4月から始まる長編ドラマの主演にも抜擢され、活躍の場を広げ続けている女優・清野菜名さん。
大きな仕事を任された彼女は、休みの日の前夜を、いったいどのように過ごすのか?
いまノリにのる清野菜名さんのプライベートを聞いたら、女優業への想いもみえてきた。
「次の日を気にしなくてもいい。金曜夜の高揚感は、大人たちのご褒美です」
「普段はこういう服は着ないのでドキドキします」。
『サッカパウ』での撮影が始まる直前、清野菜名さんはそう話していた。普段はパンツ派でメンズライクな服を好む。雰囲気も少年ぽいが、カウンター席に腰をおろすと、艶やかなオーラを放って店の空気感を一瞬で変えた。
現在は主演ドラマ『やすらぎの刻〜道』の収録真っただなか。超多忙と思いきや、休みはとれているという。例えば22時に仕事が終わり、翌日に撮影がない場合の過ごし方を教えてくれた。
「マネージャーさんや私の行きつけのバーに行ったり、一緒にいる方の知っている店で飲みます。冒険はしません(笑)」
バーでは完全にオフモード。清野さんは案外お酒が好きで、休み前なら数杯は飲む。
食事中にはいっさいお酒を飲まないため「2軒目からじゃないとスタートできない」と言い、バーに移動してから愉しむとか。逆に次の日に撮影がある場合は飲みに出かけず、自己管理に徹する。
「撮影前日はとにかく寝ます。私はすぐにクマができやすいし体調も崩しやすかったりするので、常に気を張っています」と、さすがいま勢いのある女優である。
だから、休み前夜は格別だ。その晩の心境を聞くと「やった〜! という感じです」と洋々たるトーンで言った。
「多忙な時期は、休みの3日前からカウントダウン。明日明後日頑張ったら休みだ! と集中します。頑張った先に、一番楽しみにしていた日が来るというワクワク。ご褒美ですね」
世の中の金曜夜と同じで、アガる。では、明けて休日の過ごし方は?
「昼まで寝て、そこから自分が好きな習い事に行きます。ドラムや英語、アクロバットなどです。最近はお茶にも興味があって、この前は無料体験に行ってきました。いまの役が時代ものなのでいいかなと思って」
かなりアクティブ! ドラムを習い始めたきっかけは、なんと清野さんが憧れるジャスティン・ビーバー。
歌、ドラム、ダンスとできることの多いジャスティンを見て「私は自分に自信がないから、何かをマスターしたら自信がつくかなと始めました。特技も増やしたくて」と言う。
アクションを始めたきっかけも同じ。こんなにも秀でているにも関わらずだ。
「街に出たら何をするか?…‥人間観察ですね(笑)」
「歩きながら街の人たちを見ます。怒っている人がいたら、この人はなぜ怒っているんだろう、と考えるんです。自分の仕事はお芝居をすることなので、それに生かせる何かはないかなというところから、顔を見ちゃったりしていますね。
その時に自分がやっている役で、もしかしたらこの人のような感じかもしれないと、ヒントをもらえる気がするんです」
オフの話を聞いたはずが、芝居の肥やしになる過ごし方が述べられていく。それは、女優というなかなか正解の出ない仕事に対して、悩みながらも真摯に取り組む清野さんらしいオフなのだろう。
学生時代は文武両道でわりと何でも器用にできて、陸上(走り高跳び)では全国大会に出場するほど。モデルを始めて間もなくで表紙も飾った。それが、女優に挑戦して初めて壁に当たった。
「演技ができなくて苦戦しました。負けず嫌いなので、できないことが悔しい。今でも毎回緊張しますよ。
いつもゴールが見えなくて、でも、だからこそ女優を続けられているのだと思います。もしも達成感に満たされて、ゴールがあったらやらない。答えが難しいことに、魅力を感じていますね」
もがきながら進んでいくなかで出会ったのが、『やすらぎの刻〜道』の脚本家、倉本 聰さんだった。
「倉本さんに会ってから、演技をする者としての姿勢が変わりました。今まで役作りは現場で感じるものと思っていたけど、倉本さんはキャラクター全員の年表を書くんですよ。
そのアイデアにならって役作りをしてみたら、自分のなかで役を掘りさげることができました。なんか、すごく、倉本さんに会ってからお芝居が楽しくなりました。人生の中で会えてとてもよかった方です」
そう穏やかに話す清野さんに、数分前の少年ぽさはなく、むしろ実年齢の24歳より大人びて見えた。最後に今、一番幸せな瞬間を聞いた。
「自分に余裕がないと周りが見えなくなって人に優しくできなくなってしまう。最近、それはよくないと余裕をもって人と接するようにしたら、自然と相手が喜んでくれることが少し見えてきました。
それができるようになったら、これまで人とうまくコミュニケーションをとれなかったのに、今では現場で会話をたくさんできるようになって、共演者の方に飲みにも誘っていただけるようになりました。そのことが、今嬉しくて、幸せに感じていることですね」
■プロフィール
清野菜名 1994年生まれ、愛知県出身。ティーン誌のモデルを卒業後、女優として活躍。4月スタートのテレビ朝日開局60周年記念ドラマ『やすらぎの刻~道』(毎月~金13:00~)に主演。
■衣装
【清野さん】トップス¥38,000〈LOKITHO/ALPINISME TEL:03-6416-8845〉、スカート¥37,000〈near.nippon/near. TEL:0422-72-2279〉、コート¥72,000〈CINOH/MOULD TEL:03-6805-1449〉、パンプス¥27,000〈quartierglam/Duplex TEL:03-5789-3109〉、ピアス¥13,000〈MAYU/MAYU Atelier TEL:0422-27-1778〉、バッグ¥68,000〈H.P.FRANCE TEL:03-5778-2022〉
【男性】ジャケット¥42,000、シャツ¥13,000〈ともにユナイテッドアローズ〉、チーフ¥10,000〈フィオリオ/ユナイテッドアローズ 銀座店 TEL:03-3562-7798〉、スラックス¥21,000〈デザインワークス/デザインワークス 銀座 TEL:03-3573-6210〉、タイ¥18,000〈ブリューワー/コロネット TEL:03-5216-6521〉、靴¥110,000〈サントーニ/リエート TEL:03-5413-5333〉、ブリーフケース¥49,000〈トフ アンド ロードストーン/ティーアンドエル TEL:03-6455-5520〉
清野さんが訪れたのは、21時以降のアラカルトが大人過ぎる一軒!
『S"ACCAPAU』
伝統のイタリア料理をベースにしながら、田淵 拓シェフのアイデアを加えモダンなスタイルで提供。
この日清野さんが食べたのは、黒にんにくを練りこんだパスタに蛍イカのペーストを合わせた一品。「美味しい」と完食!
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