文:Hannah
今や、小学生の「将来なりたい職業」のアンケートで上位にランクインしているYouTuber。
一攫千金を夢見ることが出来る仕事である一方、再生数を稼ぐため過激な動画に手を染め、問題を起こしている人もいるようだ。
インドネシアのYouTuberが逮捕
登録者数15万人を誇るインドネシアの人気YouTuberフェルディアン・パレカ氏とその友人は、動画の企画で、ホームレスでトランスジェンダーの女性2人にインスタントラーメンの弁当箱をプレゼントする映像を撮影。彼女たちは突然の贈り物に最初は喜んだが、弁当箱の中に腐った食べ物や石、コンクリートの破片が詰められていていることに気付くと、パレカ氏たちは嘲り笑ったという。
このあまりに酷すぎるイタズラ動画を、パレカ氏は5月上旬にアップロード。『Newsweek』によると、投稿した動画の冒頭で、パレカ氏は「オネエの奴らがいたらこの弁当箱を渡す。オネエがいなかったら、この街はオネエから安全だということだ」と主張。「オネエは政府に従わない。だから、俺たちのことを悪く言うな。俺たちは政府のためにやるんだ」とも。
この動画はLGBTQのコミュニティの間で大きく悪評を買い、SNS上でパレカ氏に対し怒りを顕わにした。そして、多くの人にこの動画を通報するよう呼びかけた。
すると、YouTubeは問題となっているこの動画を、嫌がらせやいじめに関するポリシーに違反しているとし削除。その後、パレカ氏は自身のInstagramに偽の謝罪動画を投稿し、「登録者数が3万人を超えたら自首する」と宣言していた。
Permintaan maaf Ferdian Paleka pic.twitter.com/u6klrHqPuE
— IG @kabar.jabar (@twitkabarjabar) May 3, 2020
今月8日、パレカ氏とその友人はバンドン警察に逮捕された。『The Jakarta Post』によると、パレカ氏は懲役最大12年と80万4000ドルの罰金を課せられたという。
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「ゴミのように扱われました」被害者の告白
被害者の一人は、「1カ月間断食をするラマダンの月であり、また世界中でコロナウイルスが流行している中で、このように乱暴な行動をする人がいるとは思わなかった」と、地元メディアに語った。また別の被害者は「私たちはゴミのように扱われました」と述べた。
インドネシアでは、LGBTQといった性的マイノリティに対する偏見や差別が依然として残っており、SNS上では嘲りの対象になっているという。差別が根絶されることを願ってやまない。