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「GoToイート」事業を受注「ぐるなび」系会社が菅首相に献金

2020年9月16日 16:00 文春オンライン

 9月16日に召集された臨時国会で、新首相に選出された菅義偉氏(71)。就任早々スタートする予定なのが、飲食店の支援策「GoToイート」事業だ。菅首相が官房長官時代から強力に推し進めてきたGoToイート事業を、菅氏と親密な企業が受注していることが「週刊文春」の取材でわかった。

【画像】菅氏と昵懇の間柄だというぐるなびの滝久雄会長

 その企業とは、レストラン予約サイトを運営する「ぐるなび」(東京都千代田区)。GoToイートは「消費者が、(1)購入額の25%を上乗せしたプレミアム付食事券か、(2)オンライン飲食予約サイト経由で予約した際に付与されるポイントを利用することで、還元を受けられる仕組み」だが、ぐるなびが今回、受注したのは(2)の「オンライン部門」だ。

 経済部記者が解説する。

「このイート事業には、事務委託費として最大469億円の予算が投じられています。このうちオンライン部門の委託費は計61億円。事業者は企画競争入札で選ばれ、18社の応募のうち13社が採択されました」

 中でも、審査委員からの得点が最も高かったのが、ぐるなびだ。委託費の配分は「過去、予約者にどれだけポイントを付与してきたかの実績に、ある程度比例する」(農水省GoToEatキャンペーン準備室担当者)ため、他の12社と比べても、ぐるなびへの委託費は高額になると見られる。

 実は、ぐるなびの創業者で、現会長の滝久雄氏は菅氏と昵懇の間柄だという。

 菅氏が代表を務める政治団体の収支報告書を遡ると、菅氏が初当選を果たした1996年から2012年にかけて、滝氏が会長を務める広告代理店「NKB」などが、菅氏の政治団体「自由民主党神奈川県第二選挙区支部」「横浜政経懇話会」に計280万円の寄附をしている。また、総選挙が行われた2000年には神奈川県第二支部からNKBの子会社に、ポスター制作費として58万8000円が支払われている。

 ぐるなびに見解を尋ねると、こう回答した。

「ご質問のような関わりは一切ございません。イート事業はコロナ禍で困窮する飲食店の救済策と捉えており、弊社は具体的に効果のある提案をさせていただいたつもりです」

 一方、菅氏は事務所を通じて、以下のように回答した。

「『親密な関係が採択に影響した』との事実はありません」

ぐるなびの筆頭株主は現在、楽天。携帯大手3社に厳しい姿勢で臨んでいる菅首相は、楽天など新興業者の携帯事業参入を後押ししてきたとされ、三木谷浩史・楽天社長兼会長とも親交がある。GoToイート事業の受注額は公開されていないが、今後、行政の透明性確保の点からも情報公開が求められることになりそうだ。

 9月17日(木)発売の「週刊文春」では、菅氏とぐるなびの関係をより詳しく報じているほか、横浜カジノ計画を巡って関係業者の経営トップから多額の献金を受けてきた問題、菅氏の“最側近”森山裕国対委員長が株式投資で巨額の含み益を得ている事実、さらには年内とも囁かれる解散総選挙の行方などについても取り上げている。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年9月24日号)

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12人がコロナ感染 二階派“秘書軍団”が「和歌山カラオケバー会食」

2021年1月27日 16:00 文春オンライン

 緊急事態宣言が1都3県を対象に発令された1月8日。その当夜、鶴保庸介元沖縄北方相(53)の公設秘書2人と、門博文衆院議員(55)の公設秘書が、和歌山市内のカラオケバーで飲酒を伴う会食を行い、新型コロナウイルスに感染していたことが、「週刊文春」の取材でわかった。

【写真】この記事の写真を見る(4枚)

 鶴保、門両氏はともに和歌山県が地盤で、二階派の所属。中でも、鶴保氏は常に二階俊博幹事長(81)と政治行動を共にしてきた「最側近」だ。

 1月8日夜にカラオケバーで会食していたのは、鶴保氏の公設第1秘書のX氏、公設第2秘書のY氏、門氏の公設第2秘書のZ氏。3人は、和歌山市内の韓国料理店で食事をとった後、別の和食居酒屋へ移動。3軒目に市内のカラオケバー「A」に向かったという。

 常連客が証言する。

「カウンター10席と、テーブル席が2席しかない“密”な空間です。従業員が少年隊の『仮面舞踏会』を歌って踊るショータイムが店の名物。1月8日夜、X氏らは夜8時を過ぎても、マイクを使い回してカラオケを楽しんでいたそうです」

 だが、その後、X氏、Y氏、Z氏のコロナ感染が発覚。ほどなくして店員らも感染が確認され、「A」の感染者は1月25日時点で、計12名に及んでいる。

 和歌山県は1月21日、以下のように報道発表し、県内21例目の「クラスター」と認定した。

〈1月8日に東京からの陽性者を含めた関係者が来店され、そこで飲食やカラオケをしてうつり、その後、従業員にうつり、お客さんにうつっていった可能性が高い。こうしたことから(略)クラスターに認定いたします〉

 門事務所に事実関係の確認を求めたところ、期日までに回答はなかった。

 鶴保事務所は以下のように回答した。

「1月8日の時点では、和歌山県において非常(回答文ママ)事態宣言なされていない。自粛呼びかけもなかった。県内感染者数も軽減減少だった。

 それを充分考慮した上で東京の秘書については、12月末に陰性確認をした後、東京から自家用車で家族で移動。1月8日までの間は充分な期間があり、本人には体調不良の傾向も見当たらなかった。

 県内ででまわってるネット報道によると、東京の秘書があたかもコロナウィルス(ママ)を運んできたようであるとの県の見立てがあるが、正式に和歌山県に確認したところ、そのような断定はしていないとの事。もちろん、誰が感染源であるかの特定につながる情報は一切発表していない」

 だが、和歌山県の1日あたりの新規感染者は年末以降、ほぼ右肩上がりで推移し、1月7日には過去最多(当時)の21人を記録。仁坂吉伸県知事も会見で、大都市圏との往来や会食自粛を呼び掛けていた。もちろん、感染自体は責められるものではないが、国家公務員の立場である公設秘書の行動として、適切な「会食」だったのか、論議を呼びそうだ。

 1月28日(木)発売の「週刊文春」では、「A」で発生したクラスターの詳細や、鶴保氏が当初「週刊文春」の電話取材に何と回答したのか、X氏、Z氏との一問一答などについて報じている。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年2月4日号)

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ヴェルディ親会社がJリーグに“告発” 羽生前社長の“不正会計”報告書

2021年1月27日 16:00 文春オンライン

 昨年末、J2・東京ヴェルディを子会社化したスポーツ用品販売大手の「ゼビオ」(福島県郡山市)。同社が公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に提出した報告書で、ヴェルディの羽生英之前社長(56)が主導した“不正会計”を指摘していることが、「週刊文春」の取材でわかった。

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 羽生氏は2005年にJリーグ事務局長に就任。2010年、当時、経営難に瀕していたヴェルディの社長を兼務し、ゼビオとのスポンサー契約を締結したことで、クラブは存続の危機を脱した。

 ところが、大株主のゼビオと羽生氏はその後、クラブの経営方針を巡って対立。昨年12月25日、ゼビオはヴェルディを子会社するとともに、羽生氏の退任を発表した。

 Jリーグ関係者が明かす。

「子会社化にあたり、ゼビオはヴェルディへの内部監査を実施し、Jリーグに報告書を提出しました。そこには、羽生氏が主導した“不正会計”が記されていたのです」

 ゼビオ側が問題視する一例が、経費の過剰な支出だ。 

「2019年度だけで、銀座の老舗高級クラブに20回以上通い、220万円以上を経費で落としている。この店には、お気に入りの女の子もいるそうです。ゴルフも20回以上、計120万円を経費で落としており、こうした支出は2019年度だけで約750万円に上るのです」(ヴェルディ関係者)

 羽生氏に事実関係の確認を求めたところ、代理人を通じて以下のように回答した。

「(経費支出に関して)羽生氏は、東京ヴェルディの事業活動のため、東京ヴェルディが許容した経費しか用いておりません」

 一方、ヴェルディは以下のように回答した。

「現在、当社に対する詳細な監査作業が進んでいる最中ですので、具体的なコメントは控えさせていただきますが、監査の結果、当社として対応すべき事象が確認された場合は、適切に対応をしていく所存です」

 だが、ゼビオ側が指摘する羽生氏の“不正会計”はこれだけに留まらないという。

 1月28日(木)発売の「週刊文春」では、ゼビオと羽生氏が対立してきた経緯や、Jリーグへの報告書に記されたスポンサー料の還流や架空循環取引などの問題、“不正会計”に対する専門家の見解などについて報じている。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年2月4日号)

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弟子・正代が優勝争いの最中 時津風親方の5夜連続「雀荘通い」写真

2021年1月27日 11:23 文春オンライン

 新型コロナの感染が広がり、力士65人が休場する厳戒態勢の中で開催された大相撲初場所。1月24日に千秋楽を迎えたが、優勝を争っていた大関・正代の師匠、時津風親方(元時津海・47)が場所中に連日、雀荘に通っていたことが「週刊文春」の取材で分かった。

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 1月18日、時津風親方は午後6時過ぎに両国国技館から車で帰宅すると、午後7時前に再び車で部屋を出発。港区赤坂の繁華街にあるコインパーキングに車を止めると、コンビニのATMで現金を下ろした後、雑居ビル内にある雀荘に入っていった。結局、親方はこの雀荘に1月18日から22日まで5夜連続で通い、部屋に帰るのは午後11時前後。そのうち3回はコンビニのATMで金を下ろしていた。

 日本相撲協会はコロナ対策のガイドラインを策定しており、本場所中の不要不急の外出は、親方も含めた全協会員に対して禁止している。さらに協会が作成した感染予防を啓蒙するポスターにも、行ってはいけない場所として「雀荘」と明記されている。

 時津風親方は昨年9月の秋場所前、不要不急の外出が禁止されている中で宮城県に旅行し、居酒屋で会食した上にゴルフコンペに参加。さらに福岡市にも滞在するなど、相撲協会のコロナ対策ガイドラインに違反し、10月1日に委員から年寄への2階級降格処分を受けていた。さらに2010年には野球賭博にも関与し、同じく2階級降格処分を下されている。

 1月26日、相撲部屋から出てきた時津風親方を直撃。場所中に雀荘通いをしていたかと問うと、「行ってない、行ってない」と答え、車で走り去った。

 小誌の直撃直後、時津風親方は複数の関係者に相談。同日夕方には相撲協会に呼び出され、事情聴取を受けた。協会関係者が明かす。「その晩、時津風は『はめられた』、『おれはもうクビよ』と周囲に話していたそうです」

 だが、親方の「乱倫」はこれだけではなかった。弟子の正代が大栄翔と優勝争いを繰り広げる中、複数回、ある風俗店に通っていたのだ。

 1月28日(木)発売の「週刊文春」では、時津風親方の評判、正代との師弟関係、通っていた風俗店、千秋楽翌日の“密会デート”など角界屈指の「名門」時津風部屋で何が起きていたのかを詳報する。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年2月4日号)

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cat_oa-rp89662_issue_46f0da7300c6 oa-rp89662_0_15318364bb85_子供のお手伝い、どうほめる? 育児からビジネスまで使える「ほめる」ときの注目ポイント 15318364bb85 15318364bb85 子供のお手伝い、どうほめる? 育児からビジネスまで使える「ほめる」ときの注目ポイント oa-rp89662

子供のお手伝い、どうほめる? 育児からビジネスまで使える「ほめる」ときの注目ポイント

2021年1月27日 11:00 文春オンライン

 子供を権利を持った一市民とみなし、ほめるときも叱るときも、子供の自主性を伸ばすことを意識する。オックスフォード大学で児童発達学を修め、現在はカナダの大学で幼児教育の教員養成に携わる著者は、モンテッソーリ教育、レッジョ・エミリア教育をベースに、大人のエゴを押し付けて子供の動機づけを誘導するような従来の教育とは違う育児の方法論を提示する。

「子供の自主性を尊重する理論を紹介した本はほかにもあるのですが、本書は著者の教員としての経験を活かし、『声かけ』という形で理論を実践に落とし込んでいる点が特徴です」(担当編集者の大竹朝子さん)

 たとえば、子供がお手伝いをしたとき、ただ〈さすが〉とほめてもおざなりで、子供に自分自身の長所が伝わりにくい。代わりに著者が推奨するのは、〈自分から挑戦してくれたんだね〉のように、プロセスに着目した声かけだ。

 主な読者層は30代・40代の子育て世代。教育を扱った本の読者は女性が中心だが、本書は男性読者の比率が4割と高めだ。

「男性読者に受ける理由のひとつは、内容が科学的なエビデンスに基づいている点。もうひとつは、ビジネスシーンでの需要です。本書の内容は、アクティブ・リスニングやプロセスの評価といった、近年のビジネスの考え方にも通じるようですね」(大竹さん)

2020年4月発売。初版6500部。現在13刷8万部(電子含む)

(前田 久/週刊文春 2021年1月28日号)

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「やっぱり0から生み出す人がカッコいい」 松本人志ツイートで浮かぶ“芸人に教養は必要なのか”問題

2021年1月27日 11:00 文春オンライン

 年明け早々の1月4日、松本人志がTwitterにこんなツイートを投稿した。

【写真】この記事の写真を見る(7枚)

《物知りな人は物知りな人の話を記憶している人。やっぱり0から生み出す人がカッコいいなぁ~。》

 これに対しては同意するリプライがたくさんついた一方で、「0から生み出しているように見える人も、実際には何かしらの知識や経験をもとにしている」といった意味の反論も目立った。

絶えず新しい型を生み出していかねばならない宿命

 たしかに、どんなに独創的な作品でも、突き詰めていけば「0から生み出す」ということはありえない。音楽にせよ、映画にせよ、小説にせよ、多くの芸術ジャンルでは、むしろクリエイティブなつくり手ほど古今東西の作品を熟知していたりする。

 だが、ことお笑いに関しては事情がちょっと異なる。どんなにお笑いの歴史などについて深い知識を持っていようとも、必ずしも人を笑わせられるわけではないからだ。

 そもそも、落語のような伝統芸はともかく、漫才やコントの場合、確固とした型がなく、絶えず新しい型を生み出していかねばならない宿命にある。

「マヂカルラブリーの漫才は漫才なのか」問題

 おそらく松本人志ほどこのことを意識している芸人はいない。それは、昨年のM-1グランプリで優勝したマヂカルラブリーの漫才について「あれは漫才なのか」とネット上で議論が起こったのを受け、彼が「漫才の定義は基本的にない」「定義をあえて設けることでその定義を裏切ることが漫才」(フジテレビ『ワイドナショー』2020年12月27日放送分での発言)などと持論を展開したことからもあきらかだ。

 松本の言う「0から生み出す」も、「新しい定義をつくること」とほぼ同義と捉えたほうがよさそうだ。そう解釈すれば、先のツイートもけっして的はずれではない。彼のなかでは、新しい定義をつくり続けられる者こそ、一番「カッコいい」存在なのだろう。

 もっとも、だからといって、お笑い芸人が物知りである必要はないのかというと、そういうわけでもないだろう。

欧米から貪欲に学んできたかつての喜劇人たち

 お笑いの歴史をひもとけば、かつての喜劇人たちは欧米から貪欲に学んできた。たとえば、戦前に一世を風靡した喜劇俳優の榎本健一(エノケン)は、アメリカのスラプスティック・コメディ(ドタバタ喜劇)の創始者である映画監督マック・セネックの喜劇から動きとセンスを採り入れたと語っていた(小林信彦『日本の喜劇人』新潮文庫)。

 エノケンや彼と人気を二分した古川ロッパなどによるドタバタ喜劇は「アチャラカ」とも呼ばれた。この言葉からして、「アチラ(欧米)風のモダン、ハイカラ」の意味での「アチラ」が転じ、バタ臭い喜歌劇を指すようになったものだとされる。

 戦後においても、フランキー堺やクレージーキャッツの面々は、映画やテレビで活躍する以前にはジャズミュージシャンとして米軍キャンプを演奏で回っていたこともあり、アメリカのエンターテインメントから大きな影響を受けた。音で笑いをとる彼らの芸は、スパイク・ジョーンズというコメディアンが元ネタだし、クレージーキャッツの一員である谷啓は、コメディアンのダニー・ケイからその芸名をつけている。

 クレージーキャッツの後輩にあたるドリフターズの志村けんも、高校時代にアメリカの喜劇俳優ジェリー・ルイスの映画を観て、衝撃を受けたのを機にお笑いの道を志した。志村は後年にいたっても、仕事のネタにするため映画のビデオやDVDを買いこんでは、夜な夜な研究していたという(志村けん『志村流』三笠書房)。

教養をクイズ番組や情報番組に活かしてきた第2世代以降

 クレージーやドリフは「お笑い第1世代」ともいわれるが、続く第2世代にあたるタモリやビートたけしなどになると、欧米からの影響は薄まる。

 ただ、たけしが読書家であることはよく知られるし、タモリもNHKの『ブラタモリ』で地学について専門家顔負けの知識を披露するなど、いずれも教養人としての側面を持つ。たけしには、フライデー事件で謹慎中、小中学生用のドリルなどで勉強をやり直した経験から、のちの人気番組『平成教育委員会』を企画したというエピソードもある。両者とも、趣味を通して培ってきた教養を、のちのち仕事に活かして成功を収めた好例といえる。

 最近の若手・中堅でも、オードリーの若林正恭などは自らの意志で家庭教師をつけ、ニュースや歴史について学んでいるという。ただ、かつての喜劇人たちにとって学ぶことはネタづくりに直結していたのに対し、第2世代以降の芸人・タレントたちは必ずしもそうではない。教養が活かされるのは、ネタをつくるときよりも、クイズ番組で回答したり情報番組でコメントしたりするときのほうが多いはずだ。

海外、伝統芸……多様化するお笑いのスタイル

 しかし、状況はまた変わりつつあるのではないだろうか。ここしばらく、渡辺直美やピースの綾部祐二などアメリカに留学する芸人があいつぎ、またYouTubeを通じて海外でも人気を得たピコ太郎のようなケースも生まれた。こうした流れのなかで、芸人のあいだで海外のエンターテインメントに学ぼうという機運が再び高まりそうな予感を抱く。

 他方で、すゑひろがりずや東京ホテイソンのように、漫才やコントに狂言などの伝統芸のスタイルを採り入れる芸人も現れている。これとは逆の流れとして、月亭方正や桂三度など、漫才・ピン芸などから落語に転身するケースも目立つ。昨年、NHK新人落語大賞を受賞した笑福亭羽光も、もともとは「爆裂Q」というお笑いグループのメンバーだった。

 

 お笑いのセンスは、生まれ育った環境によって身につくところが大きい。松本人志をはじめ「0から生み出す」タイプの芸人たちは、デビュー前から培ったセンスを武器に、新たなお笑いのスタイルをつくってきた。

 しかしセンスというのは、その後の学習によって磨いたり深めたりすることもできる。ましてや、お笑いが多様化する現在、新たなスタイルを生み出すのは生半可のことではない。そこで芸人たちが海外や伝統芸といった外の世界にお手本を求めるのは、ごく自然の流れだろう。歴史を振り返れば、それは一種の先祖返りともいえる。

お笑いにプロセスは関係ない

 それでもお笑いの評価基準はつまるところただ1つ。笑いがとれるかどうかだけだ。新たなスタイルを0からつくろうとも、お手本をもとにつくろうとも、目の前にいる人を笑わせられなかったら意味がない。そう考えると、「0から生み出す人がカッコいい」という松本人志の言葉には、お笑いにプロセスは関係ないという意味が込められているようにも思えてくる。

(近藤 正高)

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元カレの結婚式に呼ばれた主人公の復讐劇が話題に。あなたのまわりにも一人はいる、可愛くて怖い女の子の物語

2021年1月27日 06:00 文春オンライン

 病院にシクラメンの鉢植えを持ってきてしまい、「あんたそのトシで御見舞に鉢植えがタブーってことほんとに知らなかったの!?」と大目玉を食らう主人公――。

【写真】この記事の写真を見る(7枚)

 そんな描写から始まる短編『宿り木』は、山田詠美さんが原作、内田春菊さんがマンガを手がける短編コミック集『タイニーストーリーズ』に収録されている1篇。

 人当たりがいいけれど腹の底が読めない女性による、衝撃的なストーリーをお楽しみください。『宿り木』前編を読むにはこちら。

モデルとして活躍する従姉と、短大を出ても就職できなかった私

「私」の従姉の舞子は幼い頃から美しく賢く、今はモデルとして成功しています。
一方の「私」はというと、ぐずでのろま。学生時代から舞子に付き従い、その関係は「王女と小間使い」そのもの。大きくなっても関係性は変わらず、短大を出ても就職できなかった「私」は、舞子に養われています。

 ある日、「そうだ 私も結婚式に出ないとならなくて」と切り出す「私」に、間髪入れずに「白いドレスで行っちゃ駄目よ!! 白を着るのは花嫁だけの特権なの」と釘をさす舞子。「私」は「良かった 聞いといて!! ありがとう」と喜ぶものの、実際に式に着て行ったのは――。

 舞子の白いドレスでした。「私」のきらびやかな装いに、周囲は騒然となります。

 気分を害した新婦は新郎と大喧嘩に。「舞子のドレスが汚れないうちに帰ろ」と「私」は式場を後にします。

 実は新郎は「私」の元彼でした。結婚式の騒動で翌日三行半を突き付けられた彼は、会社にも居づらくなり、ついには路頭に迷ってどぶの中に落ちて死んでしまいます。

 後日、舞子の髪を手入れしながら「やっぱり舞子ってすごいわね。ありがとう舞子」と感謝を述べる「私」。舞子も当然のように「あらやだ なに当たり前のこと言ってんの?」と受け入れます。

 志乃の復讐は元彼相手だけにとどまらず、徐々にエスカレートしていき……。続きはこちらからお読みください。単行本も発売中です。

 このマンガを手がけた内田春菊さんは、『タイニーストーリーズ』について「6つの物語の中にたくさんの人達の人生の悲しみ、喜び、ヒント、そしてエロスが詰まっています。漫画にしていてとても楽しかったので、ぜひお読みください。」とコメントしています。

(文春コミック/文春コミック)

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「トランプは史上最低の大統領」A・シュワルツェネッガー73歳が決起した理由

2021年1月27日 06:00 文春オンライン

「トランプは嘘で人々を欺き、クーデターを企てた。史上最低の大統領として名を残すだろう」

【写真】この記事の写真を見る(2枚)

 1月10日、こう語る動画をSNSに投稿したのは、俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー(73)。6日の米議会襲撃事件を、ナチス・ドイツが扇動した反ユダヤ暴動になぞらえて、トランプ支持者たちを糾弾した。動画の再生回数は3800万回を超えている。

 実は襲撃事件の前日、彼は「共和党がトランプを阻止すべき理由」を英エコノミスト誌に寄稿していた。

「彼が生まれ育ったのは、かつてナチス・ドイツ統治下だったオーストリア。その時の体験をもとにアメリカの現状を憂え、バイデンの勝利を認めない共和党議員たちに向けて、選挙結果を受け入れるべきだと警告した。この文章は世界で500以上のメディアで取り上げられたのです」(在米記者)

 渡米したのは1968年、21歳のとき。当初は英語もあまり話せず、所持金は20ドルだったが、ボディビルで世界の頂点に立ち、「ターミネーター」シリーズでアクションスターとして不動の地位を獲得した。そして、2003年、カリフォルニア州知事選に出馬。

「大統領選の最大の票田で、民主党の地盤だが、前知事のリコールを受け、共和党から『カリフォルニアのために』と立候補し当選し、2期7年務めた」(同前)

「資格さえあれば大統領選に出馬したかった」

 共和党員だったが、トランプが当選した16年の大統領選直前に「今回初めて共和党に投票しないつもりだ」と宣言。「資格さえあれば今年の大統領選挙に出馬したかった」と打ち明けた。

「彼はアメリカ生まれでないため、大統領になれない。移民から大スターとなった、アメリカン・ドリームの体現者である彼は共和党穏健派として、排外主義的な発言を繰り返すトランプを許せないのでしょう」(同前)

 17年1月、大統領に就任したトランプの後任として、シュワルツェネッガーはリアリティー番組のホスト役となったが、視聴率が低迷。トランプに揶揄されると、「仕事を交換しないか。そうすれば皆眠れるようになる」とツイッターでやり返す一幕もあった。

 ただ、映画では米大統領役を演じた。『カン・フューリー2』を19年に撮影した際、こう語っていた。

「大統領になったらということを想像するよ。なる機会があれば断らない。世界とともに様々な問題に取り組む機会と権力があったら、素晴らしいと思う」

 今回のトランプ批判を共和党員からも称賛されたシュワルツェネッガー。政界に復帰する気はないものの、自分の影響力を使って、「共和党をよりよい方向へ変えていきたい」という。

(近藤 奈香/週刊文春 2021年1月28日号)

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cat_oa-rp89662_issue_46f0da7300c6 oa-rp89662_0_e09d9dc9b8cf_総書記、国防委員長、国家主席…池上さん、北朝鮮の肩書きは結局どれが「一番えらい」? e09d9dc9b8cf e09d9dc9b8cf 総書記、国防委員長、国家主席…池上さん、北朝鮮の肩書きは結局どれが「一番えらい」? oa-rp89662

総書記、国防委員長、国家主席…池上さん、北朝鮮の肩書きは結局どれが「一番えらい」?

2021年1月27日 06:00 文春オンライン

Q 北朝鮮、結局、どの肩書きが一番えらいの?

 1月10日、北朝鮮の金正恩氏が「総書記」に就任したというニュースを聞きました。北朝鮮のニュースには「朝鮮労働党委員長」「国防委員長」「国務委員長」「総書記」「国家主席」と、いろいろな肩書きが出てきます。「総書記」は金正日氏が使って以来の復活、金日成氏は「国家主席」の肩書きを使っていたと解説で聞きましたが、全員がその時代に北朝鮮で「一番えらい」存在だったと思います。それぞれどんな違いがあり、どの肩書きが「一番えらい」のでしょうか。(20代・男性・学生)

【写真】この記事の写真を見る(3枚)

A 国家のトップ、英語で言う「プレジデント」は「国家主席」です。

 いろいろな肩書でややこしいですね。北朝鮮のトップは、朝鮮労働党のトップであり、国家のトップでもあるので、それぞれ肩書の名称が異なるのです。

 金正恩の祖父の金日成は、朝鮮労働党の委員長という肩書を使っていたことがありますが、1966年以降は「総書記」という名称を使いました。日本風に言えば「書記長」です。

 一方、国家のトップでもあったので、こちらの名称は「国家主席」です。英語で言えばプレジデントです。

 金正日になると、朝鮮労働党のトップとして「総書記」の肩書は継承しましたが、国家主席の名称は受け継ぎませんでした。金日成が神格化されていたため、敬遠したようです。その代わり、国家組織のトップを国防委員会にして、そこの「委員長」という肩書を使用していました。

 ですので、2002年、小泉純一郎首相が北朝鮮を訪問した際、小泉首相は「金正日委員長」という呼び名を使っています。つまり、朝鮮労働党のトップに会ったわけではない、国家のトップに会い、国家と国家の約束をしたのだという意味だったのです。

 金正恩は、当初は父親に遠慮して総書記の名前を使わず、第一書記や委員長の肩書を使っていたのですが、遂に総書記の肩書を継承しました。それだけ自分が権力を掌握したことを内外に鮮明にしたかったのでしょう。

 今後は、国家のトップとして、祖父が使用した国家主席の肩書を使うことになるのか注目されています。

(池上 彰)

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「密入国は許されない」「不法移民が多すぎる」そう思う人こそ知って欲しい“アメリカ国境の現在”

2021年1月27日 06:00 文春オンライン

 米国にさほど関心がない人でもトランプ前大統領がメキシコ国境壁の建設に執着したことは知っているだろう。数年前に中南米から米国を目指した移民集団キャラバンのことも思い出すかもしれない。

「密入国が許されないのは当然だ」「不法移民が1000万人以上もいることこそ異常だ」「トランプ氏の強硬姿勢は全く正しい」。もしそうした考えが頭をよぎったのであれば、是非とも本書を読んで欲しい。負の記号としてのみ認識していたそうした移民や難民の捉え方が変わるはずだ。いや、世界の見え方そのものが変わるはずだ。

 確かにトランプ時代の4年間、国境壁をめぐる報道は大量にあった。正直、私自身も本書を最初に手にしたときは既視感と食傷感を覚えた。

 しかし、就寝前に読み始めたところ、あまりの面白さに、明け方までに一気に読破してしまった。この数年間に目にした米国ルポとしても出色だ。

 著者は朝日新聞のワシントン特派員などを歴任し、今回の取材で名誉ある2019年度のボーン・上田記念国際記者賞を受賞している。

 メキシコとの国境付近の取材で感じた憤りや疑問に徹底的にこだわり、計約3ヶ月をかけ、ボートや馬をも利用し、約1万5000キロを往来。約300人に取材を重ねた。ジャーナリストとしての胆力と行動力に脱帽する。

 移民支援団体と自警団の攻防。米国人相手の廉価な歯科が密集する国境沿いのメキシコの町。大規模な越境通学にも寛容な米ニューメキシコ州の公立学校。麻薬組織とコヨーテ(手引き人)の暗躍。高度にハイテク化する警備技術。国境壁建設を「利用」する人びとの思惑……。本書の前半部分だけですでに読み応え十分だ。

 しかし、著者の探究心はそこで終わらない。移民たちが逃れてきた中米の国々の実情を理解すべく、後半部分では世界有数の凶悪地帯にも足を運ぶ。特に著者にとっての思い出の地エルサルバドルがマラス(ギャング)に支配された経緯を描いた第4章は圧巻。殺人が蔓延する彼の地の絶望的な現実に米国の過去の施策が暗い影を落としていることを痛感する。

 驚くべきことに、アフリカやアジア、カリブ海から南米に入り、そこから米国を目指す移民も増加しているようだ。その際のルートの一つになっているのがダリエンギャップという南米コロンビアと中米パナマを結ぶ危険極まりない密林地帯。その界隈の事情を活写した最終章はまさに手に汗握る展開となっている。

 著者の目線に少しでも近づくべく、私はグーグルマップやユーチューブなどで場所や現地の様子を確認しながら本書を読み進めた。そうすることで文字情報との相乗効果が増した。皆さんにもお勧めしたい。それほど価値ある一冊だ。

むらやまゆうすけ/1971年、東京都生まれ。ジャーナリスト。立教大学卒業後、三菱商事株式会社勤務ののち、2001年朝日新聞社入社。ワシントン特派員、ドバイ支局長、GLOBE編集部員等を経て昨年退社。
 

わたなべやすし/1967年、北海道生まれ。専門は米国研究、文化政策論で慶応義塾大学SFC教授。近著に『白人ナショナリズム』。

(渡辺 靖/週刊文春 2021年1月28日号)

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