東京五輪サッカー競技のグループリーグ組み合わせ抽選会が4月21日にスイス・チューリヒで行なわれ、男子サッカーでは日本が、グループAで南アフリカ、メキシコ、フランスと対戦することが決まった。
7月22日に東京スタジアム(味の素スタジアム)で南アフリカと、25日に埼玉スタジアム2002でメキシコと、そして28日に横浜国際総合競技場(日産スタジアム)でフランスとそれぞれ対戦し、2位以内に入れば決勝トーナメントに進むことができる。
森保一監督が「厳しいグループだと思う。突破するのも大変」と語ったように、金メダル候補にも挙げられるような手強い相手が日本の前に立ちはだかることとなったが、逆にこの3か国もまた、開催国を含むグループにおいて厳しい戦いを覚悟しているようだ。
南アフリカは、地元メディアの『IOL』が「開催国やワールドカップ王者の国と対戦することになった」と報じ、デイビッド・ノトアン監督の「タフなグループだが、他と比べると良いグループだと思う」という感想を紹介。
同じく地元メディアの『TIMES LIVE』も、「突破は不可能ではない」とポジティブに展望し、日本については「開催国であり、打ち負かすには困難を伴うが、昨年のアジアU-23選手権ではグループリーグではわずか勝点1しか獲得できずに敗退した」と、付け入る隙は十分にあるとの見解を示した。
2012年ロンドン大会のゴールドメダリストであるメキシコでは、『EL UNIVERSAL』ら複数のメディアが、過去の因縁に言及。1968年のメキシコシティ大会で、フランスにはグループリーグで1-4の完敗を喫して首位を譲ったこと、日本には3位決定戦で釜本邦茂の2ゴールを許して銅メダルを奪われたことを紹介し、「68年の“死刑執行人”と対戦する」と綴った(逆にロンドン大会ではメキシコが日本の決勝進出を阻んでいるが……)。
一方、『ESPN』のメキシコ版は選手個々に注目し、グループリーグで対峙する可能性がある有名選手を特集。フランスのキリアン・エムバぺ、ウスマンヌ・デンベレ、南アフリカのライル・フォスター、ルーサー・シンとともに名を挙げられた日本人選手は、冨安健洋と久保建英で、前者については「日本で最も価値がある選手」、後者は「日本サッカーの大きな“約束”のひとつ」と評している。
最後に優勝候補の一角フランスでは、『TV5MONDE』が「25年ぶり(アトランタ大会以来)に五輪の舞台に返り咲いたフランスはバランスの取れたグループを(抽選で)引き当てた」と報道。自チームについては「エムバペが参加するか否かに関わらず、素晴らしい集団」と称賛しており、ブラジルやアルゼンチンとの同組を避けられたことを喜んだ。
また、シルバン・リポール監督の「めったに対戦しないチーム同士であり、多様なサッカーが見られる、美しく、そして面白いグループだと思う。メキシコはナチュラルな才能を持っており、日本は開催国の強みがある。そして南アフリカは大会の経験が豊富であり、欧米のチームをしばしば苦しめている」というコメントも紹介された。
2000年のシドニー大会同様、日本の五輪は南アフリカ戦で幕を開けることになる。コロナ禍の中で大会自体の開催もまだ確定しない状況ではあるが、開催国の快進撃を期待しながら、戦いの火蓋が切られるのを待つのみである。
構成●THE DIGEST編集部
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