臨床心理士の深瀬と申します。企業研修、職場環境改善などを中心に活動しています。今回は自己肯定感についてお話しします。
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自己肯定感とは「自分には価値がある」「自分は存在していていいんだ」「自分は素晴らしい存在だ」という感覚です。これは生きるうえで自分を支える力になるものです。自己肯定感は、養育者との関わりの中で幼少期にその基礎が形作られ、その後は家庭、学校生活を通して構築すると考えられています。
自己肯定感の高い人は、大きなミスをしたり自分にできないことがあったりしても「大丈夫、次はうまくできる」、「自分には〇〇はできないけれど、私には他にいいところがたくさんある」と肯定的に考える傾向があります。何かができるできないにかかわらず、揺るぎない自信と安定感をもっており、積極的に物事に取り組めます。その反対に、自己肯定感が低い人は自分に自信が持てず、不安や恐れを感じやすい傾向があります。小さなミスにひどく落ち込んだり、自分が人からどのように見られているかが気になることが多いようです。
自己肯定感の基礎は幼少期に形成されますが、「自己肯定感は幼少期に形作られるから、私はもうそれを身につけることはできないんだ」と思わないでください。自己肯定感は、他者とのサポーティブな関り(友好的な関係)を続けることにより身につけ、育てることができます。また、自己肯定感は自分を大切にすることで育てることができます。初めのうちは「自分を大切にする」という感覚がよくわからないかもしれません。しかし、わからないならわからないままに「私はあなたが大切だよ」、「私はあなたが大好きだよ」と自分に語りかけ続けましょう。自分の身体にそっと触れていたわってあげましょう。あなたが語りかけるその声は、必ずあなた自身に届いています。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]
深瀬 砂織(ふかせ・さおり)
東京都出身。臨床心理士でシニア産業カウンセラー、2級キャリア・コンサルティング技能士、キャリアコンサルタントの資格を持つ。企業の研修講師、職場環境の改善提案、経営者、人事労務担当者へのアドバイス、大学、自治体での講演など全国各地で精力的に活動している。
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