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【Profile】マフィア梶田スキンヘッドにサングラス、革ジャンというインパクトのある見た目と、オタク文化をこよなく愛するキャラクターというギャップが人気のフリーライター。現在はライターとしてだけでなく、ラジオパーソナリティ、イベントMC、声優など、マルチに活躍中。映画「シン・ゴジラ」に出演したことでも話題に。
最初の候補はセンチュリー!?クルマ選びに大苦戦
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梶田さんが、ヘルキャットを購入しようといきさつやエピソードを教えてください。
自分は昔から車に興味はなかったのですが、「スターラジオーシャン*」というラジオ番組を一緒にやっている声優の中村悠一さんが、「車の免許を取る」と言い出したのがきっかけでしたね。
それまで車の話なんかまったくしない人だったのに、教習所に通いだしてからはよく車の話をするようになったんです。運転が楽しくてしょうがないようで、免許を取得してから数ヶ月も立たないうちに2台目の車を購入するというハマりようでした。そうなると、やっぱり気になるじゃないですか。「そんなに楽しいものなのか?」って。
都内に住んでいるなら移動手段としての車は必要ないと思っていたんですが、こんな風に”趣味”として楽しめるならアリだなと思うようになりまして、俺も教習所に通い始めたんです。で、「どんな車に乗るの?」っていう話になるわけですよね。
*スクウェア・エニックスのスマートフォン用ゲームアプリ『スターオーシャン:アナムネシス』の公式ラジオ番組「スターラジオーシャン アナムネシス」。パーソナリティをマフィア梶田さんと、声優の中村悠一さんが務める。
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とはいえ、それまでまったく興味がなかったわけですから。車種の違いも分からないし、道を走っている車がどこのメーカーなのかも見分けがつかない。
そこで俺の中の「カッコいいと思う車」をイメージしてみたら、浮かんでくるのは「マッドマックス」や「デス・プルーフ in グラインドハウス」といった洋画に出てくるようなクーペ、あるいはセダンばかりだったんです。それも今の日本車みたいに流線型のオシャレっぽい車じゃなく、タフな長方形のやつですね。
初めて乗る車だから当初の希望は日本製で、さらに新しいモデルが良かったんですけれども、現行では角ばった車なんてありゃしないんですよ。安全基準だか、流行の変化だか知りませんけれども、そういった形状の車は今や”旧車”という括りになっていました。
免許はもうすぐ取れるのに、乗りたい車が見つからない。悶々としている中で、候補に挙がったのが街で見かけたセンチュリー。当時はデザインの変更が発表される直前で、まだ四角くてカッコよかったんです。もしくは、タクシーに多いクラウン コンフォート。今思えば、とにかく日本車で長方形という条件を満たしているだけでしたね(笑)
旧車という選択肢は最初からなかったんですね。
さすがに初心者マークで旧車に乗るのは尻込みしました。ただでさえ拙い運転なのに、万が一にも故障で事故を起こすわけにはいかないじゃないですか。それに、日本の旧車ってなぜだかMTが圧倒的に多い。俺の場合、走り屋に憧れてガチャガチャ操作したかったわけでも無いですから、いまさらMT車に乗るという選択肢は無かったです。
……となると、マジでセンチュリーかクラウン買うのかって話になる。まあ、周囲の人は首を捻りますよね。どっちも運転する車じゃなくて、運転してもらう車じゃないかと(笑)まぁ、またしても車選びは暗礁に乗り上げるわけですよ。
それに、教習所に通っているうちに日本車のサイズ感が俺には厳しいということも判明してきたんです。教習車はそれこそクラウンだったのですが、いつもギリギリのスペースで運転していました。
そういうわけで日本車は候補から外れ、外車に目を向け始める。日本ではベンツとかBMWとかフェラーリとか人気ですが、どれもエクステリアが現代的でオシャレっぽくて、魅力的と思えなかった。悩みに悩んで、出した結論がアメ車。それも現行車でありながら古き良きタフな車の面影を色濃く残しているアメリカンマッスルカーだったんです。
センチュリーやクラウンコンフォートを経て、アメ車に落ち着いたわけですね。
とはいえ、エコ意識の高いこの時代。現行のマッスルカーも選択肢はカマロ、マスタング、ダッジの3種類くらいじゃないですか。
その中でマスタングは現行モデルの顔つきが近代的になりつつあり、カマロもカマロで第5世代は無骨でカッコよかったんですが、現行モデルからちょっと日本車っぽくなってしまった。
そんな中でダッジ チャレンジャーだけ、クラシックな面影を保ち続けていたんです。真一文字の溝にライトが直列したふてぶてしい面構え。「これだ!」と思いましたね。
ダッジ チャレンジャーの中でも、梶田さんの愛車は当時最高グレードの「ヘルキャット」ですよね。
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でも、当初はヘルキャットを買う予定はなかったんですよ。そもそも免許取り立てでチャレンジャーに乗るなんて、それこそ”チャレンジャー"じゃないですか。
だったらまずは下のグレードに乗って、アメ車に慣れていこうかなと思っていたんですけれども。まぁ、当然ながらダッジは国内に正規ディーラーが無いんですよね。マッスルカーでちゃんと買えるのって、カマロくらいじゃないですか。そもそも、近所でダッジの中古車を探そうにも選択肢がほぼ無かったわけです。
その中でまず見つけたのが、シェイカー*でした。ボンネットから吸気口が飛び出しているのがいかにもタフな印象でカッコよかった。ほとんど決めちゃうつもりだったんですけれども、もう1件だけ近所でヘルキャットを置いているところがあった……。
ヘルキャットって言ったら、当時の市販されているチャレンジャーでは最高グレードなわけですよ。しかも700馬力オーバー。
*2015年からダッジ チャレンジャーにオプションパッケージ設定されたシェイカー。ボンネットの中央からシェイカー(冷却装置の一部)が突き出ているのが特徴。1970年~1971年のチャレンジャーに設定されていた「シェイカーフード フレッシュエアインテークシステム」を再現し、古きよきアメ車のスタイルを踏襲する人気モデル。その名の通り、アイドリングでボンネットが揺さぶられるほどのV8エンジンの力強さも暗示されている。
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しかしまぁ、俺が車に求めていたのはとにかくデザインが趣味に合うかどうかであって、スペックなんかどうでもよかった。というか、馬力が云々とか言われてもピンとこないんです。だから知人に何がどうすごいのか聞こうと思って相談したら、それ以前の問題として「梶田さんコレ……FR車で700馬力って、バカが乗る車ですよ!」って言われて(笑)
「ガソリン撒き散らしながら走る」「駐車場に停められない」「このパワーで後輪駆動はスピンしたら死ぬ」とか、散々脅されるわけです。あまりの不評っぷりにうんざりしてきた頃に、最後のひと押しというか俺をそそのかしたのが中村悠一さんでした。
彼はニヤニヤしながら、ヘルキャットにはブラックキーとレッドキーの2種類があって、レッドキーを使ったときだけリミッターが解除されて700馬力が発揮できるということを教えてくれたんですよね。そんな男の子の夢みたいな機能を聞いちゃったら、もうデメリットなんかどうでもよくなっちゃいますよ。「それガンダムのEXAMシステム*みたいじゃないですか!」って超盛り上がった。
それで実車を見に行こうぜって話になったんですけれども、俺に火をつけた責任をとらせるため、中村さんに車で送ってもらいました(笑)
*ニュータイプを倒すため、ジオン軍で開発されたシステム。EXAMシステムを搭載したモビルスーツに乗れば、普通のパイロット(オールドタイプ)であってもニュータイプに近い戦闘能力を得ることができる。
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実際にヘルキャットを目にしてどうでしたか?
一目惚れですよね。色も希望通りのオールブラックですし、ボンネットの吸気口がシェイカーとはまた違った方向性でタフな印象。細かいところでは前のオーナーが日本製のナビとレーダーを取り付けていたのも、利便性の面で好印象でした。もうその場で即決ですよ。
即決ですか!ディーラーさんも驚かれたでしょうね。
そうですね。板橋のRichLine(リッチライン)というお店なんですが、「免許を取得したばかりなので、若葉マークで乗ります」と言ったらポカンとしちゃって。「そんなの聞いたことないです」って言われました。
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オタクに目覚めた学生時代を経て、クルマにハマった理由
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ゲームライターの梶田さんのルーツとして、最初に触れたゲームについて教えてください。
中学卒業まで中国の上海に住んでいたこともあって、本格的なデジタルゲームに触れるのはすごく遅かったんです。しかも、ようやく手に入れた最初のゲーム機は3DO*で、親父が松下電器に勤めている友人に激推しされて買ってしまった(笑)このハード、出してるソフトが変な洋ゲーだったりマニアックなタイトルばかりだったんですよ。
それはそれで面白かったんですが、ゲーマーなら通ってきて当たり前とも言える「FF」や「ドラクエ」をリアルタイムでプレイできなかったのが今でも悔やまれます。そこから数年後にやっとプレステを買ってもらって、初めて「FF7」と「ドラクエ7」をプレイできたんですよね。
考えてみれば3DOも真っ黒で角張っていて、当時のゲーム機にしてはハードなデザインでしたし。俺も今じゃ洋ゲーが大好き。もしかすると、その体験が今の趣味嗜好を作り上げてヘルキャットに至ったのかもしれません(笑)
*松下電器(今のパナソニック)が、日本で1994年に発売したゲームハード。発売から約半年後、「セガサターン」や「プレイステーション」といったライバルの登場もあってか、現在はライバルよりもややマイナーな知名度に。
どんな学生生活を送られていたんですか?
中学を卒業して日本の高校に入学したのですが、そこでは男子寮で暮らしていました。ミッション系の学校だったため、規則が厳しく娯楽も少なかったんです。もちろん、ゲームなんて持ち込み禁止ですよ。部屋にテレビすら無いんですから。週末の限られた外出時間、歩いて30分もかかるコンビニでゲーム雑誌を買って読むのがささやかな楽しみでした。
その反動で抑圧と禁欲を嫌い、自由と快楽だけを信じるという人生観はここで形作られたんだと思います。ゲームライターという仕事を知ったのもその頃で、良くも悪くも高校時代は人生の大きな節目でした。
なるほど。逆にアニメはあまり観られていなかったんですか?
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海外に住んでいた頃、衛星放送で触れられる数少ない日本のコンテンツといえばアニメでした。男性向け、女性向けを問わず熱心に観ていましたが、それが当たり前だったので“オタク”としての自覚は無かったですね。
オタクとしての立脚点となったのは、高校時代にこっそり寮へ持ち込んだノートPCで観た「新世紀エヴァンゲリオン」です。内容が衝撃的だったのはもちろんのこと、部屋で観ていたらどんどん周囲の連中が集まってきて、気が付いたら二人部屋に10人くらいギュウギュウになって真剣に見入っているんですよ。アニメってここまで人を夢中にさせるものだったのか、現実に生きるより虚構の方がずっとクールじゃないかと。オタクという存在への憧れを抱いた瞬間でしたね。
そこからオタクとして、そしてゲームライターへの道が花開くわけですね。
まぁ色々ありまして、高校は結局2年生の終わり頃に転校したんです。転校先は通信制だったので、自由に時間を使えたぶんオタクとして急成長できましたね。とにかく漫画やアニメ、ゲームについて経験値を稼いで、情報源といえば日々ディープな会話が繰り広げられている匿名画像掲示板でした。そこは自分よりも年季の入ったオタクの巣窟で、顔も名前も知らない先輩方には本当に多くのことを学ばせてもらいました。
その後はゲームライターの専門学校に進んで、生まれて初めて“学ぶ楽しみ”を知りました。憧れへの道筋が明確なぶん、モチベーションも高く保てましたし、周囲には同じ業界を志すオタクしかいないわけですから。ついに本当の居場所を手に入れたと感じましたね。たった2年の専門学校生活が、最高の青春になりました。おかげ様で地獄の底まで落ち込んでいたコミュニケーション能力も鍛え直すことができましたし、在学中にゲームライターとしてデビューすることができました。
そうして現在に至るわけですが、好きなものだけに関わり、仕事をするのが楽しくてしょうがないです。業界にいるからこそ、免許取得のきっかけとなった中村悠一さんを含めて様々な方と知り合うことができましたし。オタクになって本当によかったです。
公私共にオタクライフをエンジョイされている梶田さんですが、今ではすっかりカーライフも楽しんでいらっしゃるようですね!
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自分はもともと、とにかく家の外には出たくない、なるべくずっと家にいたい、なぜ休日にみんなが外出するのか理解できない……ってくらい、インドア派なんですけども。車を買ってからはドライブに行きまくりですね!
毎週2~3日は必ず乗ります。仕事柄、通勤はあまり多くないですけれども、それこそラジオの収録とか「駐車場がある時は必ず乗る」くらいの感じです。都内は道も狭いし、移動だけならタクシーの方が絶対ラクなのに、ついつい運転したくなるんですよね。
激変したライフスタイル、乗れば乗るほど好きになるヘルキャット
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実際に車を手にして、ライフスタイルなどで変わったことはありますか?
まず、行動範囲が爆発的に広がりました。
昔は旅行へ行くとなると電車や新幹線だったんですけれども、今は車があるから思いつきでどこへでも行けちゃうわけです。ふと「こういうとこ行ったことないな」って思いつくと、翌日には出かけちゃう。
つい先日も「そういや俺、富士サファリパークって行ったことないな」と思って。……さすがにヘルキャットでパーク内を走るのは避けましたけどね。本物のヘルキャット(猛獣)に車をボコボコにされかねないですから!ヘルキャットは駐車して、現地でナビカーを借りて遊びました。
メンバーは漫画家の大川ぶくぶ*、『大乱闘スマッシュブラザーズ』を作っている桜井政博さん、そして中村悠一さん。出発の前日に誘ったにも関わらず、ノリノリで参加してくれました(笑)
*過激かつ不条理ギャグで人気を博した『ポプテピピック』の原作者。2018年にテレビアニメ化。中村悠一さんは出演声優のひとりでもある。
ドライブしてみて気づいたヘルキャットの魅力はありますか?
音ですね。エンジンをかけた瞬間に「ガルルルルルル!!!ドロロロロ……」って、それこそ猛獣が唸っているのかってくらい心臓に悪い音なんですけれども、聴くだけでワクワクしてくる。乗り込めばV8エンジンの鼓動が腹の底から響いてきて、とても心地良いんです。
車は意思を持たない機械ですけれども、これだけダイレクトに鼓動が伝わってくると、まるで巨大なモンスターを手懐けているような感覚が味わえますね。また、運転中に音楽を聴く文化が根強いアメリカの車なだけあって、オーディオ周りが最高なんですよ。低音がズンズン響いて、ライブ会場にいるような感覚です。
アイドリング音が、ゴジラの唸り声のようですよね。
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そうです。さらに、実際に走ってみると、いわゆるトルク感でしょうか? 知識がないので説明が難しいのですが、ケツを蹴り上げられるような加速で体がシートに押し付けられる。これがとてもスリリングで「モンスターに乗っている感」を堪能できる。
しかもこの車、なんとエコモードで走れるんですよ。……500馬力のエコモード。ギャグですよね(笑)でも、エコモードにすると少しだけおとなしくなって、街乗りでの安心感と燃費がちょこっと良くなる。そもそも、周りから散々脅されてヤバイ車というイメージがあったんですが、運転してみるとそんなことないんですよ。危ない走りさえしなければハンドリングも良いですし、とっても快適な車なんです。
普段は500馬力で猛獣を抑えつけて、ちょっと遠出して高速に乗る時なんかは700馬力を開放してやるという走り方が最高に気に入っています。給油のたびにハイオクをバカ食いする点もそうですけれども、ペットにご褒美をあげているような愛おしさがわいてくるんですよね(笑)
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あと、ヘルキャットって2017年式からパワーステアリングが電動に切り替わった*らしいんですよ。俺のは2016年式なので、まだ油圧のパワステなんです。知らなかったし、気にしてもいなかったんですが、人に運転させると低速時に「ハンドル重くない!?」って言われる。電動と比べてそんなに変わるもんなんですかね?なんにせよ、俺はその重くなる感覚も含めて気に入っているんですよね。たまに重くなる女みたいで、愛おしいじゃないですか(笑)
*2017年モデルのSRTヘルキャット(2018年発売)から、それまで油圧式だったパワステが電動に切り替わった。梶田さんのヘルキャットは油圧パワステ最終モデルの2016年式。伝統の重ステがなくなったことを嘆くヘルキャットファンも少なくない。
ほかに、魅力的なヘルキャットのエピソードはありますか?
![](https://scdn.line-apps.com/stf/linenews-issue-2047/rssitem-6538931/6dc1be178fdd91c0b6201ee1f74a1f09f71e88d0.jpg)
お恥ずかしい話なんですが、現場で即決したのでヘルキャットのことを細かいところまで把握していなかったんですよ。
納車されてすぐ「慣らし運転に行きましょう!」って、中村さんを誘ってドライブに行ったんですが、現地に到着して車を降りたら中村さんに「梶田くん!これライトが片方ないぞ!?」って言われて。
仰天しましたね。走っている間に外れたのか、最初から故障していたのか……慌ててリッチラインさんに電話かけたら「梶田さん……それはそういうものなんです……」って(笑)
![](https://scdn.line-apps.com/stf/linenews-issue-2047/rssitem-6538931/daca833046adbda4a9cf926529151a60e818552a.jpg)
なんとまぁ、ヘルキャットはライトの片側がエアーインテークになっとるんですわ。中村さんが余計なこと言ったせいで大恥かきました(笑)でも、今じゃそのアシンメトリーなデザインが最高にカッコよくて気に入っています!
でもこの話、ここで終わりじゃなかったんですよ。やっぱりこのエアーインテークって特殊だから、初めて洗車に行った際にもガソリンスタンドの店員に「お客さん、これライト壊れたんですか?」って聞かれて。「これはそういうものなんですよ」って、まるで最初から知っていたかのように説明しときました(笑)
そもそも「ヘルキャット」という名称は直訳すれば「地獄猫」ですし、大戦中に同名の戦闘機が存在していたり、大半の人はこの車にマッチョなイメージを抱いていますよね。でも、実はスラングだと「性悪女」とか「アバズレ」って意味なんですよ。見た目に惚れ込んだ俺は、まんまと振り回されている(笑)そんなところも含めて、愛嬌のある車ですよ。
![](https://scdn.line-apps.com/stf/linenews-issue-2047/rssitem-6538931/b0017036419f2a233c6b2e92ed986dcaab03c62f.jpg)
ダッジオーナーとの思いがけない出会いが、カスタムへの道を拓く
![](https://scdn.line-apps.com/stf/linenews-issue-2047/rssitem-6538931/4410d98b2b393ede088348525d021bdd067bb91d.jpg)
都内でチャレンジャーに乗っている人は珍しいですよね。著名人でも少ないんじゃないでしょうか。
チャレンジャーに乗ってる人って、他に誰がいるんだろうって思って調べたんですよ。そしたら出てきたのがミュージシャンで俳優の武田真治さん。なんとダッジのモパー10*に乗っているんです。ヘルキャットよりも古いモデルなんですが、ものすごくカッコいいしレアなカスタムカーなんですよ。
そしたらある日、運命的な出会いがあって。俺は文化放送でラジオをやっており、いつもダッジで通っているんです。たまたま前案件の都合で車に乗っていけない日があったのですが、そしたら俺がいつもダッジを停めているところにダッジが停まっていたんですよ! 「車のドッペルゲンガーか!?」と仰天したんですが、よくよく見てみるとフロントにダッジ ラムのエンブレム**が燦然と輝き、そして側面にはマッド・マックスに登場する特殊警察M.F.P.のエンブレムが。
そんな車、日本で武田真治さんしか乗ってないわけです。しかも、ちょうど俺が収録しているブースの隣で武田さんが番組の打ち合わせをしていた。もうこれは運命だなと思って、御挨拶に伺って、しばらくダッジと筋トレのトークで盛り上がりました(笑)
*MOPAR10(モパー10)は、2010年に発売された世界500台限定のプレミアムモデル。ダッジ チャレンジャーR/Tをベースに、クライスラーの純正パーツ部門「MOPAR」と「ダッジ」のコラボによってチューンされている。初代チャレンジャーのT/Aを彷彿とさせるパーツやチューンナップが特徴で、チャレンジャーファンの間でも高い人気を誇る。
**以前はクライスラー ダッジブランドから販売されていた、大型ピックアップトラック。現在はラム・トラックスが製造・販売している。大きな角を生やした「雄羊(ラム)」のエンブレムが特徴。
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カスタムされた同じ車を実際に見ると印象が変わりますよね。
武田さんのモパー10を見ると、やっぱりカスタムカーもカッコいいなって思いますね。俺も車をイジってみたいと、欲が出てきました。
特にダッジ ラムのエンブレムってカッコいいんですよ。ヘルキャットにはついていないのが残念だったんですが、武田さんに「あのエンブレムいいですね」って言ったら、「じゃあ、もし盗まれたら第一容疑者ですね!」って冗談を言われて(笑)たしかにアレ盗むのは俺くらいでしょうけれども(笑)
ヘルキャットで今後やってみたいカスタムやドレスアップなどはありますか?
正直なところ、性能には満足しているのであまり考えていないんです。そのままで完成された車ですし、例えばスポーティーな車でよく見るような、車高を下げるカスタムも俺の好みではピンとこない。
やはりこだわりたいのはエクステリアで、近いうちにラッピングをします。今のところ、ベースはマットブラックを考えていますね。
最近では専門店も増えてきた、人気のドレスアップですね。
見た目もそうですが、飛び石対策としても期待しているんです。防ぎようが無いじゃないですかアレ。知人のフェラーリやマクラーレンと連なって走ることも多いのですが、特にFR車の後ろだとばんばん石が飛んでくる(笑)すでに細かいキズはついちゃっていますが、ラッピングをすれば修理よりも気軽に貼り替えできますしね。
それに、いつか買い替えることを考えたとき、ヘルキャットってなんだかんだ毎年新しいモデルが出ているんですよ。今じゃデーモンをベースにした「ヘルキャット レッドアイ*」っていうさらに馬力を向上したバケモノが売られていますし。
*2019年モデルのチャレンジャーの最高グレード・SRTヘルキャット レッドアイ。2018年モデルの最強スペックカー「SRT デーモン」と同じエンジンを有し、790馬力ものパワーを誇る。
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たぶん、俺は今後もアメ車しか買わないと思うんです。日本車がトチ狂ってアメ車を模倣していた頃の懐古デザインに走らない限りは……ですけれども。そういった意味では、光岡のロックスターとか好きなデザインなんですけどね。まぁ望みは薄いので、たぶん次に買い換えるとしてもアメ車。それも今のデザインが継続する限りはダッジでしょうね。
中村さんみたいに2台目の購入も考えていて、そっちは自然吸気エンジンのオープンカーがいいなと思っています。ちょっと古いモデルのマスタングとか候補に入っていますね。ダッジが現行でオープンのマッスルカーを出してくれれば、即決なんですけれども……。
免許はAT限定で取られたんですよね。
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運転するようになってからは、MTにもちょっと興味が出てきたんですよ。実用性は置いといて、趣味として楽しむなら感覚が違って楽しそうじゃないですか。ただ、俺の好きなアメ車って昔からATが多いんですよね。そういう面では、今のところ急ぐ理由が無いんです。それに加えて、なんとこの御時世にまだ「免許はMTで取らないと~」みたいなマウントをかけてくるアホが一定数いるんですよね。ひねくれ者なので、そういうのを見ると「じゃあ俺はATでいいや」って思っちゃうんですよ(笑)
それでも純粋に好きでMTに乗っている知り合いと話をすると運転が楽しそうですし、いつか旧車でどうしても乗りたいMT車が見つかったら再び教習所へ行くんじゃないでしょうか。現代の車は電子制御が主ですが、旧車だと自分で修理したりイジれる部分も多いらしいですし、洋画でよくあるような道端でボンネット開けてガチャガチャやっているようなシーンにも実は憧れているんですよね(笑)
若者がカッコいいと思うクルマは「ジャパン○○カー」!?
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梶田さんのように、映画やゲームなどでは車に触れている若者も多いですが、その延長として、本物の車に乗りたいなと思うようになるにはまだハードルが高いですよね。どうしてだと思いますか?
一般人(※オタクでない人々)の目線ではなく、あくまでオタクとして語らせてもらいますね。単純に、超個人的な独断と偏見で言わせていただくのであれば、乗りたくなるような車が無いからだと思います。
より手軽な娯楽が溢れかえっているのも大きな理由ですが、例えばスーパーカーブームの頃のように子供から大人まで心の底から「カッコいい」と思わせてくれるような車がバンバン目に入ってくるような環境であれば、いつかマイカーを手に入れることを現実的な”憧れ”として意識できるんですよ。
とあるアニメが大ヒットしたら、そのアニメに出てくるキャラのコスプレも大流行するのと同じ。憧れこそが同一化願望や所有欲を生むんです。
もっと具体例を出すのであれば、我々の業界に近いところでTVアニメ「頭文字D」が車業界に与えた影響などが分かりやすいのではないでしょうか。最近でも「名探偵コナン」の影響でマツダ RX-7の女性人気*が高まっているという話を聞きますし、つまりはそういうことなんです。
*映画「純黒の悪夢」「ゼロの執行人」など、で爆発的に女性人気が高まった、名探偵コナンの登場キャラクター・降谷零の愛車。降谷零仕様のRX-7はトミカでも発売された。
![](https://scdn.line-apps.com/stf/linenews-issue-2047/rssitem-6538931/d544956376fe8e7ab9b76a2e3020f33cd5903c08.jpg)
ブームが過ぎ去ったとはいえ、スーパーカーはいまだに多く存在していますが、昔と違って「運転したい」と思われる以前に、金持ちのステイタスとしてのイメージが強くなりすぎている印象があります。憧れの意味合いとしては違ったものになってきますし、かたや一般車は安全基準だ、エコだと、がんじがらめでどんどん無個性になっていく。移動手段として割り切るならともかく、憧れを感じるような世界ではなくなっていますよね。
それに、オタクが犯罪者のように毛嫌いされていた時代と比べればずいぶんと一般化しましたが、基本的に我々のような人種の根っこには他人と同じもの、メジャーなものに対する反骨心があるんです。世間の常識やら、同調圧力やらで嫌な思いをしてきたアウトサイダーが多いので。そんな人々が、さも「みんな乗ってるよ!」と陽気に主張するかのようなCMで売り出されている車に憧れるわけがない。……と、自分は思います。
だからこそ、車離れをなんとかするには、あえて時代に逆行したジャパンマッスルカーを出すべきだと思います!(笑)
ジャパンマッスルカーですか!
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すみません、色々とそれっぽい話をしましたが、行き着く先は個人的な願望です(笑)自分が乗るようになって分かったことですが、車って単なる移動手段ではなく立派な”遊び”になるんですよね。自分が心底カッコいいと思える車だと、もう乗っているだけでゲームをしているのと同じくらい楽しい。
もっと言うと、子供の頃に憧れたロボットアニメのパイロットのような気持ちにさせてくれるモノなんです。知人のゲームクリエイターが、車は身体の延長で、強化外骨格であると話していたんですけれども、今ならそれが理解できるんですよ。ちょっと意識を変えて、人間が乗り込むだけで重装甲と高機動性を獲得できる機体だと考えてみてください。まさしくその通りじゃないですか。……じゃあ、どうせ乗るなら特別な機体がいいですよね?
量産型のザクじゃなくシャアザク、ということですね。
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そういうことです。もちろん量産機には量産機の魅力がありまして、俺の場合はシャアザクよりも通常の指揮官型ザクだったり、ゲルググを海兵隊仕様にしたゲルググMあたりが好きなんですが……そのあたりの話は長くなるので我慢しますね(笑)
ヘルキャットがまさにそういう車で、ザクで言うならちょうど指揮官型ザクくらいのグレードだと思うんですよ。デーモンまで行くともうシャアザクかな……。
インドア派こそ「移動するマイルーム=クルマ」が大好きになるはず
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若者の車離れに限らず、最近の車関連のニュースで、気になったことはありますか?
自分で運転するまで知らなかったのですが、最近だと白線を認識するとか、自動ブレーキとか、そんな機能が当たり前に搭載されていることに驚きます。あとアラウンドビューで駐車できるとか、便利すぎて羨ましくてたまりません。ヘルキャットも最近の車なので安全装備はそこそこ整っているんですが、妙に抜けてるところもあってミラーが外から手動じゃないと畳めないんですよ(笑)
それこそ、代車でプリウスを運転したことがあるのですが、ハイブリッド車の燃費には驚愕しましたね。1ヶ月間も給油する必要がなかったんですよ。
プリウスですか!ヘルキャットとは真逆の車ですよね。
とても素晴らしい車だとは思いますが……なんせ普段がヘルキャットなので、憧れるような刺激的要素は感じられませんでした。あと、すごく便利でドライバーを甘やかしすぎるが故に、運転が大雑把になりそうです。ヘルキャットみたいな車はサイズも大きいですし、ちょっとしたミスで事故に繋がるので、むしろアクセルワークやハンドル操作がとても慎重になるんですよね。
ヘルキャットでのドライブはやはり他の車とは違いますか?
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そりゃそうです。自分自身が最高にカッコいい車だと信じているのはもちろん、慣れ親しんだ愛車というのは乗っている時の安心感が違います。徹底したインドア派だった俺がなぜ、車を買ってから外出に抵抗が無くなったのか。自己分析をしてみると、車が自分にとって「移動するマイルーム」であるからだということに気が付いたんですよね。
俺が外出嫌いだったのは、外に出ることそのものが嫌なんじゃなく、公共交通機関で手続きをしたり、人混みに揉まれるのが嫌いだったということが分かったんですよ。実際、車を買ってからもう5ヶ月くらい電車に乗っていないんです。電車移動の方が楽な場面も絶対あるのに、意地でも”インドア”でいたい。
つまり、車のおかげでアウトドア派に転身したわけではなく、車のおかげでさらにインドアに磨きがかかったというわけです(笑)車の中は、自分の部屋と同等にリラックスできる空間なんですよ。だから、渋滞に引っかかってもそれほど気にならないんです。自分の部屋で音楽を聴いているのと変わらないから。
なので、車業界の人々はいかにもウェイウェイな人々をターゲットにするより、我々のようなインドア派に向けてPRした方がいいですよ。車というのは、見方を変えれば最高の引きこもりツールなんです。良い感じの音楽をバックにオシャレな町並みを走るようなCMではなく、人の気配がしない暗い夜道をアニソン流しながら走るようなCMを作りましょう!出演のオファー待ってます(笑)
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車のおかげでアウトドア派に転身したわけではなく、さらにインドアに磨きがかかったーそんな梶田さんのこだわりの車選びやクルマの楽しみ方には、共感できる読者も多いのではないでしょうか。「車には詳しくない」と言いつつも、オタク的探究心でヘルキャットや車のことを貪欲に吸収されている姿も印象的でした。
フリー”なんでも”ライターことマフィア梶田さんは、車だけでなくこれからも新しい趣味を開拓していくことでしょう。
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撮影:宇野 智(MOBY)
インタビュアー:上田 貴大、池田 貴美(MOBY)
編集:池田 貴美(MOBY)
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