一部を引用します。
「この本で紹介している化粧品は、国内外で広く流通しているものとは一線を画する。素材を厳選し、ていねいにつくっていることから、ナチュラルコスメ、オーガニックコスメ、ご当地コスメなどと呼ばれるが、本書は、人を心身から美しくするだけではなく、地域を、社会を美しくする化粧品という思いを込めて、『社会派化粧品』と名づけた」(同書2ページ)。
 商人には想像力が大切です。それは実際には経験していない事柄などを推し量る力。自分ではない“お客さま”の気持ち、心、ニーズを推し量り、それを叶えるようと努めること。
 商業界創立者、倉本長治はそれを「客の心を心とせよ」と表現しました。
 お客さまの心を、自分の心と同じようにしっかりと理解し、寄り添い、その思いに応えることが真の商人の務めであるということです。
 命に直結する“食”には多くの人が強い関心と共感を持ちますが、それ以外はどうでしょうか。自身がほとんど関わりのない対象には、その重要性に思い至ることは少ないのではないでしょうか。その拙さに、本書は気付かせてくれます。
 対象とは化粧品。本書とはジャーナリスト、萩原健太郎さんによる『社会派化粧品』。全国各地で、その土地ならではの資源を活用し、素材を厳選し、丁寧につくられる化粧品を取材、作り手たちの物語を紹介することで、使い手の心身を美しくすることはもちろん、地域や社会をも健やかにする化粧品が芽吹き、花を咲かせていることを知ることができます。
 その先駆者の一人が、生産者の顔が見える国産自然原料を特徴とする化粧品会社「CRECOS(クレコス)」の暮部恵子さんです。

母なる大地の恵みをまっすぐ肌に届けたい

 同社の企業理念は『大地母』。同社のホームページにはこうあります。
『株式会社クレコスは単に化粧品をつくっている会社ではありません。
私たちの化粧品は、いつも農業と深く結びついています。
日本人に日常的に愛用されてきた「和」の植物原料にこだわる思いが生産者の思いと重なりました。
おいしい食べ物と同じように母なる大地の恵みをまっすぐ肌に届けたい。そして、
母から娘へ受け継がれてきた大切な「もの」や「こころ」も伝えていきたいのです。
その気持ちを「大地母」という言葉に託します』
 1993年創業の株式会社クレコスは、創業者であり、現会長の暮部恵子さんのある思いから始まりました。
「自分の娘に、心から信頼して薦められる化粧品をつくりたい」
 創業前、暮部さんは働く主婦として、ある自然派化粧品の販売に携わっていました。
「しかし、中身を調べると、無添加を謳いながらも、あたりまえのように石油由来の成分が含まれていた。自分が納得できるもの、娘に安心して使わせるものがないなら、この手で作るしかない」(71ページ)

「お客さまの幸せのために実践できることを見つけ合いましょう」

 よく「世のため、人のため」という言い方をしますが、それは半面正しく、半面間違っているというか順序が違います。
 まずは身近な一人のために最善を尽くしたとき、その先に世のためが実現します。
「人のため→世のため」の順序でこそ、その営みは広がり、続いていく熱量を持ち得るのではないでしょうか。そして、その熱量を持ち得えない「世のための営み」は、本当の「人のため」でもありません。
 このとき大切なのが「客の心を心とせよ」とした想像力。
 人の集積が世であり、世とは究極のところ人そのものであることをわが事として認識できる力です。
 本書にはクレコスの他にも、こうした想像力に富み、そのために行動する社会派化粧品の作り手たちが登場します。公益性、時代性、そして革新性を備えた彼、彼女たちを知ることは、これからの商いを考える上で欠かせません。その取り組みについては、ぜひ『社会派化粧品』をお読みください。
 そして、88回目を迎える『商業界ゼミナール』には、全国から多くの商人が集います。
 業種、業態、企業規模、店歴・社歴はさまざまですが、一つ共通していることは、「店は客のためにある」の実践に日々取り組んでいること。暮部さんは今年も学びに訪れます。26日には「女性同友会」での学びの場を企画しています。
「女性だけではなく、男性も大歓迎。私たちの会ではスイーツも楽しみながら、気軽にお客さまの幸せのために実践できることを見つけ合いましょう」と暮部さんは語ります。あなたもぜひ、真剣でありながら、かつ親しみやすい「商人の道場」にお越しください。

※暮部さん主催の「女性同友会」もある『商業界ゼミナール』は「こちら」

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cat_oa-shogyokaionline_issue_b27e0ec24a68 oa-shogyokaionline_0_f12fab89de31_スーパーマーケットで「店内製造サラダ」が増加中! f12fab89de31 f12fab89de31 スーパーマーケットで「店内製造サラダ」が増加中! oa-shogyokaionline

スーパーマーケットで「店内製造サラダ」が増加中!

2020年2月7日 05:00 商業界オンライン

サミットの最新店、大田大鳥居店の「フレッシュサラダ&カットフルーツコーナー」。青果売場先頭部分にバックヤードを設けて設置。サラダとカットフルーツを製造、販売している。 スーパーマーケットとコンビニの大きな違いに、それなりの規模での店内加工をするか否かの違いがある。揚げ物などを中心に、惣菜については店内で加工する商品を強化するコンビニもあるもの、特に生鮮についてはスーパーマーケットの差別化要素として大きな存在感を持ち、それは今後も変わらないと考えられる。
 昨今では、人手不足も深刻化していることもあって店内作業の加工をプロセスセンターなどの外部に切り替える動きも活発化している。一方で、アウトパックを増やすことはコンビニとの差別化要素を減らしていくことと考えることもできる。また、店内加工の設備や技術は、一度なくしてしまうと教育面も含めてなかなか取り戻すのが難しいと考える企業もある。
 そうしたこともあって、スーパーマーケットの戦略として、「グロサリーや日配など加工食品については発注、陳列作業をできるだけ効率化」しつつ、その効率化した成果も生かして「生鮮の中でも自社の強みを発揮できる分野についてはむしろ店内加工を強化し、差別化を図る」という方向性が明確になりつつある。2020年は、どこを効率化し、どこにより人時を含めて注力するかという企業の戦略がよりはっきりしてくるだろう。
 このような中、差別化要素として多くの企業が強化するのが、そのまま食べられる「即食」商品の分野だ。これは、必ずしも惣菜だけに限らない。青果、鮮魚、精肉の生鮮部門においても増加中で、しかも注力分野になっている。

青果部門が手掛け、100円以下のワンコインで展開

 特に昨今、ブームのような状況になっているのが、青果部門が手掛ける「店内製造のサラダ」だ。
 もちろん、既に古くからカップに入ったサラダはコンビニをはじめ、多くの業態でバラエティ豊富に品揃えされている。スーパーマーケットとしてもかなり古くから品揃えされている商品群ではある。
 歴史的には20年以上前の1998年、「ミールソリューション」を戦略的に具現化することで業界をリードしていた首都圏の有力企業のヤオコーが店頭に「サラダステーション」というコーナーを明確に設置。精肉や鮮魚の素材を用いた店内加工のサラダを商品化し、一カ所で展開するというコンセプトでの展開を開始し、その後、多くの企業で取り入れられることになった。
 一方で、冒頭でも触れた通り、店内で製造するためには多くの人時を必要とすること、また、同時にアウトパックの商品化レベルの向上もあって、特にヤオコーなどは近年にかけて、次第に商品のアウトパック化を図ってきている。
 今回の動きは、その流れに対し、再度、店内加工にこだわっている点に特徴がある。首都圏の企業ではサミット、マルエツ、カスミが代表的な存在だが、共通しているのは改めて専用の作業場を設け、青果部門として店内加工をしている点、また、価格帯を本体価格で100円を下回る水準から設けている点などだ。
 中でもサミットはこの動きを先導している企業といえる。同社は昨今では新たなマーチャンダイジング(MD)への積極的な挑戦で業績も好調、全国的な注目度も増すなど、勢いのある企業だ。
 現在のサミットの新店では青果売場での「フレッシュサラダ&カットフルーツコーナー」は必須の機能となっている。11年11月オープンの成城店(東京・世田谷)から設けられ、それ以降の新店、改装店で導入されるようになっている。
 青果売場の一角に、あえて加工していることが見えるように加工場を設置し、その前のケースで販売することで、店内で製造していることをアピールしながら販売。商品としてはトマトを強調した野菜のみのものから魚、肉などを載せたものまで多彩だ。

サミットの店内加工のサラダ。本体価格98円からという手頃な価格で、さまざまなサラダが並ぶ。肉や魚の素材を載せたサラダも展開。

店内加工の設備自体が大きな資産

マルエツでは青果部門の管轄。江戸川橋店では初めて、もち麦や豆類などトッピングに使える商品などを上段に陳列。 また、少子高齢化が進む中、関心が高まる「健康」をサポートするための商材として野菜に着目し、改めてサラダを強化しているのがマルエツだ。
 同社はスーパーマーケットを展開する単独企業としては日本で最多となる300店を首都圏で展開する企業だが、都心部を中心に小型店も多く、青果売場に衛生管理のできる生食用の作業場を作ることができる店舗は限られている。
 しかしながら、新店を含め店内製造を模索しており、そのために改めて商品を開発した他、店内製造できない店についても19年9月1日からアウトパック供給を活用しながら同様の商品を全店展開できるようにした。アウトパックの製造の商品については、メーカーの専用工場に規格を指定して製造委託している。
 店内を含めた加工によって付加価値を高めたサラダを売り込むことによって、値入れ、荒利益の面で青果部門に貢献をもたらすことも同社としては大きいという。お客の買いやすさを重視し、青果、惣菜、精肉売場など多カ所展開で積極的に売り込んでいく方針だ。また、特に都心部に多くの店舗を持つ同社にとっては、青果の設備に限らず、店内加工ができる設備を持っていること自体が大きなアドバンテージとなる。マルエツとしては、店内加工の設備という資産を生かしたさまざまな展開が期待できると意気込む。

即食のくくりで、惣菜売場でも同じ店内加工のサラダを展開。もう1品として気軽に買える98円ラインの商品に大きな支持があるという。 カスミも、グループのマルエツと歩調を合わせるように店内加工のサラダを強化中だ。同社は、久々の新店となった19年11月22日オープンのフードスクエアカスミライフガーデンみどりの店(茨城県つくば市)、翌週の11月29日オープンのフードスクエアカスミ三芳店(埼玉県三芳町)からMDを大きくに変えた。

カスミのデリカ売場に設置された青果部門が管轄するサラダコーナー。売場と作業場はデリカ売場のバックヤードに設置している。「生鮮の総デリカ化」をテーマは特に生鮮、デリカの即食、簡便、健康、個食のカテゴリーを強化。生鮮、デリカの売上高構成比を50%以上、具体的には52~53%にまで高め、店に独自性を出していくことを目指す。
 店内加工のサラダの強化もその方針の一環だが、カスミの特徴はアウトパックを活用しながら、商品力の強化と売場の充実を図っている点にある。生鮮、デリカで独自性を出すためには、ある程度人時などもかける必要性が出てくる。その部分については、アウトパックや業務改革を通じたローコストオペレーションによって効率化を図ることで人時を確保し、独自性を出すための新たな挑戦の部分に充てていくという考え方だ。
 サラダはデリカ売場にコーナー化しているが、管轄は青果部門。売場では、店内製造した付加価値の高いサラダを展開しつつ、グループ会社のカスミグリーンが製造したアウトパックの商品を値頃感ある98円(本体価格)から展開。店内製造とアウトパックを組み合わせながら、「サラダ」としての売場を充実させている。

カスミの店内製造のサラダ。サラダについては、カット野菜を含め現在のところ青果部門が管轄しているが、今後、即食の商品はデリカ、素材として用いるものは青果といった形で振り分ける予定。 さらに店内製造のサラダについては、下に敷くベースの部分はアウト加工の商品を活用し、上に載せるものを店内でカットするなど、1つの商品の中でもアウトと店内での加工を組み合わせている他、店内製造の設備についても検討の結果、青果ではなくデリカのバックヤードに設置することにしたといい、店内、アウト、さらに部門を越えた柔軟な対応が行われていることが分かる。

カスミでは本体価格98円の商品はグループ会社のカスミグリーンが製造。 新潟県を地盤に北陸を中心に店舗展開を図る原信は、食卓への登場頻度が高いという意味でサラダに注目し、「365×3 サラダライフ」と名付けられたコーナーを展開している。店内製造の商品を含め、青果部門に限らず、非食品を含めたあらゆる部門から「サラダ」に関連した商品を集積。「365×3」というのは文字通り、「毎日、3食」を示している。
「健康」という、これからの日本でより関心が高まる分野のイメージも強く、さらに食卓への登場頻度の高い、よりベーシックな商材である「サラダ」。スーパーマーケットとしての役割を考えたとき、商品レベルを含めて差別化を図るための鍵になる商品群として、少なくない企業が「サラダ」を明確に位置付け、強化している動きには注目すべきだ。

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7月からレジ袋有料化!ユニクロは今、紙製レジ袋無料!あなたの店はどうする?

2020年2月7日 05:00 商業界オンライン

 

全ての小売店が対象です!

 今年の7月1日から全ての小売店のレジ袋(プラスチック製買物袋)が有料化されます。この目的は「消費者がその商品の持ち運びに用いるためのプラスチック製買物袋を有料で提供することにより、プラスチック製買物袋の排出の抑制を推進すること」。
 対象事業者は飲食料品から衣料、スポーツ用品、家具、医薬品、化粧品、娯楽用品、たばこ、自動車部品等、消費者に直接販売する小売業者。主たる事業(売上金額)が小売業でない製造業やサービス業等でも、容器包装して消費者に販売する事業者は対象になります(フリーマーケットのように反復継続性がない場合は対象外です)。

「有料化と認められないケース」に注意
 有料化とは「プラスチック製買物袋を提供する際に、一定の対価を徴収すること」をいいます。現在よく行われているのが、買物袋が必要ない消費者に対し「商品価格を値引きすること」や「ポイントを付加すること」ですが、これは有料化に該当しないので認められません。
 また、「プラスチック製買物袋の価格を消費者に明示せずに商品価格と買物袋を一体価格にすること」も認められません。「複数枚のプラスチック製買物袋を提供する際に、一定枚数を有料で提供しつつ、その他の袋は無料で提供すること」も認められません。
 消費者からすると、マイバックを持参したら「今までは2円引きだった」「ポイントが付いた」のに、7月からはこうした「ささやかなお得感がなくなった上、キャッシュレス還元も終了する」ことになるので、気分的には落ち込むでしょう。

紙袋など無料でもよい袋もあります
 今回、有料化の対象となる買物袋は「消費者が購入した商品を持ち運ぶために用いる、持ち手のついたプラスチック製買物袋」で、実は有料化の対象外の袋がある点が複雑なところ。7月1日以降も無料で提供してよい袋には次のようなものがあります。
・景品、商品、試供品、商品券、切手、入場券等を入れる袋
・クリーニングを入れる袋
・生鮮食品(肉や魚等)等を入れる持ち手のない袋
・複数の細かい商品をまとめるために使われる持ち手のない袋
・衣類などの商品を保護するために包む持ち手のない袋
・調剤された薬剤の薬袋
・陳列されている時点で袋詰めされている袋
・消費者が事前に拒否できない通信販売の商品を入れた袋
 その他、「紙袋」「プラスチックのフィルムの厚さが50マイクロメートル以上のもの」「海洋性分解性プラスチックの配合率が100%のもの」「バイオマス素材の配合率が25%以上のもの」も有料化の対象外。紙袋のような対象外の袋は無料でも有料でも構いません。
 これに対して、プラスチック製買物袋の販売価格は1円未満は無効で、2円~5円程度という指針は示されていますが、価格設定は自由です。

「競合が無料なのに自分たちは有料」は難しいが……
 昨年7月3日付朝日新聞デジタルでは「ユニクロを展開するファーストリテイリングは3日、プラスチック製のショッピングバッグを9月から紙製に切り替えると発表した。紙製の削減も目指し、ユニクロとジーユーの国内全店舗でショッピングバッグは来年(2020年)1月14日から有料化。1枚あたり税抜き一律10円とする」と報道されています。
 ところが実際は、今年2月2日現在、紙製レジ袋は無料で提供されています。筆者が店舗の従業員に「いつから有料になるんですか?」と尋ねると「分かりません」という返事でした。
 紙袋が無料で提供されている代表的な小売店は百貨店。その他、ベーカリーの一部でも紙袋を無料で提供している店もありますが、一般的な小売店はコストの高い紙袋をレジ袋として無料配布することは難しいでしょう。
 しかし、商売となると話は別です。ユニクロが紙袋を無料で提供するのに、しまむらはレジ袋を有料にできるでしょうか。もちろん、プラスチック製なら無料にできません。そうかといってコストの高い紙袋を無料で提供すれば利益が減ってしまいます。

無料の紙袋より1円のプラスチック製の袋!?

 その他の小売店でもレジ袋有料化の対応が難しい業種があります。
 キオスクで弁当やドラッグストアで生理用品を買う場合はどうするのでしょう。
 出張や旅行の際、弁当を購入するのに弁当用のマイバッグを持参する消費者は少ないでしょう(これはコンビニで弁当や惣菜を購入する時も同様)。持参してもマイバッグの中が汚れるのは困りますし、弁当を入れる袋はゴミ袋として使いたいでしょう。
 10kgの米を買った時、そのまま運んで袋が破れたら中の米が大量にこぼれてしまいます。家電量販店やホームセンターで大きな商品を購入した時、マイバッグには入らないでしょう。また、ホームセンターで花や植木を買った時、マイバッグに入れるでしょうか。
 そもそも消費者はプラスチック製レジ袋を持ち帰り用としてだけでなく、ゴミ袋としても使いたいのです。紙製よりもプラスチック製の方が使い勝手が良いので、無料でなくても欲しいのがプラスチック製の袋なのです。
 そう考えると、「紙袋無料」より「プラスチック製買物袋1円」の方が喜ぶ消費者もいるかもしれません。
 あなたの店はどうしますか?

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PPIH 20年6月期の売上高は25.7%増 1兆6700億円と上方修正

2020年2月6日 18:00 商業界オンライン

  2月6日、ドン・キホーテ、ユニー、長崎屋などを傘下に持つパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)は2020年6月期第2四半期決算報告と併せて、事業活動の現状およびグループの中期経営計画の説明会を開いた。

通期連結業績予想を上方修正

  第2四半期の決算は連結売上高は8587億89百万円で前年同期比67.3%増、営業利益は451億13百万円で50.3%増の通期予想の66%達成、経常利益は455億55百万円で28.9%増。親会社株主に帰属する四半期純利益は288億90百万円、22.3%増となった。ROE(株主資本当期純利益率)は17.6%、自己資本利益率は15.0%超(年換算)となった。
 通期連結業績予想は売上高1兆6700憶円、前期比125.7%、営業利益720億円、114.1%、経常利益720億円、105.5%、当期純利益460億円、97.7%といずれも前回予想を上方修正している。
 連結売上高は、頻繁に発生した異常気象と消費税率引き上げの悪影響が、商況を翻弄し続けた中で、既存事業は踏ん張りを見せて、さらにユニーグループのフル連結の数値が寄与した。
 新規出店国内5店、同海外4店、閉鎖2店、ユニーのMEGAドン・キホーテへの業態転換13店で、第2四半期末店舗数は700店になった(前第2四半期末は429店、前期末は693店)。

新中期経営計画『Passion 2030』を発表

 グループの中期経営計画として、2020年を達成年度とし『ビジョン2020:売上高1兆円、店舗数500店、ROE15%』を目標としてきたが、全項目について2019年6月期に前倒しで達成した。
 そこで2030年を達成目標とする新中期経営計画『Passion 2030』を発表。「顧客理解を深め、顧客最優先主義を徹底することによる企業価値向上」により国内2兆円体制、海外1兆円体制の売上高3兆円、営業利益2000憶円を実現するとしている。
 吉田直樹新社長からは、その支援戦略として、デジタル化推進、ダイナミックプライシング、CRM戦略を進める「マシュマロ構想」を推進すること、自社の課題はコミュニケーションにあること、カンパニー制の導入、デジタル化の推進、ユニーの子会社による金融事業への参入、PBによる高い荒利益率の確保、海外出店などの施策の説明があった。

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