Appleが、iPhone標準のSafariではなく、サードパーティ製のブラウザを標準で使えるようにすることを検討している、とBloombergが報じています。早ければ、iOS14でも実現する可能性があります。
Appleが自社アプリを不当に優遇、との批判も
iPhoneやiPadには、Safari以外にChromeやFirefoxなどのブラウザアプリをインストールすることはできますが、メールなどで届いたURLをクリックすると、自動でSafariが開きます。
同様に、メールアドレスをクリックすると標準の「メール」アプリが起動します。
そのため、サードパーティ製アプリが存在感を発揮しにくく、Appleが自社製アプリを優遇している、という批判の声もあがっています。
2019年にはアメリカで、Appleが自社アプリを優遇しサードパーティ製アプリを不当に扱うのは独占禁止法に抵触するのではないか、との議論も持ち上がりました。
Appleは、こうした批判への対応を検討している模様です。なお、2019年10月には、Siriで操作できるアプリをサードパーティ製のメッセージアプリなどに拡大すると報じられています。
iPhoneのブラウザ、メールで外部アプリを標準設定可能に
Appleは、サードパーティ製アプリを標準のブラウザやメールアプリとして設定可能にすることを検討している、と匿名の関係者複数名から得た情報としてBloombergが報じています。
この案が実現すれば、メッセージなどで届いたURLをクリックしてSafariではなくChromeなどのブラウザを開く、といった動作が可能になります。
同時に、HomePodでの音楽再生も、Apple MusicではなくSpotifyなどを標準サービスとして設定可能にすることも検討されている、とのことです。
AirPlay経由ではなく、HomePodでSiriを介してSpotifyのプレイリストを再生する、という使い方ができるようになります。
早ければ「iOS14」で実現か
サードパーティ製のブラウザやメールアプリを標準として使用可能にする案は、まだ検討段階か開発の初期段階で、最終決定は先になる、とBloombergの情報源となった複数の関係者は述べています。
早ければ、毎年6月に開催される世界開発者会議(WWDC)で発表され、9月に正式版が公開される次期バージョン「iOS14」で対応する可能性もあります。
「iOS14」は、不具合が多いと批判を受けているiOS13の反省を踏まえ、新機能の追加は控えめで安定性重視のアップデートにする方向を、Appleのソフトウェア担当役員が語ったと報じられています。
Source:Bloomberg
(hato)