Quad View(クアッド・ビュー)とは?
クラリオンの新型カーナビ「NXV987D」は、わたし達が知っているカーナビとは2つの点が異なる。
なによりもまず、9型の大きなディスプレイ(表示部:横199mm×縦112mm)が、4つの画面に分かれている。
・ナビ領域
・オーディオ領域
・アプリ領域(グーグル検索/天気など)
・ツール領域(時計/通話など)
という4機能が、1画面に同時表示されるのだ。それだけではない。
その4画面の配置を指先で好きなように入れ替えられ、サイズも調整できてしまう。
4画面の入替え、拡大縮小が自在
◇使いたい画面、1番近くに
例えばオーディオを操作したいとき、「オーディオ領域」が助手席側(画面の左上)にあっても、簡単に引き寄せることができる。
「オーディオ領域」に指をあて、ドライバー側(右側)に払う。これだけだ。スワイプした始点と終点の領域が入れ替わり、操作したい画面を手元に配置することができる。
もちろん、戻すことも簡単。オーディオの操作を終えて、ナビ領域を手元に配置したいなら、ドライバー側(右上)の「オーディオ領域」を助手席側(左側)に払うだけ。
オーディオ領域が左上に戻り、ナビ領域がドライバー側(右側)に戻ってくる。
◇ナビを大きく表示したい
画面のサイズを調整したいなら、4画面の境界線が交差するクロスポイントを指先で動かそう。
指先でクロスポイントをドラッグしていけば、ナビ領域が大きくなり、残りの3画面が小さくなる。もちろんナビ領域を全面表示するなんてこともできる。
注目は、画面の2/3ほどまでナビ領域を広げると、およそ7型相当(約6.7型)のサイズになること。4画面表示(クアッド・ビュー)を維持しながら、ナビとして十分なサイズにできるのだ。9型ディスプレイという大画面を採用したメリットである。
次世代のヒューマン・インターフェイスを思わせるNXV987Dのクアッド・ビューだが、このカーナビが本領を発揮するのは、ここから。「Door to Door ナビゲーション」は、是非知っておきたい次世代機能である。
Door to Door ナビゲーション 実体験
◇自宅のドアから、目的地のドアまで
NXV987Dが新搭載する「Door to Door ナビゲーション」は、目的地設定をスマホで完了できる。自宅のドアを開ける前に操作できるのだ。
さらに、ドライブの目的地の駐車場に到着したあとは、最終目的地のドアまでスマホが徒歩ルートを案内。それ以外にも、クラリオン独自のクラウド連携による様々なサービスを利用できるのでご覧いただこう。
◇出発前にできること
1. スマホの地図アプリ(誰もが使い慣れたGoogle Mapsのプラットフォーム)で、目的地を検索する。今回はファストフード店を探した。
2. 目的地周辺の駐車場が複数表示されて「満空情報(ナビタイムの情報)」を確認できる。使いたい駐車場を選択し、「ここに行く」を選べば完了。ここまでは自宅のドアを開ける前に実行できてしまう。
◇クルマに乗ったあと 満空情報/音声認識
3. クルマをパワーオンにすると、ナビに目的地が自動連携され、即ルート案内が開始される(ここまでナビを触っていない)。
クラリオン独自のクラウド連携を利用すれば、行き先のクチコミ情報を見たり、スマホでStreet Viewを確認できるのも本機の特徴だ。
目的地についてみたら駐車場が満車なんていう失敗も、クラウドが回避してくれる。目的の駐車場へ近づいた時点で満車の場合には、NXV987Dが他のパーキングを提案してくれるのだ。
また、ドライブ中に喉が渇いたときには音声認識機能「Intelligent VOICE®」を使ってみよう。マイク・ボタンを押し、「コンビニ・アイコンを表示して!」と声に出せば、その言葉をNXV987Dは聞き逃さない。
ナビ領域の地図上にコンビニのアイコンが反映されるのだ。
「コンビニ・アイコン消して!」と言えば非表示に。音声認識には、Googleのプラットフォームが用いられるので、認識レベルは高い。国内カーナビ・メーカーのなかでも指折りのスムーズな反応である。
◇目的地到着 徒歩ルート、スマホに
4. クルマが目的地の駐車場に到着すると、今度はスマホに「徒歩ナビを開始します」が表示されるので「OK」を押そう。
5. 駐車場からファストフード店までの徒歩ルートがスマホに表示される。クルマを降りてからの道案内をしてくれるのだ。これがDoor to Door(ドア・ツゥ・ドア)と名付けられた所以。
6. ファストフード店で食事後、スマホを覗けば駐車場へ戻る徒歩ルートが表示。広大なパーキングを利用したときに、愛車を見失った経験がある方、これならもう迷わないだろう。
◇クラウドとエンターテインメント、ナビを変える
ある機能のためだけに存在してきたデバイスが、ある日を境に色々なことができるようになる。それがクラウド化の面白い所。
そのクラウド化に、早くから取り組んできたクラリオンは、クルマとスマホをつなげ、ドライバーと新鮮な情報を結び、目的地のドアまでシームレスに案内するDoor to Door ナビゲーションを実現した。
そして4画面をシームレスに調整できるクアッド・ビューの採用。さらには「フルデジタルサウンドシステム」へのデジタル接続にも対応するなど、クラリオンならではのエンタメ機能も充実させた。
カーナビという製品は成熟期に入って久しいが、クラリオンのNXV987Dは、新しモノ好きのココロを捉える新味にあふれている。きっと新鮮なドライブを提供してくれるだろう。
なお、AUTOCAR JAPANでご覧の方は、「すべての画像をみる」から、外部メディアの方は、記事下の「『クラリオンに驚いた 新カーナビNXV987D』すべての画像をみる」から、ほかの画像をお楽しみいただける。