cat_oa-rp33971_issue_9918c24ad2ab oa-rp33971_0_9918c24ad2ab_上海蟹料理の種類は目下日本髄一!東京・日本橋「蟹王府」でラグジュアリーに上海蟹を味わう 9918c24ad2ab 9918c24ad2ab 上海蟹料理の種類は目下日本髄一!東京・日本橋「蟹王府」でラグジュアリーに上海蟹を味わう oa-rp33971

上海蟹料理の種類は目下日本髄一!東京・日本橋「蟹王府」でラグジュアリーに上海蟹を味わう

2020年12月21日 19:17 80C[ハオチー]

中国料理の秋冬の風物詩として食卓を彩る上海蟹。その専門店となる「蟹王府(シェワンフ)」が2020年12月12日(土)、東京・日本橋にオープンした。

場所は「三井二号館」の1階。「マンダリン オリエンタル 東京」の裏手、日銀通りに面した東京の一等地に、約330㎡、90席の客席という贅沢な空間が広がる。

「蟹王府」外観(店舗提供)
同店は上海の南京東路を本店とする「成隆行蟹王府」の日本店。中国国内では上海に5店舗を構えており、以前より日本人観光客にも人気の上海蟹専門店として知られる。

同ブランドの海外出店は日本が初。訪れて実感したのは、上海蟹をはじめとする食材、料理はもちろん、各種ドリンク、立地、内装に至るまで、贅を尽くしたレストランを目指しているということだ。

蘇州の刺繍をあしらったラグジュアリーな個室

店内に入ってまず目に飛び込むのは、カウンターと一体化した、天井まであるコの字型のワインセラー。目線の高さにはグラン・クリュのワインがずらりと並び、関心のある方なら上から下まで眺めてしまうことだろう。

調度品も見事だ。個室の壁一面に施された蘭や菊の刺繍は、各部屋の名前にちなんだもの。これらは蘇州の刺繍作家に特注しており、額装された刺繍作品も随所に飾られている。

4室の個室はすべて連結可能。なかでもソファを備えた個室は、中国の接待に使われる場を彷彿とさせる。全体的に、クラシックな雰囲気の上海本店よりもラグジュアリーで、より上質なイメージだ。

個室「菊」。左側には、蘇州の刺繍作家に依頼したという壁一面の刺繍が。店内に飾られた、額装された刺繍も見事だ。

月曜と木曜の週二便!太湖の自社養殖場より空輸で日本へ

料理の要となる上海蟹は、江蘇省と浙江省にまたがる太湖の自社専用養殖場で育てられたもののみを使用している。

その養殖場は、蟹が十分に身体を動かせる十分な広さを保ち、湖底を砂状に整えているというこだわりよう。どういうことかというと、湖底に砂が溜まっていると蟹が歩きにくくなることから、運動量が増え、丈夫でたくましい蟹に育つのだとか。

上海蟹料理は通年提供。活けの鮮度が求められる蒸し蟹のみ、8月から翌3月くらいまでの提供となる。
配送は月曜日と木曜日の週二回、生きたまま航空便で空輸されており、雌は150g以上、雄は200g以上を厳選。季節によっては250g以上が揃い、ちょうど今の時期はパンパンに詰まった雄蟹が食べごろになる。なお、上海蟹を蒸し蟹として提供する時期は、夏から翌3月くらいまでと他店よりも長めだ。

上海蟹料理のラインナップは目下日本随一!

気になる上海蟹料理は、定番の蒸し蟹はもちろん、上海の本店で名物となっている王府蟹醤(日本店料理名:特製氷結蟹味噌)や、蟹王府冰霜蟹(蟹王府特製氷結蟹)清炒蟹粉(蟹肉炒め ポーピン添え)などに加えて、上海蟹料理の定番である豆腐の蟹肉煮込み(蟹黄豆腐)や、板春雨の蟹味噌煮込み(蟹膏銀皮)などよりどりみどり。

特製氷結蟹味噌(王府蟹醤:手前)は、̠̠̠マイナス40℃で氷結させた上海蟹の味噌を固めた同店名物の冷菜。食感は口溶けのよいアイスクリームのよう。

蟹肉炒め ポーピン添え(清炒蟹粉)。ポーピン、とあるのは薄餅のこと。クリスピーに焼かれた生地の中に、蟹味噌で炒めた蟹肉を詰めていただく。

まるでソフトクリームのような!

蟹は剥いてもらえます。もちろん、蒸したて熱々を自分で開き、バキッと割って熱々の味噌や蟹膏をすするのもよし。脚だけ剥くのをお願いするという手もアリ。

南蘇名物 夫婦蟹味噌ソースかけご飯(禿黄油撈飯)。上海蟹が内包する油と味噌、コクのある卵、まったりとした精巣、それらすべて混ざり合ったものをごはんの上へ。うう…(無言)。※写真はコースの1品。
その他、極太で艶やかなフカヒレの金糸と上海蟹の味噌、蟹肉を炒めた贅沢なひと皿もあれば、蟹味噌入り小籠包などの軽食メニューもあり、上海蟹料理の幅は目下日本随一。

メニューは中国の高級店同様、分厚い写真集のような装丁になっていて、眺めるだけでも楽しい気持ちになれる。

グランドメニューは必見。中国の高級店で手にするような写真集スタイルです。

ランチセットから5万コースまでよりどりみどり

「でも、上海蟹って高いんでしょう…」と怯むことなかれ。材料が高価で、それにふさわしい内装の店であるだけに高級店であることに間違いはないが、手が届かない店ではない。

現在のところ、ランチは4価格帯を用意しており、最も手軽なセットは2,800円(前菜、蟹肉入り小籠包、蟹肉入り担々麺、デザート)。

3,800円はフカヒレと蟹肉のかけご飯または和え麺、4,800円はナマコの焼き葱煮こみかけご飯というラインナップで、ランチスペシャルコースは15,000円(上海蟹の姿蒸しを含む8皿)。ナマコがランチセットで用意されているなんて、なかなかだと思う方もいらっしゃるだろう。この煮込みソースが、実にごはんに合うのだ。※すべて消費税・サービス料10%別。

蟹肉入り焼き小籠包。単品で追加もできる。
一方、ディナーコースは25,000円、35,000円、50,000円の3価格帯。内容はその日の仕入れや季節によって変更があるが、最も高いコース「蟹尊」をご紹介すると、九種類の冷菜、南蘇名物夫婦蟹味噌ソースかけご飯、蟹爪と燕の巣入り燕皮雲呑蟹味噌酸辣スープ、吉品干し鮑と北海道干しナマコの煮込み、上海蟹の姿蒸し(雄または雌)、蟹味噌入りフカヒレの姿煮、潮州式和牛の煮浸し、蟹肉炒めポーピン添え、旬の野菜、蟹肉入り小籠包または蟹肉入り焼き小籠包、特選デザート2種類という品書きだ。

もし、過去の上海旅行でイマイチの上海蟹コースを食べてがっかりしたことがある方なら、海外に行けない今、ここで上海蟹コースに行く選択肢はありかもしれない。

蒸し蟹もいいが、個人的には多彩な上海蟹料理に刮目せよ!と言いたい。
また、上海蟹を食べ慣れている方ならば、アラカルトから食べたい料理だけを選ぶのもおすすめ。例えば、同店の高い調理技術を感じられるメニューとして、蟹爪入り燕皮ワンタンの蟹味噌酸辣スープ(酸湯蝤蠓餛飩)がある。

これは叩いた豚肉の上にでんぷん質をまぶし、薄い皮状にした生地(燕皮)で、蛋白かつしっかりとした食感がある上海蟹の爪肉を包んだスープ料理。燕皮はもちろん、蟹味噌の鮮やかな色彩とコクを持ちながら、口中をキリッと爽やかにしてくれる胡椒ベースの酸辣味は、なかなか日本では味わえない。

蟹爪入り燕皮ワンタンの蟹味噌酸辣スープ(酸湯蝤蠓餛飩)。技術力の高さに唸る一品。通好みだと思う。
聞けば、オープン時の厨房のスタッフ7人は全員中国の店舗から選別された料理人が来日。現在、厨房で陣頭指揮を執るのは、上海のレストラン5店舗を取り仕切る張志文(ちょう しぶん)総料理長だ。

張料理長は広東省出身。この日は皆の前で調理プレゼンテーションをしてくださった。
来日されたのは11月半ば。そこから日本の調味料や食材(上海蟹を除く)を使って、納得のいく味わいを出すのは容易ではなかったそうだが、結果的に日本の調味料を使うことで、日本の風土や日本人の舌にも合い、ここに長く暮らす在日中国人も納得する味になるように思えた。なにより、洗練と力強さを備えた上海蟹料理だった。

上海蟹が初めての人も、食べ慣れた人も、それぞれに楽しみ方が見出せそうな「蟹王府(シェワンフ)」。私なら、二度目はアラカルト狙い撃ち、季節が変わればスペシャリテが続々楽しめるコースで行きたいかと。


蟹王府(シェワンフ)
住所:東京都中央区日本橋室町2-1-1 三井二号館1階(MAP

TEL:03-6665-0958

営業時間:11:00-15:00、17:00-23:00

日曜不定休

個室の利用:ランチは食事代1名15,000円以上合計金額60.000円~、ディナーは1名25.000円以上合計金額100.000円~

★公式サイト


TEXT&PHOTO サトタカ(佐藤貴子)

外部リンク

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魯肉飯&雞絲飯LOVE!台中出身の夫婦が営む、三鷹「台灣味弁当」

2020年12月11日 10:34 80C[ハオチー]

2020年、80C(ハオチー)Twitterでもタイムラインを賑わせたトピックのひとつと言える、魯肉飯(ルーローハン)。街に台湾の小吃店、タピオカドリンク店、魯肉飯専門店が増え、コンビニエンスストアの棚にも姿を現すようになり、魯肉飯との距離がグンと縮まった一年と言えましょう。

その勢いは、多くの人々で賑わう商業圏だけにあらず。三鷹の閑静な住宅街にも静かに届いていたのでした。

チラ見えの花布を見過ごすな!住宅街の小さな売店

店は、台中出身のご夫婦が営む「台灣味弁当」。来日以降ずっとこの界隈に暮らし、2020年5月に開店。当面はテイクアウトのみの営業です。

ささやかな看板に「台灣味弁当」。昼のみの営業です。
さりげなく飾られた花布が、年季の入った建物の白壁に映えます。看板は目立たぬ存在ながらも、この鮮やかな模様で、台湾好きの目には、台湾にまつわる何らかのスポットであることがわかりますね。

「台灣味弁当」外観。
扉を引き店内へ入ると、大きな看板が立てかけてあります。メニュー上の「台味弁当」の4文字の印象が強いからか、ネット情報やマップの登録などでは、これを読んだ「タイウェイ弁当」が店名の通称になりつつあるようです。

通常提供メニューは2種類。

土曜、日曜の限定メニューも。
メニューはシンプル。魯肉飯(ルーローハン)、雞絲飯(ジースーハン)の2品。土日にはそれぞれ限定料理が加わります。

料理は注文を受けてから卵を焼き、できたてを容器へ。大同電鍋、雑貨、お菓子、缶ドリンクが並ぶ物販コーナーを見ながらできあがりを待ちましょう。

店内には物販コーナーもあります。
この日は魯肉飯、雞絲飯、お供のライチビールを購入。バスに乗って三鷹駅まで移動したところで、穏やかで心地よい晴天だし足を伸ばそうか、と予定変更。2つの弁当とビールを携え「風の散歩道」をてくてく、井の頭公園でいただきます!

台湾風味の決め手は油蔥酥(ヨウツォンスー)

中身の見分けは、蓋に記載。カタカナ表記が並ぶとなんだか可愛らしいですね。

料理名は容器に手書き。
そしていよいよ、蓋をオープン!いい香りがフワッとたちのぼり、思わず食欲がさらに増してしまいます。

魯肉飯

雞絲飯
八角の香りを感じた時点で既に独特の心地よさを得られるのですが、さらに「台湾を旅するように」魯肉飯や雞絲飯を楽しめるポイントが潜んでいます。それは…

油蔥酥(紅蔥酥とも)。写真は、池袋友誼商店で購入したものです。
油蔥酥(ヨウツォンスー)、フライドエシャロットです。魯肉を煮込むときや鶏をゆでるとき、雞絲のかけダレなどに油蔥酥を使うと、豊かなコクと香りが与えられるのです。ぜひ油蔥酥からも台湾風情を感じながら、魯肉飯や雞絲飯を味わってみてください。

油蔥酥。そのままだとサクサクとした食感。

混ぜることでおいしさ倍増!

また、店主さんから弁当を渡されるときにもひと言添えられますが、食べるときのポイントがひとつ。

たまごを割って、肉も野菜もごはんも、全体をしっかり混ぜてください!

同店おすすめのおいしい食べ方がコチラ。
目玉焼きの黄身を割ってみると、トロトロ。これを随所に絡ませるようにしっかり混ぜ合わせましょう。しっかり煮込まれた魯肉も、濃厚なタレがかかった雞絲も、まろやかな口当たりになります。

魯肉飯の卵を割ると、とろ~り。

雞絲飯も、卵がそそる!
物販コーナーで見つけた台湾啤酒ブランドのライチビールも進んでしまいますね。

台湾で人気のフルーツビール。こちらはライチ味。
もしかすると「三鷹かぁ、なかなか行かないなぁ〜」と思いがちかもしれません。が、三鷹駅は東京メトロ東西線で一本(一部)。吉祥寺からなら、東急裏の大正通をまっすぐ歩いて20分程度!となると、そんなに遠くもないかと思える場所に!?

コロナ禍、未だ再び気軽に台湾へ旅立てない今、旅する気分でちょこっと足を伸ばしてみるのもよいかもしれません。


台灣味弁当
住所:東京都武蔵野市西久保3-9-15(MAP)

TEL:0422-52-0884

営業時間:11:30-14:00(売り切れ次第終了)

※当面テイクアウトのみの営業です。

定休日:火曜日


text & photo :アイチー(愛吃)

『中華地方菜研究会〜旅するように中華を食べ歩こう』主宰。日本の中華のなかでも、中国人シェフが腕を振るい、郷土の味が味わえる“現地系”に精通。『ハーバー・ビジネス・オンライン』でも執筆中。

外部リンク

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『ミシュランガイド東京 2021』中華料理店 掲載店リスト

2020年12月8日 12:52 80C[ハオチー]

中華料理店の掲載は27店舗!

店選びのひとつの指標である『ミシュランガイド』。今年で14年目となる『ミシュランガイド東京 2021』は、2020年12月10日(木)の発売です。

セレクションが発表されたのは12月7日(月)14時~。今年はYouTubeによるリアルタイム配信で、例年より多くの方が目されたのではないでしょうか。


38種類の料理カテゴリーより選ばれたのは、446軒の飲食店・レストラン(宿泊施設34軒を加えると全480軒)。中華料理店の掲載は、2016年版は19店舗、2017年版は21店舗、2018~2020年版は26店舗でしたが、最新の2021年版は27店舗となりました。さっそく掲載店をご紹介していきましょう。

※()内は所在区/最寄り駅です。

※新たに加わった店はNEWマークをつけています。

[三つ星★★★]中華で初の三つ星!世界で130店舗の名誉に輝く

茶禅華(さぜんか)(港区/広尾)
三つ星の定義は「そのために旅行する価値のある卓越した料理」を出しているレストラン。なんと今年、日本初にして日本唯一の中華の三つ星が誕生しました。

「茶禅華」は〈和魂漢才〉が料理のコンセプト。吟味された食材を生かした旬のコース、アルコールや茶を用いたドリンクペアリング、広尾の一軒家という上質な空間およびロケーションと、三拍子揃ったファインダイニングです。

料理はもちろんのこと、最高のタイミングで、今ここで提供できるベストなおいしさを召し上がってほしい。そんな意思をも感じるスタッフのチームワークこそ、この店の強さであり魅力。訪れるたびに比類のないものだと感じます。

「茶禅華」の雲白肉(コースの一品)
ミシュランガイド・インターナショナルディレクターのグウェンダル・プレネック氏は、新三つ星の誕生について「世界のセレクション発表でも毎年起こることではありません。料理技術の高さ、卓越性、美食への情熱を備えており、新三つ星として発表できることを本当に嬉しく思います」とコメントを発表。

2020年はミシュランのみならず、NHK総合『プロフェッショナル 仕事の流儀』や『Asia’s 50 Best Restaurants』へ引き続きエントリーされるなど、より開かれた場でその名を見かけることとなった「茶禅華」。名実ともに、日本が誇る中国料理店のひとつであることは間違いありません。

[二つ星★★]は、存在せず!

二つ星の定義は「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理」を出しているレストラン。

今年は「茶禅華」が二つ星から三つ星になり、田町から紀尾井町に移転した「御田町 桃の木」は「赤坂 桃の木」となり一つ星となったため、中華では二つ星が空席となりました。

なお、二つ星に掲載されたレストランは全カテゴリ合わせて42店舗。そのうち新しく加わったのは2店舗です。

[一つ星★]スタイルも料理も異なる11店舗

一つ星の定義は「近くに訪れたら行く価値のある優れた料理」を出している店。選出されたのは以下のレストランです。

慈華(いつか)(港区/外苑前)NEW

ShinoiS(シノワ)(港区/白金高輪)NEW

Series(シリーズ)(港区/六本木)NEW

赤坂 桃の木(千代田区/永田町)

銀座 やまの辺 江戸中華(中央区/銀座)

私厨房 勇(ユン)(港区/白金高輪)

センス(中央区/三越前)

中国飯店 琥珀宮(千代田区/東京)

中国飯店 富麗華(港区/麻布十番)

ミモザ(中央区/三越前)

厲家菜 銀座(中央区/銀座)
2021年の一つ星は11店舗。昨年の8店舗より3店舗増え、にぎやかな顔ぶれとなりました。新しく加わったのは、2019年冬~2020年春に開業した店。80Cでもたびたび紹介してきた実力派・篠原裕幸オーナーシェフの「ShinoiS」、少量多皿スタイルの「Series」、「麻布長江香福筳」が移転および名称を変更してオープンした「慈華」です。

「ShinoiS」の春巻(コースの一品)

「慈華」の鶏料理(コースの一品)
1つ星に選ばれたレストランはスタイルも料理も異なりますが、以下のように分類できそうです。

①ゆったりとした個室があり、接待や会食などの場に適するレストラン

中国清代宮廷料理「厲家菜 銀座」、中国飯店グループの最高峰「富麗華」、円熟味のあるエレガントな料理「赤坂 桃の木」

②落ち着いて楽しめる、ホテルの中華料理店

マンダリンオリエンタル東京 37階「センス」、パレスホテル東京「琥珀宮」

③カウンターを中心とした、センスあふれるオーナーシェフ店

山野辺劇場ライブスタイル「やまの辺」、東京カウンター中華を牽引した「勇」、静謐・精緻で気品ある「ShinoiS」

④フロア席を中心とした、洗練された料理が楽しめるレストラン

イノベーティブで力強い「慈華」、少量多皿スタイル「Series」、上海料理をベースした「ミモザ」

特筆すべきは、11店舗中、コースのみ提供している店が7店舗(「厲家菜 銀座」「赤坂 桃の木」「やまの辺」「勇」「ShinoiS」「慈華」「Series」)で、半分以上を占めているということ。

また、1つ星には中国飯店グループの「富麗華」「琥珀宮」の2店舗が選出されています。いずれの店も日本人が「これぞ中華」と思える料理を出していますね。

ガイド全体では、一つ星に掲載されたレストランは158店舗。そのうち新しく加わったのは18店舗となりました。

[ビブグルマン]老若男女誘いやすい!中華の楽しさにあふれた15店舗

ビブグルマンの定義は「価格以上の満足が得られる料理」を出している店。ミシュランガイド東京2021では「良質な食材で丁寧に仕上げており、6,000円以下で楽しめる店」が選出されています(もちろん利用金額は個人差があります)。掲載されたのは以下の店です。

仙ノ孫(杉並区/西荻窪)NEW

胡同 三㐂(フートンさんき)(世田谷区/千歳船橋)NEW

O2(江東区/清澄白河)

ENGINE(新宿区/神楽坂)

錦福 香港美食(千代田区/九段下)

くろさわ東京菜(大田区/大森)

jeeten(ジーテン)(渋谷区/代々木上原)

中華香彩 JASMINE(ジャスミン)(渋谷区/広尾・恵比寿)

中華銘菜 圳陽(せんよう)(中野区/東高円寺)

中国菜 膳楽房(新宿区/神楽坂)

中国菜 智林(新宿区/神楽坂)

なかの中華!Sai(中野区/中野)

豊栄(文京区/茗荷谷)

中国四川料理 梅香(新宿区/神楽坂)

遊猿(新宿区/四谷三丁目)
今年新たに加わったのは、東京の若手中華料理人の親分的存在、早田哲也オーナーシェフの店「仙ノ孫」と、三代続く中華料理人の家系である、大城昌宏オーナーシェフの店「胡同 三㐂」。

「仙ノ孫」の麺料理

「胡同三㐂」の獅子頭
全体では、ビブグルマンに掲載されたレストランは234店舗。そのうち新しく加わったのは35店舗となりました。

『ミシュランガイド東京 2021』まとめ

今年は、日本人が「中華を食べたい!」という気分のときに、その期待を裏切らない店がラインナップされていた印象です。

そのなかで、断トツの注目点は「茶禅華」の三つ星。中華のセレクションが決して多くない中で、世界にたった130店舗しかない三つ星に輝いたのは本当に誇らしいことだと思います。

そして例年通り、一つ星がかなりバラエティに富んでいました。掲載をお断りしている店もあるので、なんともいえないものの「なぜあの店が選ばれないのか?」という疑問も。

昨今は中国人オーナー&料理人の店も増えてきており、これから東京の中国料理店に、より専門性と多様性が出てくることが予測されます。今後ミシュランがその分野をどう見ていくか、気になるところですね。


text & photo 佐藤貴子(サトタカ)

外部リンク

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ようこそ素顔の香港へ!横浜生麦「Maggie’s Kitchen(マギーズキッチン)」で秘密のショートトリップ

2020年11月30日 23:57 80C[ハオチー]

横浜の生麦(なまむぎ)と聞いてピンとくる方はいらっしゃるでしょうか。恐らくは、歴史の教科書で見たことがあるか、キリンのビール工場見学か。その生麦駅の近くに、一見ちょっとしたカフェに見えて、本気の香港料理が楽しめる「Maggie’s Kitchen(マギーズキッチン)」があります。

欧文の看板。

店舗外観。

香港生まれのマダムが作る、手作りの母の味。

オーナーのマギーさんは、香港生まれのマダム。以前はアメリカに住んでいたそうで、生麦に店を開いたのは「2019年の6月ごろ」だそう。香港人の口にあう中華料理の店が日本になく、横浜中華街で唯一のお気に入りも閉店。自分で店を出した理由もそんなところにあるようです。

オーナーのマギーさん。
ここで楽しめるのは、香港の軽食や家庭料理。例えばランチで出てくるのはこんな料理。干炒牛河と例湯、金木犀のゼリーという組み合わせです。

干炒牛河。
干炒牛河は幅広のライスヌードル・河粉(ホーファン)を炒めたもので、広東省や香港で見られる料理。時代は清朝末期から民国初期、広州の沙河鎮(現在は天河という広州市の中心地)の「義和居」で生まれたと言われています。

現地では飲茶が楽しめる店をはじめ、家庭料理としても親しまれていますが、これが横浜中華街で食べられる店となると「楽園」か「菜香新館」、ときたま「南粤美食」といったところ。しかし、日本人はめったに注文しない料理とあって、注文してもたっぷり待たされる上、絶滅危惧種に近い存在かもしれません。

口にすると、しっかりした色合いとは裏腹に、薄味の中国南方テイスト。特筆しておきたいのは、皿に残る油がほとんどなかったことです。あっさりした炒めもので箸が進むということは、塩味に頼らず、うまみのボリュームが大きいからでしょう。その理由は、次にご紹介するスープにありそうです。

黄金色の油が輝く、フレッシュな鶏のスープに金木犀の香るゼリー。


中華好きであれば、一目見て「あっ」と思うであろう、黄色い鶏の脂が表面に輝く美しい鶏のスープ。

骨付きの鶏肉がゴロッと入って、しっかりと鶏の風味が浸み出ています。ひと口すすって「これはいったい?」と尋ねたところ、「朝8時に店に来て、3時間かけて仕込んでいる」というではないですか。これぞ香港人の魂ともいうべき母の味。スープを飲むと、これは気合いの入った本気のオーナーシェフ店だぞ…!と思わされます。

さらに、添えられた金木犀のゼリーも目を見張るものでした。現地の飲茶のメニューでも時折見かける一品ですが、一見して色が濃いではありませんか。


よく見ると、ごはんに載せるシソの実のように、惜しみなく金木犀の花が入っています。口に運ぶと、甘さは控えめで金木犀の香りが口いっぱいに。大満足のランチです。

ストリートフードの王様!咖喱魚蛋(カレーフィッシュボール)。

そんなこだわりの味を出すマギーさんですが、香港の味を知らない日本人が多いからか、食べてほしいと思っていた料理にあまり注文が入らず、開店当時のおすすめメニューで引っ込めてしまったものが多々あるとか。例えば牛ハチノス。牛モツの煮込みは香港や広東省でおやつやおつまみによく見かけますが、日本ではあまり見られません。

そんな中、メニューの中で静かな存在感を放っていたのがこちら。

香港カレーフィッシュボール。メニューの下の方に宝物はこっそりと。
「カレーフィッシュボールって知ってる?これも日本で作るのが大変で、時間かかったけどようやくできるようになったの。メニューの写真に載っている大根は、味がぶれるから入れたり入れなかったり。今日は屋台スタイルで串にしてみたわ」

口にすれば、そんな東洋・西洋・インドが混ざる香港のマルチエスニックを体現するかのような味わい。日本人や大陸の人がつくると、ちょっとさじ加減が違ってしまう、骨太なのに角の丸い雰囲気。それを日本の材料でさらりと再現されていて、食べながらちょっとした香港旅行になってきます。

手作りパンに手作り月餅。喫茶メニューを持ち帰って“家で香港”も!

さらには店内でパンを焼いているというのも驚きのひとつ。不定期ではありますが「3時くらいにパンを焼いているの」とマギーさんがオーブンから取り出したのは、ベーコンエピとウインナーを巻いたパン。これも日本でよく見るものとはちょっぴり表情が違って、どことなく軟らかそうなビジュアルです。

3時頃に焼き上がる手作りパン。提供は不定期なのでご留意ください。
「日本で香港の味を出すのは、調味料も混ぜて混ぜて大変。材料費高いけど、マーガリンは美味しくないからバターを使っているの」

また、冷蔵ケースには手作りのお菓子が入っており、お持ち帰りもOK。香港といえば頭に浮かぶマンゴープリンもちゃんとあります。レジ横には手作りの月餅も。

この日はチョコレートプリン、イチゴプリン、マンゴープリンのラインナップ。

甘さ控えめが嬉しい。
「よく混ぜて飲んでくださいね」と出されたコーヒーは、練乳が下に沈んだ香港スタイル。そうそう、この肩の力が抜けた味がほかの場所と違う、香港の風味なんだよなと思いながらいただきました。

スプーンで下の方をすくうと、練乳が。
雰囲気を味わう香港カフェではなく、味に相当なこだわりがある「Maggie’s Kitchen(マギーズキッチン)」。中華の醍醐味というべき大人数の会食に、大手を振って行きにくいこのご時世。二人くらいで香港旅行気分を味わえる、秘密の場所を見つけてしまいました。


Maggie’s Kitchen(マギーズキッチン)
住所:神奈川県横浜市鶴見区岸谷1-22-16(MAP)※京浜急行 生麦駅徒歩3分

TEL:045-710-0328

12:00~19:30(料理19:00L.O. ドリンク19:15L.O.)

日祝定休

★ウェブサイト

★twitter


text & photo:ぴーたん

ライフワークのアジア樹林文化の研究の一環として、台湾・中国・ベトナム・マレーシアを回って飲食文化も研究。10数年前の勤務先で、江西省井岡山に片道切符で送り込まれたことを機に、中国料理の魅力に目覚め、会社を辞めて北京に自費留学。帰国後もオーセンティックな中国料理を求めて、横浜をはじめ、アジア各国の華僑と美味しいものについて情報交換をしている。

外部リンク

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池袋のハラール中華「阿麗婭 アリヤ 清真美食 民族風味」で牛の髄と羊湯を味わう

2020年11月14日 09:06 80C[ハオチー]

今や「パスポートなしで行ける中国」としての認知度が高まる、JR池袋駅西口~北口エリア。料理店が林立するなか、鮮やかなブルーの外観とエントランスが一際目をひくハラールレストランがあります。「阿麗婭 アリヤ 清真美食 民族風味(阿丽娅 清真美食 民族风味)」です。


まるで中国の回族街(イスラム街)を旅するような風情に魅かれ、これまで数回利用していたのですが、来ていたのはいつも数名連れ立って、夜に。「そういえばランチタイムに行ったことがないぞ」とふと思い立ち、近くの友誼商店や陽光城で買い物を済ませたあとに訪ねてみました。


メニューを開くと、青椒肉絲・炒飯・麻婆豆腐など、馴染みのある料理とともに、充実のハラールメニューがズラリと並びます。

メニューは表裏でわかりやすくまとまっています(画像は2つを合わせています)。
筆頭に掲げられているのは、羊スープと面食のセット! 面食(粉もの)は、包子(バオズ:餡入りの饅頭)または火勺(フゥオシャオ:焼き餅)が選べるなか、火勺のセットを選びました。

羊スープ・中華ナンセット(羊湯火勺)*ランチ定食メニューより
白濁した羊のスープは、胃や肝などゴロッと入ったモツの旨味がたっぷり。火勺は3個で、外がサクッとカリッと、内側がモチっとした生地が特徴。中には牛肉餡がみっしり。熱々のうちにかぶりつきましょう。

羊のスープ。内臓たっぷりです。

火勺は3個も。焼きたてがいただけます。

中に牛肉の餡入り。
また、だんだん空気が冷たく感じられるようになると、食べたくなるのが鍋料理。ランチタイムに、ひとりで気軽に羊の鍋を食べられるとは嬉しいですね!

マーラー羊背骨鍋(麻辣羊骨头锅)*ランチ定食メニューより
大きな羊骨の塊がゴロッ。骨に密着した肉も食べごたえがあります。これからの季節、冷えた身体を温めるのにもってこいでしょう。

とろーりふるふる!お酒もすすむ牛の骨髄焼き

なお、ランチ定食だけでなく、グランドメニューからも注文可能。そのうち「オススメ」メニューに目を惹く一品を見つけたので、追加!

牛の骨髄焼き(烤牛骨髓)*オススメメニューより
こちらは牛の骨髄焼き(烤牛骨髓)。骨と髄液の境目を箸でなぞると、型抜きのようにつるんと円形状に取り出せます。

中は白くとろっとろ。(ピンぼけすみません)
髄液のトロットロな脂肪分は濃厚。クミンがアクセントになったスパイシーな味わいです。ホリデーランチなら、お酒がすすむことでしょう。

髄液はつるんと取ることができます。
ランチ定食には、冷菜、煮卵、ごはん、スープ、バナナ、杏仁豆腐など、一部セルフサービス形式でのサービスが含まれるため、ボリュームたっぷり、満腹に! 訪れたときはランチタイムのなかでも遅めの時間帯でしたが、店にいる間、絶えぬ来客で常に賑わっていました。

振り返ると、奇しくも骨料理が集まっていたから、というわけではありませんが、中華的ハラールランチを骨の髄まで味わってみてはいかがでしょうか。


阿麗婭 アリヤ 清真美食 民族風味
住所:東京都豊島区西池袋1-43-3 日精ビル2階

TEL:03-6914-1276

営業時間:11:00-23:00(ランチタイム 平日11:00-15:00 土日祝11:00-14:00)

定休日なし


text & photo :アイチー(愛吃)

中華地方菜研究会〜旅するように中華を食べ歩こう』主宰。日本の中華のなかでも、中国人シェフが腕を振るい、郷土の味が味わえる“現地系”に精通。『ハーバー・ビジネス・オンライン』でも執筆中。

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横浜オールド中華探訪26|蜜汁派?あっさり派?横浜中華街で買うべき叉焼を探せ【後編】

2020年11月8日 21:56 80C[ハオチー]

横浜中華街に行ったら、どこで何を食べればいい? 魂が震える本物の味はどこにある…? 当連載は、横浜で美味を求める読者に向けた横浜中華指南。伝統に培われた横浜の味と文化をご紹介します。◆目指すゴールとコンセプトはコチラ(1回目の連載)をご覧ください。



「叉焼が1本あれば、料理につまみに夢が広がること間違いなし」とご紹介した叉焼指南前編。それを踏まえ、後編では前編でご紹介した蜜汁叉焼の作り方と、炭火焼にこだわる店、そして横浜ならではのあっさり系叉焼をご紹介しましょう。

赤色と水飴はアイデンティティ!「大珍キッチン」に聞く蜜汁叉焼の作り方

香港や広東省でよく見られ、横浜中華街でも買うことができる蜜汁叉焼ですが、いったいどのように作られるのでしょうか。仕込みと焼き方について教えてくれたのは「大珍キッチン」の陸定全さんです。

修行時代は都内の高級ホテルで焼味を担当していた陸さん。店で一度に仕込む量は300kg!
まず、用意する肉は豚肩ロース。仕込みは醤油、酒、芝麻醤、砂糖などをベースにしたタレに、八角、花椒、肉桂(シナモン)などの生薬を入れ、肉を一晩以上漬け込みます。

しっかり肉に下味が染みたら、赤色の食用色素を表面へ。色は風味出しも兼ねて南乳(紅色の腐乳)を使う場合もありますが、なぜわざわざ赤くするのか尋ねてみると「香港の伝統で、色がないと叉焼ははダメ、みたいなところがありますね」と陸さん。

下処理が終わったら、明炉(みんろ)と呼ばれる中華オーブンに入れ、約1時間かけて焼き上げます(上の写真の右奥、銀の筒状のもの)。明炉はガス式と炭式がありますが、ここではガス式。

余熱で火が入ることも鑑みて、1本ずつ大きさの違う肉の焼き加減を調整しながら焼き上げますが、「焼きたては肉の芯の部分にロゼ色がかすかに残るように仕上げるのが大事。全部を綺麗に焼き上げるのは1万回くらい経験が必要」だとか。

焼き上げたら、最後に水飴をたっぷりまぶしてできあがりです。これを見れば、煮豚やローストポークとは全く異なるものだとわかっていただけるのではないでしょうか。

仕込み時間を除き、300kgの叉焼は焼き上げるだけで丸一日かかるそう。(画像提供:大珍キッチン)
なお「大珍キッチン」では、この叉焼を叉焼饅頭にして販売しています。在日香港人からも「香港の味」と、支持を得ているこの一品。叉焼そのものの味からは想像がつかないような複雑な味わいに変化していますので、ぜひ味わってみてください。今後は叉焼の通販も計画しているそうです。

ふかふかの生地に、こっくりとした叉焼餡入り。ぜひ一度お試しを。

昭和二年創業。大通りの老舗「一楽」の叉焼はこだわりの炭火焼!

続いてご紹介するのは老舗の叉焼。「一楽」は横浜中華街全体を盛り上げようと、いつもがんばっている店主・呉さんが笑顔で迎えてくれる店。創業は昭和二年で、横浜中華街の店の中でもとりわけ古い店となります。

ここは筆者にとって、普通の人にはちょっとわかりにくい料理を出す、という点でとっておき。店のFacebookを眺めていると、思わず食べに行きたくなる料理が日々更新されています。

いつ見てもやる気の塊のような「一楽」。
こちらの叉焼は炭火焼を謳っており、大小のサイズが選べます。小さいものはおよそ300g弱で、1本1,500円くらいから販売されているので、買い求めやすいのも美点ですね。

蜜汁叉焼(写真左)。店内なら、焼肉(シウヨッ:クリスピーポーク:写真右)と一緒にいただけます。
筆者がテイクアウトした叉焼は〈半肥痩〉、すなわち脂と赤身がバランスよく入ったタイプ。表面は広東の麹を感じる発酵調味料の風味を感じ、肉は逆にすっきりとした味わいです。これは料理に使うと、さらに実力を発揮しそうな予感。

持ち帰った一楽の叉焼。
この店をすごいと思うのは、筆者が1980年代に食べた記憶そのままの料理を、今でも大事にメニューに載せているところ。景気がよかった日本で、しっかりとした仕事とコストをかけていた時代の雰囲気を色濃く残す、昭和の中華博物館的な存在でもあると感じています。

高齢の両親や親戚を連れて行くなら、きっと「一楽」は期待を裏切らないでしょう。「ずっと食べたかった料理があったわ。懐かしい」と年配者に喜んでもらいたいならぜひ選択肢に。

焼きたての味は格別!特注明炉で備長炭で焼き上げた伊勢佐木町「龍鳳」の叉焼

「一楽」同様、炭火焼の叉焼で語らずにはいられないのがこのお店。横浜中華街からは少し離れて、伊勢佐木町の「龍鳳」です。ここでは香港油麻地の厨房器具店「蔡同盛」で特注した明炉を使い、備長炭で焼き上げた叉焼が食べられます。


宴会の際、事前にお願いしておくと、食べる時間に合わせて焼き上げてくれます。焼きたては中心部に少しロゼ色の残ったジューシーな肉と、表面のパリッとした食感がたまりません。テイクアウトは事前予約の上可能ですが、なんといっても焼きたてのおいしさは格別。できれば店で焼きたてをどうぞ。


なお、横浜中華街では前編でご紹介した「金陵」、後編の「一楽」が炭火焼の叉焼です。鰻の焼き方論争ではないですが、ガスも炭焼きもそれぞれに味わいがあり、どちらかが優れているわけではないので、自分の好みのタイプを見つけてください。

次のページでは、これまでご紹介した蜜汁叉焼とはちょっと違う風味を持つ、あの超老舗の叉焼をご紹介します。

>NEXT:飛ぶように売れていく!超老舗「同發本館」の明炉叉焼

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cat_oa-rp33971_issue_9918c24ad2ab oa-rp33971_0_1c0b97f8b0ba_横浜オールド中華探訪25|家の食卓を格上げ!今、横浜中華街で買うべき叉焼を探せ【前編】 1c0b97f8b0ba 1c0b97f8b0ba 横浜オールド中華探訪25|家の食卓を格上げ!今、横浜中華街で買うべき叉焼を探せ【前編】 oa-rp33971

横浜オールド中華探訪25|家の食卓を格上げ!今、横浜中華街で買うべき叉焼を探せ【前編】

2020年10月31日 21:52 80C[ハオチー]

横浜中華街に行ったら、どこで何を食べればいい? 魂が震える本物の味はどこにある…? 当連載は、横浜で美味を求める読者に向けた横浜中華指南。伝統に培われた横浜の味と文化をご紹介します。◆目指すゴールとコンセプトはコチラ(1回目の連載)をご覧ください。



一見客の閑古鳥が鳴く店もある一方で、常連客に支えられ、今も昔も変わらず丁寧な料理を出す店の客入りが目立つようになった、秋の横浜中華街。

タピオカ店が減って、台湾鶏排の店が増えるなど、街の変化はありますが、常連客がいる店は、環境が変化しても地に足がついているもの。やはりここは、食べることや料理が好きな方がちゃんとおいしい思いをして、楽しんでもらえる街であることに変わりはないと感じています。

さて、そんな店の中から今回ご紹介するのは、お持ち帰りにぴったりの叉焼(チャーシュー)です。

石川町「廣東厨房 鴻」のネギチャーシュー麺。こちらは豚肉の中でも脂の少ない部位で作られる〈痩叉焼〉。
テイクアウトの叉焼の何がいいかって、家の料理のクオリティが数段上がること。炒飯ひとつとっても、ちょい足しするだけで違いは歴然。野菜炒めや土鍋炊きごはんなどに入れれば、ほかにない旨みと香りに気分は爆上げ。

店では脇役的なポジションに留まりがちな叉焼ですが、料理好きにとって、これほど夢のあるテイクアウトは他にありません。


ちなみに筆者のチャーハンのレシピは、中学時代に読んだ『椎名誠のあやしい探検隊』シリーズの中華シェフとして登場する、林さんの作り方が基本。『林さんのチャーハンの秘密』という本も出版されており、冒険やアウトドアに憧れた男子であれば、覚えのある方もいることでしょう。

林さんのレシピは、旅先でもで作れるようにシンプルな材料で特殊な技は一切なし。そんな男の炒飯も、中華街で買ってきた叉焼を入れると印象は激変。本格的なチャーシューは、とても使いやすいうまみ調味料ともいえるのです。

林さん式の炒飯に叉焼をプラス。野菜はネギかレタスがおすすめ。
また、赤色を帯びた叉焼は、煮豚よりも総じて塩分が少ないため、ラーメンに乗せると本来の味そのものは目立たなくなるのですが、叉焼の黄金コンビであるネギと合わせれば格段に存在感を増し、主役に躍り出る勢いに。

ありもののインスタントラーメンさえも、ちょっとしたご馳走に大変身。家族に年配の方がいて、外での食事には抵抗があるという方も、若い家族が横浜中華街で買いものして、家族みんなでお土産を楽しむなんて楽しみ方もありだと思います。

家人からは「わたしの青春の味に対する冒涜」と呼ばれますが、中華街の叉焼があれば、在宅ワークのランチで作るインスタント麺が本格ネギチャーシュー麺に早変わり。
叉焼が1本あれば、料理につまみに夢が広がること間違いなし。まず筆者おすすめのこの店の叉焼からご紹介しましょう。

>NEXT:月餅だけじゃない!老舗の洗練された味「翠香園」の蜜汁叉焼

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cat_oa-rp33971_issue_9918c24ad2ab oa-rp33971_0_a4c77d054b2c_深夜1時まで、アラカルトで軽やかに中華を。「桃仙閣 東京」六本木にオープン a4c77d054b2c a4c77d054b2c 深夜1時まで、アラカルトで軽やかに中華を。「桃仙閣 東京」六本木にオープン oa-rp33971

深夜1時まで、アラカルトで軽やかに中華を。「桃仙閣 東京」六本木にオープン

2020年10月30日 17:35 80C[ハオチー]

気張らずに、ちゃんとした、丁寧につくられた中華が食べたい。そんな気持ちに寄り添う店「桃仙閣 東京」が2020年9月、六本木にオープンした。

場所は六本木の俳優座そば。クローズは深夜1時(日によって短縮営業あり)。
目指すところは、どこか懐かしく、さりげなく上質な味わいをアラカルトで楽しめる店。

最近ではおまかせコースだけ、という店も少なくないが、思えば往年の中華料理店は、メニューを開き、なにを食べようかと目移りするのも喜びのひとつだったものだ。

ちなみに六本木の中華料理店で、アラカルトで楽しめる中華の二大巨頭といえば「中国飯店」と「香妃園」。どちらも老舗で、しっかりとした中華だが、産声を上げたばかりの「桃仙閣 東京」は、アラカルトながら、ほとんどの料理で一皿のボリュームが調整ができ、軽やかな味付けが中心。

昔ながらの中華のように、肩肘張らない楽しみ方ができることに加え、モダンな空間や、料理の提供スタイル、お酒のバリエーションなど、今の東京都心に合わせて進化させており、訪れる人それぞれに、いろんな楽しみ方ができる店となっている。

個室は7室。思い思いにくつろげるシックな空間。

特に今の時代らしいと感じるのは、個室を多く設けているところだ。なんとその数、7室。2人向けに4室、4人向けが3室あり、プライベートな空間を大切にできる。

グレーを基調としたシックな内装。こちらは4人向けの個室。各個内には空気清浄機を備えている。
一方、1~2名ならカウンターもいい。こちらは「ふらりときて、空いていたらラッキー」と思えるいい雰囲気。「お酒を飲みに来ていただくだけでもどうぞ」と店主の林亮治さんがいう通り、ワイン、日本酒目当てもアリ。お好きな方は、相談したらすごい1本が出てくるかもしれない。

カウンターは最大4席。落ち着いた照明で寛げる。※撮影日は3席。

お酒は好みを伝えて出してもらっても吉。

日本で愛される定番中華も、中国を感じる季節の料理も。

メニューをめくると、ちょっとしたつまみにちょうどいい前菜が10品ほど。炒めものや煮ものなどの温かい料理は、エビチリや酢豚、かに玉、ホタテの炒めものなどの日本中華の定番はもちろん、季節によって上海蟹の料理や、カエルの炒めものなども登場し、目に舌に楽しませてくれる。

カエルの唐辛子と花椒の香草炒め

ホタテと黄韮の炒め
前菜は中国各地の伝統的な料理を、現代的な引き算をして仕上げられたものが多く、温かい料理は日本の中華の定番をベースにしつつ、この店らしい、やさしい味わいに着地させている印象。

例えば、鶏モツを四川料理の調味だれ、椒麻(ジャオマー:葱の青い部分と花椒を叩いてペースト状にしたもの)で和えた前菜は、レバー、ハツ、砂肝を湯引きし、ふわりと火の通している点が現代的。椒麻は現地よりやわらかくコクのある風味に仕上げていることで、日本のお酒とも合わせやすくなっている。

鶏の三種内臓湯引き 椒麻味
蒸し鶏は、中国の鶏料理とは異なるしっとりとした風合いであり、キリリと口がすぼまるようなクラゲの甘酢は、どこか懐かしい味わい。

蒸し鶏の葱ソース

クラゲの冷菜
運ばれるて来るなり目を奪われる豚足の醤油煮込みは、スッキリと透明感のある風味が印象的で、店のスペシャリテといえる一品。口の中でふるふるととろける豚足に、マデイラワインを提案するのはこの店のセンスだ。

豚足の醤油煮込み

料理に合わせてドリンクをすすめてもらうのも楽しい。
さらに、ひと目で御馳走とテンションが上がる料理も用意されている。松江近郊の港で水揚げされたナマコをはじめ、海鮮を使った季節の炊き込みごはんは、和食のそれとは違った趣でクセになること必至だ。


使い込んだうつわのように、時を重ねてやわらかさを出せる店に。

ところで「桃仙閣 東京」という店名を見て「“東京”ってことは?」と思った方もいるだろう。実はこちら、本店があるのだ。

その歴史は古く、1967年9月島根県松江市で開業。家族の集いから婚礼まで、半世紀以上親しまれてきた「桃仙閣」だ。別会社となるが「Asia’s 50 Best Restaurants」等で世界のグルマンから注目される、広尾「茶禅華」もまた「桃仙閣」の林亮治オーナーが手掛けていると聞けば、なるほどと思う方もいるかもしれない。

その、満を持しての東京店である。開店前から店のInstagramで進捗を拝見していたが、店が目指すところは、このフレーズに込められているように思う。

「どんな高級なお皿よりも、50年近くつかい慣らされたこの朱色のお皿に温もりを感じてて、価値を感じています。こんな感じに時を重ねて、柔らかさを出せる中華屋さんになれたらという思いもあります。


なので今回あえて、桃仙閣の東京でもちょっと懐かしいデザインの染付けの丼をつくってもらいました。時間が経って、青と白の境界がぼやけて、味わいを感じれるようになりますように」。


桃仙閣 東京

東京都港区六本木4-8-7 六本木嶋田ビルB1F(MAP)※地下鉄六本木駅6出口から徒歩1分。俳優座劇場そば

TEL  080-4343-3946

営業時間 月~金18:00~AM1:00L.O. 土17:00~AM1:00L.O.

日曜定休、月曜不定休、その他定休日あり

Instagram

※サービス料5%。22:00以降入店は10%

※ほとんどのの料理で量の調整が可能

※おまかせコースあり(8,000円)


TEXT & PHOTO サトタカ(佐藤貴子)

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月火限定中華ランチ!アーツ千代田3331に中国家庭料理が登場|神田・末広町「3331 cafe Ubuntu(カフェウブントゥ)」

2020年10月19日 17:40 80C[ハオチー]

ギャラリー、アトリエ、スタジオが集まるアートの拠点であり、追いかけっこに夢中な子供たちの声が響く地域住民の憩いの場でもある、アーツ千代田3331

神田の末広町駅に近く、10年ほど前に旧千代田区立練成中学校を改修して誕生したアートセンターには、さまざまな人たちが集まり、多様な活動で賑わいを見せています。

晴れた日には外や階段で寛ぐ人々の姿も。
そのエントランスに、2020年8月「3331 cafe Ubuntu(カフェ ウブントゥ)」が誕生。

〈コーヒーとサンドイッチで世界を旅するカフェ〉をテーマに、ファラフェル、シャワルマ、テキサスバーベキューポークなど、世界各地の味と季節の野菜を包んだサンドイッチを楽しみながら、緑豊かな空間で寛げます。


これまで「食の旅先」として登場してきたのは、ヨーロッパ、アフリカ、中近東、アメリカ。それに続いて、新たに加わったのがなんと、中国!

といっても、サンドイッチの中華風味のアレンジではありません。我々にとってなじみ深いサンドイッチのように、中国各地の人々に親しまれている料理が登場しているのです。

第一弾は、中国全土に旋風を巻き起こした「黄焖排骨饭:黄燜排骨飯:ファンメンパイグーファン:豚スペアリブと野菜の醤油スープ煮込み)」。

黄焖排骨饭(黄燜排骨飯:ファンメンパイグーファン:豚スペアリブと野菜の醤油スープ煮込み)。ごはん、漬物、香菜がセットに。
腕をふるうのは、お父さまの仕事の影響で山東省煙台市や上海での在住歴がある、程旭さん。本業はアート事業のプロデューサー。これまでに、北京、上海、深圳、重慶などの美術館や大型商業施設などで展示企画などを行った実績をお持ちです。

程旭さん。月火のランチのみ3331のシェフに。黒板メニューも素敵です。
そんな程さん、実は大の料理好きで、仕事仲間に振る舞う料理がいつも大好評。その腕前は、仕事のパートナーとしても付き合いが長かったカフェ店長も太鼓判を押すほど。

レシピは料理上手なご両親から受け継いだ醤油ベースのスープに、スパイスを利かせた程さんオリジナル。現地の風情を感じることができ、かつ、アーツ千代田3331を訪れる老若男女幅広い層の人々が楽しんでもらえるようにと試作を重ね、完成に至ったそうです。


8月24日の初登場の日は、提供数は控えめに1day開催でしたが、好評のうちに終了。その後、月に1~2度の開催を予定し、2度目の9月7日はカフェオープンから1ヶ月を迎えた頃。店内で焼き上げるベーカリーの本格始動を進めるなか、少人数での運営でもこの企画を続けられるようカフェスタッフと調整され、

ここで中国の地方料理を通して未体験の味に出合い、普段と異なる食文化を楽しんでもらいたい。そして、次は何が出てくるのだろう、というワクワク感を提供できる場でありたい

と、中国地方菜のスペシャルランチが、毎週月曜~火曜の定期開催へ昇格したのです。

月火限定!10月の中国家庭料理は、黄焖排骨饭と土锅油面筋饭。

中国家庭料理定期化初の10月は、隔週で2つの料理が交替で登場。ひとつは、前出の「黄焖排骨饭(黄燜排骨飯:ファンメンパイグーファン:豚スペアリブと野菜の醤油スープ煮込み)」。

料理名にも含まれる焖(燜:メン)の字の通り、テーブルに運ばれるのはグツグツ熱々の土鍋。目の前で店員さんが蓋を外すと、じっくり煮込まれ、鍋の中で踊るスペアリブや野菜がお目見え。同時にスパイスの穏やかな香りがふんわりと広がります。

黄焖排骨饭(黄燜排骨飯:ファンメンパイグーファン:豚スペアリブと野菜の醤油スープ煮込み)
使用する野菜は、程さんの生活拠点である神奈川県三浦半島産の新鮮野菜。そのつながりが縁で、時々カフェでも直売マーケットが開かれることもあるそうです。

もうひとつ、中国地方菜スペシャルランチの第二弾として新たに登場したのは、程さんにゆかりのある上海から「土锅油面筋饭(土鍋油面筋飯:トゥグゥォヨウミェンジンファン:肉詰めボール揚げ麩の白胡椒スープ煮込み」。揚げ麩に最小限の穴を開け、そこからコツコツ丁寧に肉餡を詰めてゆく、手間のかかった料理です。

土锅油面筋饭(土鍋油面筋飯):トゥグゥォヨウミェンジンファン:肉詰めボール揚げ麩の白胡椒スープ煮込み
きのこ、春雨、厚揚げなどが、ガツンとしっかり胡椒を効かせたスープで煮込まれています。胡椒の刺激がじわじわクセになり、気がつくと箸もスプーンも握ったまま、スルスル食べ続けてしまっていました。

アートセンターのカフェとして、こだわりと今後の展開は?

つい食べることに夢中になってしまうのは、料理はもちろんのこと、器やテーブルなど、食周辺の素材に細部にまでこだわり抜いて選ばれたものを使っているところ。さすがはデザインのプロが手掛けるカフェです。

例えば、料理をのせたアルミトレイは、ちょっとした仕掛けを施してあることで特有のカツカツッと鳴りがちな音を吸収し、シンプルでクールな表情を見せながらもどこか温かみや懐かしさを感じさせてくれます。そうしていつの間にか寛いで、モグモグ夢中で頬張ってしまうのです。


気になる中国地方菜スペシャルランチ、「次の料理はもうお決まりなのですか?」と尋ねたところ、中国各地、東西南北にわたり、さまざまな地方の料理でプランを描いている模様。さらに提供形態については、ランチに加え、スペシャルディナーやケータリングなども計画しているのだそうです。

今や日本でも、中国地方菜を楽しめる場はディープなエリアばかりでないのだ、という新機軸。アーツ千代田3331の入居アーティスト、近隣住民、さらにSNSを通じて、より多くの人々へと伝え広まる今後の展開も、目が離せません。

※料理名のカタカナ表記は80C(ハオチー)の表記ルールに準じています。


3331 café Ubuntu(カフェ ウブントゥ)

住所:東京都千代田区外神田6-11-14 アーツ千代田 3331 SUITE105(MAP)

TEL:03-5846-0533

営業時間:11:00-19:00

★程さんが腕を振るう中国地方菜スペシャルランチは、月火11:30-15:00の提供となります。


text & photo :アイチー(愛吃)

『中華地方菜研究会〜旅するように中華を食べ歩こう』主宰。日本の中華のなかでも、中国人シェフが腕を振るい、郷土の味が味わえる“現地系”に精通。『ハーバー・ビジネス・オンライン』でも執筆中。

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cat_oa-rp33971_issue_9918c24ad2ab oa-rp33971_0_c466b0b34bf3_台湾便當に三杯鶏!花ニラも紅糟肉もある日暮里駅前の台湾料理店「京の華 別亭」 c466b0b34bf3 c466b0b34bf3 台湾便當に三杯鶏!花ニラも紅糟肉もある日暮里駅前の台湾料理店「京の華 別亭」 oa-rp33971

台湾便當に三杯鶏!花ニラも紅糟肉もある日暮里駅前の台湾料理店「京の華 別亭」

2020年10月1日 23:44 80C[ハオチー]

駅前中華三ツ巴!日暮里「京の華」包囲網拡大中

読みようによっては和風で風雅な店名とは裏腹に、黄色に赤の明朝体でがっつり中華な店「京の華」をご存じだろうか。現在、このグループが日暮里駅を取り囲むように、じわりと店舗を増やしている。

昼から通し営業で、遅めのランチもいけるし、居酒屋的にも使える「京の華」。
1店舗目は日暮里駅東口からすぐ。大きな面台でバン!バン!と職人が麺を打つ姿が見えるこの店では、蘭州拉麺が流行るずっと前から手打拉麺が名物。焼き小籠包も人気がある。

おすすめはスープ麺ではなく和え麺。写真は冷やし担担麺だ。粗削りでワイルドな味。

人気の焼き小籠包。皮はしっかり目。食べていたら、マンガのように人の顔に肉汁を飛ばしてしまったことがある。
2店舗目は日暮里駅西口を出て「夕焼けだんだん」の入口にある「谷中の華」。「深圳」の跡地にあり、週末のみの営業だ。3店舗目は「京の華」の隣にある「千の華」。魯肉飯と麺線の店だが、残念ながら現在は休業状態。

そして4店舗目である。なんとここが「馬賊 日暮里店」の真上。もともと「京の華」は「馬賊」と同様、麺台前がガラス張りで手打拉麺がウリの店。それだけに「まさかここにまで…!?」と思った地元住民は少なくあるまい。

老舗で点心工場も擁する「又一順」(左)、昼夜大人気の「馬賊」(右)、そして新顔の「京の華別亭」(右上)。日暮里駅前は中華三つ巴状態。
しかし安心してほしい。満を持してオープンしたこの店は、がっつり台湾料理を食べさせてくれる店だった。

台湾便當を買って電車に乗ればリアル駅弁!

まず店に入って目に留まるのは、twitterでもご紹介した台湾便當のラインナップだ。アルミの弁当箱には、毎年夏に台湾東部を走るSLのイベント列車「仲夏寶島號」の文字。持ち帰り用は木製の容器にはなるが、ここで便當を買って電車に乗ればリアル駅弁!とテンションが上がる。

仲夏寶島號の文字が眩しい。

台湾鉄道排骨便當(1,080円 税別)。卓上の黒酢や辣醤などで味変も楽しめる。写真はランチのもの。
ちなみに日暮里駅は京成スカイライナーの停車駅で、成田まで37分という速さ。今はまだ難しいが、やろうと思えば〈台湾に行く前に車内で台湾便當を食べる〉なんてこともできてしまう。

台湾鉄道鶏排便當(980円 税別)ほか3種類のラインナップ。入口を開けたらこのトリオが目に飛び込む。

三杯鶏に炸紅糟肉♪台湾の人気料理が目白押し!

厨房で鍋を振るのは台湾出身の料理人さん(とても日本語が上手)。メニューには三杯鶏(サンベイジー:鶏とバジルの炒め煮:写真)や、蚵仔煎(オアジェン:カキのオムレツ)をはじめ、台湾好きなら「あーこれこれ!」という料理がずらりと並ぶ。

三杯鶏(鶏肉とバジルの三杯ソース炒め)1,480円(税別)目の前でパッとフタを開けたときの香りは格別!
つまみにぴったりの炸紅糟肉(ザーホンザオロウ:紅糟漬けの揚げ豚)は、豚肉にしっかりと馴染んだ紅糟(ホンザオ)の風味がたまらない。

炸紅糟肉(紅糟豚バラ揚げ)880円(税別)。
花ニラをたっぷり使った松花蒼蝿頭(ソンファツァンイントウ:花ニラ・ピータン・豚挽肉のピリ辛炒め)は、ごはん派もお酒派も目尻を下げる一皿。

松花蒼蝿頭(花ニラとピータン豚挽肉のピリ辛炒め)1,280円(税別)
ニラよりも甘くやさしい風味の花ニラに、コクとふくよかさを増すピータン、豚挽肉が一体となった炒めものを口に入れたら、ある人は白飯を夢中で掻き込み、ある人はぐびーっと飲み干したくなるだろう。ピータンは前菜の冷たいものしか食べたことがない、という方にも、この温かいピータン料理はぜひ試してほしい。

あるとつい頼んでしまう、という方も少なくない魯肉飯(ルーローハン)は、脂控えめで肉汁じゅわり。ちょっとだけ汁物がほしいときは、一口台湾担仔麺一口台湾担仔米粉がやさしく口を癒し、腹を温めてくれる。

魯肉飯(ルーローハン)780円(税別)。スープつき。ランチでも食べられる。

ルーローハンとセットのスープと同じ1人前サイズなので、するするっといける。
店の看板は春先からついていたものの、新型コロナ前の影響もあり、店のお姉さん曰く「6月に店を開け始めるようになった」という「京の華 別亭」。9月に2度ほど訪れてみたが、まだ比較的空いているようだ。

台湾への想いを募らせている方は、日暮里駅前でサクッと台湾成分を補給に、ぜひ2階への階段を上がってみてほしい。

日暮里駅のロータリーを望む明るい空間。テレサテンもいます(右の壁)。


京の華 別亭

東京都荒川区西日暮里2-18-2 イトウビル2F(MAP)

TEL 03-5615-2247

営業時間 当面は昼11:00~15:00 17:00~22:00(L.O.21:30)※ショップカードの営業時間(23:30まで)と異なるのでご注意ください。

日曜定休


TEXT & PHOTO サトタカ(佐藤貴子)

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