cat_oa-rp96697_issue_9370cd16a051 oa-rp96697_0_9370cd16a051_早くもブレイクの兆し!! 新米お天気キャスター武藤彩芽の1日に密着 9370cd16a051 9370cd16a051 早くもブレイクの兆し!! 新米お天気キャスター武藤彩芽の1日に密着 oa-rp96697

早くもブレイクの兆し!! 新米お天気キャスター武藤彩芽の1日に密着

2020年12月10日 18:00 WANI BOOKS NewsCrunch

2020年4月に番組デビューをすると瞬く間に『ウェザーニュースLiVE』ファンの間で、美しすぎると話題となった武藤彩芽さん。そんな新人お天気キャスターの武藤さんに、ウェザーニュースLiVEの魅力やキャスターという仕事のやりがい、オフの過ごし方についてじっくりと伺いました。

ウェザーニュースLiVEは視聴者との距離感が近いのも魅力

――2020年の4月から、ウェザーニュースLiVEでキャスターとして活躍中の武藤さんですが、まずはウェザーニュースLiVEを知らない方もいらっしゃると思うので、簡単にご紹介をお願いします。

武藤 ウェザーニュースLiVEは、全国のお天気や気象情報などを、毎日24時間配信をしている番組です。深夜以外の時間帯を「モーニング」から「ムーン」まで6つの番組に分けて、日替わりで11人のキャスターが担当して、繋いでいく形で放送しています。

配信中にチャットや写真など、視聴者さんからの情報提供もいただいているので、視聴者さんとの距離感が近いのも魅力の1つだと思います。あ、ちなみに視聴者さんのことを弊社では「サポーター」と呼んでいます。

――24時間配信は大変ですね。6つの番組それぞれに違いはありますか?

武藤 端的にいうと、スピード感が違います。モーニングは忙しい時間帯なのでコーナーが細かく、いつ見てもその日のお天気情報を発信しています。

逆に「サンシャイン」から「コーヒータイム」は少しゆったりとしていて、ひとつのコーナーも長いです。「アフタヌーン」から「ムーン」は、お仕事や家事が終わった方が多いので、今日のお天気の振り返りと明日の情報をお伝えするなど、その時間帯にあった伝え方で情報をお届けしているのが特徴です。

私はまだ、モーニングとムーンは担当したことがないので、今後やってみたいですね。


――チャットでのサポーターとのやりとりも魅力ですが、リアルタイムだからこその楽しさや難しさはありますか?

武藤 最初の方は、全然コメントを見る余裕がなかったですね。“コメントで参加頂いた方もありがとうございます”くらいしか言えなくて(笑)。

最近はコメントを見る余裕もでてきて、少しずつですがキャッチボールをしながら進行できるようになりました。でも顔が見えないやり取りで、文字だけだと感情がわからないので、どういうテンションなのかわからなくなることも(笑)。

あとは緊急事態が発生したときに、必要な情報を瞬時に判断するのがすごく難しいですね。先輩方は判断が早いので、尊敬しています。

――初出演から約半年が経ちましたが、今でも緊張はありますか?

武藤 極度に緊張することはなくなりました! デビューする前に研修があって、そこである程度の勉強とレッスンをしたんですけど、最初は不安で不安で……(笑)。通常より1時間も早く出社して気持ちを落ち着けていましたね……。

今でも緊張感はあります。毎日、天気は変わりますし、晴れでも、雨でもどんな天気でも、同じ天気は二度とないので、毎日勉強です。

――確かにそうですね。研修は具体的に何をしたんですか?

武藤 3時間の生放送なので、フリートークをすることが多いんです。なので、その練習が多かったです。これが結構きつくて……(笑)。

例えば、“ここにある水について3分話してください”とお題を出されたら、ひたすら制限時間内、話さなければいけないんです。水とかは話しやすいんですけど、カップの飲み物についてるスリーブについて5分話すっていうお題は、もうお手上げでした(笑)。私は、それがスリーブっていう名前ということも知らなくて、“なんだこれは……”って、固まってしまったのが苦い思い出です(笑)。

――スリーブで5分はきつい(笑)! 番組内のフリートークは、その研修で鍛えられたんですね。

目覚めから就寝まで『あやめの1日』を初公開!

――ここに紙があるのですが、武藤さんの1日をグラフで書いてもらいたいのですが……。

武藤 わかりました! でもどうしよう……。初めて書きます……。出演時間によって変わるからなぁ~! あ、でも今まで担当が多いコーヒータイムの場合でも大丈夫ですか?

――もちろんです!

武藤 う~ん。(いきなりペンで書こうとして)やっぱり、これ下書きしてもいいですか(笑)? コーヒータイムは8時出社だから、5時には起きて……。番組に出たらこの時間には帰るから、晩ごはんはこの時間。それでお散歩をして、寝る前には絶対ドラマタイムがあるし……。できました!!


――とても丁寧に書いていただいて、ありがとうございます! グラフを見ながらお話しさせていただきますが、11時に番組スタートのコーヒータイムだと5時には起きていて、かなり早起きですね。

武藤 そうですね。準備とか朝ごはんの時間を考えると、大体この時間に起きるようにしてます。最近は朝食にバターコーヒーを飲むのにハマっていて、毎朝バターコーヒーにプロテインと豆乳を入れて飲んでます。ダイエット効果があるみたいなので!

私はまだ担当したことがないのですが、モーニングの方は深夜1時とかに出社されているので、私は全然ですよ。

――それもすごいですね。そして出勤して番組準備から、出演という流れなんですね。番組出演以外にも他の業務はありますか?

武藤 ウェザーニュースLiVEは、見て下さっている方からのリポートを番組内で紹介するんですが、使用させていただいた方へのお礼のメールは、担当キャスターがお送りしています。

――おぉ! 武藤さんが直接返信をしてくれているのですね。それはサポーターも喜ばれるのでは! ウェザーニュースLiVEならではの距離感ですよね。そして帰宅してから晩ごはんもかなり早いと、寝る頃にお腹空きませんか?

武藤 そこはいつも闘いです! お腹は空くんですけど、寝る6時間前までに食べるのがいいらしいです! なのでいつも我慢して頑張っています(笑)。


――そしてお散歩の箇所に、ひときわ目を引くイラストが……。

武藤 うちの愛犬ですよ(笑)! だいたい毎日1時間半~2時間は一緒にお散歩しています。私もお散歩好きですし、うちの子もペキニーズとトイプードルのミックス犬のペキプーなんですけど、結構パワフルで(笑)。行き1時間、帰り1時間で2時間くらいはいつもしてますね!

――失礼しました(笑)。こうやってみると、すごく健康的なサイクルですよね。食事もですが、就寝前にもストレッチなど健康に気を使ってるんですね。

武藤 そうですね。やっぱり体が基本ですし、見られるお仕事なので意識はしています。それにしても、こんなに寝るの早いのは社会人として大丈夫かな(笑)。


――早寝早起きはいいことですよ。そういったことは、なかなか聞く機会がないのでファンの方には新鮮だと思います。


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なぜ日本のテレビは海外の“いいところだけ”紹介するのか?

2020年12月10日 07:00 WANI BOOKS NewsCrunch

日本のテレビ番組において、海外の“良いところ”が大々的に紹介されることは少なくない。コロナ禍におけるオンライン授業の各国対応が絶賛されていたのも、記憶に新しいところだ。しかし、現地の人からすると、“ある上層部分”だけを切り取った報道の仕方に違和感を覚えることも多いようで……。日本のテレビの報道姿勢に、元国連職員でイギリス在住の谷本真由美氏が切り込む。

※本記事は、谷本真由美:​著『世界のニュースを日本人は何も知らない 2』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

「海外の学校はIT化が当たり前」という大誤解

2020年の春先、あるテレビ番組で、新型コロナの影響を受け、休校措置をとった各国の教育現場の様子が紹介されたところ、アメリカやイギリス、中国の対応がネットで話題になりました。

私が驚いたのは、番組を視聴した人の多くが、それらの国のすべての学校がIT機器を揃えて、休校中に素晴らしいサポートを提供しているという印象を持ったことです。

この番組は、日本の視聴者にたいへん大きな誤解を与えたと感じました。

勘違いしてほしくないのは、イギリスもアメリカも、もちろん他の先進国も、日本では考えられないほど教育格差が大きいということです。

イギリスについていえば、私立と公立の教育格差は凄まじく、私立学校の教育内容は公立学校の3年以上も先をいっていることもあるほどです。算数や英語の授業だけではなく、音楽や体育もそうですし、そもそも学校の設備もまったく違います。

私立の学校は温水プールがあることもめずらしくありませんが、公立ではそのような施設はないところがほとんどです。美術や音楽の授業も、公立では皆無に等しいといってもいいくらいです。一方の私立では、たとえば音楽は個人レッスンが当たり前というところもあります。

麻薬抗争や殺人事件も起きる「底辺校」のリアル

さらに公立学校間の格差も凄まじく、住んでいる地区によって学校のレベルが大きく異なります。トップ校は全国統一試験で首位を競うほどなのに、底辺校は刑務所帰りの生徒がいたり、学校の周りで麻薬取引が行われていたり、ナイフで生徒同士が抗争を繰り広げていたり、といった感じです。


とにかく「底辺」のレベルが、日本とは比較にならないのです。反対に「トップ」のレベルも日本とは雲泥の差といっていいでしょう。私立の場合、学費は1年間で500万円や600万円というところも存在します。これでは日本と比べものにならないくらい教育格差が生まれるのも当然です。

ですから、番組で報じられたなかで、あまり治安がよくなく貧しい地区であっても、休校中の対応が良かった学校は、たまたまその自治体の予算が潤沢だったり、底上げのために教育実験校のような形で特別な支援が行われていたり、といった可能性が高いでしょう。

少なくとも、その番組で報じられていた内容は、イギリスの学校すべてに該当するわけではありません。

オンラインラーニングが充実しているのは一部だけ

欧米の学校では、普段からこのように格差があるわけで、休校中のオンラインラーニングの対応も学校によってさまざまです。

イギリスの場合、親が“教育に熱心な”公立や私立であれば、休校直後からオンラインラーニングが実施され、多くの課題が出されていました。私立の場合は、とても高額な学費を払っているわけですから、何も対応しなければ親からは声高らかに文句が出ます。

毎日5〜6個もの課題が出され、4歳児が大量の宿題に取り組んでいます。学校によってはライブ授業もあります。

ところが中堅以下の公立は、休校中のオンラインラーニングもサポートも、皆無であることがほとんどです。

いわば子どもは放置されていて、それに関してイギリスのマスコミは報道すらしません。また、各家庭にネットインフラがあるか、タブレットやパソコンがあるか、ということすら議論にならないのです。

それらは、各家庭が自己責任で用意するものという考え方なので、マスコミですらこれらのことに関してまったく問題としませんし、政府も自治体もタブレットを配るというようなことは、ほとんどやっていません。

中国に関していえば、さらに国土が広大で都市間や国民の経済格差が凄まじい。地方の学校では当然、上海のようなことはやっていないし、タブレットだってパソコンだって使い方すらわからない人が大半です。

つまり、テレビ番組で紹介された学校は、実は「各国の上層のごく一部」を紹介しただけ――という見方もできるのです。

日本での海外情報が偏った報道になりがちな理由

このような偏った内容が、日本のテレビ番組で報道されてしまう理由は何か。それは、番組の企画を立てる際に、現地の事情をよく知っているアドバイザーをつけなかったり、気になることしか取り上げなかったりするからではないでしょうか。

テレビ番組の企画を立案するときには、現地のコーディネーターを雇うことがありますが、彼らはすべての事柄に精通しているわけではありません。なおかつ言葉の障壁もあって、かなり偏った情報を盛り込まざるを得ないこともあります。


私は本業で、海外のセキュリティ事情を調べたり、オンラインラーニングの調査やコンサルティングを行ったりすることがありますが、先進事例を取り上げたくなる気持ちはわかります。そのほうが「ウケる」からです。

しかし問題なのは、マスコミでコンテンツを作成する人々のなかで、実際に海外で生活したことがある人は少なく、海外は日本よりも何でも進んでいると思い込んでいる人が多いということです。

今回の新型コロナ対策でもよくわかったように、実は日本のほうがはるかに進んでいる分野も多いのです。

この「海外=すごい」という幻想にこだわるのは、番組を制作している人たちが1980年代的というか、バブルの頃のノリがまだ抜けていないせいではないかな、と思われます。

おそらく現在、マスコミで企画に関わったり意思決定をしたりする人々が、バブル世代であったり、それより多少若い団塊ジュニアであったりすることと関係しているのではないでしょうか。

私も団塊ジュニアですが、彼らが若かった頃は、日本よりも海外のほうが凄いという論調が主流だったのです。 

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ペストの流行で人気になった守護者・聖セバスティアヌスの「お約束」

2020年12月9日 18:00 WANI BOOKS NewsCrunch

西洋の名画と言われるアートには理由がある。教養としても知っておきたい、たった1枚の絵から浮かび上がるメーセージや、正しく読み解く時代背景のヒントを西洋美術界のエンターテイナー・木村泰司氏がコミカルに解説。昔は絵画にタイトルが必要ありませんでした、それは「お決まりごと」があったからです。

※本記事は、木村泰司:著『名画はおしゃべり -酔っ払いから王侯貴族まで-』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

「死を忘れるな」が今に訴えかけること

コロナウイルス騒動で精神的にヘトヘトな日々が続いた私。医療関係者の方々や、近所のスーパーマーケットの方々には本当に頭が下がります。もちろん、宅配関連の方々にも……です。もう、感謝の気持ちばかり。テレビをつけてもコロナ関連の報道ばかりで、恐怖心をあおられるばかりで……。

それにしても、まさか自分が生きているときに、まるで中世のヨーロッパでペストが席巻したように、このようなウイルス騒動が起きて、生活を左右されるとは思いませんでした。

そして仕事柄、当たり前のように仕事や休暇で、年に何回も海外に出かけていたことがまるで噓のよう……。「こんな騒動に巻き込まれるとは……」と多くの方も同様に思ったことでしょう。

私のアメリカの友人も親族を亡くしましたが、海外は死者も多く出ています。CNNなどで海外での悲惨な状況を見て、つい思い出した絵画はピーテル・ブリューゲル(父/1525〜69)でした。

14世紀中頃にヨーロッパを襲ったペストの大流行では、2500万人ほどが命を失ったと考えられています。それはコロナウイルス同様に、社会的身分に関係なく人々を感染させ、そして死をもたらした恐怖の疫病でした。その結果「死」をテーマにした、絵画や版画が制作されるようになったのです。


このブリューゲルの作品は、ペストの流行をテーマにしているわけではなく、処刑なども描かれていて「メメント・モリ(死を忘れるな)」がメインのメッセージです。古代ではメメント・モリは「現世を楽しめ!」的なメッセージでしたが、キリスト教社会になってからは、天国や魂の救済を意識させるメッセージとなったのです。

さすがネーデルラントの画家らしく、ブリューゲルの作品は風景の中に細かくさまざまな死が描かれています。まさに、身分を問わず訪れる容赦のない死です。そして、ネーデルラントの先輩画家であるヒエロニムス・ボス(1450頃〜1516)の影響が垣間見える作風でもあります。

男性の裸体表現が画家にとって腕の見せ所だった

この疫病に対する恐怖によって、守護聖人として人気となったのが3世紀に生きた聖セバスティアヌスです。

ローマ帝国の軍人だったとされ、キリスト教徒であることが露見し射殺されました。実は、矢は急所を外れてその場では息絶えていないのですが、作品によってはその伝説に従っていないものが多いのです。致命傷にならなかったため回復し、ローマ皇帝の前でキリスト教徒であることを改めて公言し、こん棒で打ち殺されて殉教しました。

疫病に対する守護者となった、この聖人への信仰が高まるのは14世紀以降のことでしたが、それはちょうど西洋美術史では絵画の時代に入っていく頃と重なります。木か柱に縛り付けられた裸体の男性に矢が刺さっていたら聖セバスティアヌスです。昔は絵画にタイトルが特に必要なかったのはこういうこと、つまり「お決まりごと」があったからでした。


画家にとって腕の見せ所だったのが、男性の裸体表現でした。なぜなら、一番技量を問われるものだったからです。西洋美術史を振り返ると、女性の画家が少ないのはそのためです。

19世紀末までパリの官立美術学校は、女性の入学を許しませんでした。それは、男性裸体像が必須の歴史画家を育てる機関であったからです。

アカデミーが創設された17世紀になると、絵画のジャンルも多様化しますが、それでも神話画や宗教画などの歴史画が主流であることは変わりませんでした。そのため、キリストの磔刑図をはじめ、画家にとって男性裸体表現が必須の技量であり、見せ所であったのです。

人間の体は完ぺきではないからと、イタリアでは古代の神々や古代オリンピックの優勝選手を表した古典彫刻が、当初は裸体のモデルとなりました。そのため、北方の画家たちは風景描写が得意だが裸体はダメ……と評価されていたほどです(イタリアと違いモデルとなる古代彫刻がないですから……)。

16世紀以降、北方の画家たちがイタリアで芸術修行をするようになるのは、そのためでもありました。もちろん、やがて実物の人間をモデルに、裸体像が描かれるようにもなります。現代の美大などもその伝統を継承しています。


西洋美術史家・木村泰司さんが2020年9月13日ご逝去されました。
謹んでお悔やみ申し上げます。

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cat_oa-rp96697_issue_9370cd16a051 oa-rp96697_0_bee4d1c2ba55_奥嶋ひろまさ「2getherファンとしての気持ちが勝ってます(笑)」 bee4d1c2ba55 bee4d1c2ba55 奥嶋ひろまさ「2getherファンとしての気持ちが勝ってます(笑)」 oa-rp96697

奥嶋ひろまさ「2getherファンとしての気持ちが勝ってます(笑)」

2020年12月8日 18:00 WANI BOOKS NewsCrunch

全世界で話題沸騰中のタイBLドラマ『2gether(トゥギャザー)』。ドラマは日本でも多くのメディアに取り上げられ、ますます盛り上がる予感。そして11月11日から待望のコミカライズが連載スタート! 

気になる第2話(前編)が12月9日に配信となるが、作画を担当する漫画家・奥嶋ひろまさ先生に『2gether』コミカライズに至った背景などを、ニュースクランチ独占で熱く語っていただきました。

「タイBLってなんだ?」から始まった

――まずは『2gether』を知ったキッカケから教えてください。


奥嶋ひろまさ先生(以降、奥嶋) 知ったキッカケですか? 知ったキッカケは、Twitterですね。Twitterで“タイBL”というのがあるって知って、それで僕がリツイートして「タイBLってなんだ?」みたいなのをつぶやいたら、フォロワーの方たちが、いろいろと教えてくれたんですけど、僕は学生モノが好きなので、最初に見るなら『2gether』かなって。

――わりと偶然な感じで、選んだのが『2gether』だったんですね。

奥嶋 『2gether』自体は本当に偶然ですね。その時に違う作品を選んでいたら、今は……(笑)。

――なるほど(笑)。 すごい、運命だったんですね。いつ頃か覚えてますか?

奥嶋 そうですね。たしか今年の3月とか4月とかじゃないですかね。ちょうどYouTubeで有志の方が翻訳してくれていたんですけど、僕が見たタイミングが「来週、最終話が載ります」みたいなときでした。

――最終回のタイミングだったんですね。そして、コミカライズの依頼がきたと。

奥嶋 夏頃にいただいた感じだったかな。

――そのときの気持ちというか、心情的なものってどうだったんでしょうか?

奥嶋 本気(マジ)か、って感じです。この頃にファンアート描いてたんで、ホンマこんなことあんねんな、って。


――びっくりされたんですね。

奥嶋 最初、別のなんか『トゥギャザー』みたいなのが始まるのかなって。そういう企画の中の一つかな、みたいな感じで。

――話が噛み合わなかった(笑)。

奥嶋 なんか、いろいろ訳がわからなかったです(笑)。こんなことがあんねんな、みたいな感じで。最初は、運命みたいなのと、あとはホンマに大丈夫かな、僕で大丈夫かなっていう不安です。

――なるほど。担当編集は、奥嶋先生は忙しいし断られるかもって思ってたみたいです。

奥嶋 いやいや。断るっていうのもあったんですけど……、道としては2つあるじゃないですか「やる」と「やらない」と。もし僕が断ったら誰かがやるとして、それを見ている自分も、嫌やなと思って。これは悔やむぞと思ったんで。わりと早めに「やるしかないんやな」って、これきた瞬間にやるしかないんや、って。

「これや! 決まった」その次の日に・・・

――すべてがハマった感じですね。サラワットとタインを描くうえで、気をつけているポイントなどありますか?

奥嶋 サラワットは、ひたすらカッコ良くですね。だから、しんどいというか、時間がかかりますね(笑)。

僕が描く、一番カッコいいキャラクターにしないとダメなんで。だから描いてて、1話目の最後のコマがあるじゃないですか。あれも描いて「これや! 決まった」となって、で、次の日に「いや、これカッコ良くないな」っていう感じで(笑)。 まだまだいけるぞ、みたいな(笑)。


――結局2パターンになってましたよね(笑)。

奥嶋 その間に3つ、4つくらいやったのかな。

――え~、そんなにたくさん描いたんですか。

奥嶋 正解がわからないくらい、とにかく美男子を目指す感じで……。

――入り込みすぎちゃった感じですね。

奥嶋 そうですね。だからサラワットは、見た人が全員が好きになるキャラクターじゃないとダメなんで、私のタイプじゃ……は許されないんで。とにかくミスは許されんって(笑)。

――アスリートみたいな感じですね(笑)。

奥嶋 それくらい。結局ドラマ『2gether』のサラワットに、みんな恋をしたと思うんですけど、漫画でもう一回、恋をさせないとあかんので。そんなキャラクターを描かなあかんので、大変なんやなって(笑)。

――素晴らしいと思います。タインについては、どんな感じだったんでしょうか?

奥嶋 ほんまに周りにいる友達みたいな感じの可愛い、みんなが人として好きになるみたいなキャラクター。それはもう、人としてその魅力が出てる、みんなタインのことを好きになる、みたいな可愛らしいキャラクター。ビジュアルじゃなくて性格の良さとかで、なんか好きになるキャラクターにしたいなと。


――たしかに、人としての魅力をタインには感じますね。ちなみに、これから描いていくうえで楽しみなキャラなどいますか?

奥嶋 僕はもうマンですね、マン。ビジュアルも好きだし。たぶん、自分の描いてきた漫画に出てきたようなキャラやと。

――たしかに(笑)。 もう真骨頂と言いますか、奥嶋先生のマンすごく楽しみですね。逆に、ちょっとどう描くか、迷っていたキャラっていたりしますか?

奥嶋 グリーンですね、やっぱり。ビジュアルが(ドラマと)全然違う感じになったので、すごく心配だったんですが、好意的に受け入れられたみたいで、ちょっと安心しました。

――そうですね、小説とドラマもちょっと違うので、そういった意味では、原作を踏まえて、なおかつ奥嶋先生の演出するキャラとして、ちゃんと成り立っているという感じがします。

奥嶋 ありがとうございます、あれが一番心配やったので。

――『2gether』で、自分と近いと思うキャラなどいますか?

奥嶋 自分と近いキャラですか(笑)。やっぱスターギャングのどいつか、みたいな感じじゃないですかね(笑)。なんか、ひやかしたり、周りでわちゃわちゃするみたいな。


――フォン・プアク・オームの3人も奥嶋先生が描かれる漫画に、とても合うキャラですよね(笑)。ドラマに小説、そしてコミカライズと、いつもと違うプレッシャーはありますか?

奥嶋 いやー、プレッシャーだけです。こんなにもプレッシャーあるかっていう感じです。僕も原作のファンなんで、漫画を読んだ人がドラマや小説にいってくれたらいいなと。ファンとしての気持ちの方がちょっと勝っています(笑)。仕事というよりは、その魅力をどう伝えようかって。

――それぞれの橋渡しっていうことですね。

奥嶋 そうですね、そんな感覚の方が大きいかもしれないです。

自分が楽しみなのは「喧嘩シーン」

――今まで描かれていた作品との違いや、意識的に変えているところみたいなのはあったりしますか?

奥嶋 線とかは、自分の中では綺麗に描いていたりします。僕、描くのが早いんですが、今回はかなり一本一本に気を使ったりはしていますね。あとは絵の見やすさ、あんまりガシガシと描き込まず、電子配信なので小さい画面で見たときに、あんまりぐちゃぐちゃしていても仕方ないので、1ページのバランスっていうんですかね、意識しながらやっています。

――これから話は進んでいきますが、描くのを楽しみにしているシーンはありますか?

奥嶋 1話目でフリができたので、サラワットとタインの距離が縮んでいく感じ。サラワットが、まあグイグイくるじゃないですか(笑)。あれを早くやりたいなっていう。あとは、あれですかね。軽音部のライブのイヤホンのシーンだったり、あとは喧嘩シーンもちょっと出てくるので! 喧嘩シーンは描きたいですからね、楽しみです。

――奥嶋先生が描く喧嘩シーンは楽しみです。ボーイズラブっていうことで、大事にしていることってありますか?

奥嶋 僕自身は、ボーイズラブを描くって、むずかしいな……と。なんかね、自分が今まで普通に描いてたもの、友達との距離感とか会話とか、僕の好きなところがBL好きの人が「これ、BLやん」って言ってくれてたんで、なんか僕の好きなことをちゃんと描ければいいのかなって。

男臭さっていうよりかは、こういう男同士の関係いいよね、みたいなのを普通に描ければいいのかなと。そこに色っぽさをどう乗っけていくかっていうのは、ちょっとまだ……、その辺は担当編集さんの女子目線の協力を(笑)。

――ちなみに、ボーイズラブでキュンとくる仕草ってあったりしますか?

奥嶋 仕草とかはあんまないんですよね。ただなんか……友情とかって、なんかこう無くなっていくじゃないですか、高校時代あんなに仲が良かったのに、あんまり合わなくなったなぁ……みたいになっていく。その昔の友情のまま、どこまで俺たち行けるんやろう、みたいなのが僕のBLなんすよね、BL感というか。

――どちらかというと、ブロマンスに近いっていう感じですね。

奥嶋 そうですね。

――学生時代の不思議な関係性や男の子たちのわちゃわちゃ感などは、奥嶋先生だから描けるっていう気がします。

奥嶋 さっき、他社の編集から電話かかってきて「合ってますね」と褒められました。

――それはうれしいですね!

奥嶋 いやー、うれしいですね、本当に。

――奥嶋先生は、他にも『入浴ヤンキース』(双葉社)や『同棲ヤンキー』(秋田書店)など連載をされていますが、切り替えとかってどうされているんですか?

奥嶋 あんまり切り替えとかないんですよね。さぁやるぞ、みたいな。

――混乱しませんか?

奥嶋 そういや、違うキャラクターを下書きで描いているときがありましたね(笑)。気がついたら主人公の顔が、違う作品の主人公の顔になっていて、違うわって(笑)。

――下書き時点で気づいてよかったですね(笑)。仕事とプライベートの切り替えはどのようにされてますか?

奥嶋 そうですね。仕事時間を決めちゃっているんで、それ以上はしないっていう感じです。まぁ、ネームがあるときは夜もやりますが、基本的には19時には仕事は終わって、家に帰って家族でご飯食べて、みたいな感じです。

――仕事場とご自宅は別なんですね。

奥嶋 別ですね。そこが切り替えのタイミングみたいな感じです。

――いよいよebookjapanで第2話(前編)の配信日が近づいてきました。『2gether』ファンや読者に向けて、メッセージをお願いいたします。

奥嶋 僕もファンなので、その『2gether』への愛が、みなさんに伝われればいいなって思います。遊びじゃねえぞ、本気だぞっていうのが伝われば(笑)。


――バシバシ伝わっていると思います! 奥嶋先生、今日はお忙しいところありがとうございました。

原作小説の邦訳版1巻も発売前重版で話題となり、11月16日には完結編の2巻、そして3冊目の『special』(すべて小社刊)も12月9日に発売。

そしてスピンオフ特別編『Still 2gether』が、WOWOWで12月に放送が決定し、これからも目が離せない『2gether』。コミカライズでも、彼らの物語が盛り上がっていくこと間違いなし! 注目の第2話(前編)は、12月9日ebookJapanにて先行連載、pixivコミック・ニュースクランチ・ニコニコ漫画でも順次連載予定。


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cat_oa-rp96697_issue_9370cd16a051 oa-rp96697_0_9cff7ca492f8_デモ隊の武勇派が一網打尽に逮捕された香港大学戦争の戦略ミス 9cff7ca492f8 9cff7ca492f8 デモ隊の武勇派が一網打尽に逮捕された香港大学戦争の戦略ミス oa-rp96697

デモ隊の武勇派が一網打尽に逮捕された香港大学戦争の戦略ミス

2020年12月8日 07:00 WANI BOOKS NewsCrunch

香港デモが拡大していくなかで「大学戦争」が始まりました。勇武派の若者たちが、抵抗者に大学に集まるよう呼び掛け、戦闘の布陣を敷いたのです。日本では、抵抗者たちが大学に立てこもり籠城戦を行っているように報じられていましたが、その実情を香港デモを現場で取材してきた福島香織氏が証言する。

4000人以上が大学に立てこもり抵抗

2019年11月8日、初の公式の犠牲者が出たことから香港の若者の怒りは頂点に達し、香港では11日から3ゼネスト(授業スト・商業スト・交通スト)が呼び掛けられ、同時に「交通妨害作戦」という道路封鎖作戦が展開されました。

そして香港五大学(中文大学・理工大学・城市大学・香港大学・浸会大学)でいわゆる「大学戦争」が始まりました。抵抗者に大学に集まるよう呼び掛けられ、戦闘の布陣を敷いたのです。なかでも激しい現場が中文大学と理工大学でした。

どうして大学が戦闘現場になったのか。これには2つ説があります。

1つは、香港警察側に五大学を同時に制圧するという噂があり、それまで街中で破壊と戦闘を行っていた勇武派の若者たちが「大学を守れ」と集結したという説。

大学には、勇武派の頭脳やキャンパスメディア、SNS発信者グループなどが集中しており、また中文大学にはHKIXと呼ばれるインターネットエクスチェンジセンターがあり、警察はインターネットの拠点や頭脳が集中する大学を狙ったという言説も流れました。

もう1つは、市民にストレスを与える市街地での“戦闘”を減らそうと勇武派たちが、警察を大学に引き付けようとしたという説。

大学は聖域であり、警察も簡単に攻め入れまいと考えたのです。特に中文大学は、山岳要塞にも似て難攻不落と言われていました。中文大学2号橋の下は、香港の主要幹線道路のひとつで、吐露港公路と鉄道路線東鉄線が通っており、橋の上から物を落下させる「交通妨害作戦」を取りやすい、ということもありました。


結果から言えば、この大学を拠点とした「戦争」は完全に戦略ミスであり、勇武派たちの多くが一網打尽に逮捕されました。理工大学での逮捕者は未成年も含めて1100人を超えたといいます。

中文大学では11月12日夜、防暴警察(機動隊に相当)が、2号橋付近に立てこもるプロテスター(若者たち、以下・抵抗者)に対して、学校側の許可を得ずに突入し、数時間にわたる激しい“戦闘”を行いました。

このとき、抵抗者と学生たち合わせて4000人以上はいたと言います。警察からは催涙弾やゴム弾2000発以上が発射され、学生側は火炎瓶などで応酬、70人以上の学生が負傷しました。

衝突のあと警察はいったん引いて、その後5日間に及び、若者たちが立てこもる形で戦闘が続きました。中文大学の各門や入口は、デモ隊がバリケードを築き、廃車を燃やすなどの激しい抵抗をしました。自前の爆弾でキャンパスに通じる2号橋を落とす準備もしていたという噂が広がりました。

※現場に居合わせた複数のセルフメディアに、デモ隊に確認してもらったところ、爆弾準備はデマだったとのこと。また抵抗のために廃棄自動車を燃やしたのは、意図したものではなく、廃車を火炎瓶の貯蔵庫として利用していたところ、近くで若者の一人が吸っていたタバコが引火したのが真相だとのこと。

抵抗者たちは大量の火炎瓶や手製の槍、アーチェリー部の弓を持ち出したり、ボウガンを作ったり、鉄菱を作ったりして、玉砕覚悟の白兵戦の構えを見せていました。また、キャンパスバスのキーを壊し、運転して仲間の移動支援を行いました。

さらにパトロールや給食、衛生管理といったシステムを構築し、戦闘に備えて投てき練習や肉体の鍛錬などを行いました。木材や竹竿を立てて壁を作り、一人がやっと通れるくらいの出入り口を作り、黒衣の抵抗者たちが身分チェックや携帯品チェックを行いました。これは警察がデモ隊に紛れて侵入するのを防ぐためでした。

仲間割れから参加者の大半が自主的に撤退

11月12日の「戦闘」以降、中文大キャンパス内には、大量の戦闘物資や雨傘、ヘルメットにガスマスク、ペットボトル水などが持ち込まれ長期戦に備えました。一方、留学生らは安全のため撤退を始めました。日本人留学生も50人ほどいたようですが、大使館の指示もあってほとんど退去しました。

11月15日未明ごろ、抵抗者は吐露港公路の障害物を取り除き、片側車線を通行可能にしました。彼らはこの幹線道路を開放したり塞いだりして、幹線道路を支配しているところを見せて、香港政府に24日に予定されている区議会選挙を予定通り行うことを保証するように求め、同時に逮捕者を釈放し、警察に対する独立調査委員会を設置するよう求めたのです。

24時間以内に答えを出さねば、再び道路を封鎖するとして、本格的な交渉を行うつもりでした。ですが、この作戦が、思わぬ内部分裂を生みます。

この要求は、勇武派のなかでも「黒服」と呼ばれる好戦的なチームが勝手に発表し、学生会を中心とした理性派は、こうした駆け引きを「黒服」チームが勝手に始めたといって不満をぶつけました。こうした仲間割れが起きたところで、香港政府と中国側は大学に揺さぶりをかけてきました。

新華社は11月15日に、中文大学を名指しで香港の大学は無法の地となり、“すべての暴徒”は法的制裁を受けるだろう、と社説を発表。社説は香港の大学と学長らに暴徒を制止する責任があるとし、秩序回復の共同責任を負って警察の執法行為に協力せよ、と要求しました。

この日、中文大学の崇智学長は公開書簡を発表し、2号橋はキャンパス内にあるが、政府用地に属するものだ、として抵抗者たちに即刻退去するよう呼び掛けました。でなければ、学長としては香港政府に協力せざるをえない、と。

この呼び掛けに応じて、すでに仲間割れを起こしていた若者たちや学生の大部分は、自主的に撤退しました。

断固抵抗を続けるグループが、2号橋を挟んで警官隊と対峙。15日夕方ごろ、手製爆弾で橋を落とす計画がある、との噂が広まりました。断固抵抗グループは撤退するか、死ぬまで戦うか二者択一を迫られ、15日午後8時半には、2号橋付近で徹底抗戦を決意した30人ほどが残りました。

最終的には11月16日未明には、全員が撤退を選び、最悪の事態は回避されたのでした。このとき、不思議なことに警察は2号橋から遠く引いて、中文大学から出てきた抵抗者たちが理工大学に再集結することを許したのです。


理工大学の抵抗者たちに対して実弾使用許可

理工大学の抵抗は11月17日から激化しました。

17日夜、警察は漆咸道南(チャタムロード)から装甲車や高圧放水車を使って、抵抗者たちの封鎖を突破して学内に侵入しようとしましたが、彼らは大量の火炎瓶を投げつけ、装甲車が燃え上がる事態になりました。

18日に警察は再び学内に突入、抵抗者たちは火炎瓶やボウガンで抵抗し、この衝突で多数の負傷者や逮捕者が出ました。

香港警察側は理工大学の抵抗者たちに対して、LRADと呼ばれる音響兵器を初めて持ち出した他、AR−15式アサルトライフルやMP−5サブマシンガンを携帯し、実弾使用許可も出ていました。

17日昼から大学内で取材をしていたセルフメディアの友人ボノによれば、夜になって警察は理工大学のすべての入り口を包囲し封鎖、抵抗者や記者たちは中に閉じ込められるかっこうになりました。

この大学は九龍半島の紅磡(こうかん/ホンハム)湾に近いところにある東洋有数の理工大学で、中文大学と違い比較的狭く、都市部にあるので警察にとっては包囲がしやすかったのです。


投降の呼び掛けに応じて出てきた者は、無差別に逮捕され、激しい暴行を受ける者もありました。ボノは自分が逮捕されかねない状況に陥って、東京にいる私にも、彼のSOSが伝えられました。

彼によれば、手製のボウガンや火炎瓶で応戦しようとする抵抗者たちに、警察は「実弾をもって反撃する」と警告していたそうです。

そのあと、投降して出てくるようにとの呼び掛けに応じて、一部の若者が武器を捨て指定された入り口から出ると、すでに無抵抗なのにもかかわらず地面に押し倒され、殴る蹴るなどの激しい暴行を受けました。顔を蹴られる者もいたそうです。

セルフメディアや医療ボランティアまでが、そうした暴行を受けたうえで問答無用で逮捕されていきました。

「選択肢は2つ」セルフメディア記者の覚悟

この様子を見て、投降したくとも怖くて抵抗者たちは投降できなくなったそうです。逮捕されたあと、拘置所での性暴力を含む暴行や虐待にあうとも言われていましたから、その恐怖は理解できました。

彼は言います。いっそ瀕死の重傷を負った方がいい、と。瀕死の重傷なら病院に運ばれるだけです。ですが、逮捕されて拘置所に連れていかれると、そのまま行方不明になって、ひどい虐待と暴行を受けて最後には身元不明の自殺体になってしまうかもしれない、と。

日本では、抵抗者たちが大学に立てこもり籠城戦を行っているように報じられていましたが、実際は、彼らはキャンパス内に閉じ込められ心理戦でいたぶられていたのです。

ボノは閉じ込められた学内からSNSでこう訴えていました。「選択肢は2つしかない。投降して暴行されて逮捕されるか、キャンパス内で警察の突入を待って暴行されて逮捕されるか」。

私は友人のセルフメディア記者たちに、仕事を手伝ってもらっている代わりに、日本のCSテレビ局『チャンネル桜』の協力を得てプレスカードを渡していました。日本メディアのプレスカードがあれば、警察に捕まったとき、日本メディア記者として釈放してもらえるかもしれないと思ったからです。

「日本のメディア関係者に、香港警察は手を出せるのか?」と私が聞くと「公認メディアでないとニセメディアとして逮捕される。実際、キャンパスメディアやセルフメディア記者が何人も逮捕されている」とボノは答えました。「警察が、そんなメディアなど知らない、といえばそれで終わりだ」と。

結局、私は「近くにAP・ロイター・共同といった大手メディアの記者がいれば、彼らと行動を共にして。いざとなったら、彼らの助手だと証言してもらうように頼みなさい」としかアドバイスできませんでした。

この後、ボノくんはヘルメットにつけたゴープロ(アクションカメラ)を回しながら、キャンパス内を取材し、紆余曲折を経て無事に警察の包囲網を突破して、19日に私たちの元に帰ってくるのですが、それまでは本当に心配で気が気ではありませんでした。

私は11月22日に香港デモ開始から4回目の現地取材に入り、23日夜にボノの無事な姿に会えて、本当にほっとしました。

香港理工大学内で現場取材をしていたボノの証言

以下は、ボノから聞いた話です。

彼は17日昼頃から、香港理工大学内で現場取材をしていました。11月17日午後に大学が警察に包囲され、閉じ込められる形になりました。警察は、17日深夜に装甲車を燃やされたことで、頭にきていた様子だったいいます。その怒りは逮捕者に対する激しい暴行という形で現れ、それは医療ボランティアであろうがセルフメディアであろうが容赦なしでした。

それで彼は、投降呼び掛けには応じず、学内の若者と一緒に脱出を試みることにしました。

理工大学の建物は迷宮に似た構造であり、一本の廊下で校舎と校舎がつながる構造になっていました。その廊下の通行を妨害すれば、警察も絶対に入ってこられないので、上層のプラットフォームにある建築群を若者たちが占拠し、もし警察が突入してきて階段から上がろうとしたとき、上のプラットフォームから物を投げて警察の侵入を阻止しようという作戦を練っていたそうです。


抵抗者たちは、理工大学の裏側に医療ステーションや休息室、記者休息室などを作っており、シャワーは浴びることができたそうです。学内食堂に「抗争食堂」と名前が付けられ、学生たちを応援するためのボランティアコックが、温かい食事を提供してくれていたそうです。

抵抗者たちは交代で「歩哨」に立ち、24時間体制で警察の動きを見張っていました。また、広場で火炎瓶弾やボウガン、さらには数台の巨大ボウガンや投石機などを作り、テスト運転を繰り返して戦いに備えていました。

ですが警察が徹底包囲したあとは、新鮮な食糧が減っていくこともあって、不安になってきました。警察は夜に拡声器で音楽を流し、狙撃手・高圧放水車・装甲車・無数の防暴警察が包囲しているぞ――と訴え、投降するように呼び掛けていました。

当初、なかの若者たちは、民間記者会の呼び掛けで集まった市民たちが、警察の包囲網を突破してきてくれることに期待していたのですが、市民たちも逮捕されるのが怖いものですから、いつまでたっても助けは来ません。

学内には負傷者が多くおり、手当も十分でなかったので、不安感にいたたまれなくなってきていました。18日には完全に士気が落ち、警察の包囲網を突破して脱出しようと試み始めました。

18日の朝に、最初の集団脱走が試みられました。門などからみんなで、一斉に走りだして突破しようという単純なもので、これは外に出た全員が、制圧されて逮捕されたようです。昼にもう一度脱走を試みましたが、100人くらいで一斉に外に出て、5人くらいしか無事逃げおおせることができませんでした。

ボノは脱出場所を間違って、あやうくキャンパスに隣接する解放軍キャンプの敷地に侵入してしまうところだったそうです。


あとで、学内でずっと取材していた著名な戦場カメラマン・宮嶋茂樹さんから聞いたのですが、香港の若者たちは恐怖から一人で行動できず、ついつい群れて行動してしまうため、警察に感づかれて脱出が失敗していたようです。

宮嶋さんのようなプロの戦場カメラマンからみれば、香港警察の包囲網は必ずしも厳密ではなく、外から出入りできる隙はあったとか。

何度か脱走に失敗しているうちに、彼らも大人数で動くことが失敗の原因だと気づき、脱出計画は各小グループに分かれて、独自で脱出ルートを探る形になっていきました。

すると、成功率が上がっていきました。

ある者は、下水道工事の会社のホームページから下水道地図を見つけ出し、学内から学外へ通じる最短の下水道を通って脱出に成功しました。ですが、数人がそのルートを使ったところで、警察側に察知されて封鎖されてしまいました。

別のある者は、陸橋からロープを使って降りる方法を見つけました。ですが、それにはかなりの運動能力や腕力が必要で、途中で落ちて骨折して動けなくなる人もいました。

命懸けの脱出。そのときサーチライトが・・・

ボノは、抵抗者の若者5人とともに脱出を試みました。

夜の闇に紛れて懐中電灯を消し、怯えながらフェンス際を静かに移動しながら、脱出できそうな場所を探しました。貯水槽の上に下水道を見つけたのですが、ものすごい悪臭で、そこから脱出する気にはなれませんでした。

さらに大学の外郭をなぞるように前進していくと、高台の上にフェンスが少し倒れて乗り越えられそうなところを見つけました。見たところ警察の数も多くなさそうでした。安全な場所までは数百メートルの距離だとみて、そこから脱出を試みました。

ですがフェンスを越えると、防暴警察が高所から脱出する者たちの前方を見張っているのが見えました。ボノは、この監視網をくぐって脱出するのは難しいので、無理だと判断して、学内に一度戻った方がいいのではないかと言いました。2人が学校内に戻りましたが、残りの3人は強硬突破すると言いました。

ちょうどそのとき、見張りの警官が別の場所から飛び出た脱出グループを見つけて、拡声器で投降を呼び掛けました。さらに、突然十数名の防暴警察が突進してきて、平衡に催涙弾を撃ち放ったのです。煙幕がもうもうと上がり、混乱状態になりました。

ボノと強硬突破しようとした3人はその隙に、走り出しました。後ろの方で催涙弾の発砲音と罵声を聞きながら、ひたすら走ったといいます。

そのときボノにサーチライトが当たりました。観念して、せめて他の3人をうまく逃がそうと思い、一人で見張りの警官の注意を引くことにしたそうです。大声で「私は日本の記者だ」と叫んで両手を上げました。2人の警官がボノを拘束し、警察の包囲網の防衛線まで連行し、身体検査と尋問が始まりました。

彼は私が渡した『チャンネル桜』の記者証を見せて、もともと学外にいたようなふりをしましたが、警察は、あのフェンスあたりから、よく鼠が出てくるんだよなあ。かわいいよなあ」と笑いました。さらに「お前を逮捕する権利があるんだぞ」と恫喝してきました。

ボノは「私は日本の大手メディアの公認記者だから、逮捕できないはずだ」と言い返しました。

すると警察官らは「いったい誰が、そんなこと言ったのだ?」と聞くので「あなたたち警察が、そのように発表している」と答えました。

最終的に、彼らはボノを釈放してくれました。面倒臭くなったのか、あるいは日本メディアとトラブルになるのが嫌だったのかはわかりません。

警察の防衛線から離れたところで、ボランティア運転手たちが、デモの若者たちを家に送り届けようと待機していました。ボノの知り合いの運転手もいたので、彼の車に乗り込んで、ようやく脱出できたことが実感できたそうです。

脱出したあと、彼は家で熱を出して丸二日寝込んだといいます。

※本記事は、福島香織:著『新型コロナ、香港、台湾、世界は習近平を許さない』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

〈福島 香織〉

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ラグビーイングランド代表が「オータムネーションズC」を制す

2020年12月8日 07:00 WANI BOOKS NewsCrunch

エディー・ジョーンズHC率いるラグビーイングランド代表が「オータム・ネーションズカップ」で6日、フランス代表と決勝戦で激突。フランスは今年の欧州6カ国対抗「シックスネーションズ」で、唯一星を落としている強敵で、若手の成長著しく勢いがあるチームだ。

この日もイングランドは、前半15分にトライを許してから、終始リードを追いかける厳しい試合となった。12-19のスコアから試合終了直前にカーワン・ディッキーがモールを押し込んでトライ。ゴールキックも決まり19-19で80分が終了、試合は延長戦に突入した。

延長戦は、先に得点を決めた方が勝利する“サドンデス”方式。一進一退の攻防の中、イングランドはフランスの度重なる反則に助けられた。オーウェン・ファレルが延長後半戦でペナルティゴールを決め、勝負あり。22-19でイングランド代表が勝利を飾った。

エディー・ジョーンズHCは、延長含め100分近く戦った選手達のファイティングスピリットを称賛した。

これでイングランド代表は、2020年の「シックスネーションズ」「オータムネーションズカップ」と2つの大会で優勝し、北半球を制したことになる。エディーHCが率いるイングランド代表の快進撃は止まらない。


〈NewsCrunch編集部〉

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cat_oa-rp96697_issue_9370cd16a051 oa-rp96697_0_c589908135ee_アルピー平子「芸人を辞められるほどの女性と出会って…」引退を決意した過去 c589908135ee c589908135ee アルピー平子「芸人を辞められるほどの女性と出会って…」引退を決意した過去 oa-rp96697

アルピー平子「芸人を辞められるほどの女性と出会って…」引退を決意した過去

2020年12月7日 18:00 WANI BOOKS NewsCrunch

仕事が中途半端にあるタイミングが一番シンドい

アルコ&ピースの平子祐希さん(42)は、最近メディアでの露出を着実に増やしている売れっ子芸人だ。コンビでMCを務める『勇者ああああ~ゲーム知識ゼロでもなんとなく見られるゲーム番組~』(テレビ東京系)は深夜帯からプライム帯へ進出。ラジオも現在コンビでパーソナリティを務める『D.C.GARAGE』(TBSラジオ)が無双状態。「ラジオスター」として熱狂的なファンを獲得している。

トップランナーに「人生の土壇場」を聞く。平子さんに「これまでの人生のなかで土壇場はいつですか?」と聞くと、こんな自嘲気味の答えが返ってきた。


「いまだに土壇場しかないですね。それどころか踏ん張りきれずに、崖から落ちてばかりです」

平子さんは「芸人引退」を本気で考えた経験を持つ。それも一度や二度ではない。しかも芸人としての仕事が入っていたタイミングで。仕事がゼロでバイトをしながら夢を追う芸人も珍しくないなかで、何がそこまで彼を追い詰めたのだろうか。

「芸人にとって、仕事が中途半端にあるタイミングが一番シンドいんですよね。オーディションが急に入ると、バイトを当日に休まないといけない。そんなことが続いてバイト先をクビになってしまうんです。それでも稼がないといけないから、新しいバイトをやる。そこは高校生だらけで、その中に30代の売れない芸人が1人。そして、また一から研修を受ける。そんな感じでした。しかも、クビになってまで参加した肝心のオーディションも、芳しい結果は得られなかったんです」

「夢を叶えるための下積み」などと、きれいごとばかり言っていられない。すでに結婚していた平子さんは“男の責任”を果たすべく、引退を決めた。しかし、そのときの気持ちは意外にも清々しかったという。

「だって、後ろ髪を引かれることなく、芸人を辞められるほどの女性と出会ったんですから」

妻の献身。『THE MANZAI』の決勝に残ったが・・・

ところが、夫の引退を告げられた妻のリアクションは想定外だった。一瞬ニヤリと笑い、口でドラムロールを奏でながら「ジャン!」と言って、1冊の通帳を取り出したのだ。

「私の貯金があるから、今のお仕事を続けてよ」「お願いだから、支えさせてください」。そう告げられた平子さんは「ありがとう」と答えるのが精一杯だった。

妻の献身的なサポートもあり、なんとか解散を免れたアルコ&ピース。やがて彼らに大きなチャンスが回ってきた。『THE MANZAI 2011』の決勝に残ることができたのだ。

若手漫才師の登竜門『M-1グランプリ』が2010年に一旦終了し、その後継レースとしてスタートした大会。優勝すれば、一夜にしてスターダムを駆け上がることができる。

「大きな賞レース前には、芸人の間でも『コイツらは決勝に行きそう』という噂が流れるんですよ。その噂はテレビのスタッフさんたちにも伝わって、番組に呼んでもらえたりするんですよね。そうやって(名前をあげてもらって)ジワジワ仕事が入り始めてきて『いい流れが来てる』『芸人として食べていける』と思っていたんですよね」

しかし、平子さんの期待とは裏腹に、決勝戦で獲得した審査員票は0。結果どころか爪痕も残せず終わってしまった。

「“決勝バブル”があると思っていたんです。ファイナリストってことで大会後も番組に呼ばれるのかなって。でも結局、バブルの恩恵を受けられるのは、優勝者と強烈な印象を残した1組くらい」


期待していた仕事が入らないだけでなく、仕事はむしろ減ってしまった。

「僕らを青田買いしてくれていたオファーが、次々になくなってしまったんです。決勝に残れたことに期待していた分、ショックは大きかった。その落差もあって『もう、本当に無理だなって』と思いました」

追い込まれたのは、メンタル面だけではない。妻の貯金も底をついてしまった。

これがベタなドラマだとすれば、貯金通帳を差し出されたシーンをきっかけに、芸人としての快進撃が始まる……はず。それこそTHE MANZAIで優勝し、一気にスターになるのがベタだろう。しかし、現実はそう甘くない。

「長男も生まれて、旦那として父親として責任を果たさないといけない。それなのに月収はよくて10万円でしたからね。真由美(妻)も、僕を応援したくても、金銭的にはもう支えられないという現実がありました」

いよいよ、あとがなくなってしまった。今度こそ――。2012年に平子さんは、この年かぎりで芸人引退を決意する。

■プロフィール

平子祐希(ひらこ・ゆうき)

1978年12月4日、福島生まれ。酒井健太とお笑いコンビ『アルコ&ピース』を結成。182㎝、90kgオーバーの恵まれた体格のボケ担当。難解な言い回しでくどく諭しボケるその様を、ファンは愛をもって「平子る」と呼ぶ。テレビはもちろん、コンビでパーソナリティを務めるTBSラジオ『D.C.GARAGE』の人気は圧倒的で伝説。初の著書『今日も嫁を口説こうか』(扶桑社)も話題を呼ぶ。

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cat_oa-rp96697_issue_9370cd16a051 oa-rp96697_0_98834fe5cfc4_トランプ大統領とそっくり! 小池都知事は都民の生命と財産を守ってくれない 98834fe5cfc4 98834fe5cfc4 トランプ大統領とそっくり! 小池都知事は都民の生命と財産を守ってくれない oa-rp96697

トランプ大統領とそっくり! 小池都知事は都民の生命と財産を守ってくれない

2020年12月7日 07:00 WANI BOOKS NewsCrunch

11月から全国的に新型コロナウイルス感染者数が急増している。特に東京都の増加は著しいが、小池百合子都知事は「国が判断すべき」と、いまひとつ煮え切らない態度を取っている。その背景には、あのトランプ大統領との共通点があると舛添要一氏は指摘しています。

非科学的な論理を強引に展開する‟リーダー”

新型コロナウイルスの感染者が世界で5700万人を超え、死者も140万人に迫っています。WHO(世界保健機構)は10月6日、世界の人口77億人の約1割が感染しているとの見積もりも発表しています。

日本でも11月に入って感染者が急増し、深刻な事態となっているのは周知のとおりです。菅総理も一定の効果が評価されていた「GoToキャンペーン」の見直しを発表するなど、対応に追われています。

一方、東京はといえば、小池都知事は自身が感染防止の先陣を切る、ジャンヌ・ダルクのようなイメージを作ろうとしているだけで、やっていることのすべては人気取りです。

はっきり言ってしまうと、あの人の頭の中は自分のことしかありません。わたしは、小池都政がこのまま続けば、おおげさでなく東京は終わるという危機感を持っています。

小池都政の特徴をひとことで表せば、ポピュリズムです。ポピュリズムの時代には、大衆の支持を得るために、非科学的な論理を強引に展開するリーダーが出がちです。

先日の米大統領選で、バイデン氏に負けたトランプ氏などがその典型で、日本ではあたりまえとなっているマスク着用などの防止策を、一切講じないことを戦略として選挙を戦い、そして負けました。

日本人の目からすれば、かなり異様に見えたトランプ氏の戦略ですが、科学的な感染防止対策の実施よりも、政治パフォーマンスを優先させて、自身の人気を高めようとしている点で、実は小池都知事も同じなのです。これでは都民の生命と財産は守れません。

「仮想敵」を作るだけで中身が何もない

もともと、知事に就任してからの小池都政というのは、豊洲の中央卸売市場や、五輪競技施設の見直しなど、ワイドショーが喜びそうなことばかり。

先ほど「ジャンヌ・ダルクのようなイメージ作り」と例をあげましたが、仮想敵を作って自分が大衆のために闘っているという構図を作るのが常套手段です。「希望の党」を設立したときの「小池ブーム」は、まさにポピュリズムの典型。あきらかに異常でした。

一方、小池氏のやることには常に中身がありません。豊洲にしても五輪会場にしても、時間とお金を浪費しただけで、結局は私が都知事時代にやってきた計画に落ち着かざるをえませんでした。まるで何ごともなかったかのように豊洲へ移転している現状を見ると、呆れる以外ありません。

私の都知事時代に、競技施設などで約2000億円を節約してプールした予備費があり、その予備費を充当して「都政のコストをわたしが下げた」などと言ってみたり、あるいは、やはり私のときに決めた都庁内保育所「とちょう保育園」も、さも自分がやったことのように振る舞っています。

万事がその調子なのですが、そうした小池劇場に簡単に乗せられ、失政があきらかになっても総括して批判をしないマスコミにも、大きな責任があるのは言うまでもありません。

そこへ起きたのが、新型コロナウイルスのパンデミックでした。パフォーマンスだけで、実を伴わない空虚な小池都政を直撃したのです。

「東京アラート」という、カタカナで見栄えのいいワードを引っ張り出してきては、都庁やレインボーブリッジを赤くライトアップして悦に入っている。それを見物しに密集騒ぎが起きても、小池氏にとっては「目立つ」という目的が果たせたので満足なのでしょう。


無意味な「東京版CDC」創設は小池氏らしい発想

わたしは、第1次安倍改造内閣と、次の福田康夫内閣で厚生労働大臣を務めましたが、2009年に新型インフルエンザの感染が世界的に拡大し、日本も深刻な事態を迎えました。試行錯誤の連続ではありましたが、政府の権限を厚労相に集中させることにより、感染拡大を迅速に抑え、早期に収束させることができました。

そのときの経験をもとに、国や都のコロナ対策をチェックしてきたのですが、そこに浮かび上がってきたのが小池都政の多くの問題点です。

たとえば、このコロナ渦でアメリカのCDC(アメリカ疾病予防管理センター)がクローズアップされると、小池氏は早速「東京版CDCを創設する」と言い出しました。

しかし、わたしは今の国立感染症研究所を解体し、全国を網羅する「日本版CDC」の創設であれば賛成ですが、東京限定の機関では意味がないと考えます。作っても利権の温床になるだけです。目立つかっこうのいいワードを見つけると、そこに食いつく小池氏らしい発想といえるでしょう。

あるいは、自営業者などに休業を要請したり、解除したりする基準についても、大阪の吉村府知事は「大阪モデル」をいち早く発表して、数値目標も提示しましたが、東京の場合はまったくあいまい。これでは都民は混乱してしまいます。

それと、ポピュリズムと並んで小池都政を象徴しているのが、情報隠蔽の体質です。たとえば、11月18日に東京都の新規感染者数が493人となり、過去最多となった際、小池都知事は「PCR検査数が過去最多の8600に増えたからだ」と説明しました。

では、なぜその日だけ検査数を言って、ほかの日は言わないのか。たとえば、群馬県などは検査数と感染者数の両方の数字を毎日出しています。感染者が急増したときだけ「検査数が増えたから」と言い、あとはだんまりでは、都民は正確な状況がつかめません。

「いま人気が出ればいい、その場がしのげればいい」というのが小池都知事の判断基準で、中長期的な視点で都民をどうしたら幸せにできるのか、そんなことは考えていません。

つい最近も、コロナ対策として「5つの小」とかいうのを発表していましたが、あれも実に小池氏らしい。「7つのナントカ」とか「5つのナントカ」とか、ワードありきで中身がない。そんなスローガンを作っている時間があるなら、都民のために命懸けで仕事をしなさいと言いたいですね。

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cat_oa-rp96697_issue_9370cd16a051 oa-rp96697_0_9d887d9514f9_広がる中国「一帯一路」の経済協力とコロナリスクの関係性 9d887d9514f9 9d887d9514f9 広がる中国「一帯一路」の経済協力とコロナリスクの関係性 oa-rp96697

広がる中国「一帯一路」の経済協力とコロナリスクの関係性

2020年12月7日 07:00 WANI BOOKS NewsCrunch

習近平国家主席による、巨大中華経済圏構想「一帯一路」。ヨーロッパでは、イギリス・イタリア・スペインとの経済的な結びつきを強めてきました。経済合作を積極的に受け入れているということは、それだけ中国経済と一体化することになります。それは、ヒトの面も含めて中国がもたらすさまざまなリスクとも一体化する、ということだと経済一筋50年のベテラン記者・田村秀男氏は警鐘を鳴らす。

コロナロードと化した一帯一路

中国は2008年9月のリーマン・ショック以降、対外投資攻勢をかけてきました。2014年には習近平国家主席が、巨大中華経済圏構想「一帯一路」を打ち出し、海外での工事プロジェクトを国有企業に受注させ、大量の工事要員を現地に派遣してきました。

習近平政権は、この中国式の対外投資を「対外経済合作」と称し、中国商務省所管の「対外経済協力」に分類しています。

中国商務省統計によれば、2018年の合作プロジェクトの完工額は、アメリカが23.4億ドルで、中国の友好国イランの23.1億ドルを上回りました。ヨーロッパではイギリス・イタリア・スペインとの経済的な結びつきを強めてきました。

注目すべきは、それらの国々がいずれも新型コロナウイルスの感染拡大で、甚大な被害を受けたことです。


なぜそのような事態になったのでしょうか。「経済合作」を英語でいうと「economic corporation」。これを「経済協力」や「経済合作」と呼ぶのは、中国側の言い分にすぎません。

「経済合作」と称して、中国人労働者を大量に海外に派遣し、建設工事部門を引き受ける。モノを輸出するだけでなく、工事とセットで「ヒトの輸出」もする――それが経済合作の実態なのです。

経済合作は、もともと1970年代末に鄧小平が推進した対外開放路線(改革開放)とともに打ち出されました。習近平政権の打ち出した一帯一路構想も、この経済合作を世界的に拡大する政策で、言ってしまえば中国人労働者の輸出構想なのです。


一帯一路経済圏のヨーロッパにおける玄関口であるイタリアは、2019年3月、先進7カ国では初めて一帯一路に参加を決め、イタリア北部の港湾整備に“合作”を受け入れました。それにより、以前から約40万人の中国人移民が住んでいたと言われるイタリア北部の“中国化”に拍車がかかりました。

スペインは一帯一路の参加国ではないのですが、中国のインフラプロジェクトの合作を積極的に受け入れています。この両国のほか、イギリスなどヨーロッパのコロナ蔓延国は、いずれも緊縮財政によって医療支出を抑制してきました。

つまり、これらの国々は緊縮財政を推進していくなかで、中国からのヒト付きの投資を喜んで受け入れたわけです。その結果もたらされたのが、新型コロナウイルス感染症の蔓延でした。

 一帯一路に協力的な国、経済合作と中国人労働者を積極的に受け入れてきた国ほど、軒並み新型コロナウイルスの感染拡大による大パニックに見舞われているという現状があります。

なお日本では、一帯一路構想に事実上組み込まれ、広大な土地が中国資本に買われてしまっている北海道で、感染拡大が目立っていたことに注目すべきでしょう。

経済協力とセットになるチャイナリスク

アフターコロナの世界で「脱中国」が大きな課題になるのは、医薬品や電子部品などのモノに関する分野に限った話ではありません。一帯一路をはじめ、中国が仕掛けてくる投資プロジェクトについても注意深く見直す必要があります。

次のグラフは国別のコロナの感染者数と、中国による経済合作の関連性を表しています。中国総務省発表の経済合作に関する統計データを拾い出してグラフ化し、各国の新型コロナウイルスの感染者数のグラフと重ねてみました。


このグラフを見ると、やはり経済合作の規模と感染者数は比例する傾向がみられます。感染者数が世界一のアメリカは、一帯一路にこそ参加していませんが、経済合作の規模が他国に比べてダントツに大きいのです。

誤解してほしくないのですが、私は別に「経済合作で中国人労働者を受け入れたから感染者が増えたのだ」と主張したいわけではありません。経済合作を積極的に受け入れているということは、それだけ中国経済と一体化する――ヒトの面も含めて中国がもたらすさまざまなリスクとも一体化する、ということを訴えたいのです。


日本も含め世界の国々は、中国と経済相互依存になっていくことの危険性を、コロナショックの教訓として受け止めるべきでしょう。もっとはっきり言うなら、財政の緊縮をやめ、中国の企業やヒトにインフラを頼らないことです。

安倍政権はコロナショックへの緊急経済対策のなかで、日本企業の中国からの本国回帰を支援することにしました。今後はモノに限らず、おカネもヒトも脱中国を図るべきです。

そのために必要なのは、内需を破壊する根本問題である緊縮財政と増税と決別する必要があります。一時的な緊急経済対策で終わらせてはいけません。

中国が緊急事態時でもヒトやおカネ、情報を自由にコントロールできるという、ある意味で資本主義社会と比べて有利な立場にあるのは間違いありません。しかし、一方で、香港問題ではその強引さゆえに国際社会から激しい非難を浴びせられています。このままでは“焼け太り”どころか、中国経済の生命線である香港の国際金融センターとしての機能まで失ってしまうかもしれません。

この先、中国が破滅の道を歩むのか、“焼け太り”を成功させて世界に覇を唱えるのかは、まだまだ予断を許さない状況にありますが、いずれにせよ日本のやるべきことは決まっています。

日本経済を完全に復活させることです。もちろん、コロナ以前の状態に戻すという意味ではありません。コロナショックをきっかけに、これまでの間違った経済政策(緊縮財政・増税路線)を改めてデフレを脱却し、着実に経済成長の道を歩むということです。

いくら政府が日本企業に「中国への投資をやめて日本国内に戻ってきてください」と呼びかけたところで、企業は収益志向なので“儲からない”ところにはなかなか投資はしません。それが日本の「脱中国」における非常に大事なポイントです。

日本の経済が依然として低迷し続けるようでは、日本の企業が中国を引き揚げて国内に投資することはできません。これは動かしようのない経済の原則です。日本の「脱中国」には、日本経済の復活が不可欠なのです。

※本記事は、田村秀男:著『景気回復こそが国守り 脱中国、消費税減税で日本再興』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

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「“売る”だけでなく“好き”に寄り添う」BookLive!電子書籍コンシェルジュの想い

2020年12月6日 18:00 WANI BOOKS NewsCrunch

みなさんは、たくさんある電子書店の中から、どこを比べて“行きつけ”にするかを決めていますでしょうか。アプリの使いやすさ? それとも作品の充実さ? 自分に合った書店を選びたいですよね。

言うまでもないことですが、リアル書店には書店員さんがいます。そして電子書店にも“顔が見えない”書店員さんがいます。なかなか実態が見えない電子書店の“中の人”に、この機会にアレコレ聞いてみようと思います。

今回は、橋本環奈さんが出演するテレビCM「マンガを読むなら、ブックライブ」で、おなじみの凸版印刷グループの電子書店BookLive!で『電子書店員すず木』として、特集を担当されている、すず木さんにインタビューしました。


※編集部より:今回のインタビューは「三密」を徹底的に避けて行いました。

顧客満足度1位を獲得、そのポイントとは⁉

――インタビュー早々ですが、BookLive!さんは2021年で10周年なんですね。アプリのアイコンもリニューアルされてました。


BookLive!すず木(以下BL!すず木) そうなんです。2011年2月17日にストアがオープンしたんです。

――おめでとうございます。10周年記念企画とかあるんでしょうか?

BL!すず木 詳しくは言えないのですが、水面下でいろいろ動いているようです……。

――それは気になりますね、社内での楽しんでいる感がすごいですね。ユーザーさんに向けての企画も楽しみです。

BL!すず木 今テレビCMやってるので、ストアでも大きくキャンペーンをやりたいなと思って、色々な企画を練っています。

〇【公式】電子書籍ストアBookLive!【ブックライブ】(YouTubeチャンネル)

――CMよく見ます!

BL!すず木 BookLive!を使っているお客さんには、すごい使いやすい書店だって言ってもらえるんですが、他社さんに比べると知名度がまだまだかなと。だから今、広告とかCMでたくさんの人に知ってもらいたい、と頑張っているところです。

――来年が楽しみですね。

BL!すず木 そうですね。これから企画をいろいろと詰めなければいけないので大変ですが(笑)。

――BookLive!さんの特徴・アピールポイントなどお聞かせ……といいますか、私自身がすごくいいな、と思っているポイントがありまして『鍵付き本棚』という機能なんですが(笑)。

BL!すず木 ありがとうございます。私も、家族とスマホを共用したりはしないんですけど、たまに「これがさぁ~」みたいに本棚を見せるときに、ちょっと見られたくない本があると、非常に気まずいので(笑)。鍵付き本棚に見られたくない本を入れておけば、普通にアプリを立ち上げて見せても、その存在すら相手にはわからないので、めちゃめちゃシレっとできますからね。

――これは最初からあった機能ですか?

BL!すず木 ユーザーさんからのニーズが高かったので、サービス開始後に追加になった機能です。

――嬉しい機能だと思います(笑)。BookLive!さんの顧客満足度が、マンガアプリ総合1位を取ったとお聞きしたのですが、素晴らしいですね。

BL!すず木 はい、そうなんです。ビックリしました! オリコン顧客満足度ランキングの10月の発表で「御社が1位でした」って連絡をいただいたんですけど「えっ!?」みたいな(笑)。「なんか驚き少ないですね」って言われて「いや、なんかうちが1位とか本当です?」みたいな感じで、もちろん実際に使った方から評価をいただけたのは、すごく嬉しかったですけどね。

――実際に使っているユーザーから評価を得られたの嬉しいですよね。

BL!すず木 長編のマンガなどを買ったときに、巻ごとにザーッと本棚に並んでしまって、長いシリーズだと棚が全部埋まってしまうことがあると思うんです。シリーズが全部ひとつのサムネにまとめられると、すごく選びやすいんですよね。あとは本棚を最大300個に分けることができるので、自分でカスタマイズすることが可能なんです。

――社内で「こういうサービスがあれば……」のような意見を集めたりするんですか?

BL!すず木 そうですね、社内からの意見も集めてますね。顧客満足度も重視していて、ユーザーさんの声から改善していくみたいなことも多いです。最近だと、本の削除とか今までなかったんですけど……。『完全削除』という機能がつきました。

――完全削除?

BL!すず木 そうなんです(笑)。 電子書籍の無料本って、期間限定で読めるデータだったりするので。

――たまっていくと本が探しづらくなっちゃう(笑)。

BL!すず木 「読めなくなったものは削除したい」という声を前々からいただいてました。それなら完全削除、そういった無料データも全部削除できる機能があったらいいよねっていうことで、今年になってから開発・実装された機能なんですよ。

――読者からのニーズを聞いてカスタマイズしていくと、顧客満足度は上がりますね。あと『クーポンガチャ』についてもお聞きしたいです。

毎日やらなきゃ損! クーポンガチャ

BL!すず木 はい。クーポンガチャというBookLive!のストアの中で引けるもので、こうガチャっと(スマホで実際にガチャを引く、すず木さん)。「お、今日は全ジャン(全ジャンル対応クーポン)が出たので当たりです(笑)」。毎日内容が変わって、毎日引けるので「今日は何が出るかな?」という感じで楽しめます。

それから、例えば『少女・女性マンガ10%オフクーポン』っていうのが出て「今日は少女マンガじゃなくて、男性マンガが読みたい気分だったのにな」という場合は、この『SNSにシェアする』を押すと、もう一回クーポンが引けるんですよ。

――電子書店でガチャって面白いですね。こういう企画を考える部署などがあるんでしょうか?

BL!すず木 企画部隊がおりまして、そこが機能開発とかそういうものを考えているんです。ただ「どんなガチャを出すか?」「どういうクーポン?」「何%オフにする?」などの内容は、サイト運営側で企画したりもしています。たまにガチャクーポンの企画で、一日限定ですごい割引率の高いクーポンが高確率で当たる、という企画もありますよ。

――面白い、ソシャゲ的な感じですね(笑)。

BL!すず木 そうなんですよ。 ゲーム性の高いものを企画したり、39%クーポンでサンキューみたいな(笑)。39%は10人に1人当たるっていうのでやってましたね。

――すごいですね。10人に1人だったら、まあまあ当たりますね。

BL!すず木 その日に、みんなで引いてみようかみたいな流れになって、とりあえず10人で引いてみたら、私だけが当たりました(笑)。

――確率通りですね(笑)。

BL!すず木 ガチャとは別で『来店ポイント』というのもやっていて、1日1ポイントもらえます。何日か連続でやるとボーナスポイントも付きます。ポイントは電子書籍を買うときに使えば値引きになります。

――すず木さんが入社されたのは、いつ頃なのでしょうか?

BL!すず木 2005年からです。でもBookLiveになる前のビットウェイからなので、15年……。業界としてはだいぶ、お局の域に(笑)。ここまで電子書籍業界が大きくなるとも思っていなかったので、あれよあれよという間に進化してしまいましたね。

――同じ部署で働いているのは何人くらいですか?

BL!すず木 サイトの編成部隊としては、10名くらいですかね。

――すず木さんは、主にマンガを担当されているんですよね。

BL!すず木 メインで担当しているのは少年・青年マンガです。キャンペーンの取り回しとか、少年・青年マンガのトップページに何を載せるかなどの選書をしたりしています。

――女性読者と男性読者、どちらの割合が多いでしょうか?

BL!すず木 そうですね、半々くらいですかね。購入金額だと男性が多くなるんですけど。今すごく女性の登録数が伸びているのは、CMの影響だと思います。

――マンガも書籍も全ジャンル取り扱っているんですよね?

BL!すず木 そうです、全ジャンル扱っていて、私は少年・青年マンガ担当っていう感じですね。ジャンルごとに担当が分かれているので、少年・青年マンガ、少女・女性マンガ、BL、TL、アダルト系、あとは文芸とかラノベ、という形です。1人1ジャンルみたいな。

――ジャンルを1人で担当するのは大変そうです。

BL!すず木 そうですね。めちゃめちゃ新作やら続巻やら入ってくるので「読まなきゃ(歓喜)」みたいな(笑)。

――すごく嬉しそうに聞こえました(笑)。キャンペーンなどの企画も考えたりしているんですよね。

BL!すず木 キャンペーンの企画に関しては、圧倒的に出版社さんからの提案が多いですね。なので、その隙間を縫って提案する形にはなりますね。

――今まで提案した企画のなかで、一番反響があった企画などありますか?

BL!すず木 弊社から提案したものでいうと、林田球先生の『ドロヘドロ』の配信開始時に、作家さんにインタビューさせていただきました。

――林田球先生のインタビューですか? すごいですね!

BL!すず木 インタビューをお受けしていただいたときは、嬉しくてビックリしました(笑)。こういった掘り下げ系の企画もやりますし、それとは関係なく時期的なもので企画を練ったりとか、そういったこともしています。

血反吐を吐きながら書いてます(笑)

――すず木さんが今、推したい本などありますか?

BL!すず木 たくさんありすぎて選びきれないんですが、一貫して言い続けているのは『チェンソーマン』(集英社)ですかね。あとは、ちょっと売れ始めてしまっているので、あまり言いたくないんですけど『呪術廻戦』(集英社)ですね。連載開始時から目をつけていて、単行本1巻が電子化するってときに「ウチで特集を作りたい」みたいな話を集英社さんにして、掘り下げ特集みたいなものを作ったりもしてました。

あとは……『カノジョは今日もかたづかない』っていう祥伝社さんの女性向け作品なんですけど、部屋が汚い片付けられない女性が、いろいろとうまくいかなくて思い悩んでいるときに、同じマンションに憧れてるインテリアの部屋を見つけて「ああいう部屋に住みたいな」と思っていたら、そこに住んでいた人が社内でいけすかないと思っていた男性だった、という。

で、このあと関係がどうなるのっていうのが面白くて、ドラマ化来いって思ってます(笑)。単行本とは別に「分冊版」という話ごとに読めるものと、両方とも取り揃えていますので、ちょっと気になる方は分冊版から読んでいただいてもいいですし、いきなりガッツリという場合は単行本でも。

ーー『カノジョは今日もかたづかない』気になります……。BookLive!さんで売れているのは、どんな本でしょうか?

BL!すず木 今なら『スイート リベンジ』(主婦の友社)です! 酷い男に傷つけられた女性が“落とし屋”マリコに復讐してもらう、というお話なのですが、すごく売り上げが伸びていますね。女性がサクセス!する物語が売れます。

その他だと、メディア化作品は格段に売り伸びます。メディア化に敏感なユーザーさんが多いのかもしれませんね。あとはマンガではないのですが、山下七海さんなどの声優さんのデジタル写真集が売れました。特に(電子書籍ならではの)特典付きが動きました。

――いろいろと面白い企画をやられていますが、そのなかで『書店員すず木』としても活動されてますよね。

BL!すず木 そうなんです。BookLive!の書店員として活動しているのは、私ともう1人『書店員えい子』の2人なんです。えい子は、ちょうどアラサー世代の書店員なので、アラサー向けのちょっとこじらせた女性向けの作品が得意だったり。今だったら、占い師マダム・ジ~ナの12星座占い結果から、えい子がラッキーマンガをオススメするという企画もあります。

――あ、見ました! ついつい自分の星座のマンガを知りたくなりますね。すず木さんは?

BL!すず木 私は『月刊 書店員すず木』という企画で、毎月オススメのマンガを紹介していて年間大賞を勝手に決めているのですが、昨年に引き続き今年も少年・青年マンガ、少女・女性マンガそれぞれベスト50という地獄の選定を……(笑)。

――『月刊 書店員すず木』を読ませていただいたのですが、作品に対する感想が熱いんですよね。熱を感じる文章に、ついつい引き込まれてしまいました!

BL!すず木 嬉しいです! あれを書くのにむちゃくちゃ時間がかかって(笑)。毎回、めちゃめちゃ血反吐を吐いてます(笑)。

――あ、スラスラじゃないんですね(笑)。

BL!すず木 全然ですよ。これじゃ伝わらない、とか(笑)。めちゃめちゃ苦労しました。マンガは好きだけど、好きを形にするって苦労しますね。難しいです、書くのは……本当に。

――ここまで熱く感想を書いてもらえると、作家さんもすごく喜ぶと思います。

BL!すず木 本当ですか!? そうだとうれしいですね~。

――本当にすごい熱量だなって思いました。読ませる文章で、すごかったです。ランキングは、すず木さんが1人で決められているんですか?

BL!すず木 そうです。あれは基本的にもう偏見で。本当に独断と偏見で、忖度なしです(笑)。

――売り上げに影響が出たりは?

BL!すず木 少しは売り上げが伸びるんですけど、まだ「私が推したおかげで桁が変わりました」みたいなことにはなっておらず(笑)。

――最終的にはそこにいきたいですよね。

BL!すず木 いきたいですね~。

――『月刊 書店員すず木』ですが、いつから始められたんでしょうか?

BL!すず木 2018年ぐらいからやっていて、元は『カリスマ書店員がオススメする本当に面白いマンガ』という特集名だったんですけど(笑)。「顔出ししなよ」という話が社内で持ち上がって、じゃあ書店員すず木っていう名前でやっていこう、みたいな(笑)。

――でもガッツリ顔出しはしてないですよね。

BL!すず木 そうですね。さすがに自分の顔がサイトのトップのバナーにドンっときたら嫌だなって思いまして、匂わせ女子的な感じにしてもらいました(笑)。

機能を充実させるだけでなく人間味も大事にしたい

――最初に『書店員すず木』を言い出したのは誰なんでしょうか?

BL!すず木 (隣にいるPR担当社員さんをジーっと見ながら)この人です(笑)。

――近くにいらっしゃった(笑)。『書店員すず木』のプロデューサーみたいな感じですね。ちなみにこの企画を考えられたキッカケはなんでしょうか?

書店員すず木P そうですね。ウチ(BookLive!)はストアとして、出版社さんからは「いい意味で個性がないね」ということを言われることが多くて、書店さんによって売上ランキングに違いがあったりするじゃないですか、あるジャンルがすごく強い電子書店とか。ウチはあまりそれがなくて、出版社さんにはBookLive!さんの売り上げランキングは「市場で何が売れているのかわかりやすい」と言われるくらい、あまり突出したポイントがなくて……。

でも一般的なものが売れるということは、万人に好まれる総合書店としてのストアづくりができているという事でもあるなと。であれば個性を強調するよりも、みんなが安心して面白いと思える作品をユーザーと同じ目線でおすすめできる書店員がいるといいな、ということで企画しました。サイトでも機能的な使いやすさはもちろん、追求していくんですが「この人がオススメしてくれるなら買おうかな」みたいな、人間味も大事にしたいと思ってます。

――年間2000冊のマンガを読んでいる、すず木さんにピッタリとハマった企画ですね(笑)。それにしても年間2000冊はすごい。

BL!すず木 そうですね。なんだかんだ計算したら、そうなるなって(笑)。

――全部、電子書籍ですか?

BL!すず木 えっと、紙も入っています。

――完全にマンガ部屋になってるんじゃないですか。

BL!すず木 はい、壁一面が本棚みたいな(笑)。それだけ新作が入ってきてるっていうことなので。出版社さん、ありがとうございます!

――Twitterの企画もされているんですか?

BL!すず木 はい、普段は別の者が担当しているのですが、年に数回、1日Twitter担当みたいな感じで、その時だけ『書店員すず木』降臨、みたいな(笑)。電子書籍コンシェルジュ企画ですね。一番反響が多かったのが『好きなマンガを3タイトル挙げてくれたら次に読む作品をオススメ、提案します』という企画で、たくさんのコメントをいただきました。1日で20件くらいは返信したんですが、それでも追いつかないくらい。

――好きな作品3タイトルで、その人の傾向を見抜いたってことですか?

BL!すず木 そうです。プロファイリングして、たぶんこういうのが好きで、これは読んでないだろう、みたいな(笑)。返信した方から知らなかったから読んでみます、実際に読んで面白かったです、みたいな感想もいただけて嬉しかったですね。

――すごいですね! 「棚」のこだわりなどもありますか?

BL!すず木 画面で真っ先に目に入るところに、どの画像を置くかは気をつけていますね。この部分がリアル書店でいうと、入ってすぐの平台だと思っているので! 話題作が手に取りやすいようにするのはもちろんなんですが、BookLive!の独自性があるキャンペーンを中心に露出するようにしています。作品はほぼ毎日追加されますし、デジタルは鮮度が命だと思っているので、電子書店の「棚」は毎日何かしら変更を加えて、みなさんが常に新しい作品と出会えるように心がけています。

こだわりとしては、やはり今は『鬼滅の刃』(集英社)なのですが、どうしようかなって思って、映画のストーリーが載ってる途中巻を目立つように表示させたりしました。

――電子書店員としての苦労、悩みなどはありますか?

BL!すず木 繁忙期や閑散期がないというところですかね。毎日新作が入ってきて、キャンペーンも次から次へと実施されているんですが、いうなれば、週刊誌を作っているような……。短いスパンでいろいろなことを決めて、実施していかなければならないのが大変です。しかもそれをしながら、もっとたくさんの漫画を読みたい! と思うので時間が足りません(笑)。

――かなりハードですね。それでも取り組みたいことなどはありますか?

BL!すず木 そうですね、デジタル特典でしょうか。BookLive!には特定の電子書籍を購入すると、購入者だけに特別な動画や画像をプレゼントできる機能があるので、こういった電子書店ならではの施策を今後も充実させていきたいと思っています。あとはユーザーさんが、今よりも簡単に好きな作品と出会えるように、作品につけるタグを数を増やしていく予定です。

例えば「ラブコメ」などのオーソドックスなジャンルは、今もあるんですが「年の差」「愛なき結婚」みたいな、内容に踏み込んだキーワードを作って、自分に合った作品を探しやすくなるようにしていきたいですね。ひとつ面白いジャンルを見つけたら、じゃあ次は何を読もうかなってなったときに「この中から探せばいいか」ってなればいいですね。あ、もちろん『月刊 書店員すず木』も、もっとたくさんの方に知ってもらえるように頑張っていきたいです(笑)。

――BookLive!さんで検索すれば、沼レベルでハマる作品に出会えるっていいですね! すず木さんが考える、電子書店・電子書籍の今後についてお聞かせください。

BL!すず木 毎日、電子書籍と向き合うイチ書店員としては、いつでも思い立った時に買えて読める、しかも場所を取らないというのが電子書籍のメリットだと思います。コロナ禍で、若者だけではなく60代~70代にもユーザー層が広がり、その魅力に気づく方がどんどん増え、電子書籍が注目されていることを体感しているので、今後は電子先行配信や、電子限定配信などの作品も増えて、電子書店が作家・出版社・読者を繋ぐ役割を果たしていくのかもしれません。

ーーたしかに、新型コロナの影響で電子書籍の需要が増えた感じですね。

BL!すず木 機能的な使いやすさを追求することは、電子書店として当然やっていくのですが、リアルの本屋さんって欲しい本がなくても「なんかないかな~」って立ち寄ることのほうが多いと思うんですよね。私たちのような電子書店運用側の手腕が問われるのはそういう「ちょっと小説を読みたいな」「面白いマンガがあれば買いたいな」といった、答えのないユーザーさんにどれだけ寄り添って、提案ができるかということだと考えています。

そのために、機能的な面でサポートするのはもちろんですが「この人がおススメしているから安心」「絶対に面白いから買おう」といった、より人間的な部分でユーザーさんに信頼してもらえるためのコミュニケーション施策や、テーマ別の独自特集や読み物を増やしていくなど、機械学習や商品の品ぞろえ以外の部分で特色を出していきたいです。

ただの「使いやすい本を売るECサイト」ではなくて、いつでも来ると新しい出会いがあって、自分の「好き」に囲まれた本棚で心を豊かにする体験ができる、ユーザーさんにとって唯一無二のサービスを提供する書店になれたらと考えています。


――BookLive! すず木さん、ありがとうございました!

『いつも心に「マンガ部屋」を。』と『人生を豊かにするマンガや本との出会い』や『自分の「好き」に心ゆくまでひたれる』サービスの提供をブランドメッセージとして掲げるBookLive!さん。2021年2月には10周年を迎え、さらなる人間味のある個性的なサービスや企画を楽しみにしてます!

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